お隣さんは幼馴染? ~俺と果南と時々ダイマリ~   作:グリーンやまこう

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ダ)……あらっ? あなたはどちらさまでしたっけ?
作)もの凄い期間が空いたからって、顔まで忘れないで下さい。
ダ)はぁ……2年も空けばこうなりますわよ。大体、この作品自体、覚えてる人がいるのかどうか。
作)多分、大半の人は忘れてますね。サボってる間に新しいスクールアイドルも出てきた事ですから。
ダ)そう思うと時が経つのも早いですね。私も先輩になるのですね。
作)ダイヤさんって絶対に良い先輩になりそうですよね。後輩にも滅茶苦茶信頼されそうです。
ダ)そ、そんなことは……。
作)(ちょろい)

※気付けば前回投稿から2年という月日が経過していました。どうしてこんなことに……。


16話 果南だって嫉妬する ②

「はぁ……今日から学校かよ。面倒だなぁ」

「面倒だなぁって言わないの。そもそもあれだけ休んだんだから、勉強するのは当然でしょ!」

「頭の中まで筋肉だと思ってた果南から、勉強なんて崇高な言葉が出てくるとは……」

「ぶつよ?」

「ごめんなさい、冗談です」

「全く、冗談でも言っていいことと悪いことがあるんだから」

 

 

 プンプンと頬を膨らませる果南と俺は今、通っている大学のキャンパス内を歩いているところだった。

 長かった夏休みも既に終わりを迎えており、後期の授業が始まっている。始まった直後は、だらけきった夏休みの生活と規則正しい大学生活との差にギャップが生まれ、学校に行くのが非常に億劫だ。

 全国の大学生諸君なら分かってくれるだろう。ちなみに、ダイヤ姉さんと鞠莉の授業は午後からということで一緒には来ていなかった。

 

 

「それじゃあ、私の教室はこっちだからまたあとでね。ちゃんと寝ない様に授業を受けるんだよ?」

「分かってるって。流石に授業になったら俺も起きてるから」

 

 

 お母さん気質な果南と別れ、俺は授業のある教室へ向かう。教室に入ると、今日も冷たい雰囲気を辺りにばらまいている学年一の美少女が席に座っていた。

 

 

「おーっす、梨沙」

「あっ、祥ちゃん。おはよう、てっきり祥ちゃんの事だからサボってこないのかと思ったよ」

「失礼だな。ちゃんと果南に叩き起こされたから問題なく来れたぞ」

「叩き起こされてる時点で問題だと思うんだけど……」

 

 

 隣で呆れた視線を向けてきたのは、俺の従妹でもある佐藤梨沙。忘れてしまった人の為に説明すると、俺が内浦を離れた時にお世話になった家の娘さんであり、極度の人見知りでもある。

 その影響で辺りに冷たいオーラをばらまき、話しかけられれば相手に暴言を吐いて勝手にへこむ……という、ポンコツ美少女だった。

 

 

「全く、駄目だよ果南さんにあまり迷惑をかけたら」

「まぁそうなんだけど、起こしてくる時なんだかんだ嬉しそうだからいいかなって。なんなら、寝てるふりしてる時だってあるし」

「うわぁ……それ、本人とAqoursのファンだった人に言ったらボコボコにされそう」

 

 

 普段は果南に加えてダイヤ姉さんや鞠莉とも一緒に行動しているので、ボコボコにされているのならとっくにされているだろう。何もされないってことは多分、ファンの皆さんは見て見ぬふりをしていると思いたい。

 

 

「そう言えば、祥ちゃんの友達はまだ来ないの?」

「あー、さっきLINEがきて今日は眠いから休むって」

「……それって、そのまま来なくなるフラグなんじゃ?」

 

 

 呆れたような梨沙に俺もうんうんと頷く。GW明け、夏休み明け、春休み明け、ここで来なくなった大学生はこれまで数知れず。

 あれだけ長く休むと、学校へ行きたくなくなる気持ちも分からないではない。しかし、それだと学費が無駄になるし、そもそも何のために大学へ入ったのか分からなくなる。

 もしこのまま失踪するのであれば全力で止めにかかるけど、今日くらいは見逃してあげよう。

 

 

「フラグにならないよう、俺もしっかり監視しておくから大丈夫だよ。それより丁度先生が来たみたいだから」

「あっ、ほんとだ」

 

 

 先生が入ってきた事で俺たちは一度会話を中断し、授業へ集中していくのだった。

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

「今日は一回目の授業だったから大分早く終わったね~」

「まぁ先生も夏休み明け、一発目の授業なんて真面目にやりたくないんだろ」

 

