赤き謡精、白き雷霆   作:エステバリス

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 一ヶ月間声の出ない妹のためにセラピーカリキュラムに取り組んでいました(大嘘)




覚悟

 

 

 光が止む。その光が消えた時、私の左手には――スタンドマイクが握られていた。

 

「……なに、これ……?」

 

『……おかしい。俺の神器は確かに籠手だった筈だ。何故こんな……棍の現代アレンジみたいなデザインになっているんだ……』

 

『おめでとうシアン。あなた立派に戦闘要員から排除されたわよ』

 

 嬉しくなぁい! 折角意気込んであのカッコいいポーズ取ったのにこれは全く嬉しくない!

 

「上のお方にあなたの神器が危険だから排除するように言われてああはしたけど……見込み違いだったのかしら?

 その武器にもならない神器がどれだけ危険だなんて皆目見当とつかないわ」

 

 ぬぐぐぐ……私だって今ものすごく同意したいよ。私だってスタンドマイクで戦えと言われたら困惑するよ! これで殴れと仰る!?

 

 

「ええいともかく! やれることがあるならなんだってやってやる! 私の神器、力を貸して!」

 

『Boost!!』

 

 心象の世界で聞こえた声と同じ声が響く。すると身体が一瞬のうちに軽くなったような感覚を覚える。

 これが私の神器の力? モルフォの力を自分だけに絞ったような……

 

「ああもう、こういうのによくよく縁があるのかな、私!」

 

 私の突進に堕天使レイナーレは一瞬虚を突かれたような表情を作るが、すぐに哄笑を挙げた。

 

「なに、その神器、カタチが独特なだけで『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』!? 

 アッハハ! 自分の力を倍加させる力。強ければ単純に厄介だけど、所詮人間のあなたがそれを使ったところで堕天使に敵うわけがないでしょ!?」

 

「ッ……! だとしても!」

 

 マイクを叩きつける。レイナーレは自身の言葉を実践するかのようにひらりと躱す。そして彼女はそのまま右手を翳してゆったり、しかし私には攻撃されたと知覚さえできない速度で私の頭を掴んで叩きつけてきた。

 

「ぐ、ェ!?」

 

「人間は人間らしく……上位存在(わたしたち)にひれ伏しなさいッ!」

 

 ヤバイ、頭がふらふらしている。目の前がチカチカして、平衡感覚もなくなっている。

 そんな感覚もすぐになくなった。……小難しく考えなくてもわかる。アーシアさんが神器で治してくれたんだ。

 

「アーシア。その人間を殺されたくなかったら大人しく私達のところに来なさい。

 その力、『聖母の微笑み(セイクリッド・ヒーリング)』はその人間の持つ『龍の手』擬きとは違って希少性の高い大事な力。

 応じないなら……わかるわね?」

 

「こ、この……!」

 

「……わかりました」

 

 私が立ち上がって交戦意思を見せるよりも早く、アーシアさんがその言葉に乗ってしまった。

 

「ダメだよアーシアさん!」

 

「……いえ、いいんですイッセーさん。今日は本当にありがとうございました。楽しかったです」

 

「ダメだって! 友達でしょ!? 頼ってよ、守るから!」

 

「友達だったら、危険なことに巻き込みたくなんてないですよ」

 

 そう言ってアーシアさんは精一杯の笑顔を見せて、レイナーレの下まで行ってしまった。

 

「待ってアーシアさん!」

 

「しつこいわよ人間。せっかくこの子のお陰で命拾いしたというのに、その命を無駄にするつもり?」

 

 まあ私はそれでも構わないけど? と言って、レイナーレは笑いながらアーシアと共に消えていった。

 そうして、結局ここに残ったのは何もできなかった私だけ。

 結局、これだった。

 

 何も、出来なかった。

 力を貰った筈なのに、私は結局また、『守られた』のだ。

 ずっと守られるだけの私が嫌だったから、今度は守れる私になりたいと思っていたのに。また守られる私だった。オカルト研究部の皆に守られて、それであまつさえ最低限の戦う力すらなかったアーシアさんにも守られた。

