東方叛逆郷─スパルタクス幻想入り─   作:シフシフ

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(マッスル!!)
マッスル!!!
マッスル!!!!!

ΣΣΣ≡┏|*´・Д・|┛ダッシュマッチョッチョ


今回の内容は「うー☆」と「フランちゃんうふふ」です。








地下にて膨らむ叛意と狂気

 コト、コト・・・・・・

 

 硬い床に足音が反響する。ここは地下牢。罪人や躾のなっていない妖怪を幽閉する所だ。

 

 足音が次第に大きくなるにつれて、スパルタクスの目が光を灯していく。

 目の前に圧政者が現れた時、全ての力を振り絞ってこの手足に付いた枷を引きちぎり、一撃の元に殺してやろうと。

 

 しかし、スパルタクスは気が付いた。足音は小さい。警戒して小さくなるのではなく、体重が単に軽い。つまるところ先ほどの圧政者では無いのだろう。

 

 そう結論付け、新たなる圧政者の登場を今か今かと待つ。足音は鮮明になり

 

 コト、コト。

 

 目の前で止まった。

 

「───────ッ!!!!」

 

 全身の筋肉を爆発させるように脈動させ、一瞬にして枷を引きちぎる。次なる障害は鉄格子は────まるで溶けていたかの様にグニャりと凄まじい音を奏でながら捻じ曲がり、スパルタクスは圧政者に掴みかかった。

 

「ひぅっ!」

 

 しかし、掴む寸前にスパルタクスは止まる。

 目の前に居たのは小さな子供だった。素早くその子供を確認したスパルタクスは、その手足に痣があるのを見つけた。

 

「・・・・・・すまなかった。大丈夫かね?」

 

 スパルタクスは自らの行動を恥ながら、少女へと手を伸ばす。その頭を優しく撫でながら、スパルタクスは落ち着いて少女を見た。

 

 青い髪に赤い瞳。薄ピンクの小さなドレスは少女によく似合っている。眼は恐怖に怯え、その体は暴力を知っているのだろう、それら備え萎縮している。

 

「私は君に暴力は振るわないとも。私の名はスパルタクス、君は?」

 

 スパルタクスは明らかな弱者にそう問いかけた。すると、スパルタクスの名を聞いた少女は安心したように顔を綻ばせ、少し微笑む。だが緊張は抜けていない。

 

「わ、私の名前はレミリア。レミリア・スカーレットよ」

「ふむ、レミリアか。良い名だ」

 

 スパルタクスは自身にとって最も柔らかいだろう笑顔を見せる。それは誰が見ても満点花丸をあげたくなるような見事な笑顔だ。きっとどんな人物であれ力が抜けるだろう。それほどに安心させる笑みだった。

 

「・・・・・・!」

 

 レミリアにもそれは効果があったようで、緊張が解けた。しかし、緊張が解けたせいなのか今度は涙ぐむ。

 

「ひっぐ、うー・・・・・・」

「むぅ。」

 

 こうなるとスパルタクスは弱い。どうすれば泣き止んでくれるだろうか。今のスパルタクスに解決策を見出す能力は欠落している。

 分かるとすれば目の前にいるレミリアと言う少女は、圧政を受け、苦しんでいる事だけだ。

 スパルタクスは叛逆者。レミリアを泣かせる圧政者に立ち向かうことはできる。しかしそれが彼女の涙を止める結果となるか、そこまでは考えられない。

 

 故に。

 

「何故泣いているんだね?」

 

 尋ねる。分からなければ、考えられないのであれば直接尋ねれば良い。スパルタクスはバーサーカーだ。意思の疎通は困難。しかし、それはスパルタクスが話しを聞く気が無いからに過ぎない。

 

 スパルタクスは弱者に歩み寄り、寄り添う事ができる。

 

 彼は弱者の為に戦う戦士だ。全ての人よ平等であれと願う優しき人だ。

 その思考がいくら狂っていたとして、その本質は決して変わりはしない。

 目の前に泣く少女があれば、狂気も幾らか治まるというもの。

 

「いっ妹っ、が・・・・・・お父様、に!イジメられててっ、私、助けられなくてっ、ごめんっなさい。フラン・・・・・・」

「そうか、そうであったか!」

 

 スパルタクスは完全で無いにしろ、理解した。あの時であった圧政者、それはこのレミリアという少女の父なのだろう、と。そしてその父は娘達を虐待する圧政者なのだと。

 

 スパルタクスは怒り狂う。治まったはずの狂気は再び膨れ上がり、それは叛意となって彼の体内を暴れ回る。

 

「安心したまえ、レミリアよ。私は─────」

 

 スパルタクスは微笑み手を差し伸べる。

 その眼は爛々と輝き、その闘志は膨れ上がっている。

 だがレミリアを脅すことなくそこにあった。守る、助ける、倒す。スパルタクスのシミュレートは即座に終了した。要するにいつも通りに

 

「────君達を救おう」

 

 最も困難な道を往く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、こっちです」

 

 レミリアがスパルタクスの肩に乗せられながら、地下牢の先を指す。1本の太い道、その左右に計十個の牢屋があった。その奥、更に下に続く階段。レミリアはそこを指さした。

 

 これは余談であるのだが、スカーレット卿は「地下のあの部屋」にスパルタクスを入れろと命じた。

 その部屋こそ、今レミリアとスパルタクスが向かおうとしている部屋だ。

 では何故スパルタクスは変哲もない牢屋に入れられていたのか・・・・・・、それはレミリアの能力によるものだ。

 

