東方叛逆郷─スパルタクス幻想入り─   作:シフシフ

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アッセイ!(挨拶)












その男は────マッスルだった。

 

 幻想郷。

 

 そこは、人と妖怪が共存する最後の秘境。

 博麗の巫女と1匹の大妖怪が作り出した博麗大結界で包まれた、陸続きの孤島。

 

「ふむ・・・・・・・・・・・・・・・闘技場(コロッセオ)か」

 

 そこに迷い込んだ男が1人。突如訪れた変化。しかし、その思考に迷いはない。

 

「おぉ、圧政の匂いがする!ははは、だが安心するがいい。私が来たっ!」

 

 その男は─────マッスルだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目に覆われた、暗い空間。様々な世界が垣間見得る、固有の空間。

 

「あら・・・・・?」

 

 金髪を靡かせ目を瞑っていた妖艶な美女、もとい大妖怪。そんな彼女が目を開く。幻想郷に誰かが侵入したことを感じ取ったのだ。

 

 強い気配を感じる。

 

 なるほど、と彼女は思う。

 自らの能力で高所にスキマを作り出すと、そこからこっそりとその男を覗き込む。

 

 真上から見下ろせば、筋骨隆々という言葉が良く似合うそんな男がいる。

 

「へぇ・・・・・何処ぞの英雄かしら?」

 

 まぁ、幻想郷に害をなさなければ彼女は男を排除するつもりは無かった。

 もういいか、とスキマを閉じようとした時だ。

 

「────待ちたまえ圧政者よ」

 

 その男は目の前に居た。

 

「────っ!?」

 

 身に迫る凄まじい殺気(スマイル)。目の前に開かれるゴツゴツとした手。

 

 ここは高所、飛べない限りは辿り着ける訳が無い。そして、何かを使って飛んだようには思えない。つまり、跳んだ。

 そんな思考を瞬時に捨て去り、スキマを閉ざす。

 

「・・・・・お、驚いたわね」

 

 ビクビクと、スキマが閉ざされた衝撃で千切れた男の手と、彼女。その二つが目玉だらけの空間を漂っている。

 興味本位に近づくと跳ねるように動き、彼女を驚かせる。

 

「な、なによこれぇ・・・・・気持ちわるいわ、返してあげましょう。ほんとに人間なのあれ・・・・・」

 

 そう言って再びスキマを開くと目の前には笑顔(ニッコリ)

 

「圧s」

「ひやっ!!!」

 

 驚いた勢いのままに手を投げつけてスキマを閉ざす。

 

「はぁ、はぁ・・・・・こ、こわ・・・・・なに?私が何をしたというの?た、確かに圧政者と言われればそうかもしれないけど、これしかないんだから仕方ないじゃない!バランス難しいのよ?!・・・・・はぁもうやだ炬燵で寝たいぃ・・・・・」

 

 笑顔で殺しにくるのは1人で良いのに。

 

  彼女は若干落ち込みながら考える。幻想郷に受け入れるべきか、否か。

 

 今の数秒の中で、あの男の人間性?とでも言うべきものは多少、理解出来た。正直理解したくなかった彼女だが、結論としては・・・・・人間の味方。もしくは弱者の味方だろう。

 

 上白沢と同じく人間の守護者となるのだろう。

 

 そこまで考えて、バランスを練り始める。

 

 今、確かに人は劣勢だ。一部の妖怪、特に中級妖怪達が下手に力をつけ始め、人里に侵入しては暴れ回る事が増えた。

 

 とすればこれはチャンスではないだろうか?

