素晴らしいとは決して言えないこの世界に祝福をいやマジで 作:おーり
ギルドへ食材を提供したのが幸いしたのか、皿洗いの最中に田舎から出てきたばかりで文無しであることを小話のネタにしていたことが良かったのか、本来かかる登録料1,000エリスとやらは免除してもらった。
差し出された冒険者カード、というRPGならば違和感はないが、中世ヨーロッパ的世界観で推し進めようというならばストライクエア張りに『似合う』という言葉をかっ飛ばすスマホサイズの薄いカードを差し出される。
それに触れることで登録は済ませられるらしい。
オーバーテクノロジーな気がしてならないのだが、この世界ってSFだったん?
「はい、これで登録完了です。年齢・身長・体重はご自分でどうぞ。では、ようこそアクセルの街へ……、――って、ぇぇぇえええええええええええ!?」
微笑み差し出してきたカードへと、お姉さんがちらり視線を落としたところで、何か禄でもない情報でも載っていたのか絶叫が響く。
テンプレってことだろ? 転生者のお約束、ってね。
「どうかしました?」
「ぅえ!? え、ええ~っとぉ~……、ど、どうぞ、お納めください……っ!」
……なんか、声が震えてるんですけど。
怪訝に思いつつ、其処に示されている情報を読む。
◆◇◆
Name:イソラ カラスマ
Experience:80,256,478
Level:82
Status:対処困難
筋力:そこそこ
生命力:ほうわ
知力:じゅんたく
魔力:かじょう
器用度:おおざっぱ
敏捷性:るぱん
幸運:なし
Skill:帝釈廻天
【重力術式。あいてはしぬ】
:ドラゴンドライブ
【騎乗術式。自我の薄い大型モンスターを支配可能】
:ゲプラーメギド
【放射術式。直線20キロを薙ぎ払う】
:召喚術式
【ハチリュウ・セルシウス・クタァトとの契約が継続中】
:ガチャ
【女神アクアの祝福。代償はノットプライスレス。応相談】
:第四波動 ←new!
【エネルギーを吸収して放出する必殺技】
Skill Point:820
Job:
Sub:
Note:機動要塞を単機で殲滅できるお人を『魔王』以外に表せません。ごめんなさい
◆◇◆
謝られた……!?
え、中に誰かいるの?
カードをひっくり返し裏や横から覗いたりして、この薄さに入り込めるのは妖精さんくらいしか思いつかない、と怪訝な顔になるのも自覚する。
「えーと、どうすればいいんです?」
「ひぃ……! い、いのちばかりはお助けを……!」
さておき、先行きが不明瞭なので尋ねてみたのだが、お姉さんは怯えるようにその場で土下座を始めていた。
この世界にも土下座文化あるんやね……、ってそうじゃなくて。
……、あ、いや、でも目の前で純朴そうな少年が実は魔王でした、とか情報出てきたら、そりゃあ焦るか。
酒の席で聞いたが、なんでもこの世界の魔王とは普通にラスボスに当たるらしい。
女神さまも転生の際に、魔王軍強すぎて転生者が追い付かないマジルナティック、みたいな愚痴を語っていた覚えがあるような無いような。
なお、討伐が成功すると転生者は願い事をひとつだけ叶えてもらえるらしい。
それにしても、従える者が居ないのに王の職に就けられるとは、どういうイジメだ。
▽ ▽ ▽
第四波動はガチャの景品かねぇ。
さておき、改めて思うが。
俺のスキルが悉く使えねぇ……!
いや、実力としては過分なのだけど、使えば周囲を更地にするようなモノをどう扱えと。
物理的に使い物にならないスキルだらけな状態では、ぶっちゃけ全面的に詰んでいるとしか言いようがないわけである。
職業補正、というモノがこの世界の人民には誂えられるらしい。
それは某RPGの山間の神殿へ赴いて替えられる程ではなく、結構その場でも転職できるというカスタム仕様で、それらを選別することによってそれぞれの成長が促されるのだとか。
そんなわけで、【
伸びしろが良さそうであったし、何より直接戦闘に赴かなくても言い訳が使えそう。
え? ゲームみたいにヒト狩り行けと?