『運命を操る程度の能力』

 

 それがレミリアの能力。小石を投じる程度の干渉しか出来ないが、彼女はスパルタクスの運命に小石を幾度となく無数に投じたのだ。結果、スパルタクスはあの牢屋に入れられていた。

 

「ふぅ」

 

 スパルタクスを失うと言うレミリアにとっての大損害は防がれた。

 フランと呼ばれる少女はとても危険であり、スパルタクスがあのまま地下室(・・・)に投じられていれば死んでいた(・・)

 

「ここかね?」

 

 スパルタクスは階段を降り終え、重厚な扉の前に立つ。スパルタクスはその扉が物理的な硬さ以外を兼ね備えていることを見抜く。

 魔力による凄まじい結界や封印が施されている。

 

「少しお待ちください、今封印を・・・・・・」

「フンッ!!」

 

 レミリアが封印を解き、スパルタクスを中に招き入れようとしたその時、スパルタクスの筋肉は荒波の如き唸りをあげて盛り上がる。そしてドアノブを掴むと一気に引っ張った。

 

 バキィン!と言う金属音と共にドアノブが弾け飛ぶ。

 

「む、壊れたか」

「こ、壊し・・・・・・!?」

 

 レミリアが驚愕する。あの扉、そしてその周辺は吸血鬼の筋力ですら破壊できない程に強固であり、更にそこに魔女と吸血鬼の魔法が加わって最早破壊など不可能だと思っていたからだ。

 

「ムンッ!・・・・・・おぉぉおおおお!!」

「えぇ!?」

 

 スパルタクスは扉を押す、当然全力だ。蝶番が悲惨な音を立てて飛散する。扉が音を立てて倒れると、そこには広い部屋が。

 赤やピンクを基調とした可愛らしい部屋だ。

 

「・・・・・・だ、だれ?」

 

 そしてそこに居たのは金髪の少女。これまた赤い小さなドレスに、赤い目。この子がレミリアの言っていたフランだろうとスパルタクスは結論付ける。

 

「私の名前はスパルタクス。君はフランかな?」

「う、うん。フ、フランだよ?」

 

 スパルタクスに話し掛けられたフランは怯えた様に人形を抱きしめ、その赤い瞳をレミリアとスパルタクスに交互に迷わせる。

 

「安心してフラン、助けに来たのよ」

 

 レミリアが嬉しそうにそういった。まだ助かると決まった理由でもないし、確証などあるはずも無いのだが、彼女の中では結論が出ているのだろう。

 

「・・・・・・?どうして?」

 

 だが当のフランは疑問符を浮かべてみせる。彼女は理解出来ていない。

 助けが云々ではない。そもそもの段階で、まずフランはいじめられていると言う自覚など無いし、フランにとっての世界はこの部屋である。

 

 助けって何さ。が、フランの偽り無い本心である。

 

「ふ、フラン、貴女は外に出たくはないの?」

「え?でも外は危険だし、怒られちゃうよ?」

 

 フランは「へんなお姉様」、と首を傾げる。スパルタクスがレミリアを見れば、レミリアは困り果てたような顔をしていた。

 まさか自覚が無いなどとは思っても見なかったのだろう。

 

 だがしかし、スパルタクスは違う。

 

 スパルタクスは沢山のこう言った人物を知っている。

 奴隷として育ち、死ぬまで闘技場、もしくは地下労働をさせられている者は皆こうなる。

 そんな奴隷達に夢を、希望を見せるにはどうすれば良いか。スパルタクスには心得があった。

 

 笑顔で外の景色の話しをし、寝食を共にする。そうすれば「外の世界はなんて素晴らしいのだろう」と夢を見る。自分がその川や山に行ったならどれだけ楽しく、新鮮であろうかと、人は妄想を重ね、やがてそれは不満となり、叛逆心を募らせる。

 

「ふむ、どうだろうフラン。私の話しを聞いてみないかな?」

「えっ!?お話してくれるのっ!嬉しい!」

「あぁ、イイとも」

 

 そこからスパルタクスは、フランとレミリアを連れて近くのベッドに座り(変な音を立てたが壊れはしなかった)語り始める。

 

 それはスパルタクスが生前に聞いた事、体験したこと、美しいと思った、凄いと思った事を並べていく。バーサーカー故に要領を得ない部分も多いが、話すスパルタクスの笑顔に釣られてフランとレミリアも「お〜!」とか「うわ〜・・・!」と想像に胸をふくらませる。

 

 数時間にも及ぶ話しが終わった時、スパルタクスはふと、自分が夢中になって話していることに気が付いた。英霊となり、サーヴァントとなって初めての事だ。自分の事を思い出し誰かに語るのは。

 

 妙な気持ちになりながら2人を見れば、すやすやとスパルタクスに寄り添うように眠っていた。

 

 スパルタクスはそんな2人に微笑み、頭を撫でる。そして自分もゆっくりと微睡みに包まれて行った。

 

 

 誰もが寝静まり、明日への備えを行っている際・・・。

 

──────フラン(狂気)は目を覚ます。






また前回と同じ終わり方してる・・・・・・。

進歩しない系作者ですまない・・・・・・








などと言うつもりは無い!(開き直り)
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