咲-saki- 四葉編 episode of side-M   作:ホーラ

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モノリスコード決勝トーナメントです

投稿前に一度チェックしてるのに誤字が多すぎる


第32局[決着]

九校戦8日目午後

 

 

モノリスコードの予選結果は1位三高 2位一高 3位八高 4位九高となった。決勝トーナメントでは普通三高vs九高、一高vs八高となるのだが、予選で先ほど八高と戦ったことを踏まえ三高vs八高、一高vs九高となった。

 

 

昼食時、私は本部で本を読んでいたので、達也と深雪と別行動であった。

 

「ほんと咲は本が好きだな」

 

「ええ、本を読むことが人生で一番好きかもしれません」

 

本部に入って来た渡辺先輩に話しかけられた。決勝トーナメントへの激励をしに来たというところであろう。

 

「まあお前と達也君が組んだら大抵の学校には負けないと思うが…三高には勝てそうか?」

 

「負ける気は無いです。しかし私はモノリスの防衛なので達也さんと吉田君が倒されたりして向こう三人残った状態だと厳しいかもしれないです。まあ見通しがいいステージだったら狙撃を試みますが」

 

殺し合いであれば三人がかりでかかってきても勝てるだろう。けどこれは魔法競技だ。私の技は殺傷ランクが高いものが多く一条に通りそうな技がない。逆に言えば向こうからも私に対して通る魔法がたぶんない。よってお互い千日手状態になる可能性が高い。なので一条は達也に倒してもらうしかない。

カーディナルジョージの不可視の弾丸も相当厄介だが、あれは視認しなくてはいけないという欠陥があるので幻術などを使えば攻略できる。

 

問題は一条をどうやって殺傷ランク低い魔法で倒すか、この一点だけであった。

 

 

 

三高vs八高が始まるので試合会場で達也達と合流すると、なぜか達也と美月の顔色が悪かった。達也の顔色が悪いのは珍しい。

 

「どうかしました?」

「いや、精神的に疲れただけだ。問題ない」

「達也ばかり矢面に立たせて悪いね…」

 

吉田君がすまなそうに謝る。達也が前衛をやったぐらいで疲れないだろうに、と思い深雪を見ると、傍目からわからないぐらいであったが少し機嫌が悪かった。達也と喧嘩でもしたのだろうか。

 

「達也、一条ってやつはどれぐらいすげえんだ?」

 

レオが達也に尋ねる。他の人も気になっているようだ。

 

「まあ見ればわかると思うが、たぶん男版の咲…ほどではないな、深雪ぐらいだろう」

 

「それでも十分すごいと思うけど」

 

一条は敵陣に向かって隠れることなく堂々と歩いていた。八高の選手はそれに魔法を放つが無効化されてしまう

 

「"干渉装甲"か。移動型領域干渉は十文字家のお家芸のはずなんだがな」

 

吉田君達は一条の魔法に目を奪われているようだった。

 

「今度は偏移解放か、これは咲を意識してかもな」

 

「お姉様をですか?」

 

「咲はクラウドボールで偏移解放の術式を使っていた。もしかしたらそれを意識してのことかもしれない。それか殺傷ランクを下げる為にあえて使ってるのか、力がありすぎるのも考え物だな」

 

私を意識して使っていることはないだろう。それならもっと挑発してもいいはずだ。これは明らかに達也を挑発している。

 

「あれだけ継続的に魔法を使いながら少しも息切れしないのは、単に演算領域の要領が大きいだけではなく、息継ぎも上手いのだろう、しかしこちらは息継ぎとか関係なしに息切れしない咲がいるのだが….」

 

達也は解説している内に私と比べてしまい一条のすごさが自分の中で失われていくようだった。

 

「なかなかやるわね」

 

「ああ、まあ咲に婚約を申し込むならこれぐらいできないとお話にならないが」

 

「「え?」」

 

一条の試合を見て呆然としていたエリカ、レオ、美月が反応する。

 