 

「……う、ふ、ぅう……! うあぁ……!!」

 

 雨が降ってくる。さっきまで晴れていた筈の空はいつの間にか黒く染まっており、ぽつぽつと私の顔を濡らしていく。

 

『……シアン』

 

 モルフォが胸に手を当てながら私を気遣っている。私の心傷に呼応しているのだ。

 男の声は、応えない。何も言おうとはしない。私に失望したのか、あるいは他の何かか。

 

「ああ……うあああああああ……!!!」

 

 それはきっと、兵藤一誠の私にとってとっても大きな転機だったんだと思う。

 束の間の幸せ、だったんだ。

 

◆◇◆

 

 悪魔にシスターを助けに行く。そう言えば反発が来るのは容易に想像がついた。

 だから私はオカ研の皆には何も言わずに家に帰った後、改めて私の中にいる彼と話すことを決意した。

 

「答えて。あなたは、誰?」

 

 問うと、彼はああ、と頷くように呟く。

 

『俺の名は赤龍帝……さっき発現した奇妙な神器に宿っていた龍だ。名をドライグという』

 

『奇妙って。あなた自身がそれを言うの?』

 

『知らん。俺だってあんなカタチを取ったのは初めてだ。意味がわからない』

 

 ともかく、コンタクトできただけでもとっても進歩。なのでは?

 なんだかさっきの……言葉? 的に。

 

『しかし……理解(わか)ってたが弱いなお前』

 

「理解ってたって……理解ってたって……!」

 

 私も理解ってたけど! そう直球に言わなくても!

 

『だがしかし、そう悲観することもないぞ相棒。

 ヤツは赤龍帝(おれ)について致命的な思い違いをしている』

 

「『思い違い?』」

 

 あ、ハモった。

 

『そうだ、思い違いだ。

 ヤツはあのおかしなスタンドマイクの力を見た時、ヤツは何と言った?』

 

「え? えー……龍の手(トゥワイス・クリティカル)。一定時間所有者の力を倍加させる、ありふれた神器だって言ってた」

 

『俺は龍の手なんぞじゃない。本来在るべき名こそは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)

 その力は“10秒毎の倍加能力”だ』

 

『っていうことは』

 

「倍加をやり続ければ理論上は無制限に強く、しかも重ねる毎に爆発的な上昇量になる……ってこと!?」

 

 心底驚いた。そんなある種チートじみた性能のモノがこの世にあっていいのか。

 彼の雷の力は電子機器の爆発的発達も大きな原因として世界最強足らしめていた、と聞いたけど……これはそんなものじゃない。

 

 そこに居る時間も場所も関係なく、持ち主を最強にできる。

 

『如何にも。勝手に誤解してくれているのならこれほど好都合なこともないだろう。今のお前では耐えきれる倍加容量にも限界はあろうが……恐らくあの堕天使に一泡吹かせるぐらいはできる』

 

「なるほど……10秒の倍加までのネックもあらかじめある程度のチャージをしておけば……」

 

『そのある程度分はカバーできるわね……』

 

『神をも殺す力、神滅具(ロンギヌス)と呼ばれた力は伊達じゃない。お前がどれだけ弱くともあの堕天使を殴る程度訳はない』

 

 それは、それまで戦うことができなかった私に明確な光明として差し込んだ。

 それから私は何度か籠手の力を試して、何度までが限度までか、どこまで応用が利くのかをひとしきり試した後、日が沈み切ったタイミングで家を静かに出た。

 

 

――兵藤一誠(シアン)が籠手の力を試し始めたのとほぼ同じタイミング。

 兵藤家の家の屋根に佇んでいたヴァーリ(GV)はふと口を開いた。

 

「リアス、ボクだ。

 ……彼女、行くみたいだよ」

 

 そう呟くと同時に、ヴァーリの脳裏にリアス・グレモリーの声が聞こえてくる。

 

『悪いわねヴァーリ、学生の本分の方もあるのに、彼女の尾行なんて任せてしまって』

 

