神子はまたあの暗い空間にいた。
「またここか…もう散々だ…」
目を閉じればいつもこの空間につき罵倒される。
今回も同じと思い覚悟していた。
しかし、今回は違った。
「お久しぶりだな。」
「貴方は…」
暗闇の中から出てきたのは三葉の夢に出るゴジラだった。
「貴方は?よしてくれよもう1人の
「何でここに?」
神子は聞いた。
「俺は夢の中でしか生きられない存在。まぁお前の昔の夢物語の主人公だな。覚えているよな?」
神子はまだゴジラだったころ東京湾の奥深くでそんな事を考えたことがあった。
「でも今はその願いは叶った。私は人の為に戦っている。」
「過去を捨ててでもか?」
すると目の前に映画のように映像が映し出された。
それはあの日自分が暴れ回った後の東京だった。
あちこちから火の手が上がっていた。
時々悲鳴のような声がした。
「何これ…知らない知らない知らない知らない…!」
神子はいつの間にかビルの屋上にいて、その場にしゃがみ込んだ。
ゴジラの姿は無かったが声は聞こえる。
「お前はこの時意思はなかった。いや…あったが狂化され動物が持っている本能に任せて動いていた。と言った方がいいか…俺は夢の中の人物だが疑問があった。何故あの時エヴァンゲリオンを逃がした?そのまま殺せたハズだ。」
あの時弐号機のジェットパックを撃ち抜きほぼ行動不能までいかしたのに止めの一撃をしなかったのだ
「…知らないよ…そんなの知らないっ!」
神子は頭を抱え泣いた。
「だから思った。あの時の行動は意思があっての行動じゃないかとな。でなきゃ寸止めなんてしないしな。」
神子はそんなゴジラの考えも聞いていなかった。
「まさかここまで落ちぶれたか…ゴジラの名も落ちたな…まぁ好きにしろ。要は済んだからな。」
神子は何故か顔を上げてしまった。
するとそこには紫龍の武装をした自分がいた。
その目は神子を殺そうとしていた。
「やだ…やだやだ…死にたくない…!」
神子は後ろに下がっていく。
「ほう?お前がやったことをしようとするだけのこと。演技なら上出来だ。」
「違う…だからやめて…!やめてよ!」
それでももう1人の自分は近づいてきた。
神子はとうとうフェンスまで辿り着いてしまった。
「あ…ああ…」
もう1人の自分はある程度近づき剣を振り下ろした。
胸の辺りが熱くなった。
そのまま意識は無くなった。
「…」
神子は目を覚ました。
天井は木の板が貼られていた。
「ハァ…ハァ…夢か…」
神子は髪を上げた。
身体中汗まみれだった。
「おっ!起きた起きた。良かったー!何とか出来て。」
襖から1人の女性がきた。
「…ここは?」
「あー。ここは一応私の家。汚いけどごめんね。」
女性は手を合わし謝った。
「あなたは?」
「私?私は…宮本武蔵。武蔵って呼んで。で、あなたは?」
「私…私は…」
神子は黙った。
「何者…?」
これは長期戦だな…