咲-saki- 四葉編 episode of side-M 作:ホーラ
バトルボード決勝は分けました
九校戦6日目
九校戦全体を騒がすニュースが入った。そのニュースとは十四使徒の一人四葉みなもが九校戦会場に入ったというニュースだ。
四葉みなも
四葉真夜の娘であり咲の実の妹。戦略級魔法師の一人でありその魔法名は「リザベーション」、リザベーションはどんな魔法かわかっていないことが多く、ある者はプラズマの魔法だとか、ある者は豪炎の魔法、ある者はアビスのように水を使う魔法だとも言われている。知るものしか知らないことだがみなもは重度のシスコンである
「みなも様こちらでございます」
みなもとボディガード数人はバトルボード会場のvip室に通されていた。理由は当然咲を観戦するためである。今までの試合はTVで我慢していたのだが昨日の咲の試合を見て会場で見たいと言い出して会場まで来たのであった。付け加えると、みなもは戦略級魔法師として軍の位が高いので、九校戦のように軍の施設ならばvip室に通されるのである。
「おねえちゃんはどこかなあ」
みなもは咲と違い明るく元気でアウトドアのタイプだ。家の中で引きこもって本を読む咲とは性格が真反対である。
「咲様は第2レースご出場されます、ただいま第1レースが終わり点検中であるので、もうすぐかと」
そうボディガードが答えるとみなもは残念そうに眉を下げた。今日は咲は試合があるので忙しいだろうから会ってはいけない、という条件の元ここに来ている。近くにいるのに会えないこんな寂しいことはない、みなもはそう思うのだった。
私は朝、達也にみなもが来たという話を聞かされたが、大して驚くことはなかった。あら、まだ来てなかったのねレベルだ。しかし横の深雪は対抗心を燃やしている。ピラーズで負けたら馬鹿にされるということだからだろう。深雪とみなもは昔からライバルであるのだ。私はみなもと魔法戦をしたことはないが、深雪は何度かしているらしい。勝率は5分5分と聞いている。
「加速」
それがみなもの固有能力である、これは自分の意識を加速することにより一定時間魔法力を飛躍的に上昇させるものである。
みなもはこの能力から分かる通り、加速魔法が得意であり、一方深雪は減速魔法が得意であるのでこの二人は凹凸なのだ。
私は今バトルボード準決勝第2レースが始まるのを待っている。今回の課題も連続する小さいカーブ。あそこさえクリアできれば決勝で本気を出せる。今日は1周目は試走、上手く行ったらそのまま走ることにしよう
エリカたちはほのかの試合第1レースに引き続き、第2レースの咲の試合を見るために観客席にいた。もう既に観客席は超満員で立ち見まで出ている始末、さらに関係者席もほとんどが埋まっている。みんな咲を見に来たのだろう。
「咲さんすごい人気ですね….」
「もうこれアイドルレベルだよ…」
美月と幹比古がそれぞれ思ったことを言う、確かにとエリカはそう思った。
選手の入場が始まる、普通は拍手で出迎えるのが普通なのだが咲が出てきた瞬間空気が変わった。
\勝つのは氷帝!/\勝者は四葉!/\勝つのは氷帝!/\勝者は四葉!/
3割の観客はわかっていないようだが7割の観客はこれを叫んでいた。
「うわ…これって宗教?」
「まず氷帝ってなんなんですかね?」
エリカと美月の鋭いツッコミが入ったが周りの客は気にしていない。エリカたちは見ていないが咲は完全に昨日の試合で観客の心を掴んでしまっているようだ。咲も少ししまったという顔をしているが笑って答えている。
そして咲は止まって右手を上げ指を鳴らすと今まで叫んでいた人達は一切に静かになる、ついでに咲の消音魔法も発動しているようだ。
「勝つのはこの私」
普段見せないような笑顔でウインクしながら咲はこう言った。普段でも神のような美貌を持っているのに可愛こぶってやるウインクは破壊力抜群であった。咲も意外とノリノリである。
もちろん観客にも効果は抜群であり顔を赤くしているもの悲鳴をあげるもの転げまわるものその他もろもろ多数いた。
「あれを見る前は少し引いてたけど」
「あれを見たら分かる気がするぜ…」
男性陣二人の感想はこうであり女性のエリカも美月も確かにあれを見れるなら言っちゃうかもしれないと思うのであった。
スタート地点に立つ咲は何かどこかを見据えていた。
何かコースのどこか一点を見つめているような感じがする。
試合開始を告げるコールがなりランプが点灯すると咲以外の二人は走り出した。咲はスタート地点で止まったままタイマーを見ていた。
「なんで咲さんは走らないんだろう」
「知らないわよ、咲に聞きなさい!」
「けど咲さん笑ってますよ?」
咲は笑っていた。その顔はまるで何か思いつめてたことが解決したような笑顔であった。
他の二人がスタートしてから1分後咲はスタートした。
「速!なにあのスピード」
「しかもずっと加速してますよ」
「まずいよ次のカーブきついからオーバースピードだよ」
明らかに摩利の事故が起きた時の七高の選手のオーバースピードより速い、普通だったらぶつかるだろう。普通だったら。
咲は目の前のカーブに小さい氷の道を作った。ちょうどバトルボードぐらいの幅で斜めになってる上部には突起が付いている。咲はその上部の突起にバトルボードの淵を引っ掛け浮き上がらないようにしてその道に沿ってカーブを曲がった。
「「「はあああああああ!?」」」
「何であれ曲がれるんだ…」
「氷壊れないのかよ…」
咲はその方法で次々と加速したままカーブを抜けていった。しかし鬼門は次であった
「次の小さい連続カーブどうやって抜けるんでしょう」
そう、咲のあの方法でカーブを曲がるとすると小さいカーブの連続だと体勢が戻しきれずに大回りになってしまい壁にぶつかってしまう。最初のカーブも、曲がった後水平に戻すのに1秒近くかけていた。
その質問は咲が目の前で実践してくれた。まず水の制御でなるべく連続カーブを抜けるまで一直線な水の壁を作る、そしてそれを一瞬で凍らせ、咲はそれに続く氷の道を作り、壁を地面の上のように横向きになりながら走った。
「「「「はあああああああああああああああああああああ!?」」」」
さっきの最初の曲がり方より大きな声が上がった。
そのあと前を走る二人を軽く抜いたあと少し減速して普通に走った。普通ではない速さなのだが他の普通の人と走り方と同じく走った。
当然一位、タイムは10分40秒歴代最高タイム、14〜15分かかる競技では圧倒的早さだった。しかも舐めプのスタート直後1分待ちでだ。
咲は拍手を送られたので手を振って返しているようであった。表情も笑っていた。
「あれどういうことなんだ?」
あれとは壁を作って一気に曲がったアレだろう
「わかるわけないでしょ!達也くんじゃあるまいし」
達也がいないと不便だと感じる4人であった。
「お姉ちゃんは壁を作って加重系魔法で重力の方向を下向きから壁の方向に変換したんだ。そうすることにより連続カーブを早く抜けることができる。やっぱりお姉ちゃんはすごい!」
みなもはボディガードに説明しているがボディガードは理解していないようだった。
咲さん可愛い教が広まっている。
ここに荒川病院を立てよう
なんで速度が速すぎると小さい連続カーブがやばいかはスマホを傾けて小さい連続カーブを曲がるイメージで動かすとわかりやすいかも。とりあえず小さい連続カーブは速度が速すぎると危険なので壁を作ることによって早く進めるという風に定義しといて下さい。なんか解説してたら自分まで分からなくなってきた…