オーバーロード 最強の拒絶タイプ   作:なと〜

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非常に遅れて申し訳ありません。
FGOやら課題やらに追われていました。


使徒、遭遇

 時はさかのぼること数時間前…

 

 エ・ランテルにある最高級の宿屋『黄金の輝き亭』にて…

 

「では、ありがとうございました」

 

 受付で軽く会釈するガタイの良い老人。それにつられる様に受付の女性も頭を下げる。

 老人はそのまま足早に外に出て行き、止めてあった馬車に乗り込むと、御者の男に合図を出して馬車を発進させる。

 

「お待たせして申し訳ありません」

「いや、素晴らしい立ち振る舞いだったぞ」

 

 老人が軽く謝罪するとそれに応える女性、否…

 

 

 

 

 女の体をもつ化け物がいた。

 

 

 

 

 

 

 

「うまく釣れた様だな」

「はっ!滞りなく」

 

 老人ことセバスは目の前にいる主人、ゼルエルに一通りの報告をすませる。

 

「計画通りだ。うまくいけば、武技の使い手も問題なく確保できるな」

「はっ!」

 

 この馬車に乗っているのはナザリックの支配者の一人であるゼルエルと第一階層守護者シャルティア・ブラッド・フォールン、執事(バトラー)セバス・チャン、プレアデスの一人ソリュシャン・イプシロン、といった四人であり、戦力としては並のパーティにも引けを取らないレベルの猛者であった。

 

「ゼルエル様、なぜ急遽、任務に参加されるので?」

 

 シャルティアが不思議そうに問いかける。本来ならばこの任務はシャルティアとそのシモベのみで行われるはずだったのに、急遽ゼルエルが参加する事になったのだ。

 

「なに、武技というものに興味があってな。自身で確認してみたいんだ」

 

 ゼルエルの言葉は半分本当で半分嘘である。

 確かに武技という正体不明の技術には興味がある。しかし主な理由は暇だったからだ。

 ナザリックの業務はほとんどアルベドとパンドラが片付けてくれるし、今は特に大規模な計画等も無いので、ぶっちゃけゼルエルがいなくとも何の支障も無いのだ。

 勿論、外出の事は言ってある。

 

「はぁ…しかし危険でありんす。せめて一軍をお連れになった方がよいのでは?」

「問題ない。ハ肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)影の悪魔(シャドウデーモン)を二体ずつ連れているし、装備も持ってきた。何より、お前がいるからな」

 

 ゼルエルはそう言うと、シャルティアの頭を撫でる。

 

「ゼルエル様ァ〜」

 

 まるで子猫のようになったシャルティアを撫でるゼルエル。ちなみにゼルエルはロリコンではない(本人談)

 

 

 

 

 

 

「おい!降りろ!」

 

 しばらくすると馬車の外から怒声が聞こえる。

 

「かかったようだな。始めようか」

「「「はっ」」」

 

 そういうと、それぞれ臨戦態勢をとり、シャルティアは扉を開ける。

 

「へへ…なかなかいいもん持ってんじゃねぇか…」

 

 野盗の一人がシャルティアの胸を触ろうとし…

 

 

 ドシャ!

 

 

 その手を落とされた。

 

「汚い手で触りんせんでおくんなんし」

「あ…ああ!手、手がぁ!」

「うるさいでありんす」

 

 野盗が叫び出す前にシャルティアが手刀で首を落とす。

 その野盗の血がシャルティアの上に血の球を作る。

 

「ま、魔法詠唱者(マジックキャスター)⁉︎」

「控えなんし。至高の御身の御前でありんす」

 

 シャルティアの言葉などまるで意に介さず、野盗はそれぞれ武器を構える。

 

「……無礼な虫けらでありんすね。お前達、片付けなんし」

 

 シャルティアの言葉に呼応するように野盗の背後の闇から二つの影(・・・・)が飛び出し、野盗の命を刈り取っていく。

 

 

 

 

 

 ものの数秒で野盗達はものいわぬ肉塊と化し、あたりは静かになった。

 

「私の出番は無かったな」

「このような輩にゼルエル様がお手を煩わせる必要はありんせん」

 

 シャルティアの配下である吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)二体の奇襲によって野盗の大半は死に、残りは情報を聞き出した後、他の者の後を追った。

 ちなみにザックとかいう男はソリュシャンが処分した。

 

