オリ主が挑む定礎復元   作:大根系男子

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今日はかなり短めな上に駆け足です。
ごめんなさい。
後、タグに『難易度ルナティック』を追加しました。


純白の花嫁(今日は素敵なみみず日和)

人の歴史は長く広く、そして深い。

その始まり、まだ人が神秘と隣り合わせで暮らしていた時代。

神と人が天と地に住み分かれていて、それでも互いに言葉を交わすことが許された時。

後世においてそれは神話という形で語り継がれ、それぞれの民族の存在証明であった。

ケルト、北欧、日本、中国、インド、アッカド、果ては神話という区分こそ取っていないがコーカサスのナルト叙事詩。

世界各地に民族の数だけ存在し、そして忘れられつつある神代の残り香。

嘗ては自分たちのルーツとして誰もが教養の薫陶を受けたそれ等は、知っていて当たり前の常識から知らなくても構わない物へと転落した。

そんな黴の生えた異物だが人々の文化に色濃く残ったものがある。

芸術や占いを通して、それだと知っていなくても一定以上の知名度を得たもの。

それこそがギリシア神話。

様々な文化・芸術に影響を及ぼし、アカイア人たちの交易によって遠く東の国にまで存在を知らしめた、最早世界中で知らぬ者がいないとでも言うべき民族を越えた神話。

 

そしてその神話において一際強く輝く英雄達の叙事詩がある。

英雄の間を取り成す者(イアソン)に率いられし、その時代における最高の英雄達の航海記録。

アルゴナウタイと呼ばれる彼らの記録の中に一人の狩人の姿があった。

 

王族に生まれながらも女であったが為に実の父親から疎まれ生まれてすぐに山へと捨てられた。

彼女が後に奉じる純潔の女神の手で救われ、狩人達に見いだされ成長した『純潔の狩人』。

アルゴナウタイにも加わり、その後には恐るべき神の怒り、その化身を討ったともされるギリシャ神話が誇る弓の名手。

しかしそれによって数多の男たちは血で血を争うことになり、また彼女もその後に自らの純潔の誓いを浅ましい計略によって奪われることとなる。

貴種流離譚とも言うべきその在り方は正しく悲劇の英雄の典型であり、その精神性もまた高潔そのもの。

 

誰もが讃えしその名。

古きアカイアで謳われし麗しの狩人。

純潔を誓い二大神に奉じる謙虚な信徒。

災厄を討つ天穹の弓。

 

彼女の名はアタランテ。

親の愛を知らないが故に『この世全ての子に幸せを』、そう聖杯に願う心優しき英雄である。

 

 

 

 

 

 

 

「あー……良かったのかい?こんな、のんびりとというか、ずるをして」

 

困った声が聞こえる。

音のある方へ顔を向ければ声色通りの表情で肩をすくめてお道化るキャスター。

その真名はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、最早知らぬ者などいないであろう音楽家だ。

そう音楽家だ、彼は決して武勇で英雄となったものではなく生前も戦列に参加したという話は聞かない。

だからこそこんな移動の仕方に疑問を持つのだろう。

 

「いいえキャスター、決してずるではありませんよ。これは非常に賢い選択です」

「ルーラー……失礼、ジャンヌ・ダルクの言う通りだ。我々サーヴァントだけなら選択肢にすら入らないが、今回はマスターも同行している。隠密性そして奇襲性を重視するならこの方法は最適解の一つだろう」

「まあ僕は音楽家だからね、マスターの国の言葉でいうならば餅は餅屋さ。戦争のことは戦争屋に任せて僕は大人しく指揮棒(タクト)を振るうとしよう」

 

そんな風に彼は納得したのかソファの上に座りこむ。

士郎君と聖処女はそれぞれ緩い空気を醸し出しているこの中でもやはりどこかぴんと張り詰めている。

適温を保っているとは言えやっぱり火の灯りが欲しくて備え付けた暖炉の前では立香とマシュが初めて見たのだろうか、物珍し気に暖炉をつつき回したり火掻き棒で薪を弄っている。

勿論私も折角かの高名な聖ジョージから貰ったサインをずっとにまにま眺めている。

いや本当に昨日の連絡で誘ってもらえてよかった。

 

