真剣で武神の姉に恋しなさい!   作:炎狼

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さて百代達と千李の再会です。
あと今回百代に喧嘩吹っ掛けた不良君たちは登場しません。めんどくさいので。
ちょっと長くなってしまうかもしれませんがご容赦を。
ではどうぞ。


再会

4月20日 午前8時00分 川神市

 

 

 多馬大橋に飛びながら近づく影ひとつそして影は多馬大橋に着地。

 

 橋の上には登校するために歩いている生徒がちらほらといる。武道をやっていない生徒からすればいきなり現れた黒い外套の人物に多少驚いた素振りを見せたが、すぐに何事もなかったかのように歩いていく。

 

「ずいぶんとなれてんのねー……。まぁここが変態の橋って呼ばれてるからなのかしらね」

 

 黒い外套の人物。川神千李はつぶやく。

 

 そうこの多馬大橋。別名変態の橋と呼ばれている。何故なのかそれは川神学園に通う生徒の内で一癖も二癖もあるような生徒達が通っているからそんな名前がついている。

 

 中には本物の変態もいるが。

 

「さて。ちょいと早く着きすぎたわね……。でも大和たちの気も百代の気も学園側からは感じられないからまだ通ってないでしょうし。ちょっと待ってますか」

 

 そういうと千李は多馬川を見下ろしながら。あることを思い出していた。

 

「風間ファミリーの奴等もそうだけど、あの子達元気にしてるかしらね。……一年も空けてたからちょっと心配だけど後で会いに行ってみようかしらね。」

 

 千李が言うあいつらとは風間ファミリーとは別に千李が仲良くしてる連中のことだ。

 

 一年前千李はここ川神を出て世界に飛び出した。

 

 別に鉄心と喧嘩したとかそういうんではなく。ただ千李が自分で望んだのだ「世界を見てみたい。」と。そして千李は一年生の頃に二年生までの過程を修了させたのだ。そして本来ならば二年生の時の一年間を世界を旅することに当てたというわけだ。

 

 千李が旅に出るということに翔一や百代はかなりうらやましがっていたが。

 

「あの時の翔一の顔ったら面白かったわね。でもしょうがないわよねアイツの将来の夢、冒険家だったかしら?」

 

 そんなことを思い出していると多馬大橋の入り口付近に男三人女三人の六人のグループが歩いてくるのが見えた。そう百代たちがやってきたのだ。

 

「はぁ。やっときたわね。……さてじゃあ久しぶりに、死合いしてあげましょうかしらね。」

 

 そういうと千李は百代たちに向いた。その口元は久しぶりに会う仲間達とこれから戦うであろう百代との戦闘に気持ちを昂らせているからなのだろうか、わずかに口角が上がっていた。

 

 

 

 百代たちはいつものように学園への道を歩いていた。その通学路である多馬大橋で一人の人物が目に留まった。その人物は全身を覆う黒い外套を身に纏っていたするとその人物が口を開いた。

 

「……川神百代ね?」

 

 黒い外套の人物が百代に対して聞いてくる。顔は隠れてわからなかったが百代はその人物が女性だと言うことにすぐに気が付いた。

 

 口調もそうだったが何より百代より胸が大きかったからだ。

 

 ……むぅ、上には上がいるんだな。

 

 そんな風に思っていると

 

「……おい」

 

 低めの声で声をかけられた。

 

 長く見すぎてしまったようである。

 

「ああすまない。そうだ、私が川神百代だ。そういうあんたは挑戦者で相違ないな?」

 

 その言葉に黒外套の人物は黙って頷いた。

 

「そうか。じゃあ早速やろう。そこの川原でいいか?」

 

「………」

 

 これに対してもただ頷くだけ。そして黒外套の人物と百代は川原に降りた。

 

 ギャラリーが多少集まってきたようだがこれは正式な決闘であるため。大和や一子たちが中心となりギャラリーを捌けさせた。

 

「姉さん!ギャラリーは全員捌けさせたよ」

 

「ああ、すまないな大和。……さて待たせたな」

 

 百代は言うと一瞬顔を曇らせた。

 

「おい。あんた構えないのか?」

 

 確かに黒外套は構えを取っていない。ただ突っ立っているだけだ。百代が疑問に思うのも無理はない。実際今までの挑戦者は確実に構えを取っていたからだ。

 