 

 午前中の抗議を終え、俺と梨沙は学食で昼ご飯を食べているところである。いつもは学生で溢れかえっている学食だけど、授業が早く終わったこともあり二人分の席が空いていてよかった。

 

 

「確かに、先生によっては全然授業にやる気のない人もいるしね。教え方が下手くそな人も多いし」

「あの人たちの本業は研究だからな。それに厳密にいえば、教師でもないんだからあんなもんでしょ」

 カレーを食べながら梨沙と話をする。学食のカレーは量が多く、手ごろな値段なので俺のお気に入りだ。

 ちなみに午後も4限目まで授業があり、非常に面倒だ。そもそも、授業時間が90分ってのが長すぎる気がしないでもない。

 高校から大学に進学した当初は全然なれなかったからな。まぁ、今でも慣れたかといわれれば怪しいけど。

 

 

「ところで、夏休みはどうだった?」

「うーん、基本的には家でゴロゴロしてたけど、たまに果南たちと遊びにいったりしたよ。梨沙は実家に戻ったんだっけ?」

「そうそう! 祥ちゃんが大学にいたよって話したら、二人とも知ってて驚いちゃった!」

「そりゃ、流石に梨沙のお父さんお母さんに報告しないわけにはいかなかったからな」

「どうして娘はほったらかしなの!?」

「まぁ梨沙だしいいかなって」

「酷い!!」

 

 

 ぷくっと頬を膨らませる梨沙をどうどうといって宥める。

 

 

「悪い悪い。今度からはちゃんと伝えるからさ」

「頼んだよ? それより、果南さんたちと遊びに行ったりしたって言ったけどどこに行ったの?」

「プールとか花火大会とかかな~。実はプールで逆ナンされたんだけど、その時果南が嫉妬して可愛いのなんの」

「自慢と惚気をいっぺんに話さないでよ……。」

「あとはここだけの話なんだけど」

 

 

 俺は理沙の耳に顔を近づけ、

 

 

「実は……ピーピーピー(自主規制)」

「っ!?」

 

 

 頭を引っ叩かれた。叩かれた部分をさすりながら梨沙を睨みつける。

 

 

「いってぇな!」

「しょ、しょしょしょ、祥ちゃんが変なこと言うからいけないんでしょ!! セクハラだよセクハラ!!」

「ちょっと、こんなところでセクハラを連呼しないでくれ」

 

 

 まるで俺が変態みたいじゃないか。失礼な奴である。俺ほどの紳士はどこの世界を探してもきっといないだろうに。

 

 

「変態だよ! そ、その、果南さんのような美人さんに、ふぇ、ふぇふぇふぇ、ふぇ……」

「あー、もうそれ以上言うとまた自主規制になるから」

 

 

 顔を真っ赤にした美人から卑猥な単語が漏れたら、それはそれで一部の人から受けるかもしれないけど。

 

 

「あ、あのっ!」

「はい?」

 

 

 そんな俺たちに声をかけてくる人が。少し緊張気味の声に振り返ると、そこには見知らぬ女子学生の姿。そして一瞬にして氷の女王の表情と化す梨沙。

 いつも通りの無表情に、冷たい視線。話しかけてきた女子大生がビビってるのでやめてほしい。

 彼女の頭にげんこつを落としたところで、俺は改めて話しかける。

 

 

「えっと、俺たちに何か用? 少なくとも、こっちは初対面なんだけど。梨沙とも知り合いってわけじゃないよね?」

「す、少しだけあなたとお話がしたいことがあって! ちょっと来てもらってもいい? 時間は取らせないからさ」

「はぁ……分かりました」

 

 

 なんだかわからないけど、取り敢えず悪意はないみたいなので安心した。

 

 

「それじゃあ梨沙、先に教室の方に行っててくれ。俺はこの人とのやり取りが終わってから向かうからさ」

「う、うん」

「ごめんね彼女さん。ちょっと彼氏さんをお借りします!」

「か、かかかか、彼女!?」

「ただの幼馴染なんで気にしないで下さい」

 

 

 若干壊れかけた梨沙を放っておき、俺は声をかけてきた女子学生の後を付いて行くのだった。

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

「うーん、久しぶりに学食で食べたけど、やっぱりおいしいね!」

「確かに美味しかったけど……果南って普段からあんなに食べてるの?」

「ん~? ちょっと少ない時もあるけど、基本的にはあれくらいかな」

「それでこの体型……くっ! 神様はやっぱり不公平ね」

「食べた分、動けば大丈夫だよ」

「それは果南だけだってば……」

 