「お前ら知らないのか。咲はほとんどの師族二十八家から婚約申し込まれているんだ。逆に申し込んでいないのは十文字先輩と他数家ぐらいだ。それに加えて有力百家と名門の家にも申し込まれている。幹比古の兄だって確か申し込んでいるはずだ」

 

「本当だよ、まあ咲さんに魔法戦勝たなくてはいけないんだけど」

 

咲の美貌を見れば納得という顔を三人はしていた

 

 

 

 

一高vs九高は、開幕またしても私のシャープシュートによってワンターン3キルを達成し決勝に駒を進めた。

 

決勝の作戦はもう達也と吉田君とは決定済みだ。私が考えた作戦だが達也に珍しく咲にしてはスマートだと言われた。吉田君にはそんなことができるのかと言われたが、目の前で証明することによって信用を取り付けたのであった。

 

私たち三人は決勝まで各々に過ごしている。当然昼同様、私は本部で本を読んでいた。

そこに七草先輩が駆けつけてくれた。

 

「咲さん頑張ってね、もう新人戦優勝は決まっているけど負ける気は無いって摩利から聞いているわ」

 

「ええ、負ける気はありませんし一条選手相手でも負けたくありません。」

 

「ねえねえ、咲さん、今回の作戦お姉さんに教えてくれないかな、達也君は教えてくれなかったの」

 

七草先輩は手を合わせて懇願する。どうやらそれを聞く理由も含めここにきたようだ。

 

「一言で表すと奇襲ですね、七草先輩相手だったら通用しないと思いますが。もし驚くことがあっても静かにしといてもらえるとありがたいです」

 

「わかったわ、約束します」

 

宣誓のポーズを取るように七草先輩は答える。やはり七草先輩は愉快な人のようだ。

 

 

 

決勝の舞台は草原ステージとなった。

これは一高にとって有利に見えるが実は不利だ。射線が通るので咲のシャープシュートの鴨のように思えるが、見えていれば障壁魔法で対処できる。見えているスナイパーは弱いのだ。現に原作の菫のシャープシュートは狙いが読まれている松実宥にことごとく躱されていた。

一番強いのは岩場ステージ、射線が通りやすく隠れる場所が多い。

 

 

 

 

 

 

「やったね将輝、これで咲さんの遠距離狙撃の脅威が減るよ」

 

「ああ。森林ステージの方がいいが、渓谷ステージや岩場ステージよりましだ」

 

三高の作戦はこうだ。

まず咲がこれまでのように防衛に回った場合は達也には将輝、幹比古には吉祥寺ともう1人を回し、幹比古を速攻で撃破。それから将輝を援護し達也を攻略、最後は残っている人で咲を攻略。

咲が攻撃に回ってどちらかが防衛に回った場合は咲に将輝、もう片方に2人を当てる。2人でもう片方を攻略し3vs1で咲を攻略する、残りの人間で防衛を攻略する。

全員が攻撃に回ってきた場合は咲に将輝、達也に吉祥寺と残り1人をあて、速攻で撃破、倒したら次は幹比古を撃破。その間将輝は時間稼ぎをし3vs1で咲を攻略する。というものであった。

 

達也と幹比古はそんな強い魔法は使えないように見えたので圧倒的に強い咲を三人で攻略するためにこの作戦を考えた。

 

 

 

 

 

一高選手が入場してるといつものコールがかかるが観客は少し困惑しているようだ。なぜかというと達也以外の私たち2人はローブを纏っていたからだ。とりあえず観客の声援に応えるためにローブを脱いで上に投げ片手でキャッチし肩にかける。

 

「勝つのはこの私」

 

少しキザ風にいうといつもより黄色い声援が大きかった。達也は、またか、何やってんだお前風な目で私を見てきたが仕方がない。

 

 

 

このローブは精霊魔法の力を高めるローブだ。私も吉田君も精霊魔法が得意であるので明らかにドーピングのようなものなのだが、精霊魔法についてのルールが甘いのかこのローブは検査を通ることとなった。

 

 

試合を開始される合図が鳴り響き試合が開始される。試合が開始された瞬間咲以外の五人は相手モノリスコードの方に向けて走り出した。将輝たちは咲だけ防衛のこれまで通りの布陣を見て作戦通りに動いた。

