そんなことは知らずシンジは他の人の安否を確認しに行った。
ネルフ関係者がいたのは管制室より少し離れたところでモニタリング式のため爆発の衝撃は来たがさほど被害は無かったようだ。
「皆さん大丈夫ですか!」
「まぁ何とかね!状況は?!」
ミサトは完全に仕事状態に入った。
「中央管制室はほぼ壊滅…今ロマニさんが手回ししています。」
「了解。至急ネルフに連絡。直ちに動員して。」
「それは無理だ。」
そこにはロマニがいた。
「カルデアスの観測が再開されたがここから外の世界に文明は無い。よってここ以外の人類は滅んだ。」
衝撃的事実がロマニの口から出た。
「人類が…滅んだ?何言ってる…」
矢口はそう言い電話をかけてみた。
しかし、反応は無かった。
だが、突然ミサトの電話がなった。
「こちら葛城。…無事ね…分かったわ。少し待って。」
ミサトは電話を保留にするとロマニを見た。
「残念だけどその観測は違うわ。ジオフロントは無事よ。」
「なっ…ありえない!確かに文明は消えたはず!」
「そう…文明はね…でも我々ネルフのあるのは一つの街。文明では無いからね。」
そう言いミサトは保留を解除し、スピーカーにした。
「そっちの状況は?」
声の主はマコトだった。
『ジオフロント、及びセントラルドグマは健在。しかし、第3新東京市は消滅…恐らく、空間転移か何かか…』
「巨災対は?」
矢口はマコトに問いただす。
『全員無事です。今はこちらの復旧の手伝いのため出れませんが。』
矢口は安堵のため息をした。
「ありがとう。」
「ちょっとバカシンジ?まさかだと思うけど一般人2名とアホは分かってるの?」
「アホって?」
「だーかーら!紫龍のパイロットよ!まさか取り残してきたんじゃ無いでしょうね!」
「あっ…!」
シンジは完全に忘れていた。
ここに全員いないことを。
「急いでモニターを展開!」
「無理だ!まだ復旧出来てない!」
その時謎のアナウンスが響き渡る。
『…全行程完了…レイシフトまであと10…』
「レイシフト開始のアナウンスだ…もう誰もいない…?」
「まさか…」
二人が気づいた時にはもう遅かった。
『レイシフト開始します。』
「…フォーウ…」
何かの声が聞こえる。
「…ん?」
声の主はあの生き物だった。
「なんだ…フォウか…」
「フォウ!」
フォウと呼ばれた生き物は藤丸に乗った。
「…にしても…ここどこだ?」
そこは先程自分が見ていた景色と似ていた。
だが、場所が違った。
「仕方ない…歩いてみるか。」
藤丸は立ち上がり、どこにもアテはないが歩き始めた。
(酷い有様だ…一体どうしたらこうなるんだ…)
すると、聞いたことの無い音が周りから聞こえてきた。
「誰だ?」
しかし、それは人では無かった。
骸骨のような生き物が剣や弓などを持って近づいてきた。
(これ…結構マズイ…)
魔術師はある程度戦闘はできる魔術を持っている。
ましては、マスターなら尚更だ。
しかし、藤丸は持っていない。
(逃げるか…!)
振り向いたらそこにも骸骨がいた。
(囲まれたか…)
そして一体が剣を振りかざしてやって来た。
(これで終わりか…)
2度目の死を覚悟し、目を瞑った。
しかし、衝撃は一向に来なかった。
恐る恐る開けてみると、
骸骨達と誰か戦っていた。
それは、自分の身長よりも大きい盾を持っていた少女だった。
やがて、戦闘が終わったらしく、一呼吸し藤丸に近づいてきた。
「先輩大丈夫ですか?」
その声は聞いたことがある。
「マシュ…か?」
「はい。」
それは紛れもなくマシュだった。
しかし、あまりにも様子が変わっていた。
「その服は?」
「実はここに来た時からこの状態だったんです。だから、どうしてこうなったか自分でも分からなくて。」
マシュの服は鎧のような形になっていた。
「分かった…じゃぁこれから…」
突然マシュが後ろを振り返った。その瞬間藤丸の横を何かが通った。
「敵襲です!下がっていて下さい!」
藤丸はマシュの後ろに下がった。
すると今度は大量の矢が飛んできた。
マシュは盾で防いでいる。
周りの地面がどんどん抉られていく。
それでも矢は止まらない。
しかし、爆音がきこえたと思ったら矢が飛んでこなくなった。
「今のは何なんだ…」
「恐らくアーチャーでしょう。何せここは聖杯戦争が行われていたので。」
「聖杯戦争…まさかここって!」
「はい。我々は2006年の糸盛にいます。」
その頃、
「…逃したか…」
神子はライフルのスコープから目を離した。
先ほどの爆音は神子の狙撃した音だったのだ。
『でも凄いよ!その正確さ!やっぱパイロットだね!』
「そーか?」
キャロルからの通信に素っ気なく答える。
神子も服装が変化していた。
「多分、私じゃなくて紫龍のお陰かも。」
神子は紫龍の装甲を着ていた。
ことは爆破事故に戻る。
「お願いがあります。あなたも、向かってください。」
「糸盛にか?私はマスターとやらでは無いが?」
「それは安心してください。」
キャロルはアタッシュケースを開けた。
中には黒いペンダントがあった。
「これを持っていってください。そうすればあなたの乗っているエヴァの装甲、能力が得られます。」
「確証は?」
「…無いです…私はいつもヘマばかりしています。けど…これだけは信じて下さい。」
神子はそのペンダントを貰った。
「分かった。やってやる。でも、レイシフトやらは使えないぞ。」
「それも心配無いです。」
キャロルはとある部屋に神子を入れた。
そこにはエントリープラグのようなものが数本あった。
「ここはレイシフト実験で使用されたのとほぼ同じシステムがあります。原理などは違いますが恐らく使えます。」
「使ったことは?」
「無いです。しかし、レフ教授が作り上げたものなので大丈夫です。」
「そうか。結構信じてるようだな…」
「レフ教授ですか?勿論です!私の尊敬する人ですから!」
キャロルは自信をもって答えた。
「分かった…ならやろう…!」
そして、今に繋がる。
「で?誰かいるか?」
『マスター1人、サーヴァント1人。恐らくあの2人でしょう。』
「生きてたか…にしてもよく行けたな…」
『ですよねー…あとで聞いておかないと…』
キャロルは考え事をしていた。
「こっちはこっちで行動するぞ。合流したところ狙われたら困るからな。」
神子はライフルをしまい歩き出した。
「皆さんと合流出来て良かったです。」
藤丸とマシュは瀧と三葉と合流し、やけにテンパっている所長ことオルガマリー・アニムスフィアと出会った。
『あぁー…テステス…聞こえてるー?』
「その声ロマニ!なんであなたが出てるのよ!」
『げっ…!所長…いたんですね…』
藤丸に送った無線がスピーカーのため所長の所にも届いてしまった。
「いるわよ!早くレフを出しなさい!」
『いや…所長…それは無理です…教授はただ今行方不明です。マスター候補生も皆…』
「急いで凍結させて。」
所長はハキハキと指示をしているが恐らく心の中は暗いだろう。
「とにかく…今いるのはマシュ、藤丸、一般人2名、そして私ってことね。」
『はい。間違いないかと…』
「分かったわ。これより特異点Iの探索を開始するわ。」
こうして、特異点Iと呼ばれた糸盛の探索が始まった。