「デス」「DEATH」「「デース(DEEAATH)!」」   作:こそ泥

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実は当初書き始めた理由は彼女の曲をシンフォギアで使いたかっただけだったり

曲名[Dark Death Decoration]
CV:????


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「あ~あ、せっかくみんなでお泊まりだと思ったのに~」

「立花さんたちが頑張っているのに私たちだけ遊んでいる訳にはいきませんから」

 

深夜、6人の少女達が街中を歩いている。彼女たちはどうやら家に帰る途中のようだ

 

「ヒナがキネクリ先輩の合い鍵を持ってたから良かったけど・・・。でも、どうして持ってたの?」

「え?・・・そうだよね、どうしてだろう。・・・前に響から預かってたんだったかなぁ」

 

彼女たちは私立、リディアン音楽院の生徒である。今話しているのは2回生の板場弓美、寺島詩織、安藤創世、小日向未来の四人。彼女たちと共にいる1回生の暁切歌、月読調の6人だ。その他に2回生の立花響と3回生の雪音クリスの8人は先程まで共にクリスの家でLIVEの生中継を見ていたところである。

 

だが、LIVEが終わり会話が盛り上がり始めたところでかかってきた1本の電話。響とクリスの元にかかってきたその電話に呼び出され、人命救助のために頑張っている二人を放って私たちだけ遊んではいられないと解散の流れになったのである

 

「じゃあじゃあ先輩方!アタシらはこっちなのデ~ス!」

「誘ってくれてありがとう」

「それじゃ!失礼するデ~ス!」

 

先程まで静かだった二人が分かれ道のところでそう言い残して分かれる。二人を見送る言葉を背に二人は帰路を行く。信号待ちの僅かな時間で思い出してしまうのは任務に赴く前にクリスから言われた言葉

 

『二人は留守番だ。LiNKERもなしに出動なんてさせないからな』

 

「・・・考えてみれば当たり前のこと」

「ああ見えて、底抜けにお人好し揃いデスからね」

 

底抜けにお人好しで人を助けることを生きがいとする生粋の、ぶきっちょだけど先輩らしく努めようとする優しい先輩、独特の言い回しで鼓舞する歌姫、持てる全力を持って手助けしてくれるOTONAの人々。最近出来たあったかい場所の人々

 

「・・・フロンティア事変の後、拘束された私たちの身柄を引き取ってくれたのは敵として戦ってきたはずの人たちデス」

「それが保護観察なのかもしれないけれど、学校にも通わせてくれて・・・」

 

思い出すのは久しぶりに通うこととなった学校での様々な出来事。クラスメートと共に教室で授業を受け、学校帰りに寄り道をして、テストの結果に四苦八苦する。F.I.Sにいた頃には考えられなかったこと

 

『DEATH!』

 

そして同時に思い出すのはここにはいない友人。かつて共に考えられなかった未来を語り合った親友

 

「・・・一緒にいれば、今も一緒に笑ってたんデスかね」

「・・・・・・・」

 

信号は既に青になっている。だが、二人は歩み出せない。置いてきた過去に進むべき一歩を踏み出せない。一歩も踏み出せないまま赤になった信号の先をボンヤリと見つめる

 

「―――ッ!調!!」

「―――!!」

 

だからこそ、最初は置いてきた過去が幻視させたのかと思った。信号の向こう側、道の反対側にチラリと見えたのは懐かしい髪型。金色に輝くツインテールの先をお団子上に結んだ独特の髪型。車が走り始めた道路の反対側で脇道へと消えていく彼女の後ろ姿

 

「は、早く追いかけるデスよ!」

「どうして、こんなところに・・・」

 

目の前を通過する車と赤信号がもどかしく感じる。一分、一秒が途方もない時間に感じてしまう。積る焦燥と早くなる動悸。頭の中では見つかったことへの喜びと何故ここにいるのかという疑問。感情が渦巻き考えがまとまらない

 

途方もなく長く感じる時間が終わり信号が青になる。二人は脇目も振らずに彼女が消えていった道へと全力で、すれ違う人が思わず後ろ姿を視線で追ってしまうぐらい速く駆けていく

 

「―――早苗エェェェ!!」

「待って、キリちゃん!」

 

切歌が叫ぶ。調がその後を追う。路地裏の入り組んだ道の中、二人は叫び、駆ける。チラリ、チラリと道の先に見える髪を追って切歌が走るが追いつくことはない。そう、まるで()()姿()()()()()()()()()()()()()()()響く声に反応を見せることなく、相手は歩いているようにしか見えないのにも関わらずどれだけ走っても見えるのはツインテールの先に結われたお団子だけ

