ポケモン×ボイスロイド ボイスポケット   作:SOD

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19きりたんがわんわんお

Side:きりたん・茜・ウナ

 

ツツジ「コホン、それでは改めて自己紹介致します。

私はカナズミジム・ジムリーダーのツツジ。

二つ名は【岩にときめく優等生】です。」

 

面識があるはずのきりたんにすっかり忘れられていたツツジは、自らの存在を改めて教えていた。

 

きりたん「二つ名って自分で名乗ると痛い人みたいですね…」

 

ウナ「しかも【岩にときめく優等生】って、ダッサイね」

 

小学5年生二人は正直で辛辣だった。

 

ツツジ「そんな!?わたくしの二つ名は優雅で知性ある物ですわよ!?」

 

ウナ「いやダサいよ(断言)」

 

きりたん「岩にときめくとか普通に想像すると物凄いサイコパスですね。」

 

ツツジ「ガーン!!!?」

 

 

茜(容赦ないなぁ…)

 

心で思いつつ、二人の意見を否定しない茜にとっても、ツツジの二つ名は魅力を感じるものでは無いらしい。

しかしそこは天子の茜ちゃん。何とかフォローしようと話の内容を修正しようとする。

 

茜「えっと、ツツジさんその年でジムリーダーって凄いなぁ。ツツジさんもタマムシ学園を卒業したん?」

 

ツツジ「いいえ、わたくしはトレーナースクールの生徒ですの。そしてジムリーダーを兼任させて頂いています。

戦うことでポケモンの全てを知りたいのです。」

 

ウナ「へえ~生徒って、今何歳?」

 

ツツジ「わたくしは16歳ですわ」

 

ウナ「じゃあ、きりたんや茜ちゃんの師匠よりも年下なんだね。」

 

きりたん「そうだね。たしかゆかりは17歳だって言ってたし」

 

 

ツツジ「……きりたんさん、今なんとおっしゃったのかしら?」

 

 

きりたん「え?」

 

ツツジ「ゆかりとは、まさかとは思いますが、あの【紫毒】こと結月ゆかりさんのことではありませんよね?」

 

きりたん「ありますわよ?弟子(仮)ですが」

 

ツツジ「な!??」

 

ウナ「茜ちゃんもだぞー」

 

茜「せやね~ウチも(仮)やけどね」

 

 

それを聞いたツツジの顔色はドンドン険しい物へと変わっていき

 

 

ツツジ「いけませんわ、きりたんさん!!あのような悪名高い方に、貴方のような才能ある方が近づいてはいけません!悪影響を受けるだけです!!」

 

きりたん「は?」

 

ツツジ「貴方はわたくしのノズパスの新たな進化を見つけて下さった恩人で、ポケモンのことを学ぶ者として敬意も感じています。

研究や対戦がしたいのであれば、このわたくしがお相手を務めます。ですから、あのような方への弟子入りなんて今からでもお止めなさい。

貴方があんな悪辣非道な外道に堕ちるなど、決して見過ごせーーー」

 

 

ドオオオオオオオオオ………ン!!!!

 

 

鈍く、重い衝撃音がフィールドに響く。それはまるで花火のようで、事情を知らない人間は耳をふさいで身を屈める。

そして、衝撃音の原因たるはアイアンテール。ポケモンのハガネ・物理ワザの中でもトップクラスの破壊力を持つワザ。

間違っても…人間に向けて放ってはいけません。

 

 

ツツジ「な……何を……」

 

 

あまりにも唐突に自身に襲いかかったハガネールの尻尾が、ツツジのカラダスレスレで地面に横たわる。

掠りでもすれば、骨折は免れまい。

自身の身を危ぶめた元凶に理不尽を訴える。

 

ツツジ「何をしているのですか東北きりたんさん!?

貴方は自分が何をしているのか分かっているのですか!!?」

 

きりたん「…………。」

 

ハガネールのハガネまるにアイアンテールを命じたきりたんの目は、怒りに震えている。

 

ウナ「きりたんどうしたの!?何で急にハガネール!?」

 

茜「お、落ち着くんやきりたんちゃん。いきなりこんなことしたらツツジさんも訳分からんよ!」

 

ツツジ「ま、まさかもう既に【紫毒】に何らかの洗脳を受けてしまっているのでは……きりたんさん、落ち着いて下さい。冷静にわたくしの目を見てーー」

 

きりたん「黙れ」

 

ツツジ「え……」

 

 

きりたん「何なんですかねえ、どいつもこいつも……!ゆかりが一体何をしたってんですかねえ………」

 

 

ツツジ「きりたんさん…貴女は結月ゆかりに騙されているんです!紫毒は、貴女の師匠に成れるようなトレーナーではありません!!」

 

 

きりたん「………………そこまで言うなら、私とバトルです。」

 

ツツジ「え?バトルですか?」

 

きりたん「ええ。私はゆかりに完敗しました。

私は弱いです。だから、もしあなたが私に負ければ、あなたもゆかりより弱い事になる。ゆかりの代わりに、私がアンタを黙らせます。」

 

きりたんの言葉は、ツツジのプライドを刺激する。

 

ツツジ「きりたんさん。わたくしは仮にもジムリーダーです。幾ら才能ある貴女でも無謀ですわよ?」

 

きりたん「無謀でも何でも構いませんよ。

 

私の師匠をバカにする奴は徹底的に黙らせる。」

 

そう言ってツツジを見るきりたんの目は、完全に据わっている。少なくとも小学生5年生がしていい目では無い。

 

茜(ずん子先輩もやったけど、東北姉妹はものすっごい攻撃的やなぁ……)

 

ウナ「おお~!戦う女だ!!いいぞ、きりたん!頑張れー」

 

 

ツツジ「仕方有りません。いいでしょう。わたくしにもジムリーダーとしての誇りがあります。

全力で戦いますわ。

ただし、わたくしが勝ったら、結月ゆかりさんに弟子入りするのは考え直して下さい。」

 

ツツジは分厚い本からモンスターボールを取り出し構える。

 

 

きりたん「良いでしょう。では、私が勝ったらーーー

 

 

ハガネまるのアイアンテールでアナタの顎を砕きます」

 

 

ツツジ「ゑ?」

ウナ「うお!?」

茜「…………。」

 

 

茜(きりたんちゃんが勝ったら頼むで…ゼリー)

ゼリー(お、仰せのままに……)

 

今のきりたんなら絶対にやるという確信を持った三人。

 

その中で茜は1歳年上の先輩として、彼女が殺人者にならないように全力で止める決心をした。

擦ってもカラダが抉れる威力のアイアンテールで、顎だけ砕くなど不可能だからだ。

 

 

 

茜「ウチ、ゆかりさんに会うまできりたんちゃんから目放さん方がええな~」

 

困った顔で笑う茜は、こっそりコラッタフォームのゼリーをモンスターボールから出し、いつでも止められるようにスタンバる。

 

 

 

 

 

この日、きりたんと茜がお互いに抱いたフォローの念は、最後まで続くことになる。

 

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