「それではゼルエル様。私達は予定通り、王都に向かいます」

「うん。頑張れよ」

 

 ここでセバス、ソリュシャンとは別れ、ゼルエルとシャルティア、吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)は情報に基づき、野盗のアジトに向かう事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼルエル様…大丈夫でありんすか?」

「大丈夫だ。問題ない」

 

 昔流行ったセリフを言いつつ、ゼルエル達は問題なく移動していく。

 

 ……ゼルエルが奇怪な方法で移動していることを除いて…

 

 ゼルエルは空からベルトアームを木に結び、木にぶつかる前に自分で発生させたA.Tフィールドに着地し、そのまま大きく跳び、また木にベルトアームを…といった事を繰り返して移動していた。

 これは最近、ゼルエルが生み出したベルトアーム移動法であり、これによって継続して高速移動ができるようになる。気分は某巨人漫画の機動装置だ。

 たまに木にベルトアームがかからなかったり、かかってもベルトアームの引きに耐えきれず、木が引き抜けたりしているが、なんとか野盗のアジトという洞窟にたどり着いた。

 

「あれがそうか」

「そのようでありんすな。では行くでありんす」

「待て、シャルティア」

 

 ゼルエルは洞窟に突入しそうになったシャルティアを止め、洞窟の入り口を観察する。

 

「見張りは二人…それに洞窟か…」

「どうしたでありんすか?」

「シャルティア。意味もなく突入するのは愚策だぞ」

「?」

 

 ゼルエルは脳筋だが敵の本拠地に一人で突入するほど馬鹿ではない。

 

「ここはいわば敵の拠点。ならばそれなりの罠や逃げ道も用意されていると考えるべきだ」

「な、なるほど…わかったでありんす!」

「まずは感知能力のある者を呼ぶ必要があるな……シャルティア、《眷属召喚》して周りを探させろ」

「了解しました」

 

 シャルティアや吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)には感知能力が無い。ナザリックから呼び出してもいいが、手っ取り早いシャルティアの《眷属召喚》での人海戦術をとったのだ。

 

 

 

「ゼルエル様、どうやらこの洞窟にはこことは別の入り口がある様でありんす」

「ほう?」

 

 シャルティアの眷属による情報から洞窟の裏口のような場所を発見できた。

 

(あとは罠だけだな…仕方ない、眷属達に任せるか)

「シャルティア、眷属を前に構えて前進しろ。何か罠があれば先にかかってくれるだろう」

「了解でありんす。ゼルエル様はどうなされるので?」

「私は裏から入ろう。眷属の半分を私につけてくれ」

「かしこまりました」

「あぁ、そうだ。武技の使い手は殺すなよ。後は……

 

 

 派手に暴れてくれ」

 

 シャルティアの顔がまるでおもちゃを前にした子供のように笑顔になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 野盗こと『死を撒く剣団』の拠点である洞窟。この洞窟の見張りをしている二人がいた。

 

「今夜襲ってる貴族の娘ってどんな奴かな」

「なんでもすげえ上玉らしいぞ」

 

 仲間が出向いた仕事について話しながら暇をつぶしている時、それ(・・)は現れた。

 

「こんばんわ」

 

 まるで顔見知りに挨拶するように語り掛ける少女。

 

「?誰…

 

 言葉を発すると同時にその口は塞がれた。

 

 ぶしゃ!

 

 少女の手は男の顔(・・・)を握りつぶし、脳髄が吹き出した。流れるであろう血は少女の頭に集まり紅い球体になる。

 

「な、なんだお前⁉︎」

「御方の御命令は『派手に』でありんす。おんしも協力してくんなまし」

 

 その後、数秒もしないうちに洞窟内部に男の断末魔が響きわたった。

 

 

 そこからは早かった。

 見張りの野盗の絶叫を聞いた他の野盗が次々と入り口に向かい、全て大音量の断末魔を発して肉塊となった。

 中には延々と悲鳴をあげ続けている者もいたが、シャルティアの「うるさい」の一言で、静かにさせられた。

 

 シャルティア一行の戦い方は実にシンプルな蹂躙であり、向かってくる敵は全員、即死させずに悲鳴や絶叫をあげて死んでいく。

 ある者は手足をもがれ、ある者は腹に大穴をといった具合に蹂躙をしていく。

 

「うん?」

 