 

「(―――何かおかしい!)キリちゃん!待って!!」

「なんでデスか調!?すぐそこに早苗がいるんデスよ!?」

「キリちゃん落ち着いて!様子が少し変だよ!!」

「・・・・・・ごめんなさいデス。少し焦りすぎたデス」

 

熱くなり追うことしか考えていない切歌に少しだけ冷静になった調がたしなめる。その声に少しだけ呼吸を置いて頭を冷やした切歌が調と顔を合わせて前を向く。今までの複雑な道とは違い視線の先には脇道のない一本の道とその先にある開けた土地。目を凝らしてみると薄暗い路地からではうまく見えないが確かに人のようなシルエットが立っているのがわかる

 

「・・・・・・行こう、キリちゃん」

「・・・・・・行くデスよ、調」

 

二人は共に歩み始める。一歩一歩、踏みしめて歩いて行く二人。暗い路地を抜け、ハッキリと確認出来る

 

その姿は記憶のものと一致する。結われた特徴的なお団子も、自分たちよりも低い身長も、周囲の電灯の光を受けてキラキラと輝く金髪も。服装に見覚えはなく、後ろ姿しか見えないために顔を確認することは出来ないが自分たちの記憶にある姿と目の前にある姿が一致する。

 

だからこそ、自分たちの呼びかけに反応しなかったのがわからない

 

「・・・・・・無事だったんデスね、早苗」

「今まで、どこで何をしてたの・・・?」

「・・・・・・・・・」

 

早苗と呼ばれた少女は振り向かない。言葉に反応した様子を見せず、その様子が二人を刺激する

 

「なんで何も言わないんデスか!?」

「答えて」

「・・・・・・うるさいDEATHねぇ」

 

二人の呼びかけに漸く答え振り向く少女。その言葉に切歌と調の顔がピシリと歪む。今までに聞いてきた温かく無邪気な声と違い、その声に含まれた冷たさ故だろうか

 

「さっきからピーピーギャーギャーうるさいんDEATHよ」

「さな、え・・・?」

「どうして、そんなことを・・・」

「ハッ!国連の犬になってキャンキャンと騒ぐことを覚えたんDEATHか?」

「「!!」」

 

国連の犬。確かに今の自分たちは国連所属の組織に属している。今日見たチャリティーライブに参加しているマリアに至っては全面的にそのことを押し出している。・・・確かに、傍目から見れば国連にしっぽを振る犬に見えなくもない。だが、目の前の少女が自分たちに向かってそんな辛らつな言葉を吐いたことが信じられなかった

 

「違うデスよ早苗!それには理由があるデス!」

「私たちにも色々とあったんだよ!」

「そんなことは聞いてないDEATH!・・・そもそも、凸守はココにお喋りをするために来た訳じゃないんDEATHよ」

 

Vanishous mijollnir tron(弾け、爆ぜる現実)

 

二人には聞き覚えのある詠。凸守と名乗った少女の手に握られているのは赤く光るペンダント。その身を黄金色の光が包み込み変身させる

 

足の爪先から膝下までを包み込む黒色のブーツ、スカート状の鎧とその付近まで伸びる黄と白のストライプ柄の靴下、両の手には黄と白のストライプ柄の手甲、その手に握られるのは彼女の身長よりも大きな巨槌、トレードマークのツインテールは堅そうな棒に包まれその先には丸い黄金色の鉄球が取り付けられている

 

彼女の名前は凸守早苗。元F.I.S所属の奏者にして彼女――切歌たちの親友である

 

 

 

 

 

 

その様子を見ていたのは目の前の切歌たちだけじゃない。周囲の状況を警戒していたモニターに映し出されたその光景に

 

「新たなシンフォギアだとぉ!!?」

 

S.O.N.Gの本部でもある潜水艦の中で驚愕の声が響く。驚愕に思わず叫んだのはS.O.N.Gの指揮をとる風鳴弦十郎。そこにオペレーターの藤堯から報告が飛ぶ

 

「このアウフヴァッヘン波形は・・・!昼に横浜港で観測されたアウフヴァッヘン波形と同じものです!!」

「照合出ました!」

 

【M I J O L L N I R】

 

「ミョルニル・・・、北欧神話に出てくるトールが使ったとされる鉄槌です!!」

「彼女・・・、確か切歌ちゃんと調ちゃんの報告にあったF.I.Sにいたもう一人の奏者の情報と一致します!」

「なぜこんな時に・・・。クリス君や響君、翼の元に敵が現れたことと何か関係しているのか・・・?」

 