そんな訳で、あの定時連絡から一夜が開け決戦の日を迎えた私たちは、各々好きなように木組みの小屋でのんびりと過ごしていた。

 

「ですがアマデウスさんの言う通り、なんだかずるをしているみたいで不思議な気分です」

「そーう?これぐらいのんびりしたって罰は当たらないわよ、貴女たちずっと働きづめだったんですし」

「それは私たちだけじゃないよ、ギネヴィア」

「そりゃまああの子たちには頑張ってもらっていますけどね」

 

そう言って彼らが今戦っているであろう頭上を見上げる。

そこにあるのは木で組まれた天井。

だがそれを越えれば、次郎丸の内壁と剥き出しの大地が見れるだろう。

 

「それにしても君が居て良かったよギネヴィア。まさか地中を移動できる宝具があるとは、敵も思いはしまい」

 

地中、それこそがオルレアンでの決戦で私たちが取った秘策。

我らがマスターに召集された今朝、正面から攻めるか奇襲をかけるか悩んでいた私たちにマスターから言われた鶴の一声『次郎丸で地面の中進めばばれないんじゃないの?』という正面から奇襲をかける突拍子もない作戦。

 

上では今頃ジークフリートやジャック、それから自分から志願したエリザベートと彼女の手伝いで清姫、それから聖ジョージが残ったあちら側の英霊や竜種を切り伏せている。

それにジャックの宝具『暗黒霧都(ザ・ミスト)』で昼間だというのに現れた霧で大慌てだろう。

どれほど広い平野で物量があろうとあれなら簡単に敵を分断できる。

暗殺だけでなく対多数戦でも十分に活躍の見込める凄い子なのだ、うちの娘は。

もう一方のジャックの宝具は発動条件が厳しいが、この半月の間に用意できた日除けの加護を記した呪符を渡してある。

たった二度しか発動できない上に、『夜である』という条件を偽装していることからランクも下がるだろうが、それでも使えないよりかはましだろう。

何せ貴重な聖晶石を六十近く使ったのだ、これで発動できなきゃ資材管理をしているドクターが発狂しかねない。

 

この作戦は地上に意識が向くし戦力も削ぎ落とせる。

地中から向かうことを除けば実直な奇襲作戦といえるものだった。

 

「まーこんなこと出来る宝具をもってそうなのは、そうね、黄金の時代(ゴールドラッシュ)で金塊を掘り当てた開拓者ぐらいじゃない?」

 

まさか私とて、地面を肥やす宝具を地面を掘り進める奇襲兵器として使用することになるとは思わなかったが。

げに恐ろしきは若者か、随分と思考というか発想が柔軟だ。

……何も言ってないのは分かるけどガウェイン、あとでキャメロットの裏に来なさい。

誰がBBAだ、ぶっ飛ばすぞ。

 

「それにしても、宝具の中にまさか小屋があるとは思いませんでした。確かギネヴィア、貴女の魔術工房でしたか、素晴らしい物ですね」

「確かにそうだな、私とライダーが現界させられた時は肉壁と体液でとても人が居れる場所ではなかったが……一体何時の間にこんな設備を造ったんだ?」

「あ、これ、後付けよ、士郎君に冬木にレイシフトしてもらった時に木材集めてもらって、あ……」

「ギネヴィアァァッ!カルデアの資材でどうして物資がいるかと思ったが、貴様こんなものを作らせるために働かせたのか!?」

 

しまった、ばれた。

 

「いや違うのよ?あの時はね、ちょっと別のことに使おうかなぁとか思ってたんだけど。ほら、貴方達があんまり嫌がるからちょーっと居住性を良くしようかなぁって」

 

てへっと舌を出すが士郎君は無駄働きさせられたとぷんすかだ。

いやまあ今日こういう風に使わなかったら日の目を見ないこんな趣味、完全に無駄働きに終わるとこだったのだが。

 

「それとこれとは問題が違うッ!」

「いいじゃない、結局使ったんだし……貴方たち次郎丸の体液でぐっちょぐっちょになりたかったの?」

「それは……くっ!」

 

悔しそうな声が聞こえる。

どうやらまた勝ってしまったようだ、ふふん。

 

