咲-saki- 四葉編 episode of side-M   作:ホーラ

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今日で最初に投稿してから1ヶ月経つのか…


第44局[青龍]

三高生徒を送り出し、義勇軍に加わった一条将輝は空の変わり具合に困惑していた。狭い範囲に雪を降らす魔法なら知っていたが、こんな大規模に天気を変える魔法は知らなかったからである。

さらに次の光景を見た将輝は開いた口が塞がらなかった。

 

「竜だと…!?」

 

神話上にしか出てこない竜が8匹も空を飛び回っているからだ。魔法師相手なら自信があったがあんな化け物に勝てるわけない。しかし幸い戦う必要はなかった。ある人がその竜たちを従えたからだ。

 

「咲さん…」

 

竜を従えた相手は自分の婚約者候補の咲であったからだ。

 

 

 

 

 

独立魔法大隊に出勤を命じられ自分が設計したムーバル・スーツに着替えた達也は突然の天気の変わりように天を見上げた。精霊の目で見てみるとそこにいたのは8匹の竜であった。確か竜を召喚する術式はあったはずだが、この短期間で竜を8匹召喚できるとは考えられなかった。敵にそんな高度な魔法師がいるのか。詳しく目で見ると竜のサイオンは咲のサイオンに似ていた。

 

「特尉。あの竜を知っているか」

「いえ、しかしサイオンを見たところ咲に似ています」

「四葉咲か」

 

同じく空を見上げている風間に質問され分かったことを返す。自由に飛んでいた竜は突然綺麗に並んだ。そこに現れたのはやはり咲であった。何か新しい神で竜を従えているのだろう。神が竜を従えるなどありそうなことだ。咲は何かやるようなそぶりを見せ、1匹を手元に残し残り7匹を散開させた。どうやら7匹の竜を使い敵を押し返すつもりらしい。

 

「独立魔法大隊はあの竜を援護する。展開しあの竜とともに敵を殲滅しろ」

 

そう風間が命令を出し、達也は1匹の竜の応援に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

私は久しぶりに竜を使役できるこの力を発動できたことが嬉しかった。

 

松実玄

阿知賀二年の先鋒であり能力はドラの支配。彼女は昔からドラを大切にすることによりドラが集まるようになったのだ。

この世界に置き換えるとドラゴンを支配する力となる。ドラの由来はドラゴンであるからだ。竜が8匹なのは咲原作のルールは赤ドラ4枚とドラ4枚、合計ドラが8枚であるので8匹を使役できるということになる。

しかしデメリットもある。大きな魔法しか使えなくなったり、魔法発動が遅くなるというのもあるが実はあまり問題ではない。

何が一番問題かというとそれは竜1匹がやられてしまうと私はこの神依の力を失ってしまうのだ。失ってしまうと戻ることはなく、二度と使えない。原作ではドラをきっても決まった局数うつことで能力は戻ったのだが、ドラゴンの支配という強力無比な力であるのでこの世界では誓約も強かった。

この理由から実践では、今まで私はこの能力は使えずにいた。

 

 

しかしある神依を合わせると今回の状況だと使えるようになる。

 

 

郝慧宇

臨海女子の一年であり麻雀のU-15のアジア大会で銀メダルの実力を持つ。中国麻雀では無敗であったのだが慣れないアジア大会のルールで負けてしまい、そのルールに似ている日本のインターハイで勉強しにきたのだ。打ち筋は中国の麻雀役を駆使し、リーチも使わない。見たこともない打ち筋に、準決勝ではまこはボコボコにされたのであった。

これをこの世界に置き換えると能力は3つになる。

1つ目は大亜連合の魔法を使えるようになるという能力だ。これは便利で九校戦の遅延術式はこれを使った。

2つ目はCADがいらなくなるという能力。麻雀の中の一番重要な役はリーチだと私は思っているので、魔法で一番重要視されてるCADをリーチに置き換えたのだ。

3つ目は中国麻雀が無敗だったので"大亜連合には負けない"というチート能力。原作でもガイトさんネリーダヴァンたちを中国麻雀でボコボコにしていたのでイメージが簡単であった。

 

 

私は敵が大亜連合と分かったので、3つ目の力を竜に与え使役しているのであった。竜たちには味方を助け、敵を蹴散らせとだけ命令してある。1匹残したのは自分で動かすためだ。

私は天空から地上を俯瞰しながら次やるべきことについて考えた。

 

 

 

 

 

「深雪さん、咲さんのあの力知っていますか?」

「ごめんなさい吉田君、私はお姉様の力を全て知っているわけじゃないの。私も竜なんて初めて見るわ」

 

深雪が申し訳なさそうに謝る。深雪も空の先を見て何か思うところがあるようだ。

 