 

 

将輝は狙撃を警戒しながら達也に"空気弾"を放っていた。それを達也は術式解体で無効化する。お互い魔法を使い牽制しあってる時、咲のいる方角からたくさんの光の矢が飛んでくる。精霊魔法「精霊の矢(エレメント・アロー)」である。精霊の種類を大きく分けると4つ、火水風土。その種類ごとに応じた魔法を相手に飛ばす魔法だがもともと威力は少なく、ローブのドーピング効果もあるのだが、咲が使っても将輝にとっては目くらまし程度にしかならない。おそらくこの魔法は手数の少ない達也の援護のためであろう。将輝はジョージが来るまで達也を仕留めるのは待つかと考え、防御気味の考えに変えた。

 

吉祥寺ともう1人は幹比古のところに走っていった。数的有利であり多少なりにも吉祥寺は腕が立つ。一瞬でかたをつけられると思って幹比古の方に向かうと咲が将輝に攻撃を始めた。目くらまし程度の威力しかないが達也は撃破するのはその魔法に対処することで難しくなる。僕たちが来るまで将輝は防御思考になったようだ。

そう考えてる時、目的の幹比古と接敵する。"不可視の弾丸"を放とうとするが幹比古の姿が分身し定義ができない。使っているのは幻術魔法のようだが強度が高い。もしかしたらローブが関係しているかもしれない。

それならばと2人で分身を魔法で破壊しにかかる。

 

 

 

 

 

8割分身を破壊したところでありえない音、モノリスが開く音が聞こえた。それは三高のモノリスであった。

 

「いつから私が防衛だと錯覚していたのかしら?」

 

三高のモノリスの側に咲が居た。咲は三高のモノリスを開きキーボードで既にコードを打ち込み始めている。あり得ない、さっきまでそこに咲は自軍のモノリス近くにいたはずである。移動していたら例え高速で動いていようと姿が見えるし、まず魔法の発動兆候で気づくはずである。瞬間移動でもしたというのか。

 

「君はこのまま戦っておいてくれ、僕はモノリスのコード打ち込みを止めに行く」

 

「わ、わかった」

 

吉祥寺は混乱する頭で咲のコード入力を止めに行くのであった。

 

 

 

 

 

咲が使った神依はよく咲が使うステルスモモの応用であった。最初に咲は防衛でモノリスの近くにいるという意識を前の試合により植え付ける。次に、ローブを被り派手めの魔法をモノリス近くから放つことによりそこにいるのだという意識を確信に変える。そして、そのまま精霊をそこに固定させ固定砲台のように魔法を放つ、まるでそこにずっといるように。その間にステルスモモを使用し全力ダッシュ、三高のモノリスに向かう。そして三高のモノリスを開いてステルスモモを解除、これが瞬間移動の真実であった。

 

ステルスモモと視線誘導、意識誘導を含む、この作戦を考えたのはもちろん咲自身ではない。咲の神依の能力であった。

 

末原恭子

原作では姫松の参謀、戦犯やカタカタなどがよく話題になっているが咲対策や怜の未来視対策、姉帯の経験から初見の爽の能力への対抗とかなりの強者ぶりを見せている。実は末原さん強い。

この能力をこの世界に落とし込むと、最も有効な魔法の使い方、神依、作戦を考えてくれる。それに加え超早上がりの置き換えで魔法の威力を犠牲に魔法速度を上げることもできる。

 

この能力を使い、咲は咲に似合わないスマートな作戦を考えたのであった。一条を倒すのが大変ならば倒さなくてもいいのだと。

 

 

 

 

咲は吉祥寺が追って来ていることを確認すると精霊魔法で霧を作り不可視の弾丸を封じた。そのままモノリスから離脱する。この霧は私の目と同調しているので離脱しながらでもコードを打ち込むことができる。私は逃げながらコードを打ち込み、私たちは霧の中静かにモノリスコードの優勝を飾った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




誰も倒されない優しい世界

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