「構わないよ。彼女どこか危ういところがあるから……」

 

 赤龍帝の力を感じ取ったヴァーリはシアンが家に帰ってくるのとほぼ同じタイミングで彼女の尾行を始めたのだ。リアスに「彼女の神器の力を感じたから」と先に言い残して。

 そして家に帰った一誠とモルフォ、そして表層に姿を現した赤龍帝の会話を聞き、こうしてリアス達に逐一情報を伝えているということだ。

 最も、ごく一部の話はヴァーリが意図的に隠したままなのだが。

 

「祐斗と小猫を教会の近く……公園辺りで落ち合えるように配置しておいてほしい」

 

『あら、あなたは彼女の一人じゃ無謀な突貫を肯定するというの?』

 

「……いい加減庭で堕天使達にうろちょろとされるのも腹立たしいだろう、リアス。

 事情はどうあれ人殺しを飼う堕天使は悪魔も天使も、ましてや堕天使だって御免だと思うけど」

 

 肯定するのか、という問いに答えることはしない。ヴァーリ・アシモフは保護対象である兵藤一誠を肯定することはできない。

 それでもガンヴォルトはシアンの味方だから。シアンが正しいと信じた行動をガンヴォルトは助けたい、そう思ってしまう。

 

『……エゴね、あなた』

 

「ボクもそう思うよ」

 

『まあいいわ。支度をするから……暴れましょ』

 

「了解。イグニッション」

 

◆◇◆

 

「やあ兵藤さん、待ってたよ」

 

「結構待ちました」

 

 教会に向かう途中の私を迎えたのはレイナーレやアーシアさん、ましてや堕天使などではなく、木場くんと塔城さんだった。

 ……まさかバレてる? いやまさか。だってあの後の私は家にずっと籠っていて、誰とも連絡なんか取ってないのに。

 

「えっと……待ってたって?」

 

「行くんでしょ? 堕天使の教会に」

 

「う……」

 

 本当にバレてる。いったいどうして……

 

「ヴァーリ先輩。あの人が夕方頃急にキミのことを見に行くって言ってたからね。

 ……もしかして会わなかった?」

 

「会ってないけど……」

 

『私の方も特にそれっぽい感覚はなかったわ』

 

 私にだけ聞こえるようにモルフォが語る。いつのタイミングからか着けられてたみたいだ。ちょっとゾッとするな……

 

「で、本題はそうじゃないんだ。

 行くのかい? 殺されるかも……いや、殺されるよ?」

 

「それでも、私は守るって言った人に守られちゃったんだ。ちゃんと守らないとカッコ悪いよ。

 私が憧れた人に恥ずかしいことをしたんじゃ私は、死んじゃうより惨めだから」

 

「いい覚悟……でも無謀は無謀だよ」

 

「だからってなにもしないことは!」

 

「うん、だから僕達も行くよ」

 

「……え」

 

 予想外の返答だった。だってこの件の話は兵藤一誠の完全な私情で、悪魔である彼等が無作為にそれに介入するなんて思えなかったから。

 予想外なんてものじゃない。予想から真っ先に排斥していた返答だ。

 

「アーシアさん……っていう子は僕達にはよくわからない。

 でも兵藤さんは部長とも取引をした立派なお客様だからね。商売相手を無意味に減らすのはしたくないかなって」

 

 柔和に答える木場くん、でもその直後、その顔と雰囲気が一瞬だけ、殺意に満ちたように変貌したのをアタシ(モルフォ)は見逃さなかった。

 

「それに、実は僕堕天使や神父っていう存在が大嫌いなんだ」

 

「そうなの? 木場くん、結構悪魔の神様に対して信心深いとかそういう印象あったんだけど」

 

「信心……というよりは忠節だよ。悪魔の神様っていうのは……元々は神様だった祖バアル様とかそういうの。

 そのバアル様だって聖者によって蠅の王へと貶められた面もあるからあんまり信仰って感じじゃないかなあ」

 

 木場くん豆知識を披露。GVはそういうの知ってそうだな。物知りだったし。

 

「で、塔城さんは……」

 

