真剣で武神の姉に恋しなさい!   作:炎狼

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スイマセン金曜集会あたりまで行こうかと思いましたがちょっと長くなりそうなので朝の決闘のところだけにします。

ではどうぞ。


クリスVS一子

 学園に到着した千李とクリスはそれぞれの教室に分かれた。

 

 3-Fに到着した千李は席に着くなり机に突っ伏す。

 

 その様子に百代が話しかけてくる。

 

「どうしたんだ姉さん?」

 

「ん~いやね。さっき転校生送ってくるときに挑戦者がいたのよ」

 

 机に突っ伏した状態で千李は言う。

 

「ああ。それでどうしたんだ?」

 

「そいつがちょいとたちの悪い奴でね本当にむかついたわ~」

 

「なるほど。そういうことか」

 

 百代は千李の前にすわりさらに聞いてきた。

 

「それでそいつどうしたんだ?」

 

「叩きのめしたわよ?多馬川を一回バウンドさせて向こう岸の土手にめり込ませてやったわ」

 

 千李の発言に百代が笑う。

 

 確かに百代も柄の悪いやからには容赦はしないが土手にめり込ませたことはない。

 

「姉さんらしいな」

 

「うっさい」

 

 二人が話していると校内アナウンスが聞こえた。

 

 どうやら一子とクリスが決闘するようである。

 

 アナウンスが終わると千李が腰を上げ、百代と共に決闘が行われる第一グラウンドに向かった。

 

 

 

 第一グラウンドでは既に多くの生徒が集まっていた。

 

 その中で千李と百代はトトカルチョをやっている大和たちを発見した。

 

 百代がショバ代がどうのとか言っていたが今はそんなことは今の千李にはどうでもよかった。

 

 千李は薙刀を持つ一子を見やった。

 

 ……ふむ。まぁ緊張はしてないみたいだから心配する必要はないか。

 

 クリスの方を見てもまったく動じた風もなく凛としている。

 

 そのクリスの姿を見て百代はなにやら叫んでいたがいつものことなので千李はスルーした。

 

 鉄心の合図と共に二人がそれぞれ名乗りを上げる。

 

 二人の姿を真剣に見つめる千李だったが横の方から二人の男の騒ぐ声が聞こえてきた。

 

「スカートで戦うんだよなクリスちゃんは……てことはヨンパチイイイ!!」

 

「わかってる。シャッターチャンスは逃がさねぇ!出世のチャンスは逃がしてもこれだけは逃がさねぇ!」

 

 ……いや出世のチャンスは逃がしちゃダメでしょ。

 

 内心でその言葉にツッコミを入れながら千李は声のしたほうを一瞥するとなにやらカメラを構えた岳人の友達と岳人が鼻息を荒くしながら話をしていた。

 

 カメラを構えているのは大和たちからヨンパチと呼ばれている福本育郎だ。

 

 ヨンパチと呼ばれている理由は四十八手が全部いえるかららしい。

 

「はぁ……。またなんかスケベなことしようとしてるわけね。だけどこの勝負にはそんなこと挟ませたくないのよねぇ」

 

 そういうと千李は指先に気をためると福本のカメラめがけて打ち出した。

 

 打ち出された気弾はカメラに当たると掻き消えた様に見えたが実際は違った。

 

 ……悪いわね福本君。ミニ震皇拳発動っと。

 

 千李は拳を握る。

 

 外見的には変わっていないように見えるがその実カメラの中では悲惨なことが起きている。おそらく内部のメモリだけを破壊したのだろう。

 

 それだけすると千李は再び一子とクリスに向き直った。

 

 すると大和に後ろから抱きついた百代が声をかけてきた。おそらく先ほどの気を感じ取ったのだろう。

 

「姉さん。さっき何した?」

 

「え?千李姉さん何かしたの?」

 

 百代が問うと大和も気になったようで百代と同じく千李に問うてきた。

 

 二人の質問に対し千李は唇に手を当てながら言った。

 

「ん~?ヒミツ♪」

 

 答えると共に千李は軽くウインクをした。

 

「まぁ悪いことじゃなさそうだからいいけどな。っと始まったな」

 

「ええ」

 

 見ると一子が薙刀を鋭く振り回していた。

 

 パッとみで見ると一子が一方的に斬撃を繰り出しいるが百代と千李は真剣な面持ちでそれを見ていた。

 

 ふと百代が口を開いた。

 

「なぁ姉さん。ワン子は攻めが単調すぎないか?」

 

「そうね。おそらくアレじゃクリスには届かないでしょうね」

 

 百代の質問に千李は静かに答えた。

 

 そして一子がひときわ大きな声を上げた。

 

「もらったァーー!!!!!!」

 

 一子は踏み込み鋭い小手を放つがクリスはそれを一呼吸で華麗によけた。

 