『諸君、朗報だ。()()()戦っているジャック達から連絡があったぜ。如何やら黒いジャンヌが召喚したカーミラと狂戦士、それから竜種の殆どを彼らが討ち終えたらしい』

『もう一騎のアーチャーに関しては宝具で霊核に相当な傷を負わせたみたいだ!皆これなら何の邪魔も入らず戦えるぞ!』

「よしっ!それじゃあ皆、最後の勝負だよ、()()()()()()()!」

 

誰かさんの真似をしながらそう言う立香に苦笑しながら、私たちは立ち上がる。

そろそろ時間だ。

 

次郎丸の動きが止まった。

さてと、私は家の外に出る。

 

「上の動きはどうかしら、ドクター?」

『しっかり隠蔽も静音の術も効いているから、振動に気づいている様子はないよ』

()()()()()()()()()()()、しかし大丈夫なのかいギネヴィア?幾らなんでも宝具が直撃したら、次郎丸だって元も子もないだろう?』

「大丈夫よレオナルド。ここは地面に触れてるし、何より敵が気づいてないから魔術を編む時間もたっぷりよ」

 

其処は次郎丸の口の中、後ろには次郎丸がこのオルレアンまで突き進んだ後。

そして真上は、黒い聖女の居城だ。

 

―――『魔力充填』起動。

 

かくし(隠蔽)つどい(収束)まもれ(保護)まもれ(防護)くずせ(術式分解)

 

そうして作るは一三の砲門。

かつて初めて士郎君と戦った際に何一つ傷をつけられなかったもの。

だが今は、マスターが居て、十分な魔力もあり、何より狙う敵はただの城。

例え強固な結界であろうと、()()()()()()()()()()()()十分に破壊できる。

次郎丸にも防御をかけ、万一上からの攻撃にぶつかっても数秒ぐらいは蒸発しないだろう。

それだけあれば最悪『王妃の采配』で何とでもなる。

 

「準備良いわよ、メドゥーサ」

『分かりました、ギネヴィア。それでは私とこの子も準備に入りましょう』

 

声飛ばしの魔術で()()で待機する彼女に準備を終えたことを告げ、彼女からも返事が届く。

 

『タイミングはこちらで図るよ。では5、4、3、2、1』

 

ドクターの合図で私たちは魔力を滾らせ、そして、

 

『0ッ!』

「突き立てッ!十三の門ッ!」

『行きましょう―――騎栄の手綱(ベルレフォーン)ッ!』

 

轟音を響かせて私たちの砲撃は、巨大な城を上下から押し潰した。

 

 

 

 

 

 

 

「なんて……」

 

巨城が崩落し瓦礫の山と化した場所に降り立つ。

メドゥーサも天馬を地面に下し、次郎丸に乗って地中から出てきた立香たちも戦闘態勢に入っている。

 

「なんて愚かなッ!」

「オオおぉぉ!ジャンヌ、我らがジャンヌよ!怒りを鎮められよ、まだ我らに敗北の兆しはありませんぞ」

 

僅かに離れた先に居るのは黒い聖女と魔導元帥。

そして彼らの背後からは現れたのは数を数えるのが馬鹿らしくなるほどの海魔達と6騎の英霊。

だがそれは無理して急ごしらえで召喚されたからか、英霊としての格が伴っていない半端者(シャドウサーヴァント)だ。

 

立香とそれを守るようにマシュ、そしてこちら側のジャンヌが前に出た。

こちらも前に出ようかとすると後ろから声がかかる。

 

「―――アサシンの霧による戦線の分断、それによる多数対一を可能とした戦術と地下からの奇襲。見事だ、古き王妃よ」

「あら早いのね、ジークフリート(竜殺し)。でも褒めるならうちのマスターとアーチャーを褒めてあげて頂戴。発案はあの子だし、細かい調整をしたのは彼だもの」

「私の騎馬(ベイヤード)で運びましたからね。それはそうとお疲れ様です、王妃殿」

「おかあさんただいまっ!」

「……あっありがとうございます、聖ジョージ!それにお帰りなさいジャック、聞いたわよ?よく頑張ったわね」

 

