素晴らしいとは決して言えないこの世界に祝福をいやマジで   作:おーり

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評価付くのなんか早くね?
一話目だけじゃ続けるべきかどうかわからないだろうなー、と思って指標になるかわからないけど二話目を更新しに来たらこのありさまよ

ちょっと待ってろ、今wiki読んで来っから



明日もハナマル元気印っ

 

 剣と魔法で魔物と戦う異世界において、特に危険視されている『怪物』が存在する。

 機動要塞デストロイヤーと呼ばれる『それ』は、巨大建造物のない異世界では根本的な恐怖の象徴としても特に有名であり、無分別に大地を均して征くその様に抗えようのない絶望を、見上げる者たち総てへと与えていた。

 

 そんな要塞の真上に、烏丸は居た。

 

「……え、何ココ」

 

 襲い来るゴーレムの群れ。

 叩き潰されるゴーレムの群れ。

 無造作にとりあえず命大事にを選択し、自分が使える何かを使い回して生き延びてみたところ、改めて己のスペックに小首を傾げる烏丸が居た。

 

「……可笑しいな。俺は確か、特典としてほんと使えないモノを選んだはずなのに……」

 

 自分でも使えないと評価する、その使い潰しっぷりを聞いたら、かの女神さまはさめざめと泣いていたであろう。

 じゃあなんであんな脅すように持って逝った!? と。

 

「というか、接近戦久しぶりだわ。いや、好き好んでやりたいわけじゃないけどね、むしろ魔法が使えないのか。発動体が無いし」

 

 其処へ襲い来る生き残りのゴーレム。

 頭部を掴まえて軽く捩じる仕草をすれば、そのまま大地へと突っ伏すゴーレム。

 群れでこそあれ、一対一がそれぞれに適応されてしまっては数で攻める意味が為せないらしい。

 

「スタンドも出てくる気配は無し。そういえば女神さま、なんか著作権とか言ってたし、まあわかるわ」

 

 独り言ちつつ、己の白髪頭をコリコリと掻く。

 

「じゃあなんで『言葉遣い(スタイル)』が使えるんだよ」

 

 舌を出す。

 彼自身の目には見えないが、『言』の文字が歪に浮かんでいた。

 

 そうこうしているうちに殴りかかってくるゴーレムの攻撃を『食らい』、千切り取られた腕を吐き出して再度掴み掛る。

 捻じ伏せる。捩じ伏せる。螺子伏せる。

 

 とりあえず、動く物がなくなるまで対処し続け、機動要塞デストロイヤーはその日のうちに瓦礫に代わった。

 

 

 

  ▽   ▽   ▽

 

 

 

 というか、赤子スタートじゃないのか、むしろ転生っつうより転位だな。

 動く物はとりあえずもうないかな、と確認し、フェイスレス張りに分解し切った巨大ロボっぽいゴーレム系モンスターの核?みたいな綺麗な宝石を奪取して、さて異世界だ。と再出発を果たす。

 いや、チートは貰う気は特になかったけど、改めて自分でも思う。

 『体言遣い』マジぱねぇ。

 

 共振と共感を旨とする『言葉遣い(スタイル)』において、俺の此れは異質としか言いようがない。

 『言葉遣い』の特徴として、怒っている(話を聞かない)相手には利かないという弱点が本来存在するはずなのに、『体言遣い』は自分の中で完結するから相手が聴かなくても関係ない、行動に移してしまえば結果に代わる。

 現実には遮るものが何某か存在するはずなのに、それらの一切を無視してコマンド通りに結果が出せる。

 例えるならば『右方のフィアンマ』。

 まあ共感しないという利点は同時に弱点でもあるけれど。

 ぶっちゃけ、同じ言葉遣い同士だとお互いに効果がなくなる。

 向こうの言い分が利かない代わりに、こちらの言い分だって通せないことになる。

 あれだな、言彦の下位互換か。

 流石に破壊の不可逆性を備えるようなぶっ飛んだ性能は発揮できないけど、突き抜けていない分だけ矮小である人の身なればこそのキャパシティで以て使い回せるという余裕がある。

 とりあえず、近接戦では大抵負けはない。

 

 と、ここまで己の性能を解析してみたけど、たぶん派生技能だから使えるままなんだな。

 『スタンド』や『ATフィールド』は有名所が備えているモノだから駄目だとしても、『体言遣い』だけだと自分で作っちゃった代物だから持ってこれる、みたいなことか?