 

 友達が妙に落ち込んでるけど、私にとっては普通の事なので首を傾げるしかない。今はお昼休みで丁度ご飯を食べ終え、次の教室に向かっているところ。

 

 

「午前中の授業、ほとんどが授業って感じがしなかったね~」

「うんうん。これからの説明を受けただけであれじゃあ講義に出た意味が――」

「好きなんです!」

『っ!?』

 

 

 突然の告白にびっくりした私たちは、思わず柱の陰に隠れる。は、白昼堂々、こんなところで大胆な告白に居合わせるなんて……。

 夏休み明け、随分と気合が入ってるなぁ……ところで、一体どんな人が告白してるんだろう? 気になった私たちは物陰からそーっと覗き込み――。

 

 

「ねぇ、あれって祥平君じゃない?」

「えっ!? そんな訳……あっ、本当だ!!」

 

 

 告白されていたのはまさかの祥平だった。意味が分からないと思うけど、祥平が告白されていた。意味が分からないけど。

 ちなみに告白している女は知らない。……知らない女。

 

 

「怖い怖い。果南ってば、怖いよ」

「あっ、ご、ごめん……」

「全く、普段は冷静なのに、祥平君の事になるとこれなんだから」

 

 

 呆れる友達に私はようやく少しだけ冷静になる。

 

 

「まぁ、そこが果南の可愛いところでもあるんだけどね!」

「や、やめてよ……恥ずかしいんだから」

「可愛い可愛い。というか、そもそも祥平君だって果南にぞっこんなんだし、全く問題ないでしょ?」

「そ、そうだよね! 祥平は断るよね!?」

「うぐぐっ……だ、だから落ち着いて。あと、私の首を絞めないで」

「あっ……ご、ごめん」

 

 

 慌てて友達の首から手を離す。あ、危うく人を殺めてしまう所だったよ。

 

 

「全く、落ち着けと言った傍から……」

「ほ、本当にごめん……」

「そんなに心配だったら『私の祥平を取るなぁあああ!!』って割り込めばいいじゃん」

「さ、流石にそんな頭のおかしいことはできないよ」

「だったら大人しく見守ってることだね」

「う、うん」

 

 

 だ、だけど、祥平の事だから問題ないよね? 断るよね!? だって祥平は私の事を――。

 

 

「はい、わかりました」

 

 

 目の前が真っ暗になった。

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

「なぁ、果南。ちょっと話したいことがあるんだけど……って、なんでそんなに不機嫌なんですかね?」

「…………」

 

 

 学校から帰ってきた俺は話したいことがあると言って果南の部屋に行ったのだが、彼女の様子がおかしい。

 不機嫌そうな表情を浮かべた果南は俺の方を少しだけ見た後、プイッと視線を逸らした。

 こういう時は大体俺に原因があるか、果南が勝手に勘違いをしているのかのどちらかである。といっても、今回ばかりは全くと言っていいほど心当たりがない。

 

 

「えっと、果南さん?」

「…………」

「果南さーん?」

「いいの、私なんかに構ってて?」

「はっ?」

 

 

 やばい。彼女の言っていることが何一つ分からない。構うって何のことだ? 犬や猫に構うって事かな?

 

 

「だから、一体何のことで――」

「彼女さんに構ってあげなくてッてこと!」

「……えっ?」

「今日、女の子に告白されてたじゃん! うんって言ってたじゃん!!」

「……あー、あの場面見てたんだ」

 

 

 うん、完全に勘違いしてるわ果南。多分、主語の部分を何も聞いてなかったな。

 恐らく、告白の部分も「好きです」「はいわかりました」ってとこしか聞いてなかったんだろう。そんな俺の考えなんて露知らず。

 

 

「見てたの! だから私なんかに構ってないであの子のところへ――」

「ばーか」

「へっ!?」

「ばーかばーか、ばか果南」

 

 

 取り敢えずいい罵倒が思いつかなかったので、バカと連呼してみる。頭の悪さが際立つのだが、他に良い言葉も思いつかないので仕方ない。というか、今の果南にはバカというだけで十分だ。だって、実際におバカさんだし。可愛いからいいんだけど。

 

 

「ちょ、ちょっと!! いきなりバカ呼ばわりなんてひどくない!?」

「だって果南がバカだから仕方ないじゃん」

「酷い!! 別に私はバカなんかじゃ……」

「果南、また勘違いしてる。取り敢えず話を聞いて」

 

 