「深雪、ミキ、直立戦車2台くるよ!」

 

エリカの声にレオも含めた4人が戦闘態勢に戻るが、戦いを始めるその前に直立戦車が無力化された。

咲の竜の1匹が放った炎と雷撃で直立戦車を一瞬で灰にしてしまったのだ。その竜は飛び去り別の場所に向かう。

 

 

「ちょっと咲…これ」

「さすがにチートすぎるだろ…」

 

こんな竜が8匹もいるのだ。深雪を含めたここにいる4人の意見は当然一致した。

 

 

 

 

 

竜が現れたことにより押され気味であった戦線は息を吹き返した。

突然現れた竜が、義勇軍ではどうすることもできなかった化生体を次々と破壊し、戦線を押し上げてくれる。まるで神が自分たちの味方してくれ、竜を寄越してくれたような光景である。士気があがらない訳がない。逆に相手の士気は竜の出現により下がったのであろう。

どんどん義勇軍が戦線を押し上げていった。

 

 

 

 

 

 

北山家の救助のための輸送ヘリが着陸しようと高度を落としている時それは起こった。

突如として飛来したのはまたしても暗い雲。しかしそれは黒い雲ではなく蝗の大群であった。雫はフォノンメーザーを発動するが数が多い。全てを焼き殺すには至らなかった。

蝗の群れがヘリに取り付くと見えたその時。

 

滅びの炎が蝗の群れを薙いだ。

 

その炎を使ったのはヘリと逆の方向から来た咲が上に乗った竜であった。

 

「お任せあれ!」

 

そういい残し咲は上空を警戒するように竜を使い旋回している。

避難のためにシェルターから出て来た人たちは咲の竜に驚いていた。当然の反応であろう。

 

 

 

 

北山家のヘリが一般市民を乗せた後、七草家のヘリが到着し真由美たちと警戒部隊を回収した。ヘリの中ではやはり咲の力についての話題になった。

 

「深雪、聞いていい?咲のあれはなんなの?」

「千代田さん、人の魔法能力を聞くのはマナー違反よ」

「大丈夫です、みなさんにならお話してもいいと思います。守秘義務は別にありませんがお姉様は仰々しく言われるのがあまりお好きではないので、この件についてはなるべくオフレコでお願いします」

 

花音が深雪に聞き、それを真由美がたしなめるが、深雪は別に禁止されていることではないので話すことにした。

 

「お姉様は実は多重人格者ではありません。本当の能力名は「神依」、神を纏いその力を使役する能力です」

 

深雪が話した事実に真由美以外はもう何度目かわからない驚愕を示した。

 

「え…じゃあさっきの咲も神を纏ってるってこと?」

「そういうことになります」

「確かにあの魔法力や急な得意魔法の変化などはそう言われると納得がいくな…」

 

摩利は納得した。確かに神の力を纏っていると言われれば納得がいく場面が多い。

 

「じゃあ深雪、咲って神の力で何でもかんでもできるわけ?」

「違うわエリカ、お姉様の神依は神ごとに力が決まっておりお姉様はそれを選んで使っているだけ。神の力はもともと決まっているから何でもかんでもはできないそうよ」

 

深雪はエリカの間違いを訂正する

 

「じゃあ今の咲さんは竜を使役する神なのかしら?」

「そうだと考えられます。正確な能力はお姉様に聞かないとわからないですが」

 

ヘリの外で竜に乗っている咲を深雪は見ながら言った。その当人の咲は何かを感じ取ったようで、急に進路を変え魔法協会の方に向かった。

 

そうは言っても深雪は姉が心配であった。姉の力は絶対であり神の力を持つが人間である。人間である以上死は免れない。姉も自分の力には弱点があるといつも言っていた。深雪はそれを突いていつも姉に勝利しているので今回もそれが突かれない保証はない。

 

誰もが咲の神の力のことについて考えている時、美月が驚きの声をあげた。

 

「美月どうしたの?」

「えっと、魔法協会の辺りで猛獣のようなオーラが見えた気がして」

 

姉は何か気づいたように魔法協会に向かった。多分同じものを感じ取ったのであろう。呪符でみた幹比古はそれが敵襲であることを皆に伝える。

 

「咲さんが向かっていますが相手の呪力も大きいです。戻りましょう」

 

真由美達は魔法協会に戻ることとなった。

 

 

 

 

 

私はやっとまともな勝負になる相手を見つけて歓喜していた。私の前に立つのは呂鋼虎。

 

 

呂が身につけている装備は白虎甲。私は青竜に乗っている。

私は竜を使って雷を放ったのを合図に

青龍vs白虎の戦いが始まる。

 

 




玄ちゃんが強く見えるぞ。
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