 突如、シャルティアは足を止める。最前線の眷属からのリンクが切れたのだ。いかに雑魚モンスターといえ、それを屠る実力を持つ者はこの世界には多くない。

 

「来たようでありんすね」

 

 少し待つと、奥から一人の男が出現する。

 

「ブレインとはそちでありんすか?」

「あぁ、俺はブレイン・アングラウスだが」

 

 シャルティアの蹂躙劇はまだ始まったばかりである。

 

 

 

 

 

 ___________________________

 

 

 

 ゼルエルは洞窟の裏口らしきあたりから侵入していた。

 ゼルエルの周囲はシャルティアの眷属の中でも比較的強いモンスターで警護されており、お供のハ肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)影の悪魔(シャドウデーモン)も当然いる。

 

(半分でいいっていったのになー)

 

 シャルティアに半分をつけろと言ったが、さすがにそれではと抗議され、結局9:1の割合で眷属は分断され、しかもシャルティアの方は雑魚モンスターばかりとなった。

 

 

 少し進むとひらけた場所に出る。どうやら頭目の部屋らしく、洞窟の中なのにそれなりに豪華であった。

 

「おい!早くしろ!」

 

 部屋の入り口の方から声が聞こえる。どうやらシャルティアの陽動がうまく効いているようだ。

 

「武技の使い手がいるかもしれないから殺すな。いけ!」

 

 ゼルエルの命令によって護衛に数体残して、眷属が声のする方に一斉に向かう。

 しばらくして行くと眷属に無力化された盗賊達数名がいた。

 

「お前達、武技は使えるか?」

「つ、使えない!」

「ならブレインはどいつだ?」

「ブ、ブレインさんなら先に…」

 

 どうやら本命はすでにシャルティアと相対しているようだ。

 少し話しただけで盗賊達は命乞いの言葉を出してくる。

 

「もういいぞ」

 

 ゼルエルの一言で盗賊は助かったと思い…

 

 

 全員、眷属に殺られた。

 

「さて、先に進むか」

 

 ゼルエルの「もういいぞ」は眷属に対して言ったものであり、『もう殺していいぞ』という気持ちで言ったのだった。

 

 

 _____________________

 

 

「よくやったぞ、シャルティア」

「ありがとうございます、ゼルエル様」

 

 洞窟の狭い通路で話している二人。傍には青い髪の男が気絶している。

 

 この男こそ、ブレイン・アングラウスその人であり、シャルティアに蹂躙された後、逃げた先にゼルエルが待ち構えており、そのまま気絶させられてしまったのだ。

 ちなみにシャルティアは”血の狂乱”を使わずにすんだ。

 

「こいつは後でナザリックに送るとして、先に面倒な事からすませるか」

「何をなさるので?」

「まあ、見てな。ハ肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)影の悪魔(シャドウデーモン)、出て来い」

 

 すぐさま4体のモンスターが出現する。

 

「お呼びで?」

「ここにあるものすべてナザリックに送れ」

「「!?」」

「ナ、ナザリックに送るので?」

「ああ、アイテムだけじゃない、死体もな。この世界独自のアイテムが欲しいし、死の騎士(デスナイト)として活用させる」

「じ、実は一つ懸念事項が……人間の女が何人かおりまして…」

「女?それがどうした?」

「はっ、どうやら、野盗に捕まっているようでして」

「ほう…おもしろい。構わん、気絶させて送れ」

「よ、よろしいので?」

「送ってから考えるとしよう」

「は、はい。かしこまりました」

 

 シャルティアはナザリック表層に転移門(ゲート)をつなげ、ハ肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)影の悪魔(シャドウデーモン)達、吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)一体でそれぞれ物資を運び出させる。

 捕まっていた女性達も全て気絶させ、転移門(ゲート)に放り込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

「ゼルエル様、ご報告したい事が」

「なんだ?」

「洞窟の入り口に武装した人間の集団がおります。いかがなさいますか?」

 

 洞窟の入り口で待機させていた吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)が報告に来た。

 詳しく聞くに、冒険者の様だ。野盗の討伐に来たらしい。

 

「殺しますか?それとも撤退を?」

 

 少し考えたゼルエルに、一つの名案が浮かぶ。

 

「なぁ、シャルティア。ここに強大な吸血鬼が現れて、冒険者を皆殺しにしたとしよう。それを討伐すれば、そいつは英雄になれるよな?」

「はえ?」

「通じないか?超強いモンスターを倒せば、無名の冒険者でも超有名になれるだろ?」

「…ああ!わかりましたえ。行ってきんす!」

「少しはハメを外していいぞ〜」

 