聖ジョージに褒められる五世紀の王妃という恐らく明らかに常識を逸した光景に思わず言葉を失う。

ちゃんと抱き着いて挨拶をしてくれる娘を褒めれた自分のことも褒めてあげたいぐらいだ。

 

「さて、アーチャー君。この後の作戦は?」

「残念だが此処から先は策などないよ、キャスター(アマデウス)……英霊九騎が揃っているのだ、精々正面から激突するとしよう」

「やれやれこれはまた、肉体労働だね」

 

そう言って溜息をつくアマデウスとニヒルに笑い返す士郎君。

そんな彼に抗議の声が届いた。

 

「アンタ相変わらずがちむちねぇ」

「……残念だが、私は月の彼とは違うよ」

 

なんか凄くいい角度で言葉のボディーブロウが入ったようだ。

何故か冷や汗をかいている。

 

「はっ!どうだかねー」

「なんだねその顔は……いや本当に俺は妻一筋だ、やめろ、やめるんだその疑惑の眼は!俺はあんな可愛い女の子なら誰でも好きだよとか言うやつとは違う!違うんだ!やめてくれッ!どこからか聞きつけて桜が来るかもしれないだろッ!」

「……え、なに、アンタの奥さんそんなこと出来るの?」

「愛は偉大ですね……嗚呼安珍様、安珍様!私も貴方のいる場所なら千里とて駆け抜けますわ!!この戦いが終わった暁には是非私もかるであに!お待ちしてます、いいえ、必ずお迎えに上がりますからね!安珍様!」

 

素でドン引きするランサーと頭を抱え、やめてくれ桜お仕置きは嫌だと呻く士郎君。

どうやら疑似サーヴァント化した際に見た情報には、随分プレイボーイな平行世界の自分も居たらしい。

トリップしているバーサーカーの方は向かない。

うん、ちょっとこの娘は何だろう、うん、流石は日本という他ない。

こらそこ、誰が団栗の背比べだ、はっ倒すわよガウェイン!

 

「そろそろ漫才も良いでしょう。どうやらあちらのお話も終わったようですし」

 

メドゥーサの声で、周囲の空気が変わる。

そこはやはり英雄豪傑、どんなにふざけていてもやるときはやる。

 

「どうやら海魔だけでなく新たに竜も召喚したようだな、俺はそちらを引き受けよう。元よりこの身は竜を殺すこと以外取り柄もない男だ」

「ご謙遜を、それを言えば私も竜を殺すことと説法しか取り柄の無い坊主になってしまいますよ」

「むっ……そうだな、すまない」

 

最後にそんなやり取りをして私たちは飛び出した。

それぞれが竜を、海魔を、影の英霊を、屠りに向かう。

勿論私は後方だ。

まあ支援だけで終わらせる気はないが。

 

「王妃が命じます、とぐろ巻くみみず(ワームソイル・エンジン)よ。好きなだけ暴れてきなさい」

FOOOOOOOOOO(おっしゃーやったるでー)

 

呑気な声と共に次郎丸も突撃を始める。

残る敵は英霊が二騎と数多の海魔と竜、そして影の英霊が六騎。

だがこちらも英霊が九騎と戦力差は拮抗している、ならその差を埋めねばならない。

 

「さぁて私もがんばっちゃうわよー!」

 

陽気に華麗に魔力を振るう。

 

当然『魔力充填』を再発動することはまだ出来ない。

というわけで繋いだままのパスを通してカルデアの炉の魔力をちょろまかす。

それでも遠慮は憶えたというか、あんまりやると怒られるので、負担にならない程度にだ。

 

『こらぁ!ギネヴィア!プロメテウスの火の魔力を使うときは一声かけろと言っただろ!!』

『ドクター!調理スタッフから苦情が届きましたー、なんでも火力が落ちたそうです!』

『今調節するって言っといて!あーもう頼むよギネヴィアちゃん!これで負けたら僕泣くからね!』

 

あらあらそれは困ったわね。

なら私も精々気張るとしましょう。

王剣を展開し、魔術の杖として振るう。

望まれた通りに『増幅』の権限は機能し、魔力を高める。

 

「術式起動。―――突き立て、吼えなさい!十三の門ッ!」

 