「御二人だけでは不安ですので、フォローしてやってくれと先輩から」

 

『あの人、自分が来ないで二人に来させたっていうこと……? なに考えてるんだか』

 

 多分、部長達や自分じゃなくてわざわざ木場くんと塔城さんを選んだのには先輩なりに理由があるんだろう。

 だから今はありがたく、この頼もしい援軍を頂戴しておこう。

 

「えっと……よろしくお願いします」

 

「うん」

 

「よろしくお願いされました」

 

◆◇◆

 

 そして少し歩くと、すぐに教会はその姿を現した。

 寂れた様子で、一見誰もいないように思える。それでも『居る』という事実が私にはわかる。

 アーシアさんの神器が。私達に向かってヒリヒリと鼓動を伝えている。

 まるで日焼けしたての状態でお風呂の湯船に浸かったような、そんなジンジンと身体に残る痛みだ。

 

「これ、図面ね」

 

 木場くんはそういうと、持っていた教会の見取り図のようなものを広げた。

 お、おお……下準備万端。私は無策に突っ込もうとしてた……私人間なのに、木場くんが悪魔なのに。

 

「相手の陣地に攻め込む訳だからね。少しでも場所の不利を無くす必要がある」

 

 にこやかに木場くんは言う。なんというか、場慣れしてるなぁ。

 

「聖堂の他に宿舎。怪しいのは前者の方だね」

 

「宿舎は? ないの?」

 

「ない。堕天使やはぐれの悪魔祓いは聖堂に構えてトラップや破壊工作をするのが基本だ」

 

 キッパリと断言する木場くん。自身に満ち溢れている。

 

「どうして?」

 

「神のおわす場所。そこを貶めることで彼等は信じていた神を汚したという背徳感や自己満足に酔いしれるのさ。

 愛していたからこそ、自らを見捨てたことへの愛憎が尚増してね」

 

『……倒錯してるわね』

 

 本心からそう思ってしまったのか、思わずモルフォが木場くんにも聞こえるように声を出す。当然塔城さんには聞こえていないんだけどね。

 

「そう、アイツらは倒錯している。だから天使も悪魔も一般市民さえも殺してみせる。

 危険だよ……そういうヤツらは生かしてはおけない」

 

 そうまでなる程に敬っていた信徒を見捨てた神様にも落ち度はある。それでも、その道を選んだのは誰でもなく彼等自身。多少の同情はしても、手を止める理由にはできない。

 

「とにかく聖堂の入り口は目と鼻の先。一気に行けると思う。

 問題は入ってからだ。間違いなく刺客がいるはずだよ。刺客を退けつつ、地下に繋がる道を見つけられるかだ」

 

「そこは問題ないと思う。今もアーシアさんの神器の声が聞こえるから。

 第七……神器の居場所を特定するの、結構得意なんだ」

 

 大電波塔のブーストがなくても教会の中にいるとわかってさえいればモルフォの歌がソナーになって場所を示してくれるはず。

 

「わかった。そこは兵藤さんに任せる。

 ……いいかな? 行くよ」

 

 月明りが私達を照らす。夜の月に照らされながらミッション……まるで私が彼になったような錯覚に陥ってしまうけど、それを瞬時に振り切る。

 走れ、走れ、月よ照らせ!

 私達はもう教会の敷地内に入った。それはすなわち堕天使達に私達が侵入してきたと教える行為。

 最早後戻りもできない。

 

 聖堂の中は至って普通の雰囲気だった。教会に備え付けられた椅子、祭壇、そして埃を被ったパイプオルガン。

 ……いや。

 

「聖者の彫刻、頭だけ砕けてるね」

 

『わかりやすい背信そのものね。悪趣味、芸術性の欠片もメッセージ性もない直球よ』

 

 その時、パチパチパチと大仰な風に乾いた拍手が聞こえてきた。

 私達が視線を向けると、そこにいたのは白い紙を携えた一人の神父。

 

「やあやあどうもごたいめぇん! 一人で来るだろうってあの堕天使サマは言ってたけど、賭けは俺チャンの勝ちだったようですねえ」

 