 あの男が人類の守護者として戦ってくれれば、次の巫女候補の捜索や、育成の時間が稼げるかもしれない。

 

 ただ・・・・・・・・・・。

 

「私、スキマを開いたら殺されそうなんだけど・・・?」

 

 この大妖怪・・・・・実はとってもビビりである。巫女探しはもう少し後に引き伸ばすことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅむ、逃げられたか。まぁいい」

 

 腕から感じる痛み(誉れ)に喜ぶ男。圧政者にあと1歩まで迫る事が出来た、その証明たる痛み。

 そして、痛感する。

 

「やはり・・・・・高い。」

 

 物理的にでは無い。もっと、他の要素からそう思った。・・・・・もっとも、思う、という事が今の彼に出来るかは別だが。

 

 ピクピクと動く手を回収し、腕とくっつける。暫くすれば、何と腕は元通りになっていた。

 

「・・・・・む?」

 

 そんな異常さを見せつけた男の前に、一体の影。

 それは男の身長ですら見上げ無くてはならないほどの大きさで・・・・・

 

「グルアアアア!!」

 

 余りにも凶暴なバケモノだった。

 

 

 

 

 

 

 

 のだが!

 

 

 

「おぉおお!やはりコロシアムか!猛獣と闘士!いいぞ、いいぞぉ!!ふむ?観客は何処だ」

 

 どうやら驚いてはいない様子。むしろ嬉しそうだ。

 男はいざゆかん!と腰にぶら下げていたグラディウスと言う短剣を片手に立ち向かう。

 

 まず、第一に。

 

 基本として彼は攻撃しない。

 

「グァァアア!!」

「はははははは!いいぞ!」

 

 怪物の爪が、男の皮膚をいともたやすく切り裂いた。鮮血が溢れ出すが、男は慈愛の満ちた笑み(スマイル)を浮かべている。

 

「グルゥゥウア!!」

「もっとだ!ふははは!もっとだ!」

 

 腕が落ちた、肩が弾けた。

 誰が見ても、男の敗北は必至だろう。むしろ、なぜこの状況になっても笑っているのか。

 

 観客がいたならば、攻勢に出ずにいる男に野次を飛ばすか、憐れむかをするのだろう。

 

  そうしてじらして、またせて・・・・・覆す(叛逆)

 

「フンッ!」

「───────ァ」

 

 ただの1振り。

 たった一撃で、怪物が消し飛ばされた。

 

「うむ。良い、痛みだぁ」

 

 終始、笑みを浮かべていた男は、満足げにグラディウスを撫でるその姿は正しく闘士だ。

 

 それはさておき、何たる有様か。もしも男の姿を見た人物がいるならば、「医者ー!」と叫ぶか、「誰か救急車ー!」と叫ぶだろう。もしかしたら助からないと諦めて線香を持ち寄るかもしれない。

 

 そう、例えばこんなふうに。

 

「ふんふんふ〜ん、お?なんだアン・・・・・タぁ!?おおおお!?アンタ大丈夫か!?医者呼ぶか!?」

 

 実はここ、道である。道のど真ん中で男は死闘を演じていた。周りは勿論血だらけである。

 

 そんな男を見てしまった憐れな商人SANチェック。魔除けのお札をぶら下げながら、おおっと滑って腰を打つ。

 

「おや、大丈夫かね?」

 

 いやお前だよ。振り向き差し伸べられた手を見て、商人はそう思いつつも尋ねにはいられない。人として、と言うか常識的に状況的に。

 

「あ、アンタ、大丈夫かよ!?」

 

 言われた男はニッコリ笑って親指立てて、更には傷口を見やすいように商人に近づけて

 

「大丈夫。ほら、傷口も笑っている」

 

 応える男に商人2度目のSANチェック。

 もしや魔除けの効かない妖怪か何かなのではと本気で思う、商人であった。

 

 でも・・・・・その笑顔的重圧から、背を向けられなかった。

 

「ところで君は・・・・・」

 

 キラリ。と男の目が光る。

 

 「圧政者(悪徳業者)かね?」

 

 疑り深い、男であった。

 

 











FGOでの出来事。

スパ「おぉ!圧政者よ!汝を抱擁せん!」
ソロ「いいぞ、いいぞ!そうでなくてはな!」
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