次々と起こる事態に後手に回される本部。だが、これはただの序章に過ぎない・・・

 

 

 

 

 

シンフォギアを纏った凸守と対峙する切歌と調。だが、二人は未だにシンフォギアを纏ってはいなかった

 

「さあ、そっちもさっさと変身したらどうDEATHか?」

「それは・・・」

 

凸守からの挑発に切歌は答えられない。LiNKERのない変身はしないようにという先輩方からの言葉、市街地での戦闘に対する嫌悪。だが、一番強いのは仲の良かった親友と武器を向け合いたくないという考え

 

「・・・やるしかないよ、キリちゃん」

「調!?」

 

だからこそ、同じ思いでいると信じていた自分の半身と言っても過言ではない(切歌はそう思ってる)パートナーからの言葉に思わず今の状況を忘れて見つめてしまう

 

「早苗は本気。あの目は本気で私たちと戦うつもりの目だよ」

「!!」

「その通りDEATHよ。さすがは調、よくわかってるじゃないDEATHか」

「そんな・・・」

 

だからこそ、切歌はここまで狼狽える。心の底から信じていた二人が戦うことにここまで乗り気だから

 

「キリちゃん」

 

調の声に思わずすがるような目を向ける切歌

 

「ここで倒して捕まえて、二課でゆっくり話を聞く。それでちゃんと話し合おう?」

「でも・・・」

「私たちもそうしてわかり合えた。早苗だって話せばきっとわかってくれる」

「調・・・。わかったデス!ウジウジしてても状況が良くならないなら動いてみるのが一番デス!!」

 

Various shul shagana tron(純心は突き立つ牙となり)

Zeios igalima raizen tron (夜を引き裂く曙光のごとく)

 

二人の身をシンフォギアが包み込む。LiNKERの無い変身のせいで体の節々が悲鳴をあげ、長く身に纏うことは出来そうにない

 

「うぐっ・・・、LiNKERがないと私たちの適合係数じゃ長く変身できない・・・!」

「それでも戦力は1対2!時間はそうかからないデス!!」

「凸守を以前の凸守と一緒だと思ってると怪我するDEATHよ?」

 

武器を構えて退治する二人と一人。数の差とはすなわち優位の差。だが、そんなものを感じさせない笑みを浮かべる凸守。対して切歌と調の顔に浮かぶのは焦燥

 

―――カサッ

 

「「「!!」」」

ガキンッ!!

 

風に舞う木の葉が地面に落ちた集中していないと聞き取れないであろう僅かばかりの音を拾って三者は動き出す。先手を取ったのは―――

 

「行くデエス!」

「させないDEATH!」

 

真っ先に動き出したのは切歌。その手に持つ大鎌を振りかぶり凸守へと向けて振り下ろす!その直後に凸守は手の中にある槌の柄で大鎌の柄を止める。しかし、そこに時間差で襲いかかるのは調の放つ無数の丸鋸!!

 

「私を忘れちゃダメだよ!」

「忘れるわけがない、・・・DEEAATH!」

 

横合いから迫る丸鋸に対して凸守はその髪から伸びる棒と鉄球を振り回し弾き飛ばす!しかし、そちらに気を取られた瞬間切歌の大鎌に力が込められ思わず後ろに飛んで距離を取る

 

「そろそろ、本気でいくDEATH!」

「「!!」」

 

旋律が流れ始める。凸守のシンフォギアから流れる旋律に気を引き締める二人。シンフォギアシステムは歌うことでその持てる力の全てを発揮する。それ即ち、歌の通っていない先程までの争いはただの前哨戦!!

 

『遊びの時間は終わりDEATH――』

「マズいデス!」

「なら先にコッチが!!」

 

歌詞が流れ始めその手に持つ巨槌を振り回し始める早苗。その巨槌からパチパチッバリと音が立ち始める。その光景を目にし一瞬のアイコンタクトで意図をくみ取り左右から跳躍して襲いかかる二人。並み居る敵ならば対処することの出来ない同時攻撃!!

 

『――静寂を射貫く異端者(eletico)!』

「「キャアァァア!?」」

 

しかし、相手も並大抵の敵ではない。バチバチと雷を纏う巨槌を地面へとたたきつけると弾けた地面と雷が細かな散弾となって宙にいた二人を襲う!!