 へらへらとした笑顔を浮かべながら彼は腕を大きく振って、まるで私達を出迎えているかのようにお辞儀までする。

 

「そこのお嬢ちゃん? ダメですよおあの堕天使さんにお友達取られたからって悪魔どもに頼っちゃ、人間の面目丸潰れ! パァ! 地獄行き決定だぜ!?」

 

『なにあれ、話してて頭痛くなりそう』

 

『奇遇だな、俺もあの手の輩は苦手だ』

 

 脳内で会話をしないで二人共、こっち割と緊張感あふれてるんだから。

 

「兵藤さん、キミは下がって。僕らが隙を作るからそのうちに地下への道を探すんだ」

 

「……あそっか。アンタらアーシアたん取り戻しに来たんでしたっけえ? 

 そんならそこの祭壇の下。そっから行けるぜ」

 

 あっという間に、ケロっと吐く。

 

「木場くん、あっという間に見つけちゃった」

 

「ああ、うん……」

 

「ま、ここで殺しゃ問題ナッシングってわけでございますよっとォ!」

 

 そう言うと神父は光の剣を取り出すと、真っ先に飛び掛かってくる。対象は無論――私か!

 

「ぐ、籠手を……」

 

「させはしないッ!」

 

 私が籠手(という名のマイク)を発現させようとした時、木場くんが間に入って黒い剣で光を受け止めた。

 

「木場くん!? 悪魔って光ダメなんじゃ!?」

 

「ご生憎様……『光喰剣(ホーリー・イレイザー)』……光を食う魔剣なんだよ、これ」

 

「テメエもあのバチバチ野郎と一緒の神器使いってか!?」

 

「行って、二人とも! コイツは僕がなんとかする!

 終わったらすぐ追いかけるから任せてくれ!」

 

「でも……」

 

「行きましょう兵藤先輩。裕斗先輩のお邪魔にならないうちに」

 

 それは暗に、私が邪魔だと言っているのと同義だ。

 それは事実で、私はその言葉を聞いてすぐに塔城さんの背中に隠れて祭壇の方に向かった。

 

「行かせるかッッつーの!!」

 

「……フンッ」

 

 神父が銃を構えるより先に塔城さんが祭壇を地面ごと持ち上げて神父に投げ付ける。ご、ゴリラ……

 

「ゴリラじゃないです。猫です」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 そういう顔で見られることは何度もあるのだろうか。似たような体験があるだけに怖ろしい。

 ともかく、私と塔城さんは階段を下り、奥へと進む。

 

「……ドライグ、お願い」

 

 あらかじめ最低限の戦闘力は持った状態で始められるように籠手を呼び出す。

 

『Boost!!』

 

 ドライグの音声が無機質に響く。あとはこれを何度も繰り返せば、ギリギリレイナーレを殴り飛ばせるだけの力になるはず……

 

「つきました」

 

 塔城さんが小さく呟く。……そこにあったのは一枚の大きな扉。ここから先は大きな戦いがある、とでも言わんばかりに大きく、道を隔たる四角い鋼鉄の一枚岩(モノリス)が聳えていた。

 

 それを見て私は息を整え、扉に手をかけ――ようとした時、扉はまるで私達を迎えるかのように一人でに開いた。

 

「「………!」」

 

 私と塔城さんは同時に息を呑む。そこにいたのはさっきの神父よりは整って均一的な恰好をしている、はぐれの神父の群れだった。

 

「モルフォ、どれくらいいるかな……?」

 

『目視できるだけで多分20人はくだらないわ。ドライグがいないとあなた即座に黒焦げになるとこだったわ』

 

 想像はしたくない。

 

「いらっしゃい、悪魔の皆さん?」

 

 その声に反応し、部屋の奥に目を向ける。そこにいたのは見間違いようもない、あの堕天使レイナーレだった。

 

 




 

 フリード神父にはぜひともT殺を着て欲しい所存。

 七夕なので、ガンヴォルト3作目でGVが救われますように
                           CYAN
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