お隣さんは幼馴染? ~俺と果南と時々ダイマリ~ 作:グリーンやまこう
作)そりゃ、毎回毎回エッチなお話を書いてもしょうがないですから。最初の部分には目を瞑ってくださいお願いします。
ダ)はぁ……仕方ありませんわね。事実、果南さんが嫉妬したり、二人が破廉恥なことをする話はPV数が高いですから。
作)やっぱりエッチなお話はみんなを幸せにするんですよ! よしっ、これを機にどんどんエッチな話を増やして――。
ダ)そんなことしたらあなたの部屋に置いてある漫画を全部燃やしますからね?
作)…………。
※そういう感じの話のPV数が高いのは本当です(ニッコリ)。
「……ねぇ二人とも。どうして今日はそんなによそよそしいのよ?」
『っ!?』
鞠莉に怪訝そうな瞳を向けられた私、松浦果南はピクッと肩を震わせる。ダイヤは「何の事です?」と首を傾げているが、やはり鞠莉は誤魔化しきれなかった。
体面に座る祥平も同じように肩を震わせていたので理由は同じなのだろう。頬をかきながら視線を逸らしている。
(普段通りなんて絶対に無理だよぉ……)
昨日の事を思い出して、祥平の事を直視することができない。目を瞑れば、祥平の『あれ』が頭の中に浮かんでくる。太くて、大きくて、見ているだけでドキドキした。にもかかわらず私は祥平の『あれ』を躊躇なく咥えたり、む、胸で挟んだりした。
祥平も私があまりに躊躇しないので、「大丈夫なのか?」と聞いてきたほどである。しかし私は「ううん、気にしないで。私がしたくてやってるの。だから、早く……」と、黒歴史確定なことを呟き、
(うぅぅ!! ……今思い返せばあの時の私ってただの痴女じゃん!!)
その場でゴロゴロと転げまわりたい衝動に襲われる。
なに、なんなの! したくてやってるって! 早くって!! 私ってこんなにエッチだったの!?
言い訳をすれば、あの時の私は祥平を気持ちよくしてあげたい一心で何も考えていなかったのだ。それにしたって酷すぎるんだけど……。
しかも顔を合わせたい理由は他にもあって、
(あれから部屋に帰ってシャワー浴びてるとき、祥平の事を考えながら……)
かぁああ、と顔が熱くなる。祥平は満足できたかもしれないけど、私は欲求がより一層溜まっただけだったのだ。
顔や胸に祥平の熱くて白い液体をぶちまけられたのにも関わらず、最後までしなかった。それによって私は消化不良に陥っていたのだろう。
妙な高揚感と収まらない興奮でふらふらになりながら部屋に帰り、シャワーを浴びるまでは良かった。
「…………」
身体の中の疼きが何一つ収まらない。頭がポーっとして、身体が熱くて苦しい……。気付くと自分の右手は秘部を優しく愛撫し始めていた。
「んんっ……」
秘部はシャワーの水で濡れているのか、祥平との行為で濡れてしまったのか、よく分からなかった。
ただ、自分の指がすんなり入ってしまうほどには濡れている。
「ぁん……、だ、めっ……だめ、なのに……」
最初は我慢しようと思っていたのだが、我慢できなくて……。いや、最初から止める気なんてなかったのだ。切ない気持ちが溢れてきて、右手が止まらない。左手が自分の胸の先端を摘んで快感を増長させる。
「しょうっ、へい……、しょうへい……。すきぃ……」
愛しい人の名前を口に出しながら、愛しい人に無理やりされる事を想像しながら、私は二回も達してしまった。
(あぁああああああ!?)
