比企谷八幡の憂鬱   作:可愛いは正義

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違う小説書いてますが行き詰まったので書きました。

んー不作ぽい......。


出会い

虐めを体験したことがあるだろうか?

 

比企谷八幡の人生は、まさに虐めという言葉で出来ていた。

 

同じクラスになったやつには睨まれ軽蔑され、隣の席になった奴は、俺から机を離す。前後左右の人が離すので席が真ん中になった時は凄かった。なんせ授業に来た先生の目が点になったくらいだ。

 

あだ名も付けられた。

勿論カッコいいあだ名や親しい者を呼ぶときにつけるあだ名ではない。

 

『ヒキガエル』や『カエル』

 

小学生の時にもっとも言われた俺のもう一つの名前。

別に最初は嫌じゃなかった。ああ、呼んでくれてるってことで内心喜んだりもしていた。

 

だけどある日。

 

 

---------------事件は起きた。

 

何時もは話しかけてこないのに俺に話しかけてくる女子が一人いたんだ。

 

凄く嬉しかった。

 

話しかけてくる内容は恋ばな。

 

俺には縁が無かった事。

 

初めてだったんだ、だから間違いを俺は犯した。

 

いや違うな、きっと舞い上がっていたんだと思う。

 

「ねえ?その子のこと教えてよ。イニシャルでいいから」

 

「え~、H」

 

トクンっと心臓が揺れるのを感じた。

俺の名前は比企谷八幡。どちらにもHが入っている。だから----------------

 

「それって.....俺のこと!?」

 

「はぁ?何言ってんの?まじやめてくんなーい。てかあんたの名前はカエルでしょ?ははは、てかカエルの事なんか好きになるやつなんかいるわけないじゃ~ん」

 

俺は走っていた。走って、走って....気付いたら自分のベットの上で顔を布団に埋めていた。

 

「お兄ちゃーん、何かあったの?」

 

妹の小町の声が俺の部屋の前から聞こえる。

 

可愛い妹の声。いつもは聞いていたいと思うのに今は何故か聞きたくなかった。

 

こんな感情知らない。

 

どんどん自分の心が深い深い闇に落ちていく感じがした。

 

「お兄ちゃん?大丈夫?」

 

心配してくれている。

だけど、もう何処か行ってくれ。

じゃないと、俺は、俺は..................。

 

「お兄ちゃん?」

 

「...........るさい」

 

「え?」

 

「うるせえんだよ!!」

 

ガタッ、ガタガタガタッ、バタンッ。

 

静かになった。

いや俺の心臓の音だけは煩いままだった。

 

時間が経過するにつれて小町にしてしまった事がどれ程酷いことか脳が勝手に理解していく。

 

胸が痛い。張り裂けそうだ。

 

もう学校での出来事なんてどうでも良くなっていた。

 

ここにいたくない。

 

この家にいたくない。

 

俺は家を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

行く宛てなんか何処にも無かった。友達はいない。

頼れる人が誰もいない。

 

「ははっ......」

 

情けなくて渇いた笑いが出てくる。

 

辺りは車も通らず虫の鳴き声だけが響いている。

 

どれくらい歩いただろうか。

携帯を持ってくるのを忘れたので時間も分からないが、この辺りは見覚えが無かった。

 

「ここどこだ.....」

 

答えを得られない質問を呟きながら誰もいない公園に入っていく。

 

そこには一人の少女がいた。

 

見たことがない少女だった。

髪型は所謂団子ヘアーで黒髪の美少女。

 

うちの学校にあんな子いたっけ、などと考えていると少女と目があった。

 

「何かよう?」

 

「いや、用はないんだけど」

 

「あっそう」

 

ここまでは普通だった。

 

そうここまでは。

 

「あんた宇宙人っていると思う?」

 

「は?」

 

思えばこれが俺と涼宮ハルヒの出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーと.....」

 

今実際に起きてる状況を整理しよう。頭が追い付かん。

 

えーと、家に居たたまれなくなり飛び出した俺は人気の無い公園に。

そこで美少女と遭遇。

宇宙人はいると思う?と質問される。

今ここ。

 

うーん、意味わからん。

 

「ねえ、どうなのよ」

 

さっさと答えろとでも言いたそうに此方を睨んでくる。容姿が美少女なのも手伝ってか余計に怖い。

 

「い、いるんじゃないですかね.....」

 

半ばビビりながら答えると満足そうな顔をして此方に近寄ってくる。

 

「貴方名前は?」

 

「知らない人に名前を教えるなって教わってるんで」

 

名前を聞かれたことに驚いたが、俺のカンが告げている。こいつは危ないと。

 

「それもそうね。私の名前は涼宮ハルヒ、ハルヒでいいわ。それじゃ貴方の名前は?」

 

逃げ場なくされましたわ。どうしよう、てか何故俺の名前そんなに知りたいんだよ。

 

「え、えーと。涼宮さん」

 

「だから、ハルヒで良いって。私堅苦しいの嫌いなのよ」

 

生まれてこのかたボッチの俺が知り合ったばっかの女の子の名前を言えるわけねーだろ!察しろまじで。

 

「......それで俺に何かようでふか?」

 

くっ、噛んじまった。限界だったんだよ!いいか笑うなよ!絶対笑うなよ!