 諭すように話すと、不機嫌そうな顔を浮かべつつもようやく話を聞く態勢になってくれた。

 

 

「……で、勘違いって?」

「ちょっと待ってくれ。今、取り出すから」

 

 

 俺は持ってきていたトートバックからとあるものを取り出す。

 

 

「ほい。これに書いてくれればいいから」

「これって……色紙?」

「そう。今日、俺が話していた女子学生の人。果南の大ファンなんだってさ」

 

 

 話をまとめるとこうである。今日の昼間に声をかけてきた女子学生の人は実は果南の大ファンだったらしく、校内に果南がいることも知っていた。

 本来であれば勝手にこんなことをしちゃいけないんだろうけど、あの人からは誠実さを感じることができたので色紙を受け取ってきたというわけだ。

 早い話、あの人は果南の大ファンで、果南の事が大好きで、サインが欲しかったってだけ。そこまで話すとようやく果南も納得してくれたみたいで、

 

 

「そ、そうだったんだ……」

「そうだったんだよ。ほれ、まずはサクッとサインだけよろしく」

 

 

 サインを書き終えた果南は微妙に俺から視線を逸らし、

 

 

「…………ごめん」

 

 

 ぽそっとそう言った。そのいじらしい姿があまりに可愛かったので、俺は少し悪戯をすることに。

 

 

「……全く、すぐに嫉妬する果南にはお仕置きが必要だな」

「えっ、お仕置き?」

「そう、お仕置き」

「お仕置きって一体何を……って、そのワキワキと動かす両手は何!?」

「…………」

「無言も怖いよ!」

 

 

 声を上げる果南を無視し、俺はお仕置きをするために近づき、

 

 

「あはははっ!! ちょ、ちょっとくすぐるのはやめてってば!!」

 

 

 思いっきり果南の身体をくすぐっていた。たしか果南は、わきの下が弱点だったので、その辺りを重点的にくすぐっている。

 お仕置きという言葉を聞いてエッチな想像をした人は俺に謝ってください。

 

 

「ふふふ、果南がいけないんだぞ。俺が何度言ってもすぐに嫉妬するから」

「あははっ! ご、ごめん、ごめんって。もう嫉妬しないからくすぐるのやめてぇ!!」

「嫉妬しないのはそれはそれで嫌だ」

「酷いっ!! あははっ!! や、やめ……」

 

 

 ベッドに押し倒す形でくすぐりを継続する俺。

 この時の俺は果南の身体をくすぐることだけに意識が向かいすぎて、他の事を何も考えていなかった。

 

 

「はぁ……ぁん……」

 

 

 艶めかしい声が果南の口から漏れ、そこで俺は我に返る。気付くと果南の身に着けていた衣服が乱れ、所々危ない状態になっていた。

 しかも、果南の身体が火照っているせいで妙に艶めかしい。やばい、完全にやり過ぎた。

 

 

「ご、ごめん、やり過ぎた」

「……はぁ……。ほ、ほんとだよ」

「今すぐどくから」

「……ダメ」

 

 

 なぜか首に手をまわしてくる果南。俺が動揺している間に火照って色っぽくなった彼女の顔が迫り……唇が重なった。

 そのまま舌が濃密に絡み合う。あっ、駄目だこれ。雰囲気に流されるやつだ。というか、お互い既にその気になっている。

 

 深いキスを終えると、俺はそのまま果南の胸に手を伸ばす。

 

 

「んんっ……しょ、祥平ってば気が早いよ」

「いやだって、我慢できないし……そういう果南だってもう触ってるじゃん」

「だ、だって……我慢できないし」

 

 

 お互い様だった。彼女の絶妙な手つきに思わず腰が動きそうになる。

 負けっぱなしも嫌なので、俺は胸を触っていないほうの手を彼女の秘部へ。

 

 

「あんっ……だ、だから気が早いって」

「欲望に忠実だって言ってほしいかな」

「ま、全く……まぁ、私はそっちの方がいいけどさ」

 

 

 その日はお互い気の済むまでやりました。

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

 ちなみに、サインは後日無事に渡しました。果南の手から。あの人、狂喜乱舞してて面白かったです(小並感)。




 いやはや、前書きでも言った通り前回投稿から2年が経過していました。他作品の投稿は続けていたんですけど、この作品に関しては伏線を張るだけ貼って回収するのが面倒になったので放っておいてたんですよね(笑)。
 なので今後はその伏線を全部無視して、ただのイチャラブをメインで書いていければいいかなと思っています。……次回の投稿がいつになるかは分かりませんが。
 まぁ、気長にお待ちいただければと思います。
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