GV
ガンヴォルト。略してじーぶい。かつての世界の、ヴァーリのコードネーム。かつてシアン(現・兵藤一誠)を助けたことを切っ掛けに大きな運命の輪が動きだすこととなった雷の能力者。かつての世界では世界そのものへの雷撃能力の強さや、チームメンバーのサポートを受けながらの電撃作戦を主としていたことから『最強の能力者』と称されていた。
だが、そんな彼は彼女と共に命の灯を失ってしまった。かつて最強と恐れられた蒼き雷霆は、後悔と懺悔に生きる哀れな少年でしかなくなった。
蒼き雷霆
アームドブルー。かつて第七波動(セブンス)と呼ばれた体内から電気を放電し、また体内の電子を操る力。彼らの存在した世界においては電子機器が非常に発達した世界であったため機器類への干渉の影響力の大きさや、体内の電子を操ることで自身の肉体を電子に変換してあらゆる攻撃を回避する電磁結界(カゲロウ)のみならず、生体電流を活性化させることで身体能力にも作用させる力も持っていたことから『最強の第七波動』と呼ばれていた。
果たして現在の世界においては、超常の力の多さや身体能力を強化する術がポピュラーに存在することから、電磁結界を除いてはごく一般的な電気を操る神器として扱われている。名前も一誠にヴァーリのかつての名を隠蔽するため『白き雷装』(ブランシュ・エクレール)という名で呼ばれている。
また、GV(ヴァーリ)がこの力とは別に発現した『白龍皇の光翼』とは電気の「分散していく性質」と光翼の「力を分断する能力」の相性が致命的に悪い。さらに蒼き雷霆が通常の神器とは違いGVの因子に起因する能力であるため、外的要因がなくてはこの力を封印することができない。現状白龍皇の光翼と蒼き雷霆は同時に発動させなくてはならず、常時はヴァーリが白龍皇である事実を隠蔽するために白龍皇の力を封印、隔離していた。
彼の放つ電気によって周囲に蒼白い羽根状の雷が飛ぶことがあるため、彼は時々天使と誤認されることがあるらしい。
蒼の彼方
あおのかなた。あるいはEtarnal Blue。一誠がネット歌手のシアンとして動画投稿を始めた際のデビュー曲。とはいってもこの曲はかつての世界でシアン(モルフォ)が謡っていたものなので、いかなるルートかこの曲が現在の世界で存在していることを知ったヴァーリはこの世界にシアンが存在することを確信させた曲ともなっている。
現在某動画投稿サイト再生数26万再生。
アシモフ
アイザック・アシモフ。アメリカの作家兼科学者。手掛ける作品は主にロボットを用いたもので、『ロボット三原則』はアシモフを知らずともロボット関連のメディアに多方面へ姿を見せる為、知っているという者も少なくない。
ヴァーリは自らの偽名に彼のファミリーネームを使用しているが、直接の引用はアイザック・アシモフに起因するものではないらしい。
……銃の腕を持つ人間と、只人は決して手を取り合えないのだろうか。
ヴォルティックチェーン
蒼き雷霆の力を使った必殺技。超範囲に放雷のチェーンを張り巡らせて放電するというもの。火力・攻撃範囲ともに見事の一言に尽きるが、その分消費が非常に激しく、使いどころが限られてしまう。
お湯みたいなコーヒー
分量が正しくないせいでほとんどお湯に近いコーヒー。感覚としては柑橘類の風味のする水とか、そういう部類。
霧時計
きりどけい。かつての世界でバーチャルアイドルモルフォが謡っていた曲の一つ。
電子の揺精
サイバーディーヴァ。シアン(兵藤一誠)の持つ第七波動と呼ばれる力。彼女の持つ因子が歌声を通して第七波動能力者、あるいは神器保有者の精神に干渉する精神感応能力。一誠の精神自体にも感応しているためか、この第七波動自体が彼女の理想や本音を具現化させた少女『モルフォ』のカタチをとる。
この能力は能力者の精神と密接な関係にあり、シアン=モルフォと波長が合った者に謡いかける。かつての世界では性質が極めて近しい蒼き雷霆の第七波動と感応し、GVをパワーアップさせる現象が多く見受けられた。
また、この能力による歌声を聞いた能力者はパワーアップの有無に関係なく特殊な干渉波を検出され、これをソナーとして使用していたという経歴もある。
現在の世界では一誠が誰かと戦う機会に恵まれていないため他者を強化させたことはない。しかし彼女が所有する『赤龍帝の籠手』の「段階的に力を倍加し続ける」という特性に非常に噛み合っており、「籠手の強化能力の質そのものを強化する」ことで、短時間で強引に人間が堕天使を圧倒する段階にまでパワーアップを果たした。
シアン
兵藤一誠のかつての世界での名前。電子の揺精の力を利用されていたところをGV(かつてのヴァーリ)に救われたことで、束の間の幸せを享受していた少女。だが彼女もまた、恋した少年と共に放たれた凶弾によって倒れ――
現在の世界では一誠の動画投稿者としてのハンドルネーム。わざわざ過去の自分の名前を選んだ理由は特にないと本人は思っているが、この名前はきっと、この世界にいるとも思わない『彼』に「わたしは幸せだよ」と伝えるための名前なのかもしれない。
その名前が、彼を苦しめるとも知らずに。
スタンドマイク
