二月八日
前回の手紙を送った直後、狙い済ましたように家のポストに手紙が入っていたので、なんだこの電光石火の返事はと思いました。
でもよくよく考えなくてもただの偶然ですね。ごめんなさい。
何で謝ってるんだろ俺。
というか、前回まだまだ平和を謳歌しますとか書いた直後に招集命令出してくるとはどういうことです?嫌がらせでないことはわかっているけれど。
とはいえ、そろそろ皆の顔が恋しくなってきたところだった。思ったよりも短い休暇になってしまったのは残念だけど、そろそろマスター業に復帰する時なのだろう。
ハンバーガー90個買えるほどのお金溜めてないとか、前回妹、妹連呼したとかで復帰早々オルタに殺される未来しか見えないことなぞ、些細な問題だろう。
……気分は断頭台に上がる死刑囚だ。身から出た錆なのだが。
そちらに到着するのは11日ぐらいになりそうです。
健康に気をつけてお待ちください。
草々
健康体そのもの・藤丸立香
人理保証機関 フィニス・カルデアの皆様
~○~
二月九日
拝啓。
始めまして、人理保証機関 フィニス・カルデアの皆様。
藤丸立花と申します。
いきなり私が手紙を書いたのは並々ならぬ事情があるのです。今からそれを説明します。
昨晩、私が帰宅したところ、テーブルに何やら紙切れが置いてありました。
何だろう、と思って見てみると、不肖の兄の字で、「バイト先から招集命令が来たから行ってくる。一ヶ月したら戻ってくるからよろしく」と書かれてありました。
何をやってるんですか馬鹿兄貴。失われた一年のうちに音信不通になったと思ったら突然帰ってきて、その癖半年も経たずにまた家を出ていくなんて。
むしゃくしゃしてきて、私はその紙を破り捨てようとしたときです。
裏にも何か書かれているのを発見しました。
見てみると、「人理保証機関 フィニス・カルデア」という文字とそこの住所、更に「バイト先は電波が通じないっぽいから連絡するなら手紙でよろしく」という文字が。
馬鹿兄貴はどういうアルバイトをしているのだろうと思いながらも、私は今こうやって手紙を書いている……。
と、まあこんな事情な訳でございます。
取り合えず、馬鹿兄貴。
てめえ家に帰ってきた暁には絶対ぶん殴ってやるからな。何にも言わないで突然家を出ていったこと、私は絶対許さないからそのつもりで。
カルデアの皆様。こんな馬鹿兄ですが、どうかよろしくやってください。お願いします。
かしこ
藤丸立花
人理保証機関フィニス・カルデアの皆様