ポケモン×ボイスロイド ボイスポケット   作:SOD

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そろそろこの殺し合いに対等な視点の解説が欲しかったので


31ヤムチャ視点が終わりを告げる。

ーーきあいパンチ。

 

消えてしまいそうなほど小さい声で、ゆかりちゃんがそう口にしたのが、確かに聞こえた。

 

でも、それは●●●に指示した訳じゃ無い。

それはきっと、多分。バトルしている内に少しだけ思い出してしまったんだと思う。

まだ、ゆかりちゃんがポケモンにバトルの指示をしていた時のことを。

まだ、あの子達のことを『ニックネーム』で呼んでいた昔のことを。

 

葵「………………。」

 

ゆっくり葵ちゃんのペースに合わせて校門に向かっていた私と葵ちゃん。

けど、あの校舎全体を震わせる咆哮が聞こえて、すぐにブレイズの背に乗って飛んできた。

 

マキ「…………ゆかりちゃんと、ずん子ちゃん。

やっぱりバトルになったんだ…。

さっきの校内放送聞いたときは大丈夫かと思ったけど……」

 

ハッキリ言ってしまえば、東北ずん子という子は、感情の制御が苦手だ。

喜怒哀楽がハッキリ現れる。それも、最も強い感情が優先して出てくる。

 

マキ(ずん子ちゃんは、多分ゆかりちゃんと仲良くしたい気持ちがある。

でも、肝心のゆかりちゃんは)

 

心の内を見せない。

自分から本心を語ることが殆ど無い。

本人が秘密主義な訳じゃ無い。

ただ、面倒なだけで。

 

 

正面からぶつかろうとする東北ずん子と

相手の寝込み・背後を狙うことに効率の善し悪し以外は考慮しない結月ゆかり。

 

この二人が言葉でわかり合うのは難しい。

 

だが……。

 

 

マキ「…………ずん子ちゃんがゆかりちゃんとバトルで語り合うには……」

 

 

 

東北ずん子は、純然たる事実として、結月ゆかりに届いていない。

 

 

 

大地にクレーターを作る衝撃音と共にずんリアスが地面にめり込む。

 

マキ「先ずは、ゆかりちゃんが一本取ったね……。」

 

弦巻マキは、ブレイズの背に乗りながら、見慣れた光景であるソレを、冷静に見つめていた。

だが、その後ろにいた琴葉葵は……。

 

 

葵「……な……に……こ、れ……!?」

 

 

見たことの無いコレに対して、目を見開いてマキの背に隠れていた。

マキは葵の目を手とカラダで優しく隠しながら、二人のバトルから目を逸らさない。

 

 

マキ「ゆかりちゃんの本気()()のバトルだよ。」

 

葵「…………っっ」

 

マキの声すら辛うじてしか聞こえていないほど、葵は怯えていた。

 

マキ「…………降りようか。

ほら、茜ちゃん達も一緒だよ」

 

葵「あ…、………は、い…。」

 

 

ブレイズはゆっくりと、地上に降りていった。

 

 

 

 

ゆかり「あと、二つ。」

 

 

ずん子「負けない。絶対に。」

 

 

あれだけ凄惨なバトルがあったにもかかわらず、結月ゆかりの表情は険呑で、眠たそうだ。

 

 

ウナ「……………」

 

音街ウナの元気で明るさを感じさせる表情は完全に凍り付き、目尻に涙を浮かべている。

 

茜「ゆかりさん……」

 

スイクンのゼリーに『リフレクター』を前もって準備させていた茜は、この光景もある程度予想の範囲内であったようで、怯えていたウナをお姉さんらしく抱きしめていた。

実際、直撃していたら大怪我するかもしれない位の破片が何度かリフレクターにぶつかっている。

 

 

きりたん「ずん姉様……ゆかり……」

 

 

ずん子「さあ行くわよ2番手!!ズナイパー!!」

 

 

ズナイパー「じゅっぱぁ!!」

 

ずん子の2番手、ずナイパーのジュナイパー。

草・ゴーストタイプのアローラ御三家。

 

弓ワザを得意とするポケモンは、モンスターボールから現れると同時に、地面に向かって突進した。

 

きりたん「え?!ずん姉様!?」

 

すると、ズナイパーは地面に激突する事も無く、ぬるりと中へ入って行った。

 

きりたん「な、何あれ…??」

 

 

ずん子「ゆかり、私達が貴女に勝つためにしてきた修行の成果を見せて上げます。」

 

 

バシャーモ「…………(ゼェ…ゼェ…)。」

 

バシャーモは虫の息になりながらも集中している。

突然目の前で地面に潜ったジュナイパーだが…。

 

 

ゆかり「ゴーストダイブ。」

 

 

ずん子「ああ…やっぱりすぐに分かっちゃうんですね。

でも、これは分かりますか?」

 

バシャーモのすぐ足下。前触れも無く矢が飛び上がる。

それはバシャーモの顔を狙って突き進む。

 

バシャーモ「………ッッ!!!!」

 

間一髪“みきり“で顔だけ動かして躱すバシャーモ。

 

ゆかり「これは……!」

 

きりたん「あれって…!!」

 

ずん子「さすがに貴女も予想出来ないでしょう?

見えない影の中で、音も無く、更に攻撃が届く場所にもいない!

貴女の得意なステルス戦術を、完全な形に仕上げたんですよ!!」

 

 

きりたんも思い出す。

ゆかりがマスターボールから出した謎のポケモンを。

正体も分からないまま一方的にハガネまるを攻撃していたあの戦術だ。

 

 

きりたん「すごい、ずん姉様……!!あれなら、いくらゆかりでも攻撃出来ない……」

 

 

 

 

ずん子「ふふふ……さあ、2戦目を始めましょう。」

 

 

 

 

 

 




力のぶつかり合いの後は、ワザの比べあいをば

ポケモンバトルに出血や打撲やら、リアルな描写を入れることで緊迫感を出したいと思っていますが、読んでみてどう思いましたか?

  • 緊迫感が出ている
  • かえってバトルに集中できない
  • その他(コメントで教えて下さい)
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