 

F.I.Sにおいて様々な戦闘訓練を行ってきた凸守の実力は切歌と調はおろか戦闘能力の高いマリアすらも抜き個人戦であればその軍配は凸守へと傾く。切歌と調がタッグを組んでようやく互角の戦いとなり得るその実力は過去にF.I.Sの最大戦力と呼ばれただけのことはある!!

 

『――――――♪』

「くっ、さすがに一筋縄ではいかないデス」

「それでも・・・!」

 

立ち上がる二人。その身に纏うシンフォギアは適合率の低さも相まって既に傷だらけ。凸守の手に持つ巨槌の直撃を受ければ命に関わるかもしれない

 

「「絶対に、負けられない(デェス)!!」」

 

彼女たちの顔に浮かぶのはこんな状況にあるというのに戦う気に満ちた凜とした眼差し。その目に死への恐怖は浮かんでいない。むしろ、

 

「(楽しいね、キリちゃん)」

「(F.I.Sでは喧嘩が起きたらよくこうやってたデスからね)」

 

楽しい。久しぶりに会えた友との戦闘。下手すれば死の危険があるのは十分にわかっている。それでも、二人は楽しかった。全力の力で振るった鎌を体すれすれのところで避け、避けざまに回転することでその髪から伸びる鉄球が攻撃する。どうにか体を捻って避けるも回転した勢いで振るわれる巨槌。調の丸鋸がそれをどうにか弾き飛ばし互いにその反動で距離を取る。息の切れ始めた切歌と調に対して凸守は未だに余裕の表情で、少しだけ、楽しそう

 

「どうしたDEATHか?そんなことじゃ凸守は倒せないDEATHよ?」

「このままじゃジリ貧デス・・・」

「せめてLiNKERがあれば・・!」

 

「切歌君!調君!」

「「!!」」

 

ブン、と空気を裂いて飛んでくる物体を思わず受け止める切歌と調

 

「これは・・・」

「LiNKER?」

「LiNKERもなしに変身したことは後で説教をくれてやる。だから、無事に勝ってこい!!」

 

付近のビルの屋上から二人にLiNKERを投げ渡したのは本来司令室で待機をしているはずの風鳴弦十郎。いつもならこういうときには補佐である緒川に頼むところだが海外にいるのでは頼むことは出来ない。周囲の反対を押し切り本部に残っていた唯一の武闘派である弦十郎がこうして現れたのである

 

「小賢しいDEATH!」

「「!!」」

「やはりか・・・」

 

その様子を見ていた凸守が懐から小さな結晶を取り出す。それを地面に投げ捨てると地面からノイズが現れる

 

「二人とも!ソイツらにはシンフォギアを分解する力がある!注意するんだ!」

「そんな!?」

「早苗には色々と聞かなきゃいけないことが出来た・・・!」

 

言うや否や弦十郎はビルの屋上から跳び離脱する。降りていった方向は先程から爆発音の響いていた沿岸部。先程の助言と合わせるとどこか他の場所でも戦闘が行われているのだろう。僅かばかりに冷えた頭で思考しながらプシュッ、と音を立てて二人の手に握られたLiNKERが投与される。その効き目は抜群で身に纏うシンフォギアから歌があふれ出す!

 

「今度は」

「コッチの番デス!」

「なっ!?」

 

速い。先程までと違ってキレの増した動きで繰り出されるコンビネーションは周囲のノイズを巻き込みながら凸守を襲う!

 

『二つ結びの輪舞(ロンド)、お仕置きのスタート』

「くっ!?」

 

先程よりも格段に増えた丸鋸が凸守に襲いかかる!あまりの数に手こずっていると、

 

『小っ恥ずかしい過去は、赤面ファイヤー消去デス!』

「きゃぁ!?」

 

背後から切歌が襲いかかる。同時に別々の歌を歌っているにも関わらずそのコンビネーションは的確に凸守を追い詰めるがギリギリのところでノイズが間に入りその身を犠牲に凸守への直撃を防ぐ。だがその威力による余波が凸守を襲う!

