ポケモン×ボイスロイド ボイスポケット   作:SOD

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書きたくなったので。
その内挿絵付けるか考え中


4 影の唄--ゆかりの歌--子守と“まもる“

ハガネまる「グ………グガ…!!」

 

きりたん「は……ハガネまる!まだ立てるんですか」

 

謎のポケモンの目にも止まらぬ速さに対応出来ずに攻撃を食らったハガネまる。

だがそこは最高クラスの『ぼうぎょりょく』を誇るハガネール。危うく見えても持ちこたえていた。

 

ゆかり「ハア…まだ生きてるんですか。ったく、面倒ですね。ハガネタイプの硬さは。」

 

きりたん「どうやら、『すばやさ』はあっても『こうげきりょく』は無いようですね……これならまだ行ける!!」

 

ゆかり「…………。」

 

ハガネまるの健在に精神的余裕を取り戻したきりたんの目には、活気が戻っていた。

しかし、外野で見学し謎のポケモンの正体を知っているマキとずん子だけは、目に見えて顔面蒼白だ。

 

 

ずん子「は……ハガネールに…ダウンを取った………う、嘘ですよ。あり得ない……こんなの…ッッ」

(認めたく……無い!!)

 

特にゆかりに対して日頃ライバル意識を燃やすずん子は、その魅惑的な太ももを震わせ、握りしめた手には血が滲んだ。

 

マキ「…………ずんちゃん」

 

一方マキも気付かない内にモンスターボールを握っていた。

それは同じくライバル意識があるゆかりに対しての競争心。そして、トレーナーとしての本能だ。

 

マキ「久しぶりに、私も燃えて来ちゃった…」

 

 

きりたん「さあ、まずは周りの木を全部なぎ倒して逃げ場を無くしましょう!」

オーキド「止めて!!?ワシの家滅茶苦茶になっちゃう!!」

きりたん「ハガネまる、じしーー」

 

ゆかり「戻れ。」

 

きりたんがじしんの命令を出そうとしたところで、ゆかりは謎のポケモンを引っ込めた。

 

きりたん「むっ、倒せないと分かって交代ですか。そんな無様な姿を小学5年生相手に恥ずかしくないんですか」

 

きりたんの挑発に耳を貸さず、ゆかりは別のモンスターボールを指で弾くとそのままフィールドに蹴り込んだ。

 

ゆかり「行け、くろすけ」

 

ボールが展開されると、中から出てきたのは黒いガスだった。

そして、またしてもポケモンの姿は無い。

 

きりたん「逃げ隠れがお好きですか?でももうさせません。ハガネまる。今度こそじしんです。」

 

ハガネまる「グオオオオーー!!」

 

ハガネまるのパワーを込めた一撃を地面に叩きつけ、地脈を刺激し大地を揺らす。

その力は木々をなぎ倒し、人が両足で立つことすら赦さない。

 

葵「きゃあっ!?」

 

茜「あららら~!?」

 

ずん子「き、きりたん。もう少し押さえて!!」

 

マキ「すすす、すごい威力だねーー」

 

姉妹二人は頭を抱えて丸くなり、バトル経験者二人は膝を折って身体を支える。

 

 

きりたん「これでもう逃げ隠れが出来なくなります!!アハハハハ!!」

 

 

トレーナーのきりたんはハガネまるに乗って安置を確保。

 

 

ゆかり「……」

 

そしてゆかりは、何事も無いかのように立ちながら深くいきを吸うと……

 

ゆかり「~~~♪」

 

突然唄を歌い出した。

 

 

ゆかり「~~~~♪♪」

 

きりたん「な、何をやってるんですあの痴女??