ここに誰もいなかったら全力で叫んでいることだろう。色々と思うことはあるのだが、なにより祥平の事を考えながらしてしまったことに、とんでもない罪悪感を感じていた。
祥平の事を直視できない理由のほぼ9割はこれである。
「果南? 頭を押さえてどうしたの?」
「っ!? な、何でもないから。それに私と祥平だっていつも通りだけど?」
一応シラを切ってみる。もしかすると適当に言ってるだけかもしれないし……。
「いやいや祥平と果南、話さないどころか目も合わせていないじゃない。それなのによくいつも通りって言えたわね」
しかし、鞠莉には全く意味なかったみたいだ。頬杖をつきながら呆れている。ダイヤがキョトンと首を傾げているのが唯一の救いだ。
「祥平、果南さんと喧嘩でもしたんですの?」
「い、いや、喧嘩っていうわけではないんだけど……」
いつもなら適当にあしらっているだろうに、祥平は目に見えて狼狽している。しかもダイヤ相手に。
その光景を見て何か閃いたように鞠莉の目が輝く。嫌な予感がする。鞠莉は勘が鋭いから……。
取り敢えずお茶でも飲んで落ち着こう。
「ねぇ果南」
「な、なに?」
「昨日私たちが寝た後、祥平とどこまでやったの?」
「ぶふっ!?」
「か、果南さん!?」
いきなり核心を突かれ、私は飲んでいたお茶を噴き出してしまった。耳元に口を寄せていたため、祥平たちには聞こえていないものの、どうして一発で当てるの!?
ダイヤが慌ててタオルを差し出してくる。それをありがたく受け取った私は口元をタオルで拭うと、鞠莉を睨みつけ……めっちゃニヤニヤしてるし!
「ふぅ~ん。ふぅ~~ん。その反応、もうやることやっちゃったのかしら?」
「ば、バカッ!! 最後までなんてやってないよ!!」
「へぇ……最後、までね」
「あっ……」
気付いた時にはもう遅かった。祥平も流石に気付いたのか、ダイヤの両耳を押さえながら顔を赤くしている。
「な、何もやってないから! 何もやってないからね!!」
今さら否定しても遅いと思うのだが、否定しないよりはましだ。その相手が鞠莉じゃなければ……。鞠莉はもう一度耳元に口を寄せ、
「口でしたの、それとも胸でしちゃった?」
一瞬で昨日の情景が思い浮かんでくる。わ、私は自分の胸で祥平の物を――。
「してない、してない!! 何にもしてないんだからっ!!」
「もうその反応が答えみたいなものだけどね。真っ赤な顔の祥平と果南に免じて許してあげるわ」
含み笑いを浮かべる鞠莉。うぅ、絶対に何もかもわかってる顔だ……。
「……それと、いくら欲求が溜まったからって一人でするときはもう少し声を押さえてね。結構聞こえるものなのよ」
「えっ!? き、聞こえてたの!?」
だって、してた時はお風呂場にいたはず……。
「えっ? 本当にしてたの?」
「―――――っ!? ま、まりぃ!! しょ、祥平、今のは違うからね!?」
「お、おぅ……わ、分かった。分かってるから……」
顔をさらに赤くさせた祥平は気まずそうに私から視線を逸らす。
「さっきから何を話してますの?」
相変わらずキョトンとするダイヤが私にとって唯一の救いだった。
☆ ★ ☆
果南と俺がしてしまったり、果南が一人でしていたことがばれてから数日。
「ねぇ、みんな。今日は近くの河川敷で花火大会があるんだって!」
俺の部屋でスマホをいじっていた鞠莉が唐突に大きな声を上げる。ちなみに、俺の部屋には鞠莉の他に果南とダイヤ姉さんもいた。
果南は俺とゲーム(ス〇ブラ)。ダイヤ姉さんは本を読んでいる。本のタイトルは『ロ〇ジェネの逆襲』と書かれていた。最近ダイヤ姉さんは半〇直樹シリーズにハマっているのだと。ダイヤ姉さんは影響を受けやすいからなぁ。突然、「倍返しですわ!!」と言い出しそうで心配である。