「……ああ。これでいい」

 

 黒外套はそれだけ述べるとまた黙った。

 

「わかった。では・・・いくぞ!!」

 

 最初に動いたのは百代だ。彼女は一瞬で黒外套までの距離をつめ懐にもぐりこんだ。

 

「悪いがこの一撃で終わりにさせてもらう!」

 

 百代が黒外套に告げた瞬間百代の拳が放たれた。

 

 おそらくこの場にいた誰もが百代の勝利を確信しただろう。それは拳を放った百代自身も過言ではない。

 

 だが百代の拳は黒外套によって受け止められていたのだ。しかも百代の拳の衝撃をまったく受けない状態でだ。

 

「え?」

 

 誰からともなくあげられた驚きの声。

 

 それもそうだ今までの挑戦者で百代の攻撃を受け止めたものは存在しなかった。

 

 それが今此処で打ち破られようとしているのだ驚くのは仕方がない。

 

「……それで全力か?」

 

「っく!なめるな!」

 

 つかまれた腕を払い百代は距離をとる。

 

 相変わらず黒外套はその場から動かない。先ほどの百代の拳は本気ではなかったいわば様子見だ。

 

 しかしそれでも生半可な武道家ならば確実に仕留められていたいただろう。それをとめられたということは少なくともいつも以上の挑戦者多く見積もって武道四天王と同じぐらいの力があるだろう。

 

「フフッ」

 

 だが百代は笑っていた。そう彼女は強い奴と戦うのが大好きないわば戦闘狂だ。最近の挑戦者では百代を満足させられないでいたのだろう。

 

 それが今やっと対等に戦えるかもしれない相手と会えたのだ。笑わずにはいられないのだろう。

 

「おもしろい!おもしろいぞあんた!!私の攻撃を受け止めた挑戦者はあんたが初めてだ。さぁもっとたのしませてくれ!」

 

 百代は挑戦者である黒外套を煽る。

 

「……まったく。相変わらずな戦闘狂ねお前は」

 

 次に動いたのは黒外套の方だ。彼女も百代と同じく一気に距離をつめる。

 

「それはさっき私がやった。見切れないとでも思うか?」

 

 近づいた黒外套に対し百代は右足で蹴りを繰り出す。

 

 しかし百代の右足は空を斬る。

 

「こっちよ」

 

「なに!?」

 

 黒外套がいたのは百代の真後ろ。

 

 百代が千李を認識した時にはすでにとき遅し。

 

 百代の体に衝撃が走る。

 

 後ろに回った黒外套は百代のわき腹に容赦ない蹴りを放った。

 

「ぐあ!!」

 

 百代はその蹴りで吹き飛んだ。

 

 

 

 大和たちは驚愕していた。

 

 今まで挑戦者を相手に一度も劣ったことはおろか負けたところを見たことがない最強の武神の姿を大和たちを見てきた。

 

 しかしそんな彼女が目の前で圧倒されている。

 

「み、京さっきのあの人が姉さんの後ろに回ったの見えたか……?」

 

「ううん……。見えなかった私も弓術やってるから目はいいはずだけど全然見えなかった」

 

 京は首を横に振った。

 

 京は百代が戦っている時なども百代の動きをよく観察し拳などが何発放たれたかなどをよく見ている。

 

「まじかよ!?京でも見えないなんて一体あの黒ずくめなにもんだよ」

 

「うん。あのモモ先輩の攻撃を受け止めるだけでもすごいのに。まさかモモ先輩を蹴り飛ばすなんて……」

 

 京の話を聞いていた岳人と卓也も驚いていた。

 

「ねぇ……。大和?」

 

 すると一子が大和に対し不安そうな声を上げる。

 

「お姉さま負けちゃったりしないわよね……?」

 

「ああ。大丈夫だ。姉さんは絶対に負けない」

 

 それは一子を安心させるために言ったのかはたまた自分を安心させるためにいったのか大和自身それをわかってはいないだろう。

 

 すると吹き飛ばされた百代が空中で体を反転させ黒い外套の人物に突っ込んでいくそして黒外套の直前まで来ると

 

「川神流!!無双正拳突き!!」

 

 百代の放った奥義が黒外套の人物に決まった。

 

 

 

 百代の放った無双正拳突きは黒外套の挑戦者の体にクリーンヒットした。

 