 詳しくはわからんが、使えちゃったのだからしょうがない。

 ガチャ回すまでこれで行こう。

 見てる分には多分豪く遣る瀬無い話になるであろうけど。

 

「さて気を取り直して。それでは荷物かーくにーん」

 

 恰好は麻帆良の詰襟。中にグレイのパーカー。

 似合わないので胸襟を開けて、上条さん張りのラフスタイルで。

 大丈夫、あのひとロシアの極寒でもこんな恰好で生きてたから。

 異世界でも奇異の目で見られることはない。たぶん。

 

 所持品。スマホ無し。財布無し。食糧無し。戦利品が幾つか。

 持てる分だけ持とう。幸いにも、着ていた学生服には四次元ポケット程度の収納術式が補填されていたから、それこそゲームみたいに道具が持てる。

 というか、食糧無しが地味にきつい。

 近隣の町はどれくらいの距離か。食わずに何処までいけるかな。

 

「餓死しない程度だといいなぁ……」

 

 そんなことを呟きつつ、手ごろな瓦礫(ゴーレムから千切り取った腕)を直立に立てて、倒れた方向を見る。

 よし、あっち行ってみよう。

 

 

 

 あ? ガチャ?

 こんな必要な場面で必要なものが出てくるほど都合のいいものじゃねーでしょ?

 

 

 

  ▽   ▽   ▽

 

 

 

 NARUTO張りに木々の間を縫って飛んで往く移動方法で距離を稼ぐこと、数時間後。

 なんとか人里を発見したよヤッター! まあ人気(ひとけ)を嗅覚で探って修正していたのも効果あったのだろーけど。流石に棒倒しだけで定めた方向だけじゃ無理だったわ。

 道中陸地を跋扈する蟹坊主みたいな巨大蟹を潰してつまみ食いしたり、巨大なウシガエルが人を呑む様を幾つか見てきたが、アレが女神さまの言ってた『モンスターに食べられる』とかいう末路か、と合掌しておいたからたぶん平気だ。

 命の領分は己だけのモノ、身内でもない者に手を出す事勿れ、が俺の信条です。

 さてそんなことよりも、遠目に見えるは城壁に囲まれた町並みで、入り口には鎧を着た兵士が見張っているというテンプレ系ファンタジー。

 やっぱ入場税とか取られるのかな。

 あ、一文無しだやべぇ。

 とにかく話しかけてみようか。すいませーん。

 

「む、なんだ坊主」

「こちらに『ここは○×の町だよ!』とか元気に説明するだけのお仕事とかってないですか?」

「いきなり何言いだしてんだお前!?」

 

 おっと、気持ちが逸った。

 

「間違えました。仕事を探して田舎から出てきたんですけど、やっぱり入場税とか取られるのですかね?」

「あ、ああ、田舎者か。日雇いでも良いんなら冒険者ギルドへ行きな、税とかは別に取らんから安心しろ」

 

 わぁ、ぬるい警備。

 詐欺師が侵入し放題だね!

 

 一廉の不安を抱く警備員に道を聞きつつ、ギルドとやらへと足を運ぶ。

 その最中、

 

「もぉやだぁー! お風呂! お風呂入りたいぃぃー!」

「風呂屋は高いから駄目だ! つかお前自分で水出せるだろ!?」

 

 ……あれ? なんか見たことある女の人がジャージの男子と歩いてるんだけど……?

 なんでこの世界にいるの、あのひと?

 




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