「デス」「DEATH」「「デース(DEEAATH)!」」   作:こそ泥

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「・・・・・・」

「・・・・・・」

 

深淵の竜宮にてレイアを倒し、風鳴邸にてファラを打倒したという報告を聞いて尚S.O.N.Gの本部は暗い空気が漂う。が、それも仕方ないことだろう

二人のオートスコアラーと引き替えに失ったものは大きい

ようやく判明したキャロルの目的、S.O.N.G本部の破損

 

そしてなにより、協力者となった凸守の拉致

 

「・・・確かに、状況はよろしくない。だが、いつまでも惚けている訳にはイカン」

「・・・そう、デスね。こんなことしてる場合じゃないデス!!」

「うん。絶対に早苗を取り戻す!」

「フッ。・・・藤堯ァ!」

「今やってますよ!」

 

オペレーター二人の指がキーボードの上を走る。破壊された本部に残ったシステムを限界まで働かせる

 

「――――――っ!なんだ!?」

「・・・空が!?」

「割れてるデス・・・!?」

 

破壊され、水面を泳ぐからこそよく見える。空の色は紫に鈍く、重くなりその中心の空がひび割れ中から巨大な逆さの城が現れる

 

「友里っ!」

「・・・通信、繋がりました!!」

『はい!』

「響くん!よく聞くんだ!!」

 

弦十郎の口から状況が響へと伝えられる。キャロルの目的、本部の被害、そして凸守のこと

 

『そんな、早苗ちゃんが!?』

「響くんはそこで民間人の誘導!こちらもすぐに向かう!!・・・合流するまで、無茶はするなよ!」

『はい!!』

 

通信が切れる。画面に映る城は完全に姿を現し真下にあったビルに突き刺さっている

 

「三人とも、準備はいいか!?」

「さっさと行くデスよ!」

「心配かけた早苗にはお説教が必要だもんね」

「アタシはまだあいつに先輩らしい姿を見せれてねぇからな!」

 

だから、絶対に連れ戻す。また、皆で笑い合う!

 

「よし、行くぞ!!」

「「「はい!」」」

 

決意の乗った言葉が本部に響く。反撃の狼煙は、今上がる

 

 

 

 

 

 

 

 

荒れ果てた公園。昼過ぎになれば大勢の人間で賑わう憩いの場で戦いが行われている

 

「ハアアアアァァ!!」

「ヘルメス!トリスメギストス!!」

 

拳を交える二人の少女

地を砕き、勢いをつけた拳は跳躍の速度も合いまり並大抵の防御では防ぐことは叶わない

だが、相手をするキャロルも生半可な実力ではない。銃弾や爆発にあっても耐えられるその防御は堅牢

そんな二人の戦い

 

「負けるなぁーー!」

 

だけど、戦っているのはもう一人居る

戦う力を持たず、特別なものなんて何もない。今この時も足は震え、恐怖に心臓が強く脈打つ

 

だが、それでも

 

「響っ!!負けるなあぁーーーっ!!!」

 

足の震えを拳で止め、脈打つ心臓を握りしめ、なけなしの勇気を持ってそこに立つ

 

父親だから。ただそれだけの理由で戦場に立つ

 

「アアアアアアァァァァァ!!!!」

「なあっ!?――グウッ!?」

 

父の声援を背に受けた響の拳が防御を破りキャロルに突き刺さる

その小さな姿は吹き飛び地面へと叩き付けられる

 

「・・・お前も父親を力とかえるなら――」

「うわあっ!?」

「お父さん!?」

 

だが、キャロルもただでやられはしない。吹き飛ばされる前に響の父の足下にノイズを展開する

 

「――まずはそこから引いてくれる!!」

「お父さんっ!!」

「ヒッ!?」

 

父の元へノイズの触手が迫る。だが、響は未だ宙であり父親の元へ駆けつけることが出来ない

 

「お父さぁんっ!!」

「ヒイイイィィッ!?」

 

間に合わない。響はようやく着地したところであり、ノイズの触手は数センチのところまで近づいており響では間に合わない

 

「ハアァッ!」

 

そう、響では間に合わない

 

――――-----ズガガガガガガッ!!