 かのように見えたしかし、実際は黒い外套に当たっただけだった。

 

 そう中身がいないのだ。

  

 黒外套の人物本人が消えた。

 

「チッ!!どこに行った!?」

 

百代はまとわりつく外套を振り払いまわりを見ただが外套の人物はどこにもいない。

 

「クソッ!どこにいる!?出て来い!!」

 

「此処よ。百代」

 

 そして彼女は声のした方向を向く。

 

 声の主は先ほどみんながいた多馬大橋の鉄骨の上だ。

 

 外套を脱ぎ捨てあらわになった人物は川神学園の制服を着込み上着を百代のように肩に羽織った人物だった。

 

 スラリと伸びた長い足としっかりとくびれた腰。

 

 そして目を引くのは大きく実った豊満な胸と流れるような黒髪をポニーテールにしている。

 

 顔は自分と瓜二つ。

 

「久しぶりね。百代?」

 

「まさか……。千李姉さんなのか?」

 

「ええ。そう、みんな大好き千李お姉さんですよ~」

 

 そうそこにいたのは百代の双子の姉であり今現在唯一百代を圧倒できる人物。

 

 百代の憧れであり、現在百代が知る限り最強の人物の姿だった。

 

 すると千李は鉄骨から飛び降り百代の目の前に降り立った。

 

「改めて久しぶりね百代。強くなったわね姉さんびっくりしたわ」

 

 そういうと千李は百代の頭を撫でる。

 

「ああ、ありがとう……。じゃなくて!いつ帰ってきたんだ姉さん?」

 

「ん?今日の早朝に、でも川神についたのはついさっきよ」

 

 百代の問いに千李はあっけからんとした様子で軽く答えた。

 

「何で言ってくれないんだ!?今日帰ってくるって」

 

 千李の答えに対し百代はさらに聞いた。

 

「いやじじいにはいったわよ?ただお前らには伝えないでくれって言っといたけど」

 

「あのじじい・・・!!でもなんで私達には内緒なんだ?」

 

「そりゃお前そうじゃないとサプライズにならないでしょう」

 

 ……まったくこの人はなんでいつもこうなんだか。

 

 百代は内心頭を抱えた。

 

 二人がそんな話をしていると千李に気づいたであろう大和たちが駆け寄ってきた。いの一番に千李に飛びついてきたのは一子だった。

 

「千姉様~!!」

 

 ドフッという音がしそうな勢いで一子は千李の胸に飛び込んだ。

 

「おっとフフっ、元気そうね一子。あら?ちょっと背のびたんじゃないの?」

 

「そう!?」

 

「ええ。それにずいぶんと筋力も増えたわね。強くなってることがわかるわよ。がんばってるわね」

 

 千李は一子のことをしっかりと褒めた。

 

 旅をしていたときも時折鉄心から一子ががんばっている様子を聞かされていたから帰ったらしかり褒めようと決めていたのだ。

 

「うん!!私もお姉様や千姉様みたいに強くなるんだから」

 

 褒められたことが本当にうれしいのか一子は元気よく返事をした。

 

 そして千李は一子を苦しくない程度の力でぎゅっと抱きしめた。

 

 一子に尻尾と耳が生えていればパタパタとしていることは間違いないだろう。さすがワン子。

 

「千李姉さん。久しぶり。一年ぶりだね」

 

 次に声をかけてきたのは大和だ。

 

「ええ。大和、我がかわいい弟。お前もぎゅっとしてあげるわ。来なさい」

 

「い、いや。いいよ。今はワン子が優先で」

 

 大和は千李の発言に若干たじろいだ。

 

 もし千李にぎゅっとされてしまったら、大和自身気を失ってしまうかもしれない。

 

 以前中三のときぎゅっとされた時は鼻血を出して気を失ってしまった。

 

「そう?残念。じゃあ今は一子を愛でる~」

 

 千李はそういうと一子にキスの雨を降らせている。

 

「きゃ~千姉様くすぐったい~」

 

「うへへ。愛い奴愛い奴♪」

 

 それをみていた岳人が、

 

「せ、千李先輩?俺だったらいいですよ!?」

 

 下心丸出しで言った。

 

 それを千李は

 

「ああ~。一子はかわいいわねぇ」

 