そもそもゲームをやってる果南はともかく、ダイヤ姉さんと鞠莉はどうして俺の部屋にいるのだろう? 流石に四人ともなると部屋が狭いんだけど……。後、チョーいい匂いがしてきて頭がおかしくなりそうだ。まぁ、Aqoursの皆さんが来たよりはましだけどさ。
しかし、エアコン代は節約できていいかもしれない。なお、節約できるのは俺以外の模様。
「花火大会? 去年、近くの河川敷で花火大会なんてなかったよね?」
ゲームを一時中断して果南が鞠莉に声をかける。座布団の上で胡坐をかく果南はTシャツにショートパンツと、非常にラフな格好をしていた。
ショートパンツから伸びる健康的な太腿が眩しいぜ。太ももを見すぎたおかげでスマブラに負けまくっているのは内緒。果南が嬉しそうならそれでいいのだ。
「一年生の時に花火大会はなかったのか?」
「うん。あったとしても家から遠かったりして行く気にならなかったんだ」
「行ってもよかったのですけど、帰りの電車を考えたら二の足を踏んでしまって……」
確かにダイヤ姉さん、人ごみ苦手だからな。花火大会の会場はともかく、電車の中まで人でもみくちゃにされるのは最悪である。俺だって乗りたくない。
「どうやら新しく開催される花火大会ってわけじゃないみたいなの。昔は毎年のように行われていたみたい。でも予算の都合で中止になっちゃって……」
「それが今年、予算の都合がついたから無事開催できた。こんなところか?」
「イェース! 流石祥平ね。理解が早くて助かるわ」
そういって背中に抱き付いてくる鞠莉。俺の気のせいかもしれないが、プール以降彼女のスキンシップに激しさが増した気がする。
まぁ、おっぱいがやわらかくて気持ちいいからいいんだけどね! それに気を遣わないで甘えてくれるのはいいことである。
「…………」
しかし、好きな人から送られる非難の視線が強くなったのは言うまでもない。ものすごく睨まれてる。後、わき腹を摘まれている。地味に痛い。
「祥平ってば、顔がシャイニーになってるわよ?」
背中にあたるおっぱいの感触が強くなる。鞠莉の野郎、わざとやってるな……。
「いやいや、顔がシャイニーってどういう意味……って、痛い痛い!! 果南、痛いから!!」
わき腹をとんでもない力で摘ままれた。思わず声をあげてしまう。どうにも、顔がシャイニーしていたことで果南の機嫌が一層悪くなってしまったらしい。何でもいいけど、顔がシャイニーの意味を誰か教えてくれ。
「要するに、顔がだらしなく緩んでいたという意味ですわ」
あっ、ダイヤ姉さん説明ありがとうございます。……どうして彼女は意味を知っているのだろう? それだけ俺の顔が緩んでいたって事かな?
「果南ってば嫉妬? だったら私みたいに抱き付けばいいのに~」
「で、ででで、できるわけないでしょ! みんながいる前で!」
「ふぅ~ん。じゃあ、二人きりなら抱き付いたり、イチャイチャできるんだ。あっ、果南は二人きりだとサキュバスみたいにエッチな女の子になるんだっけ?」
ニヤニヤと楽しそうに果南をいじる鞠莉。ほんと、果南をいじる時は生き生きしてるよな。
それにしてもサキュバスって表現は間違ってないかも……。搾り取られたわけだし。
「っ!! 鞠莉、あの時の話はしないでよ!!」
「いいじゃない別に。減るもんじゃないんだし。それに私はもっと先のことまでやっていいと……」
「うるさい、バカッ!」
うわっ! 果南が凄い形相で鞠莉を睨んでる。だけど、顔が真っ赤なので全然怖くない。むしろ、可愛い! 天使! おっと、写真写真。
そういえばスマホのSDカード、そろそろ要領が一杯になるんだよな~。主に可愛い果南を写真に収めすぎて。これを機に、新しいSDカードに買い替えようかな?