 

「ぷ、あはははははは。はぁーあ。久しぶりにこんなに笑ったわ」

 

笑いすぎだろ.....あーもう、家帰って布団の中で悶えてー。

 

「てか名前教えなさいよ」

 

「.......比企谷八幡」

 

「ふーん。八幡、ね」

 

「いきなり呼び捨てかよ」

 

「別にいいじゃない~」

 

思えばいつ以来だっただろう。家族以外で俺の名前を呼んでくれたのは......。

 

「っ!ちょ、ちょっとあんた、何泣いてんのよ.....」

 

「は、え?いや....これは.....」

 

自分でも泣いていることに気付いていなかった。ただ名前を呼ばれた瞬間に胸に熱いものが込み上げてきて言葉が出なくなってしまっていた。

 

「わ、私何か貴方を泣かせるような事言ったかしら......駄目ね、覚えがないわ。貴方何で泣いてるの?」

 

泣きながらでも思考は働くらしい。目の前のハルヒという少女の言葉を聞いて笑ってしまっていた。

 

「な、何笑ってるのよ!泣いたり、笑ったり変わってるわね」

 

これだけは言わせてもらおう。

 

「“ハルヒ”ほどじゃねーよ」

 

「くす。なーんだ。ちゃんと呼べるじゃない」

 

「あっ」

 

自然と口に出ていた。今まで呼んでも名字のみの俺が知り合って間もない少女を名前で呼んだ。その事実に今更ながら気付き顔が紅くなる。

 

「私は面白いことが好きなの」

 

唐突に言われたこの言葉。意味が分かるやつがいたら変わってもらいたいものだ。いや、分からなくてもいいから変わってくれ、俺はもう帰りたい。

 

「へ、へー.......」

 

「ちょっと、ちゃんと聞きなさいよ!」

 

「す、すいませんっ」

 

あまりの迫力に謝ってしまう。

 

「それでね、私は」

 

「それで宇宙人に会いたい、と?」

 

「そう!どうして分かったの!?」

 

いや分かるだろ。むしろ分からないやついるのか?ってレベル。

てか顔近い!変わってるが良い匂いもするし、ヤバイから!

 

「いや、ほら。俺も宇宙人とか好きだし」

 

まぁ嫌いではない。だって男の子だし?皆好きだろ、宇宙人。

 

「やっぱりね!最初見たときから好きそうな顔してるって思ったのよ!」

 

「いや、宇宙人好きそうな顔ってどんな顔だよ」

 

「いや~、私の知り合いはだっれも好きな人いないのよ!信じられる!?てか信じてないのよ!」

 

俺の質問に答えろよ......とは言えないが。聞く気はないんだな。

 

「まぁ、ほら世間体とか気にしてんだろ、たぶん。知らんけど」

 

「んー。世間体気にして生きててもつまらなくない?」

 

「っ......」

 

世間体ばかり気にしててもつまらなくない?この言葉は、俺の胸に響いた。

世間体ばかり気にして、虐めを認めず虐められてないと思い込み自分を騙していた自分自身を否定して壊してくれたような気がした。

 

「どうしたのよ?」

 

「....そうか、世間体なんか気にしなくてもいいんだ」

 

「ちょっと聞こえてる?」

 

「ん?あ、ああ。ありがとな」

 

「何が?」

 

「色々と、な」

 

「ふーん。まぁよく分からないけど。良かったわね」

 

「ああ」

 

俺とハルヒは、暫く宇宙人談義に明け暮れていた。

ぶっちゃけついていけない俺を置いて暴走してるハルヒに合わせてただけだがそれでも少し、楽しく、宇宙人に興味も出てきた。

 

「さて、と。私そろそろ帰るわ」

 

「ああ、そうだな。.......て、忘れてた」

 

「何を?」

 

「俺色々とやらかして出てきてたんだ」

 

「色々?」

 

 

閑和休題

 

ハルヒに説明をし終えると凄いジト目で睨まれた。

 

「はぁー.......。最低ーね」

 

「申し訳ございません」

 

「私が言ったのは、あんたのクラスの連中によ」

 

「え?」

 

ハルヒはいつの間にか笑顔で俺の手を引いてくれた。

 

「自分一人じゃ何も出来ないやつに限って集団で誰かを省きたがる。そうして下を作り自分の安定を築く」

 

ハルヒの言っている意味は理解できた。理解できたが、納得は出来なかった。

 

「それで何故俺だったんだ?」

 

「さあ。まっよく分からないけど虐め易かったか、若しくは初めから虐められてた、か。虐めは数人の主犯を無くせば自然と消滅するわ。そう言うもの、でしゃばれば次のターゲットになりかねないから、手を出せなくなるの。八幡はどうしたい?」

 

「.......俺は」

 

「嫌なら私がなんとかしてあげるわよ?」

 

「なんとか?」

 

「あんたの為に乗り込んでいってあげるわ」

 

「......何故そこまでしてくれる?」

 

「当たり前じゃない。八幡は、もう。私の団の団員なんだから!」

 