 

 〈数分後…〉

 

「ゼ、ゼルエル様!こ、こちらに!」

「あん?」

 

 いきなりシャルティアが駆け込んできた。

 話を聞くに、冒険者の女が赤いポーションを持っていたようだ。

 ふと、数日前のモモンガさん護衛のシモベの報告を思い出す。

 

「その女のポーションはアインズさんの計画には関係ない。一応、女から情報を聞き出しておけ」

「はっ!」

 

 言うが早いか、シャルティアは『魅了の魔眼』で女を魅了し、情報を喋らせる。

 やはり、赤いポーションはモモンガさんから受け取った物のようだ。

 

「ここには二つのチームで来ました」

「……なに?」

「我々と野伏(レンジャー)で構成される二つのチームで来て、敵が脅威だった場合、もう一つのチームが街の冒険者組合に知らせる手筈になっています」

「しまった!」

 

 ゼルエルは当初、冒険者を皆殺しにした後、適当なシモベを人間にしたて、エ・ランテルの冒険者組合に情報を流そうと考えていた。この時、シャルティアの姿とは違う容姿を伝えるつもりでいた。ナザリックにいる数少ない人間に擬態できる者を減らしたく無かったからだ。

 しかし、今はシャルティアの外見がほぼそのまま組合に知られる。そうなればシャルティアはナザリック外での活動が大きく制限される。

 

「シャルティア!眷属でこの近くにいるレンジャーを探させろ!」

「は、はい!」

 

 シャルティアは今いる眷属を総動員させて、森に入らせる。

 

 

「ゼルエル様……眷属が敗れました」

「はあ!?」

 

 シャルティアの眷属にはあくまで捜索を命じてある。場所が分かれば、そこに捕獲部隊を送り込む算段だったのだ。眷属が敗れた、それは眷属が撤退する間も無く(・・・・・・・・)やられたに等しい。それすなわち……

 

「そいつにはシャルティアと私が対応に行く!プレイヤーだった場合は交戦せずに撤退だ!」

「かしこまりました!」

 

 ゼルエルとシャルティアは眷属が敗れた場所に急行する。

 

 

 ____________________________

 

 

「これで全部か?」

 

 黒髪の男は槍の構えを解き、仲間に確認をとる。

 

「そのようですね」

 

 仲間の一人がそれに答える。

 

 この一団は『漆黒聖典』。スレイン法国に所属し、人類最後の砦と名高い最強の特殊部隊である。

 メンバーには神の血をひく神人と呼ばれる者もおり、彼らの装備は神が残した秘宝である。

 彼らの目的は復活が予言された破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)の対処のため、法国の秘宝『ケイ・セケ・コゥク』の護衛をするため、この場にいるのだ。

 そして先程、森の中から出現したモンスターを全て屠ったところだ。彼らの力を持ってすれば造作もないことである。

 

 

 

「どうした?」

 

 最初に異常を感じ取ったのは隊長と呼ばれる男だ。モンスターによって乱れた陣形を修正し、すぐにこの場を立ち去ろうとした時、隊員の一人、第十一席次”占星千里”がひどく青ざめた顔で怯えていた。

 声を掛けても反応が無く、まるで信じられない(・・・・・・)ものでも見たように、ただただ怯えていた。

 

「しっかりするんだ!」

 

 隊長が少々荒っぽく”占星千里”の胸を叩く。常人なら悶え苦しむ一撃だが、彼も漆黒聖典の一員、すぐに我に返った。

 

「も、申し訳ありません!すぐに戦闘準備を!推定難度240越えが二体、こちらに向かっています!」

 

 彼の言葉はまさに信じられない(・・・・・・)ものだった。

 

 

 __________________

 

 ゼルエルとシャルティアは移動しながら自らの装備を整える。ゼルエルは用意した神器級(ゴッズ)アイテムを、シャルティアは伝説級(レジェンド)の鎧とスポイトランスを出し、その場に向かう。

 

 森を抜け、視界が開けた時、両者は対面した。

 片や、人類最強の特殊部隊であり、神の残した物を受け継ぐ人間。

 片や、ナザリック階層守護者随一の強さを誇る吸血鬼とギルメン中二番手の強さを持つ使徒。

 

 両者の中で初めに動いたのは漆黒聖典だった。彼らは出てきたモノの異質さを本能で感じた。そして反射的に言葉を口にする。

 

「使え!」

 

 隊長の男の言葉は隊員の総意だろう。人智を超えた相手にはこちらも人智を超えるしか方法は無い。

 彼の言葉に呼応し、一人の老婆の服が光る。

 それは人智を超えし、世界(ワールド)の力。神の残した秘法『傾城傾国』…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドゴオオオン!!!