学校や大規模な会場で、集会や講演会、ライブを行ったりなどに使われることがある。利点としては、長時間マイクロホンを手で持つ必要がなく、手を体の前に置いて話すことができる。また、ライブではギターを用いての歌唱においてマイクスタンドは欠かせない。 (Wiki〇edia:マイクスタンドより引用)
もしくは赤龍帝の籠手のこと。
第七波動
セブンス。奇特な者はそのままだいななはどうと称することもある。かつての世界に存在した、超能力現象の総称。そのため、神器の起こす力もかつての世界の基準に当てはめると第七波動に該当する。当時の波動エネルギー研究における特殊な第七波形を有した人間だけが発現していた能力であることがその名称の由来。
また、どういう理由か第七波動の生み出すエネルギー波形は神器のエネルギーと非常に似通っており、神器を所有する者は第七波動エネルギーによって外界に姿を現すモルフォの姿を視認できる。
現在の世界では(一誠とヴァーリのみが意識していることだが)神器との区別のために暫定的に「特殊な第七波形因子に由来する力を第七波動」、「魂と密接にリンクしている力を神器」としている。
曹操
そうそう。かつての三国志の英雄と同じ名を持つ人物。一人であてもなく放浪していた時に紫藤イリナという人物の父親に拾われ、紫藤家の一員として彼の仕事を手伝って暮らしている。だが本人の強い希望で書類上紫藤家の養子となっているわけではないらしく、苗字は不明である。
幼少期の一誠にとっては身近な年上の男性であり、紫藤家が海外に引っ越した今もなお兄と呼べる存在。
ソングオブディーヴァ
モルフォの歌による感応、パワーアップ現象のこと。共鳴による強化現象にこぎつけるにはモルフォの波長との合致が必要だが、その分謡いかけた対象に比類なき力を与えることができる。
避雷針
ダートリーダー。ヴァーリの銃から放たれる特殊な弾頭。その正体は彼の髪の毛に特殊なコーティングを施したもの。硬質化させた髪の毛でしかないため、弾頭それ自体の威力は大したものではないが、ヴァーリの体内から発生する雷撃を誘導させる性質を持つ。この性質は着弾させた避雷針の数が増えるごとに強い誘導を発揮するため、たくさん当てたほうがお得。ちなみに口径さえ合致していれば小石やワイヤーを射出することもできるらしい。
なお、ヴァーリはこの特殊な弾頭を発射する銃の調整のために日夜メンテナンスに追われている。オーバーホールもできるらしい。
建御雷
たけみかづち。ヴァーリが『白龍皇の光翼』の力を隔離・隠蔽するための宝剣。かつての世界の宝剣は補助として用いられた完全な人工品を除き、由緒正しい刀や呪術的アーティファクトを最先端技術で加工したものである。
しかしこの宝剣は前大戦のどさくさに紛れてとある陣営が獲得した雷と剣の神の因子を最先端技術によって作られた刀に施す、という真逆の手順を経ることで完成している。
倒錯者(とうさくしゃ)
危険な者のこと。
生かしてはおけない。
宝剣
ほうけん。かつての世界に存在した第七波動の誘因子を隔離管理し、私生活で過度な能力を使わないための『足枷』。第七波動と神器の相性の悪さに苦心していたヴァーリはかつての世界の技術である宝剣に着目。第七波動ではなく、自身が白龍皇であることを隠蔽するため、神器の力を隔離・隠蔽するアイテムを考案し、用いている。これによりヴァーリは電撃の力を生前通り十二分に発揮することができる。
だが、愛銃のメンテナンス程度ならこなせど、機械開発を得意としているわけでもないヴァーリがどのようにして神器の力を隔離するアイテムを作成したかは不明である。
メガネ
視力が悪く、よくものが見えない人の手助けとなるアイテム。最近ではコンタクトレンズにその役割を手渡しつつあり、もっぱら変装やオシャレとしての用途の面が強くなっている。
余談だが、メガネをかけた人がとても好きというフェチズムも存在しているが、残念ながらヴァーリのメガネ姿はコンタクトに劣る。
モルフォ
電子の揺精の力によって具現化した兵藤一誠の理想とする彼女の本音。性格は大人しく、引っ込み思案な一誠とは対極を為すように自由奔放。
かつては本体であるシアンが囚われていたため、能力者をあぶりだすソナーとして国民的バーチャルアイドル活動を行っていた。ちなみに当時は企業という枠を超えた存在であり、新曲はソッコーDLが合言葉になるほど人気だった。
悪魔の世界という環境に身を投じた彼女の不安を反映するかのように、今の彼女は少しピリピリと警戒心を露わにすることがある。
きっと、心底から落ち着ける心のよりどころさえあれば彼女もかつての自由な少女に戻るだろう。
ライトニングスフィア
蒼き雷霆によって放たれる必殺技の一つ。周囲に雷玉を発生させて広範囲を薙ぎ払う、巻き込む力に優れた攻撃。
吾輩は猫である
わがはいはねこである。夏目漱石の長編小説にして処女作。英語教師の飼い猫『吾輩』の視点から飼い主一家や教師の門下生や友人の人間模様を描く不朽の名作。
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ」という冒頭の文はあまりにも有名。