惜しむらくは先程までの蓄積ダメージが原因で二人のコンビネーションに僅かな乱れが生じていることである。それがなければおそらく凸守は倒されていた

 

「中々やるじゃないDEATHか」

「私たちだって今まで鍛えてきた」

「早苗に負けっ放しはいやデスからね!」

「・・・・・・」

「これ以上戦ってもそっちに勝ち目はない」

「降参するデス!」

 

ニヤリ、と一転してボロボロになった体で凸守は立ち上がる。その様子に切歌と調は武器を構えながら降伏を促す。それに対する凸守の返答は、

 

『相手が悪かっただけDEATH。凸守は選ばれし者DEATH―――』

「まだ戦るデスか!?」

「これ以上やってもそっちに勝ち目は・・・!」

 

歌い始めた。その様子に切歌と調は一瞬あきれたような表情を見せ、愕然とする

 

()()()()()()()()()()()()闇こそが神秘、行くDEATHよ!!』

「・・・なに、してるデス?」

「シンフォギアの、ペンダント・・・?」

 

凸守の身に纏うシンフォギア。首元にあったソレをその手に持つとカチッと一度スイッチを入れる、それが合図

 

「ウガアアアァァァアァアアァ!!」

「なっ!?」

「刺さったデス!?」

 

宙に浮かんだシンフォギアから虹色に光る棘が現れ凸守の胸元を貫く。

 

ゴウッッ!!

 

「「キャアァァ!?」」

 

凸守を中心に赤黒い風が舞い起こり地面がひび割れる。暴力的な風はLiNKERを使った二人すらも吹き飛ばす

 

「何がどうなってるデスか!?」

「わからない、けど・・・」

 

黒い。そう言うほかないだろう。凸守の白と黄色で彩られたシンフォギアが黒く染まっていた。装甲は鋭く、鋭利と言うべきだろう。その光景にあっけにとられた二人の耳に言葉が響く

 

「・・・さっきまでと違って、今の私は強いDEATHよ?」

「さっきまでと様子が違うデス・・・」

「キリちゃん、気をつk――キャァ!?」

「調!?」

 

気をつけていたはずだった。視線をそらしたらマズいと感じた二人は確かに集中して一挙手一頭足を見逃さないようにしていた。それでも、コマ送りのように姿が見えなくなるのと同時に切歌の横にいた調が吹き飛ばされた

 

その意味するところは圧倒的な速度の差。二人の予想を遙かに超えるほど速く凸守が動いたことの何よりの証明

 

「余所見とはずいぶん余裕DEATHね!?」

「ぐっ!?」

 

ガキン!

 

「キャアァァ!?」

 

今度は辛うじて見えた。横からスイングされるハンマーに合わせて防御をしたはずだった

 

・・・だが、

 

「アラララ、やり過ぎちゃったDEATH」

「ぐ、があ・・・」

「・・・・・・・」

 

結果はわかっている。確かに切歌は凸守の攻撃に合わせて防御した。今までにないと言える反応速度で攻撃に合わせて鎌を盾とし後ろに跳んで衝撃を殺した

 

それでも、攻撃に耐えることが出来なかった

 

その結果が地に伏す二人。身に纏うシンフォギアを維持することも叶わずペンダントに戻り、立つことも出来ずに地べたを這っている。切歌は体の痛みに呻くことしか出来ず、調は衝撃で気を失ったのか反応がない。救いなのは両者とも大きく目立った外傷が見えないことだろうか

 

「・・・・・・、少しやり過ぎたみたいDEATHね」

 

二人の様子を確認し苦虫を噛み潰したような表情になった凸守は顔を伏せると気を取り直すように明るい声を出す

 

「このままだとマスターに怒られちゃうDEATH。まさかココまでとは思ってもなかったDEATH」

 

ゴソゴソと自らの懐を漁って出てきたのはピンク色の結晶

 

「・・・さ、な・・え・・・」

「・・・・・・」

 

残る力を振り絞り切歌が凸守へ呼びかけるが、凸守は地を這う二人を感情の読めない瞳で見つめると結晶を自分の足下に投げる

 

ピンク色に光り輝く紋章が現れ、数瞬の後に上に立つ凸守と周囲にいたノイズが共にその場から消え去る。後に残されたのは傷つき、ボロボロになった二人だけだった・・・

 





戦闘開始時のS.O.N.G本部
藤「シュルシャガナとイガリマ、交戦開始!」
友「このままではバックファイアにより相当なダメージが!」
弦「ここは任せた!」
ドコンッ!シュッ!
↑壁に穴が開いた音、そこから走り去った音
二人「」


Linkerを届けた後の司令
弦「クソッタレ!」
ノ「「「・・・・・・!」」」
藤「このままじゃ、司令が!」
友「すぐに退避を・・・!」
弦「墳っっ!!」
ボコン!ドカン!!
↑道路のアスファルトを砕く音、浮いた欠片を吹き飛ばしてノイズを攻撃する音
弦「なるほど、これなら俺でも戦えそうだ!」
二人「さっさと帰ってきてください」
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