「今の避けたのはやるわね。でも次はないわっ」

 

 立て続けに追撃を放ち、はたから見れば確実に一子が押しているように見えるがクリスは全ての攻撃を無駄な体力を消費せずによけ続けている。

 

 その様子に一子が苛立ってきたのが千李には手に取るようにわかった。

 

「まったく、朝教えたこともう忘れてるし。そろそろクリスの目も慣れてきた頃だろうし確実に次で来るわね」

 

 その千李のつぶやきに百代は静かに頷くと同時に踏み込むクリス。

 

「やーっ!!」

 

 クリスは突きを放つ。

 

 その突きを間一髪すれすれで反応し回避する一子。

 

 一子がよけると二人は間合いを取り直す。

 

 クリスの攻撃速度に周囲が静まり返るが翔一や岳人が驚きの声を漏らした。

 

 京もクリスの突きの迅さが尋常でないことに気づきつぶやいた。

 

「ワン子……次間合い入られたら終わりだよ」

 

 一子の行動に千李はため息をついた。

 

「フェンシングは一撃必殺。一瞬でも隙を見せればそこで終わりって朝言ったはずなんだけどきいてなかったのかしらねあの子は」

 

 千李は腕を組み一子を見る。

 

「姉さん?顔が怖いぞ?」

 

 千李の様子に百代が話しかけてきた。

 

「だって朝話したこと全部忘れてるんだもん眉間に皺もよるわよ」

 

 言うと眉間を押さえ皺を戻す千李。

 

 ……さっきの顔はワン子が見たら確実に泣くだろうな。

 

 千李を見ながらそんなことを思う百代であった。

 

 そこで観客からまた歓声が上がった。

 

 一子が薙刀を高速回転させ始めたのだ。確かにこれならば攻撃がどこから飛んでくるか分かりにくくクリスも手間取るだろうと普通は誰もが思うがそれに対しても千李は大きくため息をついた。

 

「どうせ山崩しでもして斜めに振りぬいて足を狙おうと思ってるんだろうけどそれは当たらないって言ったはずなんだけどね」

 

 千李が言うと大和が千李に聞いた。

 

「それどういうこと千李姉さん?」

 

「一子の思考は決して間違いじゃないしいい判断なんだけどね、フェンシングには全身有効な種目もあってクリスはそれが専門なのよ。だからホラ――」

 

 そこまで言うと千李は指をさす。

 

 大和がその方向を向くと一子の肩にクリスの細剣が炸裂していた。

 

「~~~っっっっ!!!」

 

 どうやら一子は痛みと悔しさで呻いているようだった。

 

「――ああいうことになるわけよ」

 

 千李はそんな状態の一子を心配する様子もなく冷静に言った。

 

 そして鉄心の声がグラウンドに響いた。

 

「それまで!勝者クリス!!!」

 

 鉄心の声に静まり返っていた観客達が息を吹き返したように歓声を上げた。

 

 ……でもがんばってたからお咎めはなしかしらね。

 

 千李が思っていると百代が声をかけてきた。

 

「足りない頭使いすぎなんだよ。もっと本能で戦えって感じだよな姉さん?」

 

「まぁがんばったからいいんじゃない?」

 

 その言葉に百代は「それもそうか」と微笑混じりに言った。

 

 すると細剣で突かれた所を苦しそうにおさえる一子をみて岳人が声を漏らす。

 

「ありゃ鎖骨イったんじゃねーか?なぁ大和?」

 

「ああ。てか冷静に応対してる場合じゃない本当に大丈夫かワン子!?」

 

 大和はあわてた様子で一子を見るが千李が冷静に言った。

 

「そんな柔な鍛え方はしてないわよ。少なくともアレぐらいで骨がイクんであれば一子にはもっと鍛えてもらわないと」

 

 千李の指摘に大和たちが若干引いた。

 

 まぁアレだけの突きをアレぐらいというのだから引くのは当たり前か。

 

 一子のことは鉄心が診察しどうやら骨に異常はないそうだった。

 

 すると一子が唐突に笑い始め言った。

 

「面白いわねクリス……本気でやろーじゃない!」

 

 一子は装備していたリストバンドをはずし地面にほおったするとそれはズンッ、という音を立てて落下した。

 

 その光景に観客がどよめいた。

 

「さぁ。第2Rと行きましょー……」

 

 一子が第2Rをはじめようとするとその後ろに千李が回りこみ一子の頭に拳骨を食らわした。

 

「いだ!?……千姉様何すんのぉ……」

 

「お馬鹿!最初っから本気で行かずに変な風に格好つけるからそういうけがすんのよ。それと私朝なんて言ったっけ?」

 

 千李が聞くと一子は急にバツが悪そうになりうつむいた。

 