空中に現れるのは都合十三の魔術陣。

先程と同じで芸はないが仕方がない、元より戦闘には不向きなのだ。

精々この程度の魔力砲で許してもらおう。

まあ当然、

 

時間差(タイムレス)の殆どない十三の砲門からの連続掃射……しっかり受け止めてもらいましょうか!」

 

魔力が尽きぬ限り連射できる上に、対魔力のあるうちの陣営には誤射したって問題がない。

バーサーカーの少女もその身を竜と変えている為辺りを焦土に返す程度の熱量なんて問題ないだろう。

マスターもマシュが掴んで後方に跳んだから問題なし。

周りはジャックと共に守っている。

というわけでぶっ放すとしよう。

 

「さあどんどん撃つわよ!『妃王鉄槌(ブラスト・エア)』!」

 

極大の魔力砲が唸りを挙げて突き進む。

大気中の大源を吸い上げ巻き込み放たれる暴風さながらの砲撃は彼女が振るった宝具の再現。

勿論私が使うのはただの魔術だが、それでも今は十分だ。

留まることを知らず、雑種竜たちの外皮を焼け焦がしその傷ついた部分を剣士たちが断つ。

断たれた血肉すら復元に回せる海魔も、肉片一つ残さず蒸発させれば、再生何て真似は出来ない。

護国の英雄(ヴラド三世)が居ると聞いた時は、『魔力充填』するための領土を奪われるため参戦などできなかったが、こうして彼が居なくなれば、自分のような最弱階位でも十分に役に立てる。

 

「あっはっは!最ッ高ね!後先考えずにばんばん魔力撃てるのは!」

「―――楽しくやるのは結構ですが、後ろにも気を着けて下さいね」

「チィィッ!小癪な貧夫めがアァッ!」

 

どうやら後ろには海魔が居たようだが、それもメドゥーサが串刺しにしてくれる。

勿論そのままなら分裂・再生させるので次郎丸で飲み込んでおいた。

時間はかかるがその内消化して栄養にするだろう。

 

「あらありがとう、助かっちゃった」

「それならもう少し用心して砲撃してください、今回の要は貴方なんですから」

「はーい」

 

そう要だ。

何せこうして雑兵を処理しながら、時間を稼がなくてはいけない。

けれど()()()()()

 

「ッ!?この程度の魔力砲ッ!」

 

驚きの声を僅かに上げながらも叩き落す黒いジャンヌ。

成程、対魔力を持ってなくてもルーラーという特権クラスは呪詛や魔術に強い抵抗力が施されている。

キャスターにしても手に持った宝具で結界でも作っているのか効いた様子はない。

ここまでくると自分の魔術師としての技量に若干嫌気がさす。

だが、

 

「まあでも、目くらましぐらいにはなるんじゃないかしら?」

「その通り、お陰で私の準備も整った」

 

 

 

―――So as I pray, unlimited blade works。

 

 

 

炎が世界を切り分けて、其処に大禁呪が発動する。

時間を稼ぐそれが私の今回の役目の一つ。

そうすれば、ほら、『無限の剣製』が発動し、拮抗していた戦力を覆すための物量が用意できる。

温存なんて器用なことはしない。

そんな時間も無ければ余裕もない。

全身全霊、全力全開。

これは戦争だ、汚いも糞もない。

使えるものは全部使う。

そうしなくては()()()()()()()()()

 

「なッ!?」

 

驚きの声を上げ、すぐさま黒いジャンヌは詠唱に入る。

恐らく増援を召喚するのだろう。

当然彼女との間にはキャスターが割込み、幾多の海魔を生み出す。

とはいえこの後は予定調和だ。

しっかり蹂躙するとしよう。

 

「さて、諸君」

 

士郎君が手を振り上げる。

それに合わせて剣が大地から一斉に引き抜かれる。

剣の形を成した軍団は指揮者の号令を待ちながら宙で陣形を組む。

 

「戦果を挙げる用意は出来たかね?」

 

言いながら振り下ろした手に合わせ、剣軍と騎士(サーヴァント)たちが荒野を駆けた。




初手から宝具ぶっぱというFGOプレイヤー恒例の光景を再現。
そんな感じで慢心している王妃様。

さあ次回で地獄に叩き落そうか。
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