 

天から無数に別たれた銃弾が雨あられと降り注ぐ。響父の元へと殺到した弾丸は響父を傷つけることなく、その周囲のノイズだけを暗い尽くす

 

「っ!」

 

それを見たキャロルが走り出し、直接手にかけようとするも、

 

--ガキイィィン

 

こちらも空から振ってきた壁に行く手を阻まれる

 

「くっ!?」

「ここは通さぬ!」

 

巨大な壁に見えたのは、剣。何者をも断ち切る無双の一振り

改めて飛んできた銃弾の先を見るとそこには合流した6人の奏者の姿

 

「ふっ、全員揃ったということか」

「早苗はどこデスかっ!」

「応えてっ!」

 

6対1というのにも関わらず余裕を見せるキャロルに切歌と調が叫びを発す

 

「んん?ああ、奴なら---」

 

スッとキャロルが宙に浮かぶ城を指す

 

「あの中にいる。合いたいならば行ってみるといい。---ただし」

「「!」」

 

キャロルの持つ竪琴が鳴る。キャロルが成長し戦闘に適した全盛期の姿を取る

 

「オレを越えられればなっ!」

 

キャロルの手から炎の竜巻が6人を襲う。その大きさは以前の時と比べものにならない

 

「その輝き・・・まるでシンフォギア・・・!」

「ふん!輝きだけでないと覚えろ!」

 

~~~♪

 

「歌・・・だと・・・!?」

「なんという威力!?」

 

4房に分かれた竜巻が襲いかかる。その威力は分かれているにも関わらずそのうちの一本ですら道路を抉り建物を吹き飛ばす威力

 

「この威力・・・!」

「すっとぼけが効くものか!コイツは絶唱だ!」

「絶唱を負荷なく口にするなんて錬金術ってのはとんだインチキデス!」

「なにか、理由があるはず・・・」

「翼!アレを!!」

 

-------ィィィン

 

マリアが指を指す先を見るとそこにあったのは空を割り現れた巨大な城

その城が不気味に高い音をたてながら明滅している

 

「・・・鼓動・・・共振!?」

「まさか、あれが音叉のようにエネルギーを増幅させてるってことですか!?」

 

キュイイイイイィィィィンン!

 

逆さになった形の城はその頂上に光り輝くエネルギーを集める。その大きさはただの民家ならば飲み込む程の大きさだ。すると、

 

ギュオオォォン!!

 

突如、エネルギーが地上へ向けて放出される。地に落ちたエネルギーが十字を描き広がっていく

あの装置がある限り、キャロルの目的--世界の分解--は進みキャロルの力も否応なく上がり続ける

 

「くっ!」

「マリア!」

「私はあの装置を止める!」

「待つデス!」

「待って!マリア!!」

 

走り出したマリアを追うように切歌と調が駆け出す。マリアの手を取ると調のギアが変形し車輪のように変化し外側に着いた刃をスパイク代わりに近くのビルを垂直に昇っていく

 

「マリアだけを行かせるわけにはいかないデス!」

「それに、あそこには早苗がいるもの」

「・・・ええ!迎えに行きましょう!!私たちの、親友を!!」

「デース!」「うん!」

 

三人は手を取り合い上を見据える。連れ去られた親友を想い、また手を繋ぐために

 

 

 

 

 

キャロルの追撃は何故か無く。悠々とチフォージュ・シャトーの上部に辿り着いた三人

 

「と、ここまで来たはいいデスが・・・」

「想像以上の歓迎ぶり・・・」

「やはり、簡単には通してもらえないわね」

 

ギュムギュムギュム

 

三人を追う影こそ無かったが待ち構える影はあった。大量のノイズが行く手を阻むように並んでいる

ノイズは三人に気がつくと三人へ近づき、攻撃を始める

 

「この程度!」

「突破するだけデス!」

「行くわよ!切歌、調!!」

 

そんなノイズ達の攻撃も三人の足を止めるには至らない

 

