ポケモン×ボイスロイド ボイスポケット   作:SOD

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あけおめ~


30 確かめ直す。戦う意味を

 

【挿絵表示】

 

 

パシャリ。

片手でカメラを使い、自分とリザードンのブレイズを撮影しているのは、金髪の少女、弦巻マキ。

 

マキ「え~っと…うん。上手く撮れたかな。

かっこいいよ。ブレイズ。」

 

ブレイズ『……首と頭しか写っていない。しかも白黒だ。』

 

マキ「仕方ないんだよ。お母さんの時代は白黒のカメラしかなかったんだもの。

ほら、ゲンガーもニドリーノも白黒でしょ?」

 

別技能の動画をブレイズに視せるマキ。

 

ブレイズ『ゲンガーがニドリーノに格闘戦を挑むとは…これはシャドークローか?』

 

マキ「昔は物理攻撃や特殊攻撃の分類や知識が確立していなかったんだよ。

お父さんの時代は、ポケモンが()()()()()()の時代だから。オーキド博士だってまだ若かったくらいだし。」

 

ブレイズ『おう…コレが嘗てのオーキド・ユキナリか。目が違うな。強いトレーナーだったと聞いたが、ここまでとは……。』

 

マキ「うん。ゆかりちゃんも言ってたよ。

『若い時に逢いたかった』って」

 

 

話をしている。

語り継ぐ事でしか知れない、過ぎ去った(かこ)の話。

 

これは、学園の課題【他地方のリーグ出場権獲得】の旅立ち前に三人が集まる日に、たまたま母の遺品のカメラを見つけた話。

 

 

 

場所は変わって、オーキド研究所の訓練場。

 

ずん子「行きますよ、ズナイパー!」

ズナイパー『宜しい。参りましょう。』

 

東北ずん子は、アローラ御三家、草のポケモンジュナイパーと訓練中だ。

 

ズナイパーは風を纏って空高く舞い上がる。

地上には“ふうせん“をくくりつけた小さな“かるいし“が地面の不規則に風を起こす装置によって上下に浮かぶ。

数にして6。

ただでさえ小さい的を人間に視認不可能なレベルまで小さくなる。

 

ずん子にはもうズナイパーが見えない。

ソレを確認すると、翡翠のZパワーリングにZクリスタルをはめ込む。

 

ずん子「両手をクロス。大地からつぼみ咲くように……」

 

トレーナーがワザの準備を始めたのを確認したズナイパーは自分を飛翔させる翼を広げ、首のツタを弦に。

ーー弓を構える。

 

 

ズナイパー『…………。』

 

 

落ちる、落ちる、落ちる。

重力に従う自然落下。

 

力を鏃に。光を通さぬ影を鏃に纏う。

 

ずん子「さあ、準備完了。行くよ、ズナイパー。」

ズナイパー『影を纏えば光を取り込む。射貫け。』

 

ズナイパーの弦は限界まで張り詰める。

 

 

ずん子・ズナイパー「『シャドーアローズストライク!!!!』」

 

 

弦が弾かれ、矢が吹き飛ぶ。

 

直線では無く、曲線で“かるいし“を射貫く。

 

1、2、3、4、5……。

 

不規則な動きで浮くかるいしを追尾して上へ、左へ、下へ、上へ、左へ、右へ。6個目。

 

当たる直前に風が止み、かるいしが落下。軌道を下へ修正するも、当たらない。

 

ずん子「はぁ……ハァ……や、やっぱりZワザは、制御が、難しいですね………っ」

 

ズナイパー『やはり、まだ足りませんな…ここはやはりもう一矢』

 

ずん子「矢を番えても直ぐにZワザもう一回は撃てないよ……って、アレ?ズナイパー……言葉が」

 

ズナイパー『おや?これは一体どういう…??』

 

 

マキ「ずん子ちゃん~」

 

 

ずん子「あ、やっぱりマキさんだったんですね。」

 

マキさん「うん。お待たせ、ずん子ちゃん。

はいっ、チーズ!」

 

 

パシャリ

 

ずん子「ふえっ!?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

ずん子「ま、マキさん、そのカメラは?ずいぶん古い物のようですけど」

 

マキ「うん。これね、お母さんの遺品なの。

旅の前に虫干しとか必要な物は無いかなと思って調べたら出てきたの。

だから、お母さんにも私の友達見て貰えたら嬉しいなって……」

 

 

ずん子(友達……友達……私が、マキさんの友達……!!)

 

この時、ずん子はマキの才能に尻込みし、どこか劣等感と後ろめたさを感じていたのでした。

 

ずん子「そうなのですか。お母様にも届くと良いですね」

 

マキ「うん!ところで、ずん子ちゃん。」

 

ずん子「何ですか、マキさん?」

 

 

マキ「ゆかりちゃんはどこかな?」

 

 

ずん子「……………」

 

 

その時、ずん子のゆかりに対する嫉妬心と対抗心は更に膨れあがった。

 

 

マキ「ずん子ちゃん??」

 

 

が、マキは気付かなかった。

 

ずん子「………あ。

すみませんマキさん。ゆかりは研究所には来たんですが、どこに居るのかは……」

 

 

ゆかり「ーーふわぁ~……」

 

 

マキ・ずん子「ふわぁ??」

 

 

ゆかり「………………ねむ」

 

ゆかりは、直ぐ傍でフードに身体全体を包み、フシギバナに背を預けて眠っていた。

 

マキ「ゆかりちゃん!」

 

ずん子「え?嘘?!いつからそこに!?

私の対ゆかり用の秘密特訓を覗いていたのですか!?」

 

ゆかり「…………。」

 

フシギバナ『我が主は、ずん子様の特訓より以前より休息されておりましたよ。因みに、訓練につきましては見向きもせず瞼を閉じておられました。』

 

ゆかり「zzz……」

 

マキ「あ、マズい。ゆかりちゃん、ゆかりちゃん!

寝ちゃう前にこっち向いて!!お願い!!」

 

ゆかり「………………何ですか……」

 

フシギバナ『どうやら、写真を撮りたいようです』

 

ゆかり「…………はぁ……」

 

眠たげにしながらマキのカメラに目線を送るゆかり。

 

マキ「ありがとう、ゆかりちゃん。じゃあ撮るよ~」

 

ずん子(……やっぱり、ゆかりはマキさんの言うことは聞くんですね………ソレは、やっぱり……)

 

 

 

 

 

ずん子「才能の違い……なんですかね」

 

目を開く。

 

ずん子の目の前に広がっているのは、ボロボロのバシャーモと……

 

 

ゆかり「……………。」

 

 

ずん子「それでも、才能の違いがあっても……」

 

 

握る。新たなボールを。

 

 

ずん子「プライドを捨ててでも、他の何かで埋めて、ゆかりを倒す!!」

 

 

 




はい、こちらゆかりさんでーす




【挿絵表示】

ポケモンバトルに出血や打撲やら、リアルな描写を入れることで緊迫感を出したいと思っていますが、読んでみてどう思いましたか?

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