「はぁ……祥平も写真を撮り終えたら二人を止めますわよ? 流石にあの二人を私一人では止められませんから」
写真は撮っていいのね。ため息をつくダイヤ姉さんに感謝しつつ、俺は思う存分可愛い果南を写真に収める。
その後、満足した俺はギャーギャー言い合いを続ける二人の制止に入るのだった。
☆ ★ ☆
「ワォッ! これが花火大会の会場なのね!」
「予想はしてたけど、人多すぎだろ……」
「既に酔いそうですわ……」
「二人とも大丈夫?」
あれから果南と鞠莉の言い争いも収まり、宣言通り花火大会へ行くことになったのだが……どこを見ても人人人。人口減少社会とはどこに行ってしまったのか。既に帰りたい。
それは隣にいるダイヤ姉さんも同じようで、げんなりとした表情を浮かべていた。
対照的に鞠莉と果南は平気そうで、鞠莉に至っては目を輝かせている。鞠莉はお祭りごと好きだし、当然か。
ちなみに三人とも浴衣を着ている。こっちに引っ越してくる際、もしかしたら使うかもしれないということで持ってきたらしい。細かい説明は省略するが、取り敢えず全員可愛いし似合っている。
……可愛いもんだから、周りからの視線がとんでもないことになっていた。プールの時も視線を感じたが、今回は人も多いためより視線を多く感じる。正直、居心地が悪すぎて別行動したい。
「ねぇ、別行動してもいい?」
「ダメよ! 祥平が隣にいないと、変な男の人に声をかけられるかもしれないじゃない!!」
鞠莉の言うことは至極もっともだ。三人は三人とも揃って美少女。多分、俺が彼女たちから離れた瞬間、男どもが彼女たち三人に群がることだろう。
だからこそ、別行動というのは無理ゲーなのである。
「まぁ、さっきのは言ってみただけだよ。今日は花火大会が終わるまで三人の傍にいるから安心してくれ」
「ふふっ♪ それでこそ祥平よ! じゃあ今日はエスコート、よろしくねっ?」
嬉しそうに微笑んだ鞠莉は俺の腕に抱き付いてきた。ふぉぉ……浴衣を着ていても分かる鞠莉のおっぱいが俺の右腕にぃいい。
そんな俺を見て、途端に周りからの視線が強くなる。……まぁ、そのうちの一つは隣からの視線なんだけど。
「鞠莉、流石に近いって」
「祥平ってば照れてるの?」
「照れてないけど、周りの視線が痛いというかなんというか……」
「いいじゃない、周りの視線くらい。もっと見せつけてやりましょう!」
さらに身体を密着させる鞠莉。それにしてもいい匂いがする。香水なのか、はたまた彼女から香るものなのか。
どっちにしろ、いろんな意味で心臓に悪いからやめてもらえませんかねぇ? 男はそれだけで色々と勘違いしちゃうから。
「―――っ、――っ!!」
一方、隣にいる果南は涙目で頬を膨らませている。恐らく鞠莉と同じように抱き付きたいのだが、人目も相まって恥ずかしいらしい。いつからこの花火大会は修羅場と化したのだろうか?
