白き鋼鉄のX発売決定ですね。
アキュラくんとかRoRoちゃんとか色々気になるものもありますが、それよりも今は目の前の蒼き雷霆ガンヴォルトオフィシャルアートワークスです。
買おうね!
side
Váli
魔法陣を潜り抜ける。転移の魔法を利用して召喚者と邂逅する為。いつもの光景だ。
だが、その先の光景はあまり見覚えのない光景だった。
「これは」
「あら? あれれぇ? これはこれはもしや、悪魔くんではあぁりませんかぁ?」
血染めの死体と血染めの神父。一見すると日常から掛け離れた光景を神父という者の常識的から掛け離れた要素がセットになって同居していた。
『
即ち、ボクら悪魔の天敵。
「何故殺した。人間はボク達悪魔の契約者である以前に、お前達の同族だろう」
「はぁ~? 悪魔なんかを呼び出すヤツと悪魔をブチ殺す俺様達を一緒にしてくれちゃ困るんですけど。ていうか、悪魔の分際でなーに
「勧告をしているつもりはないよ。ただ悪魔と関わっているのなら人間だろうと殺すのかと聞いているだけだ」
「おーいえあはぁん? それブッ殺確定っしょ。信仰心のない人間は、神に代わってオシオキよってなぁ!」
そう言うと神父は会話を切り上げてボクに銃弾を放つ。
「光か!」
「御明察ゥ! テメェらクソッタレ悪魔を殺す最強で最凶の武器だよ死ね死ねくたばれ!!」
神父は正確に、的確に人間にも悪魔にも共通する身体構造上の弱点を狙う。
が、甘い。この程度はヤツにとってもボクにとっても小手調べ程度だ。あまりにお粗末な銀弾は瞬く間に雷撃の盾によって防がれる。
「……へェ、中々生意気じゃないですかオタク。ま、解りやすぅい挑発ですし? むしろ防いでくれないと困るといいますかぁ」
「御託はいい。ボクはお前に関わって無駄な時間を費やすつもりはない」
「んじゃコイツはどうよぉ!?」
続いては光の剣。先程の嘗め切った攻撃とは違う、本気の殺意を込めた攻撃だ。———が、ボクはそれを最小限の動きのみを使って回避する。
あの光は厄介だ。聖なる加護を賜った光は悪魔にとって天敵そのもの。例えそれが悪魔を消し去るに値しない威力だとしても力をそぐには十二分に有効な手だ。アレに当たればボクとてタダでは済まないだろう。
当たれば、の話だが。
「チッ……なんなんだその面倒な動き!」
「ふ———!」
そして隙を見てコートの裏側から取り出した機械的で無骨な銃を取り出し、ヤツの身体に二発撃ち込む。
「ガッ……あ? なぁんすかコレ、ぜんぜん痛くねえんすけど。やる気あんの?」
「慌てるなよ……!」
そしてボクは自らの
「迸れ、
「―――ギ、ガ!? な、なんスカこれ……! さっきの弾が電気を誘導してんのか!?」
膝を付きながらも神父は僅かな情報から正確に蒼き雷霆の力を読み解き、強引に
雷撃麟をマトモにくらいながらも神父は瞬時にそのカラクリを見破る辺り、戦闘経験は豊富らしい。
ここでこの男を野放しにしてしまえば
どうする。こっちに来る時アザゼルに貰ったリミッターをカットするか?蒼き雷霆だけでも勝てる自信はあるが、確実に倒す自信はない。
(ボクの素性がリアスやシアン達に割れるのだけは避けたい……なんとか、いけるか?)
そうして正面切って突撃する。当然、神父は銃で牽制しながら剣を振り被る耐性に入った。
「撃殺殴殺滅殺塵殺ゥ!」
弾丸を避け、防ぐ。活性した身体を振るって回避し、新たな避雷針を撃つ。
「それが、当たっちゃダメなのはさっき学んだッスよォっと!!」
剣を振るう。だが――そこが明確な隙だ。
ボクはまだ彼に見せていない一手がある。直接電気に干渉しない、あるいは特殊なコーティングを施されたものでもなければ、悪魔の弱点である光ですらも、例外ではないッ!