やだよめんどくさい。
それに俺は元々近接戦士じゃないしー。
などと画面の向こうのお友達に心の中で葛藤という名の言い訳を行っていた俺は、その合間に受付のお姉さんから教えてもらった町の道具屋へと足を運んでいた。
何せ根本的に金がない。
とりあえずこの世界で最初に討伐した巨大ゴーレムの核っぽい宝石でも売って宿代にでも替えようかと、丁度良さげな道具屋を紹介してもらった次第だ。
名を『ウィズ魔法道具店』。
受付での軽い目利きの結果、コロナタイトというなんとも銭臭い原子結合表記名の宝石を一目見て、件の店の東の方向に見たことあるようなないような外見の隠れ巨乳店主(隠れてない)は悲鳴を上げていた。
「ひ、ひぃぃぃぃっ!? 活性状態直前のコロナタイトじゃないですかぁぁぁぁ!? なんでそんな危険物を堂々と持ち込みますか貴方はぁぁああああああ!?」
……佐々木さん?(空耳。
某まき絵さんによく似た気がする声音のお姉さんを尻目に、なんだか恐れられている宝石をお手玉で弄びつつ問いかけてみる。
「で、これを不活性状態?にするのにいくら出せます?」
「いやああああ!? やめてやめて投げないで遊ばないで!? そんなものが此処で爆発したら、わ、私のお店が原因だとか言われたら益々客足が遠のいちゃいますううううう!?」
そっちかーい。
▽ ▽ ▽
ところで俺のスキル欄にスタイルについて触れられてないのだが、これはあれか、スタイルはスキルじゃないというめだかボックス方式が採用されてるのか。
まあそんな話はさておいて。
なんだか無駄に有り余っているスキルポイントを新スキル取得のために割り振ってみよう、と宿の一室で悩んでみる。
たぶんだが、今まで使った覚えがないからこんなに貯め込まれているんじゃないかな、レベルも過分ぽいし。
改めて、ステータスちぇーっく。
◆◇◆
Job:
道具の制作、または術式の付与を行える。
器用さに適性があれば尚良し。大雑把な場合『品質鑑定』に不安がられるが、すべては集中がモノを言うのでゴリ押しすべし。
取得可能スキル
薬種製作
:ポーションの類を採取素材から調合可能。必要スキルポイント20
魔法具製作
:魔法効果を帯びた道具の製作が可能。必要スキルポイント30
魔法武器製作
:魔剣・聖剣を筆頭にした攻撃用の装備製作が可能。必要スキルポイント40
魔法生物製作
:ホムンクルスや人工精霊を製作する土壌を造る。必要スキルポイント50
拠点製作
:細工施術用の拠点を造り調整できる。必要スキルポイント100
契約術式
:自作品の取り扱いに関して不平等な契約を履行されないための保険が備えられる。必要スキルポイント10
Sub:
一騎当千の反逆者。それをはずすなんてとんでもない!
部下が居ない? 作りなさい。
支配地がない? 開拓しなさい。
地に蔓延る王を平定し、天に聳える神を引き摺り下ろし、星辰の果てより来る支配者へ立ち向かうべき者。すべての魔王は未だ渦中。汝もまた迎合する事勿れ。
取得可能スキル
魔王軍制作
:部下の勧誘や契約などを執り行うのに機能させれば必要経費から最大8割までの値引きが可能。必要スキルポイント10
魔王軍狂奔
:支配下にあるモノたちを新選組(末期)以上に駆り立てることが出来る。必要スキルポイント5
領地開拓
:他人の支配地に対してより強力に効果を発揮できる。具体的には領地の旨みの簒奪を無条件で執り行えるようになる。必要スキルポイント50
隷属術式
:自分より下のレベルの者に対して発動できる。必要スキルポイント20
洗脳術式
:自分より下のレベルの者に対して発動できる。必要スキルポイント20
勢力簒奪
:自分より下のレベルの者に対して発動できる。必要スキルポイント40
◆◇◆
下半分いらネ。
なんだかスキルカードさんが俺のことを積極的に魔王に仕立てようとしている節があるのだが無視するとして。
職業としては必要なスキルポイントは250ってところか。
よーし、とりあえず使っちゃうぞー。作っちゃうぞー。
そんでウィズさんのところに持って行って高値で売ろう。
~某魔道具屋の店主が聖●蓮に似てるってェ?
きっと気のせい
CVが堀江さんぽいのも気のせいダヨー。何言ってるんだかこの若白髪は(白目
書き出したは良いがやる気のなさが文から滲み出る…!
近世稀に見る投げっぱなしの作品になりつつあるゾ