何で平然と立って……って言うか歌ってるんですか」

 

ゆかり「星の痛みはチリ積もり、咲きゆく華に汚れ無く、歩み行く人は悪なれば、善性の惰性、滅びの罪に泣き濡れる。

泣けど、鳴けど、散りゆけし。巡り咲きゆき、枯れて咲きゆく。

現世と彼岸ーー全盛と悲観を持って、その命。

散って咲き誇り枯れるが良い。」

 

 

ゆかりの唄が終わると、じしん攻撃を続けていたハガネまるは眠るように戦闘不能で倒れた。

 

 

きりたん「えーー」

 

その瞬間の訪れがあまりにも自然で、それが当たり前のように見送ったきりたんの反応は遅れてやってくる。

 

きりたん「え!?ハガネまる!!何で??!」

 

ゆかり「…………。」

 

ハガネまるが倒れるのを確かに見送ると、ゆかりは静かに踵を返した。

 

きりたん「ねえ起きて、ハガネまる!こんな負け方嫌だよ!!何で……ねえ!?ハガネまる!!!」

 

ハガネまる「………………。」

 

きりたんの必死の呼びかけに応える事も出来ず、ハガネまるは地に伏したまま。

 

きりたん「う……嘘…う、うああああぁぁーー!!」

 

何が起きたのか?相手は何だったのか?

何一つ分かることもなく、ただ負けたのだという結果だけを突きつけられたきりたんは、わけが分からないまま泣くしかなかった。

 

 

そんな少女の泣き声が響くバトルフィールドに、先ほど現れた黒いガスが一点に集中しカタチを作る。

 

くろすけ「………………。」

 

そこに現れたのは、二等親の黒い身体に赤い瞳のポケモン。

 

 

きりたん「…………ゲンガー」

 

くろすけ「……(ペコリ)」

 

ゲンガーはきりたんにしっかりとしたお辞儀をすると、すぐにまた姿を消してしまった。

 

ずん子「きりたん!!」

 

泣き腫らしたきりたんの元に、姉のずん子が駆け寄り抱きしめた。

きりたん「ねー……さ、ま」

ずん子「きりたん。きりたん。きりたん!!」

 

フィールドから戻ったゆかりは、再び姿を現したゲンガーのくろすけに身を預けると、クッション代わりにして目を閉じ息を吐いた。

 

ゆかり「ふう……」

 

マキ「おつかれ…ゆかりちゃん。」

 

ゆかり「…………ええ。ガキのお守りは疲れます。」

 

きりたんを抱きしめたままゆかりを涙目で睨むずん子を見ながら、ゆかりは心底嫌そうに言った。

 

マキ「そんなに見込みが有った?きりたんちゃん。」

 

ゆかり「…………その辺のエリート(爆笑)トレーナーよりはマシでしょうね。」

 

パーカーから草の葉のような紋章が掘られた宝玉を取り出すゆかり。

 

ゆかり「まあ、ここで折れるようなら見込み無しですがね。」

 

マキ「だからってやり過ぎだよ。あとでもう少し優しくしてあげてね。きりたんちゃんのこと、ゆかりちゃんが面倒みたくなったんでしょう?」

 

ゆかり「………………」

 

マキ「わざわざポケモン隠したり、自分で歌って“ほろびのうた“を隠したり。

タイプ相性で攻めれば簡単な相手に絡め手使う時は、いつもそう。

だったら、きりたんちゃんに嫌われるのいやでしょ?」

 

ゆかり「別にどうでもいいですね。私が嫌われようがなんだろうが。

好かれるのは嫌いです。」

 

そう言うと、ゆかりは研究所に一人戻って行った。

 

マキ「もう…素直じゃ無いんだから。ゆかりちゃんは。ずんちゃんのこともきりたんちゃんのことも好きなくせに。」

 

手の掛かる友人に慈しみの眼差しを向けながら、マキは次の自分の試合の前にずん子ときりたんのフォローへ向かうのだった。

 

 

 

ずん子「…………ゆかり……きりたんの借りは、私が返します」

 

 

 




戦闘描写が地味なのは、手加減苦手なゆかりが本気で戦うときりたんの命が危険と判断したがゆえの手探りの優しさと配慮があったことを言外に描写したかったためです。
ゆかきりワンチャン……?



さて、次回はいつ更新になるやら。
話自体は決まってるので、モチベーションさえあがれば直ぐにでも書けるんですがね……(今回の執筆時間二時間ちょい)
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