ちなみにダイヤ姉さんは巻き込まれまいと、我関さずの姿勢を崩さないでいる。無視せず助けてほしい。そもそも、鞠莉がこんな風にスキンシップを取ってくること自体、想定外である。
恐らく、お祭りのせいでテンションが上がっているのだろう。仕方なく俺は空いている片方の腕で鞠莉を引き剥がそうと――
ギュッ
「へっ?」
「…………」
開いていた腕を柔らかい感触が包む。みると、果南が顔だけそっぽに向けて腕に抱き付いていていた。
「……いいでしょこうしたって。鞠莉だって抱き付いてるわけだし」
言い訳っぽいことを口にする果南。さっきまで恥ずかしがっていたのに……なんだこの可愛さ。
「果南、抱き付きたいなら素直にそういえばいいのに~」
相変わらずいじる気満々の声。そう鞠莉が声をかけると、果南は顔を最大限までに真っ赤にさせ口を尖らせる。そして、
「別に抱き付きたくてこうしたわけじゃないんだからね。……変な人に声をかけられないようにしただけなんだから」
ここが外じゃなければ抱き付いていた。それくらい、ツンデレ果南は最高だった。ほんと、ありがとうございます。こりゃ、鞠利にも感謝だな。
「鞠莉、ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして」
察しのいい鞠莉はお礼の言葉にいえいえと首を振る。
「どうして祥平は鞠莉にお礼を言うの!? そんなに抱き付かれて嬉しかったの!?」
やばい。果南が大きな勘違いをしている。
「い、いやっ、今のお礼には色々な理由があって……」
彼女を納得させるのにはそこそこ時間を要した。
☆ ★ ☆
「それにしても、本当に人が多いですわね」
花火まで少しだけ時間があるため、俺たちはのんびり出店を見て回っている最中だった。
しかし、目の前を歩くダイヤ姉さんがジュースを片手にげっそりしている。先ほど休んだばかりなのだが、これはもう一度休憩が必要になるかも……。こういうイベント来るといつも人の半分が消えないかなと思ってしまう。
「祥平ってば、またろくでもないことを考えてたでしょ?」
隣に歩く果南が呆れたような視線を向けてくる。しかし、機嫌はすっかり直っていた。
鞠莉もやり過ぎたということで今は身体を離し、ダイヤ姉さんの隣を歩いている。
「いや、ここにいる人の半分がいなくならないかなって。そうすれば歩きやすくなるし」
「やっぱりろくでもないことじゃん……」
はぁ、とため息をついた果南は持っていたチョコバナナを口へ。さっき、お詫びとして買ってあげたのだ。
……別に深い意味はないぞ。チョコバナナを食べる果南はきっとエロイだろうなとか、一切考えていないからな! 欲しいって言ったから買ってあげたまでである。
ちなみにダイヤ姉さんはりんご飴。なんか可愛い。鞠莉は綿菓子やら、焼きそばやら色々。
「……んっ、意外と大きい……」
垂れてきた髪を耳にかけてチョコバナナを頬張る果南。
「…………」
わざとやってるわけじゃないよな?
「祥平ってば、何を見ているのかしら?」
「うるさいぞ、鞠莉」
「トイレ行く?」
「ほんと、黙ってて」
振り返ってニヤニヤする鞠莉を一喝し、俺はあらかじめ買っておいたたこ焼きを口の中に放り込む。
「たこ焼きも美味しそうね~。ねぇ、一つ頂戴!」
「いいぞ」
「やった! じゃあ……あーん」
「……自分で食べないの?」
目の前で可愛く口を開けた鞠莉に思わずツッコむ。
「食べさせてくれないの?」
しかし、鞠莉はキョトンと首を傾げるばかり。
「いや、食べさせてもいいんだけど、また果南の機嫌が悪くなっちゃうし」
「だったら果南にも食べさせてあげればいいだけよ! ねっ、果南?」
「……ま、まぁ、悪くないかな」
「果南が言うならいいけど」
取り敢えずたこ焼きを一つ爪楊枝に刺して鞠莉に差し出す。
「ほい、あーん」
「あーん……んー!! デリシャスね!」
ほっぺたを押さえて目を細める鞠莉。美味しかったようで何よりです。さて次はその隣でそわそわしている果南の番だ。