剣がボクの身体と衝突するその瞬間ボクの身体は揺らめき、神父の振るった剣はまるでそうなるのが当然というように通り抜けた。
「ッ――!」
「……な、にィ……!?」
「電磁結界カゲロウ――どんな攻撃も、ボクには通用しない」
「はァ!? ンだよそのチートッ――」
「そして……!」
咄嗟に距離を取られる。『剣』は届かない……なら!
「迸れ、
天体のごとく揺蕩え雷
是に到る総てを打ち払わん
「ライトニングスフィアッ!!!」
ボクの身体を中心に雷の球体が三つ現れる。
それを始点にするように雷が張り巡らされ、瞬く間に雷は神父を襲う――!
「んなろォ……!!?」
雷が家屋を焼き払う。崩れた屋根で煙が上がる。
ボクはすぐに煙を駆け抜けて銃を構える。――が。
「いない……逃げられたか」
『節約主義が悪く働いたなヴァーリ。俺の力を使えばもっと楽にあの神父を捕えられたろうに』
「結果論だろそれ……それに、お前の力を無暗に使えばどこで見られるか分かったものじゃない。
ここはグレモリーとシトリーが見ている地なんだ。他の場所に潜入するのとはワケが違うじゃないか」
だが……あの光、明らかに神父が単独で使うには不自然なモノだった。
神父の身でありながら同族を殺す、かつての世界におけるまさしく
「順当に考えればレイナーレ……だけど、自身にさえ牙を剥きかねない男を手元に置いてまで何をするつもりなんだ……?」
わからないが……ひとまずリアス達への報告だな。
そう思って祐斗に電話をかけ……ようとしたら、その彼から電話がかかって来た。
「裕斗か? 丁度今から電話しようとしてたところで――」
「先輩! 兵藤さんが……堕天使に襲われた!」
「――何!?」
◆◇◆
夜中の部室。部員の人達が皆私の心配をしに来てくれた。
楽曲編集の合間を縫ってコンビニに軽く買い出しに行ったら見慣れない人に声を掛けられて、反射的に逃げた。
案の定、その人は堕天使だったみたいで追い回された。
また追い掛けられて、また公園に来て、今度は木場くんに助けられて……
『……また? そういえばあの時アタシ達ってどうやって助かったのかしら?』
「……誰だったっけ?」
「はい兵藤さん。カップ麺だけど、どうぞ」
「あ、ごめんね木場くん」
「構わないよ。怪我している女の子に危ない真似をさせるワケにはいかないからね」
カップ麺……懐かしいなぁ。カップラーメンに心躍らせて、カップ焼きそばに悪戦苦闘したこともあったっけ。
今となってはいい思い出……あ、美味しい。GVも木場くんも、あっさりお塩の味で優しい味だなぁ……
「……あれ? なんか、涙が」
「え……あれ!? 不味かった!?
ご、ごめん兵藤さん!」
「あ、そうじゃなくて……ごめんね木場くん。昔のこと思い出してつい」
ダメだな、これは。心配してくれてる人の不安を掻き立てるなんて。
「……辛かったら言ってもいいんだからね?」
「う、うん。ごめんね、大丈夫だから。大丈夫だよ」
とりとめなく大丈夫だと言って、なんとか信じてもらう。ああ、もう。まるで人と関わらなかったシアンが憎らしい。GVと沢山お喋りして、この世界でもそれなりに友達ができたから結構マシになったと思ったんだけどな。
……というか、今こうして取り繕う方がアッサリ言葉が出てきてしまった。
前の世界で学校に行った時も、モルフォや反政府組織フェザーの話題についてはそれらしく取り繕ってばかりで、そっちの方が気楽になってしまったのかもしれない。
それからいくつか言葉を交わして、木場くんは周囲を回ってくると言って部屋から出ていった。
今、部室は部員の人達が屋内と屋外とで何人かに分かれて私を守ってくれている。時々さっきの木場くんみたいに部屋に入って、少しお話もしてくれる。
ずっと見回りしっぱなしのヴァーリ先輩を除いてはだけど。
「はぁ……私、変なのかな」
『変だけど。まあ木場やヴァーリみたいにアタシを知覚できる人なら心配はないんじゃない?