 ガン無視だった。

 

 それに対し卓也がとどめを放つ。

 

「あきらめなよガクト。もはや気づいてもらってもいないから」

 

「ちくしょおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 岳人は地面に四つん這いになって落ち込んでいた。

 

 自業自得である。

 

「先輩。お久しぶりです」

 

「ん?あら。モロも変わってないわね。あとでさ、この一年出たゲームでおもしろかったやつかしてくれないかしら?後漫画とかDVDとかも」

 

「はい。いいですよ」

 

「よろしくね~」

 

 最後は京が千李に声をかけた。

 

「千李先輩。どうも」

 

「京~。相変わらずクールねお前は、だけどそんなところがお前もかわいいわよ。クラスではどう。ちゃんと仲良くやってる?」

 

「ファミリーのみんなと仲良くできればいいです」

 

 そういう京に千李は一瞬心配そうな目を向けた。

 

 でもまぁそれでもいいわ、と千李が言うと京は短く返事をした。

 

 一通り挨拶を終えた千李は確信した一人足りないと。ちなみに此処まで一子は抱きしめたままである。まぁ一子自身もうれしそうだが。

 

「そういや大和?われらがリーダーはどうしたの。また放浪中?」

 

「うん。なんか土曜の夜からいないみたいでさ」

 

「そかそか」

 

 言うと一子を降ろし千李はみんなに向き直る。

 

「とりあえず、ただいま。みんな。元気そうで何よりよ。またよろしくね。」

 

「ああ。おかえり姉さん。……それはそうと姉さんさっきの続きをやろう!」

 

 百代はすでにさっきの勝負の続きをしたくてたまらないようだ。

 

 さすが戦闘狂というべきか。

 

「ええ、時間があったらいいんだけどね。もう行かないとガッコーがやばいでしょう?だから続きはまた今度でいい?」

 

 確かにと大和が時計を見ると既に予鈴がなる5分前だ。

 

「むー……。仕方ないな。だけど絶対だからな」

 

 百代は不満そうに頬を膨らませたが時間を見て納得したようだ。

 

「ええ。絶対よ。私が約束を破ったことがあったかしら?……というわけで、さてお前ら学校に行くわよ!」

 

「でも今から走っても間に合う?千李姉さん」

 

 大和は千李に疑問を投げかけた。

 

 確かに今から急げば千李や百代なら余裕だろう。しかし、大和たちが今から行っても間に合わないのは必然だ。

 

「ん?余裕よ余裕。だってお前ら私が担いでいくから」

 

 そんな大和の心配とは裏腹に千李は軽く答えた。

 

「へ?」

 

 ……この人は今なんと言った?

 

 大和が思っていると千李は一子を首からぶら下げ、京を肩車し大和を背負い。卓也を左手で抱えた。

 

「おい。岳人うなだれてたいで行くわよ?さっさと捕まりなさい」

 

「お、おう。わかったぜ。じゃあ俺は腰の辺りに・・・ぶべら!!?」

 

「担ぐの面倒くさいからから。適当につかんでいくわね」

 

 千李は岳人の首根っこをつかんだ。

 

「哀れな岳人。せめて安らかに」

 

 攻撃をくらい気を失った岳人に対し京と大和が合掌した。

 

「さて。じゃあ行きましょうか。準備いい?お前らしっかり捕まってなさいよ?モモも大丈夫?」

 

「当たり前だ。しっかりついていくから大丈夫だ」

 

「よしっ!じゃあ行くわよ!」「ああ!!」

 

千李と百代は一気に飛び上がり、空中に躍り出た。

 

そのまま大和たちは千李の背中に乗ったまま普通ならありえない登校を体験した。

 

ちなみにちゃんと学校には間に合った。

 

 




いかがだったでしょうか?
今回は再会ということもあって若干長くなってしまいましたねすいません。
視点はなるべく第三者視点で行きたいと思っています。
感想、駄目だし、アドバイスお待ちしております。

読みにくいかもしれないというご意見をいただいたので修正いたしました。
読みやすくなったでしょうか?まだ読みにくいようでしたらご意見お願い致します。

あともうひとつこの小説と同時進行で、なのはオリ主物の小説もやっております。興味がわいた方はそちらもお願いします。そちらもハーメルンと暁でマルチで投稿しております。

7月6日修正
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