調が削り取り、切歌が切り払い、マリアが残党を殲滅する。そうして切り開いた道の先、わずかに開いた隙間から中に侵入する三人

 

「どんなもんデス!」

「キリちゃん、まだ油断はダメだよ」

「わかってるデスよ!」

「二人とも、ここからは気を引き締めて行くわよ!!」

「うん!」「デース!」

 

 

 

着地した三人。素早く立ち上がり辺りを見回す

 

「ここは・・・通路デスか?」

「目的の装置は一体どこに・・・!」

「・・・二人とも、来るわよ!」

 

前と後ろ。二方向から近づく音

一つは前からコツコツと、もう一つは後ろからウィィィンと駆動音が

 

「・・・切歌、調。二人は前をお願い。後ろは私が」

「了解デス」

「マリアも無茶はしないでね」

 

手短に相手を決めるとそれぞれが相手を向く

 

「えっ・・・?」

「さな、え・・・?」

「・・・マム!?まさか、そんな!?」

 

暗闇から現れたのはどちらも相応に見覚えのある相手

 

「早苗!よかったデス!!どうやって」

「待ってキリちゃん!・・・様子が変」

「マム・・・いや、マムがこんなところにいるものか!」

 

前からは凸守が。シンフォギアを纏い歩くその姿は見慣れたもの。頭の部分に取り付けられたバイザーで表情を伺うことは出来ないものの歩き方や身長は全く同じ

身長や見た目が同じなのは後ろから現れたマム--ナスターシャ教授--も同じ。悪くした足腰の母序に使っている車椅子もその服も、その表情も全てが生前のマムと一致する

 

「・・・・・・」

「・・・どうしたのですか、マリア?」

「!!?」

 

マムの口から出た声。その声色、口調。全てがマムであると主張する

だけど、それは有り得ない。マムは月の落下を防ぐためにその身を賭して戦い、今はあの墓の中に眠っているのだから

 

「違う!お前はマムじゃない!!・・・だから、押し通る!!」

「良いでしょう。来るというならば相手になります」

 

マリアがその手のアガートラームを構える。対するマムも車椅子が変形し戦闘態勢を取る

 

一方で切歌たちの方も戦闘態勢を取っていた

 

「・・・・・・」

「早苗!どうしちゃったデスか!?」

「ダメ・・・!通じてない!!」

 

だが、戦闘態勢を取ってはいても戦っては居ない。武器を振り回しているのは凸守一人であり切歌や調はそれを防ぎながら呼びかけている

だが、

 

「・・・・・・」

「キャア!」

「調っ!」

 

凸守は言葉も発さず、ただ淡々と鎚を振るう。まるでロボットのように

 

「グウッ!?」

「マリア!!」

 

マリアが吹き飛ばされる。端から見ていてわかる。調も、マリアも本調子にはほど遠く動きに精細がない

 

「ここは一旦引くデス!」

「・・・うん!」

「わかったわ!」

 

一時撤退。それを決めてからの行動は速かった。合流した三人はマムと凸守の二人を警戒しながらマムの脇を通り抜ける

 

「追ってこない・・・?」

「今は少し時間を置くデス!」

 

不思議なことに追撃はなくマムも凸守もその場で立ち止まりコチラを見つめるだけ。そんな二人を残して三人は撤退する

 

 

 

距離を取った三人は荒げた息を戻す暇無く話し込む

 

「それで、一体どうなっているデスか!?」

「わからない。何がおきてるんだろう」

「あの装置、どこかで・・・」

 

誘拐されたはずの凸守の攻撃、死んだはずのマムの出現。一つでも頭を悩ませそうな出来事が二つも同時に起きたために頭がこんがらがる

そして、話し込んでいたために()の接近に気がつかなかった

 

「ハッ!敵の居城でお喋りとは随分と呑気なことじゃないか!」

「誰デスッ!」

「ドクター!?」