私、あなたの思ったことを言ってしまう自身なら誰よりもあるわ』
「そうだけど……モルフォに頼らないとちゃんとしたお話もできないのかと思うと情けなくて、恥ずかしくて」
『適材適所って言葉が世にはあるわ』
「色んなことはできて損ないと思うよ」
カップ麺を啜って、一息。落ち着いて考えてみるとここ数日でいきなり話が進みすぎだ。
私はもう頭いっぱい。あの夜から毎日知らないことだらけなせいで毎日習ったことの復習だらけ。
シアンレコード(メモ帳)もそれまでは半ばポエム帳と化していた日記でしかなかったのに、いつの間にやら悪魔や天使、堕天使に関するメモばかりだ。
「……メモとその他用で分けようかな……?」
そう思った瞬間善は急げと言いたい。だけど怪我もしてしまっているし、現に夜の襲撃があった以上はこんな時間帯にも歩けない。
さてどうしよう。迷った。
「……兵藤さん、今大丈夫?」
迷っていたらヴァーリ先輩の声が聞こえてきた。
私は軽く「はい」と答えると、先輩は「じゃあ入るよ」と一言言ってから入室してきた。
「こんな時間にすまない。明日も学校だから人間のキミは早く寝るべきなんだろうけど……」
『あら、だったらもっと早く来るべきじゃないの? 貴方が訪問者最下位よ』
「モルフォ……ああ、そうだね。その通りだ」
心底申し訳なさそうに先輩は頭を下げる。
なんだろう。ただ、ここに今まで来なかったことだけじゃない。もっと根本的に違う部分で謝罪をしているような……そんな気がする。
第七波動同士を感応させて力の波長を引き上げる電子の謡精がある私は、結構人の感情の機微に聡いところがある。と言っても、その事実に気付いたのは死んで暫く、意識がモルフォと融合した僅かな時に初めてで、それを意識的に使ったのはこっちに来てからのことだ。
我ながら、あの頃は人の感情っていうのにあまり慣れなかったんだな、とつくづく思わされる。
そして、人の感情を揺さぶって、第七波動のソナーと化していた力が改めてどれほど大きな影響を与えていたのかも、心底から痛感して。
「贖罪と言う程大げさなものじゃないけれど、お詫びとして少しだけ……キミに伝えようと思う」
「……はい?」
「聞くと、モルフォの力は精神の干渉、それによる神器のブースト……だよね」
「えっと……はい」
私の答えも聞かないうちに先輩は頷いて、続ける。
「確かにその力は強力で、いかようにも神器を持つ者達を強くできるのかもしれない。
けど……神器っていうのは本来人の血族に与えられる力だ。悪魔や堕天使がわざわざ電子の謡精だけを狙っているのだとは、ボクは思えない」
先輩を訝しげに見るモルフォを他所に、先輩は喋る。
「電子の謡精だけじゃない……いや、もしかすると堕天使達は、それ以外の力を狙っていて、謡精の力そのものは全く知覚していないんじゃないかな?」
違う……力?
そんな可能性を全く考えたことがなかった。
あの世界じゃ電子の謡精の力ばかりを狙われる日々が続いていたせいで、私が狙われる理由なんてそれ以外にないと無意識に思い込んでいた。
「杞憂ならそれはそれでいいんだ。ボクが変なことを考えていたってだけで終わる。
それでも……堕天使が狙うのならそれだけキミは危険な存在なのだ、とボクは思っている」
前戦争で一番の打撃を受けたのは間違いなく堕天使達だからね、と付け加える。
「じゃあ、戻るよ。いい加減顔くらい出せとリアスに怒られたんだ」
そう言って先輩は頭に手をポン、と置いてから部屋を後にする。
なんとなく、その箇所に手を当てて感触を再確認する。
「冷たくて、あったかい手」
多分、それがしっくりする言い方だった。
一年以上ぶりの更新です。お久しぶりです(それあとがきで言うことなのだろうか)
Xの発売決定とかswitch版GVとか、更新してない間にもガンヴォルトシリーズはキチンと見てましたし、プレイもしてました。
それで一年ぶりに書くにあたって設定再確認してたら改めてD×Dの設定の便利さと、GV組の人間的な親和性とか以外なほどあってビックリ仰天しましたっていうどうでもいい報告を添えて、あとがきを終わりにします。