「果南、あーん」
「あ、あーん……」
口の中にたこ焼きが入る直前に、俺はたこ焼きを刺した爪楊枝をサッと引っ込める。カチッと空しい音が響く。
「……何してるの?」
「いやぁ、ごめんごめん。今度はちゃんとやるから。ほらっ、あーん」
「あ、あーん……」
もう一度さっきと同じ感じにたこ焼きをひょいと引っ込めた。
「…………」
「ごめんって。次はちゃんとやるから。はい、あーん」
「あ、あーん……」
三度たこ焼きを引っ込める。すると、
「もうっ! さっきからなんなのさ!? 祥平はそんなにたこ焼きを私に食べさせたくないの!?」
遂に果南が噴火した。顔を真っ赤にしてプンプン怒っている。やばい、めっちゃ可愛い。
「いや、ちょっと遊びたくなっちゃって。それにしてもあーんしてる最中の果南、ちょっと間抜けで可愛かったよ」
「っ!? も、もうっ、祥平のバカぁっ!!」
「二人とも、イチャイチャしてないで早く食べちゃってください。もう直ぐ花火が始まりますわよ」
「い、イチャイチャなんてしてないよ!」
「あれをイチャイチャと言わずに何といえばいいんですか……あなた達みたいなのをバカップルというのです」
ダイヤ姉さんにお小言を貰った後は、残ったタコ焼きを平らげて花火の見える場所まで移動する。
移動した場所であらかじめ持ってきておいたレジャーシートを広げ、花火を見る準備は万端だ。
「なんだかんだ、花火を見るのって久しぶりだな~」
「確かに私たちも久しぶりかも」
のんびりと夜空を見上げながら話す俺と果南。ちなみに座り方は右からダイヤ姉さん、鞠莉、果南、俺という順番だ。取り敢えず、鞠莉と果南に挟まれなくてよかった。あの二人に挟まれたら落ち着いて花火を楽しめなかったかもしれないし。
「だから結構楽しみなんだ」
「ふふっ、私もだよ。あっ、そろそろ始まるみたい!」
果南の言葉の直後、ひゅるひゅるという音と共に光が夜空に上っていく。そして、
ドーンッ!!
あたりに響く轟音と共に色鮮やかな花火が夜空に大輪の花を咲かせた。周りからは歓声が上がる。
その一発を起因として次々と新たな花火が撃ちあがり、夜空を彩る。
「綺麗ですわね……」
「ビューティフォー……」
ダイヤ姉さんと鞠莉は夜空を見つめてうっとりとしている。それ程、夜空を彩り続ける花火に俺たちは夢中になっていた。
そして花火も終盤に差し掛かってきた頃。
「……ねぇ、祥平」
夜空を見上げながら果南が腕を絡ませてきた。そして身体を密着させたまま、俺の名前を呼ぶ。
「どうかした――」
「……んっ」
振り向く直前、とんでもなく柔らかいものが俺の頬に触れた。果南の顔が目と鼻の先にある。
い、今のって……思わず目を見開き、頬の触れた部分を手で押さえる。するとそれを見た果南が少しだけ頬を染めながら、人差し指を自身の唇に添える。
「…………さっき私をいじったお返しなんだから」
さっきとは、多分たこ焼きの事を言っているのだろう。しかし、お返しというよりはむしろご褒美のような……。
不意打ちということもあって、心臓がバクバクと激しく脈を打っている。いや、今のはほんと卑怯だって。
「ドキドキした?」
「……めっちゃした」
「じゃあたこ焼きの件もなかったことにしてあげる」
そう言って果南は俺の肩に頭を預けてきた。俺はそんな彼女の頭を優しく撫でる。
「来年もまた行こうね、花火」
「そうだな」
「…………来年は二人でいきたいな」
「ん? 何か言ったか?」
「ううん、何でもないよ。ほらっ、こっちばっか見てると花火終わっちゃうよ?」
結局果南の言ったことは分からなかったが、俺たちは最後まで花火を観賞しアパートへと帰宅したのだった。
今回も読了ありがとうございました。若干長くなりましたが許してください。
次回も読んでいただければ幸いです。
話は変わりますが、先日ようやくソロコレクション(絢瀬絵里)を買いました。執筆中はそれを聞いて頑張ってます。あと真姫と海未のは借りました。
流石に全員分は貧乏学生なので無理でした。