「こんなところで、なに・・・を・・・」

 

言葉が尻すぼみになる。だが、仕方ない。敵の居城に乗り込んだのだから接近されるのはわかる。だけれどもまさかその敵が腹部から多量の血を流しながら足を引きずって洗われるとは思ってもみなかった

 

「見ればわかるだろう?道を違えたから切って捨てられただけのこと。だぁが!英雄たるこのボクはこんなところで死ぬわけにはいかないんでねぇ!!」

「・・・まるでゴキブリデス」

「ドクター。聞かせて欲しい」

「あぁん?」

「早苗につけられているあの装置。・・・あれをやったのはあなた?」

「「!!」」

 

マリアの脳裏に浮かぶのは半年以上前、フロンティア事変での出来事。その時に自分が助けた民間人である少女、小日向未来に目の前の男が同じような装置を甘言を弄してつけさせていたことを覚えている

そんなマリアの確信を込めた言葉を受けてウェルがニヤリと汚く嗤う

 

「へぇ、以外とオツムが回るようになったじゃないか!」

「・・・やはり!」

「そうとも!このボクの手にかかればあのぐらいの装置を作るのは造作も--グエッ!?」

「ドクター!お前っ!!」

 

切歌の手がウェルの襟元に伸びる。だがその手を止めたのはウェル本人ではなく

 

「やめなさい。切歌」

「だけどマリア!」

「落ち着いて切ちゃん」

 

二人に止められた切歌は悔しそうにウェルを睨みながら手を離す。離されたウェルは崩れた胸元を整えながら

 

「はっ!力尽くしか出来ないとはね!これだから野蛮人は」

「っ!!」

「落ち着きなさい。ドクターもそれ以上言うならコッチにも考えがあるわ」

「チッ!」

「マリア・・・」

 

切歌は見た。マリアの右手。左手で押さえられたその手が震えているのを。マリアも怒りが沸いていない訳ではなくソレを押し殺してでも解決のために動いているのだと

 

「ドクター。あの装置、あなたが作ったというなら解除する方法もわかっているのよね?」

「勿論だとも。あの装置を止めるなら破壊するかボクが調整するしかない。そして世界の分解を止めるというならボクの力が必要不可欠」

「そうとくれば!」

「破壊するだけデス!!」

 

「・・・よし、行こう!」

 

ウェルの案内の元マリア達は進む。行き先はチフォージュ。シャトーの中枢の制御装置

 

そこで待ち構えるであろう恩師と親友。二人との争いが避けられないと知っていながら

 

 

 

 

 




移動方法
切「ところで、まだ海の上にいるデスけどどうやって合流するデスか?」
ク「なぁに言ってんだ?ちゃんとした移動方法があるだろうよ」
調「・・・一体、どこに・・・?」
ク「ほら」

ガシャコン!
↑ミサイルの発射装置がせり出してくる音

弦「ふぅ~、ミサイルの発射装置に異常が無くて良かった」
ク「まあ、その場合はアタシのミサイルで飛んでいけばいいだけだけどな」
二人「ハハハハハハ」


切「前にボケに対してツッコミが少ないと言ってたデスが・・・」
調「クリス先輩も大概だと思う」




追記
ここまで読んで頂き、まことにありがとうございます。
悲しいお知らせですが完結が放送開始までに間に合いそうにありません。
というのもこの後の展開として次の話で凸守のか小話を入れようと考えてるのですがなのですがどうしてもうまくまとまらない+内容に納得がいかないという理由です
正直、駄文でもいいから完結っぽく終わらせようかと考えもしたのですが自分で納得がいかないし読んでいてつまらないものになりそうなので申し訳ないのですが一時お休みさせてください
楽しみにしていた皆様(居るのか不明)には大変申し訳ありませんでした
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