ハルヒはどや顔で答えた。

意味分からないがとても頼りがいがあると思って笑みが溢れてしまう。

 

「それでどうする?」

 

「....大丈夫だ。自分でなんとかする」

 

「そっ」

 

そう言いながらも手は離さずに公園を出る。

心臓が煩いほど悲鳴をあげて、俺の顔は真っ赤になっているだろう。

 

「あ、あのー....ハルヒ、さん?」

 

「なによ」

 

「何処に向かってるのでしょうか?」

 

「あんたの家に決まってるでしょ」

 

「は?え?何で?」

 

「あんた、妹ちゃんにあんなことして一人で謝れるの?」

 

「...........」

 

出来る、とは言えなかった。

 

小町にどう謝ったら良いのか俺には分からなかったからだ。

 

「はー、やっぱりね。私も一緒に謝ってあげるから」

 

「分かった、分かったから手を離してくれ」

 

「どうして?」

 

何?この子天然なのん?

 

「何でって....恥ずかしくないのか?」

 

「恥ずかしい?何で?」

 

止まったと思ったら真顔で言ってくる。

本当に分かっていないみたいだ。

 

「......いや何でもない」

 

「そっ、なら急ぐわよ」

 

そう言うと、手を繋いだまま進んでいく。

 

「お前、俺の家分かるの?」

 

「そんなの分かるわけないじゃない。でも此方から公園の方入ってきたし此方から来たんでしょ?それで何処なのよ貴方の家は」

 

「えーと。ここは何処ですかね?」

 

「貴方自分の家も分からないの?」

 

「いや、だからさっきも言ったけどあんな風に出てきちゃったから道に迷った.....」

 

「はぁ....団員としてあるまじき事だわ」

 

「すいません.....」

 

「それで何処までいけば分かるの?先に行っとくけど私ここの人間じゃないから土地勘無いわよ」 

 

「千葉生まれじゃないのか?」

 

「ええ。私の実家は兵庫。ちょっと用事があって此方に来てるだけ」

 

「そ、そうなのか」

 

「それで、何処までいけば分かるの?」

 

「千葉駅まで行ってくれれば」

 

「あー千葉駅ならここから10分くらいで着くわよ」

 

「え?まじで?」

 

「ええ。ちょっと中の道だから分からなかったのね」

 

暫く歩くと千葉駅まで出た。

千葉駅から自宅に帰ろうとすると見覚えのあるシルエットが見えた。

 

「小町?」

 

「え?」

 

涙目になった小町が千葉駅で俺の名前を呼びながら探してくれていた。

俺はその姿を見て小町のもとに駆け寄った。

 

「小町!」

 

「お兄ちゃん!」

 

小町は俺の胸に飛び込んできて泣いている。千葉駅で周りの目があったが全く気にならなかった。

 

「ごめんなさい、ごめんなさい。小町がしつこく聞いたから」

 

「違うんだ。小町、俺が悪かった」

 

「へえ~。これが八幡の妹ちゃんなのね」 

 

小町は、声に気付いたのか俺から離れて声の方を確認して、目を見開いた。

 

「お兄ちゃん....この綺麗な人、誰?」

 

「ああ、えーとだな......」

 

「八幡は、私の団員よ」

 

「お兄ちゃんの事を名前で呼んでる!?お兄ちゃん、お兄ちゃん!いつ知り合ったの?」

 

「さ、さっきだ」

 

「お兄ちゃんにそんなテクニックがあったなんて.....あっ!初めまして!この愚兄の妹の小町です!」

 

「初めまして、小町ちゃんでいいかしら?」

 

「はい!」

 

「私の名前は涼宮ハルヒよ。よろしくね」

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

あれ?俺空気じゃね?何この取り残された感。

 

「それじゃ、私は帰るわね。無事仲直りも出来たみたいだし」

 

「おう。悪かったな」

 

「ん?何かあったの?お兄ちゃん」

 

「いや、実は.....」

 

 

閑和休題

 

説明し終えると小町の目が変わった。なんていうか碌な事を言い出さないときの目だ。

 

「そうですか、そうですか。でももうこんな時間ですし。流石に女の子一人で帰るのは危険です。なので!愚兄ではありますが、涼宮さんを家まで送らせます!」

 

「お、おい小町ちゃん?何言ってるの?」

 

「大丈夫よ、ナンパなんか馴れてるし」

 

ナンパに馴れてる小学生ってどうなの?というか見た目で同じくらいって思ってたけど小学生だよな?

 

「お兄ちゃん、御世話になったんでしょ?」

 

「..........」

 

事実世話になったので何も言い返せない。

 

「なら送ってきなさい。これ命令。じゃないと家に入れてあげないからね」

 

「でも、それなら小町ちゃんの方が危ないと思うわ」

 

「あー大丈夫ですよ!お父さん呼んだので!」

 

小町は携帯を見せながら言ってくる。

 

「はぁ.....こうなったら送った方が早いか......ハルヒ、悪いが送らせてもらってもいいか?」

 

「なんか変な質問ね....」

 

「小町には逆らえないんだ」

 

「分かったわ。それじゃよろしくね」

 

 

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