劣等生の婚約者   作:どーる

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初めての投稿になるので、温かく見守ってください。
誤字脱字ありましたら教えて頂けるとありがたいです。


入学編1

暖かな風がそよぐ春。

桜が風に舞い、祝いを告げるような暖かな日差しがふりそそぐ。

入学式日和とはこのことだろう。

 

 

この国立魔法大学付属第一高校も本日入学式が行われる。

まだ朝は早く校内には準備のために在校生がちらほら見受けられるだけだが、その中で真新しい制服に身を包んだ男女3人は異色をはなっていた。

 

 

 

 

「納得できません」

 

 

美少女という言葉が皮肉でもなんでもなく似合う可愛らしい女の子が不満げに顔を曇らせながら見上げるのは向かいに佇む男女。

 

 

 

 

今まさしくその言葉を投げかけられた私と彼は、入学式の数日前から繰り返されているこの言葉にまたかと思った。

 

まだ入学式までは時間があるためそこまで目立つことはないが、この可愛らしい妹がこのままでは学校に抗議しかねないと頭を悩ませる。

 

 

 

「なぜお兄様が補欠なのですか?入試の成績はトップだったじゃありませんか!それにお姉さまもです。私よりも実力は上なはずなのになぜ私が新入生総代なのですか!」

 

 

 

この怒っているにもかかわらずその可愛さが陰ることがない美少女は司波深雪。

私が昔から妹のように可愛がっている子だ。

 

 

 

「深雪、俺の実技能力を知っているだろう?魔法科高校なんだ。例えペーパーテストが良くできたとしても自分ではせいぜい二科生が良いところだ。補欠とはいえよく一高に受かったものだと驚いているんだがな。」

 

 

 

そして今私の横で深雪に困ったように返答をしたのは司波達也。

苗字で分かる通り深雪と達也は血が繋がっている兄妹だ。

私のことも深雪はお姉さまと呼ぶが実際には妹のように可愛がっていると言った通り私と深雪は血の繋がりがない。

 

 

―――横にいる達也に少し視線を投げかけるが、彼の視線は目の前の深雪に向けられたままだ。

深雪にお姉さまと呼ばれる理由はこの彼、司波達也が私の婚約者のため血の繋がりはないが妹、姉であながち間違ってはいない。

 

 

 

「…私もあまり実家の方から目立つようなことはまだするなと言われているから。ごめんね深雪。」

 

 

一呼吸おいて私にも向けられた深雪の視線に応えるように何度もすでに伝えた説明をする。

 

 

 

「お姉様はご実家のことがあるのでもちろん理解しているつもりです!ですがそうだとしてもお兄様とお姉さまを差し置いて私がなど…それに本来の実力を持ってすればお二人に敵う者など「「深雪」」

 

 

 

深雪が言おうとしたその先のことは言ってはならない事だ。

私とて達也への評価は納得がいかないがしょうがないことだってある。

それに私は確かに実家から目立つなと言われたため少し手は抜いたが、果たして本気で挑んだからと言って結果が変わっていたかは別の話だ。

 

 

「…深雪、それは言っても仕方のないことなんだ。」

 

 

深雪はハッとした顔で口ごもり項垂れた。

 

 

「…申し訳ございません」

 

 

そんな深雪を見て私と達也は顔を見合わせしょうがないなと少し笑った。

可愛い妹の言いたいことは私たちのことを思ってだ。

 

 

 

「深雪、そんな悲しそうな顔をしないで?」

 

 

 

いまだに項垂れている深雪の頭を達也が撫で、私が頬を撫でた。

 

 

 

「…お前の気持ちは嬉しいよ。でもお前が俺たちのことを考えてくれているように俺たちもお前のことを思っているんだ。」

 

 

「そうよ。いつもありがとうね?深雪。」

 

 

 

そう私たちが言うと少し顔を赤らめた深雪が顔を上げた。

 

 

「お兄様、お姉さま…思っているだなんて…」

 

 

「私は今日深雪が答辞を言っている姿を見るのを楽しみにしていたのよ?折角の晴れ舞台なんだから。」

 

 

可愛い妹のお願いだ。出来るだけ聞いてあげたいのは山々だけれど今回のことはどうしようもない。

ほら、と総代の打ち合わせの時間が迫っている深雪を講堂の方へ軽く押す。

 

 

「俺も楽しみにしているよ、深雪。」

 

 

ダメ押しで達也がそう言えば深雪はにっこりと満面の笑みを浮かべた。

 

 

「…お兄様、お姉さまわがままを言って申し訳ありませんでした。深雪はそう言ってもらえて嬉しいです!」

 

 

ではと、深雪はそのまま講堂の中へと入っていった。

余程二人の言葉がうれしかったのか先ほどまでの剣幕とは比べられない笑顔で。

 

 

 

 

 

 

「…さて、(しおり)これから入学式が始まるまでどうしようか。」

 

 

 

「そうね、見て回りたいところもないしゆっくり座って時間が来るのを待ちましょう。」

 

 

 

 

深雪を送り出して、しっかりと背中が見えなくなった私と達也は入学式が始まるまでの時間の過ごし方を考えて座れる場所を探すために歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 




1ページにどのくらいの文字がちょうどいいのかまだわからないですが、、、
自分のペースで少しずつ更新していきます!


ここで簡単に今作のヒロインのご紹介!


安倍 栞‐あべ しおり‐


達也の婚約者です。
苗字でもしかしてと思う方もいらっしゃるかもしれませんが家はあの安倍晴明の直系です。
古式魔法も現代魔法も得意で魔法力も深雪に劣らないほど。
先祖がえりと一族で言われるほどの実力者。
黒髪ロングで、普段は後ろで一つにまとめてポニーテールにしている。

古式魔法師(昔はもちろんそんな呼び名ではなく陰陽師)の中でもかなり有名な安倍晴明の直系一族は古式魔法師にあがめられてきたがあまり歴史の表舞台には登場しないため現代の魔法師にはあまり存在を認知されていない。
まことしやかにささやかれる都市伝説のような一族。
ただ、表舞台には登場しなくても古くから政‐まつりごと‐には関与しているため現代でも総理大臣や十師族などの上層部にはそれなりに影響力がある立ち位置。

こんなところです。
簡単な説明と言いながらがっつりな気もしますが、またおいおい家のことなどが語られる時に詳細を記載します。
読み進めていく中で頭の片隅にでも上記のことを入れておいてくださると幸いです。
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