 

 傾城の龍の出現を止めたのは神の力を持ちし使徒の光だった。

 

 

 _______________

 

(なぜこんなところに!?)

 

 漆黒聖典と対面したゼルエルが最初に感じたのは驚愕だった。

 なぜなら彼の目の前には彼の天敵(・・)二つも(・・・)存在したからだ。

 

 

 ユグドラシルでは基本、未知の冒険がメインであり、プレイヤー同士のバトルは二の次である。

 しかし、そううまくいかないのが世の常。ルール無用のプレイヤー達はこぞって戦いを挑んだり、挑まれたりした。

 そして当然、攻略サイト等には様々なプレイヤーの情報が入ってきた。当然、アインズ・ウール・ゴウンのメンバーはほとんど名を連ねている。

 ゼルエルにもそれなりの情報が書き込まれていたが、なにしろ非常に稀なビルドのため、情報量は少なかった。

 それでもゼルエルのページの最後には、みな目を奪われた。

 

『どうしても勝ちたいなら、世界級(ワールド)アイテムを使いましょう。世界級(ワールド)アイテムは種類、強さ問わず、A.Tフィールドを無効化します。』

 

 この一文は多くのプレイヤーに鼻で笑われた。

 世界級(ワールド)アイテムは非常に希少であり、それをたった一人のプレイヤーに使うなんて相当の物好きだけだ。

 しかし、世界級(ワールド)アイテムを簡単に使える者がいたら?

 世界級(ワールド)アイテムを安全に護送できるチームがいたら?

 それはまさにゼルエルの天敵となりうる存在だろう。

 

 

驚愕に体が固まるゼルエル。シャルティアはゼルエルの指示があるまでは敵対行動はできない。

結果的に二人とも動けなかった。そして漆黒聖典は二人に構わず、『傾城傾国』を発動させようとした。

 

(まずい!!)

 

ゼルエルは思わず、破壊光線を発射した。それは正真正銘、彼の最高の一撃だった。

並みのLV.100の猛者にも通用する攻撃。それは部隊の中心地に当たり、爆発した。

 

ドゴオオオン!!!

 

特大の爆音が聞こえるが、そんなことをゼルエルは気にもとめない。

シャルティアを引っつかむと、すぐに森に入った。

 

「シャルティア!転移門(ゲート)!!」

「は、はい!!」

 

いきなり怒鳴り散らかすゼルエルだが、シャルティアもあのアイテムの強大さを本能的に感じ、すぐにて門(ゲート)を開く。

 

開いた異界門(ゲート)に転がり込むように転がり込む二人。すぐさまシャルティアは転移門(ゲート)を閉じる。

シャルティア達が転移したのはナザリック表層付近。先ほどまで野盗の盗品を運んでいた場所であり、それを手伝っていた者達が何事かと集まってきた。

 

(どうする…今やるべきことは…いきなり世界級(ワールド)アイテムを使ってきたから、おそらく敵対しているんだろうな。まずは守護者を呼び戻して…)

 

瞬時にある人物が思い上がる。現在、自分の創ったNPCを連れて冒険に行っているただ一人の友人を。

 

「シャルティア、洞窟にいる人員を撤退させ、第一階層で最大警戒に当たれ、伝言(メッセージ)が使える者はアルベドに連絡し、守護者を呼び戻させろ。アインズさんには私から連絡する」

「かしこまりました」

 

ゼルエルとしては洞窟の人員は無視してもいいのだが、彼らからナザリックの情報が漏れないとも限らないので即時撤退させた方が良いと結論づけた。

ゼルエルは伝言(メッセージ)を友人につなげ…

 

〔モモンガさん!大変だ!〕

 

この世界の危険さを伝えた。

 

 

 




読んでくださりありがとうございました。
そして遅れてすいません!
次回以降は少しでも早く投稿できるようにします。

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