「えっとぉ……そのぉ……」

 

 もじもじと一子は考え込んだ。

 

「はぁ。いい?どんな状態でも相手に飲まれずに冷静な判断をしろって私は言ったわよね?さっきのはどう冷静だった?」

 

「うぅ……冷静じゃありませんでした……」

 

 千李の叱咤に一子は元から小さい体をさらにちぢ込ませた。

 

 その様子に千李は「まぁでも」と付け加え一子の頭を優しくなでた。

 

「自分の悪いところも把握しきれてるみたいだからよしとするわ。がんばったわね一子」

 

 千李がそういうと一子は顔を赤らめたがすぐにニコッと笑ったがすぐにクリスに向き直り言った。

 

「クリスッ!これで勝ったと思わないことね!」

 

 その言葉にクリスは若干むっとしたがすぐに一子は言いなおした。

 

「……ま!それは置いといて。やるわね……アタシ達はアンタを歓迎するわ」

 

 一子が言うと同じ2-Fの生徒も二人の健闘をたたえ拍手を送った。

 

「よろしくね」

 

「こちらこそ、よろしく頼む!」

 

 二人は握手を交わした。

 

 その後なぜか二人は互いの呼び名をめぐって口論になり結局どちらも譲らなかった。

 

 ……やっぱりこの二人ってにてるわよねぇ。

 

 千李がいがみ合っている二人を見ていると。

 

「フフン。世界にいる可愛い娘は全て私へのお供え物」

 

 百代が意味不明なことをいいクリスの腕を掴むとお姫様抱っこを始めようとしていた。

 

 ……まぁこうなることは予測してたけどね。

 

 クリスは驚き拳で攻撃しようとしていたが百代に軽く止められていた。

 

「鋭くていい攻撃だ。だけど残念ながらまだまだ私にはかなわん、ほ~ら」

 

 軽々と抱き上げられたクリスは百代を見て聞いた。

 

「この強さと千李さんにそっくりのその顔……貴女が川神百代ですか?」

 

「ピアチェーレ!そうだ私がそこのワン子の姉でありさらにそこにいる姉さんの妹だ!」

 

 千李の問いに対しなぜかイタリア語で答える百代。

 

 ……なんでイタリア語?

 

 千李が言おうとしたがこれは京に盗られてしまった。

 

「お噂は千李さんから聞いておりました。真剣勝負を繰り返す戦士であると」

 

「私そんなこと言ったっけ?」

 

 千李が聞くよりもはやく百代がクリスに聞いた。

 

「ああ。戦ってみるか?柔道の寝技でっ――――」

 

 百代が言いかけると鉄心が百代の頭を後ろからはたいた。

 

「アホかモモ。ほらほら早よう授業に戻らんか」

 

 鉄心がせかすが百代がそれに反論した。

 

「じじい……気安く頭殴るな」

 

「あ、モモ!学長に殴りかかるなぞ退学じゃぞ」

 

 二人は空中に飛び上がり戦いが始まった。

 

「まったくあの馬鹿二人は」

 

 それを見ていた千李も二人と同じように空中に飛び上がると二人の戦いの中に割って入り。それぞれの拳を軽々と止めていた。

 

「いい年したじじいとその孫が戦いなんか始めるんじゃないわよ」

 

 言うと千李は受け止めた二人の拳を捻りあげた。

 

「いだだだだだだ!!姉さんストップ!スト~~~~~~ップ!!」

 

「確かにこれはじじいにはシャレにならん……。イダダダ!!?」

 

 二人はそのまま千李に締め上げられたまま地上に降り立った。

 

「本当にいつまでっても子供なんだから少しは自重しなさい。わかった?」

 

「へーい」「うむ」

 

 二人の生返事に千李が強く言った。

 

「返事は、はい。でしょうが!!」

 

 そういうと同時に千李はグラウンドを踏みつける。

 

 すると衝撃で千李が立っているところの周りにクレーターができた。

 

 衝撃を身をもって感じた二人は先ほどとは打って変わりきびきびとした返事を返した。

 

「「はい!」」

 

 その光景を無視し2-Fの連中は梅子先生を筆頭にクラスに戻り始め、一子も一緒に戻ろうとしていたが大和に保健室に行けとどやされしぶしぶ行くことととなった。

 

 これにて朝の決闘は終了となった。

 

 ちなみに……

 

 2-Fに戻った後に福本の絶叫と岳人の悔しがる声が聞こえたのは言うまでもない。

 




以上です。

原作どおりワン子には負けてもらいました。
勝たせてもよかったのですがそうすると力の均衡的な問題が生じそうなのでやめました。

次回は金曜集会のところぐらいを書きます。

ではでは~

感想・ダメだし・アドバイス何でもよこしてくださいお願いします。
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