GUNDAM・BUILD・FIGHTERS ~旅人の物語~ 作:ネコ狐
「災菜、機体全体に亀裂が入ってるわ、気負つけて!」
「わかってる!」
機体はノーマルのナドレに巨大なグランドスラムを装備させたもの。 しかし出撃時はヴァ―チェだったが、戦闘の中盤でパージさせた。
パイロットは災菜(さいな)・A・フィール。 今通信で話している少女はルシア・フォレスト。
二人は各地を旅し、街や国を訪れてガンプラバトルをしては、負けた相手に勝った報酬として、使われていないパーツをもらって機体を修復したりなどしている。
今二人は、アメリカの密かに開かれている中規模大会の決勝戦の終盤。
相手はガンプラバトルを今回のバトルで引退する、引退戦のファイターが相手。
たとえ相手が引退戦だろうと、手加減する意味はない、全力で行く!
「行くぞナドレ!」
俺はグランドスラムを片手で構える。
そして機体の出力を最大にして前方向に斬りに攻めた。
俺の機体は左肩アーマーを失い関節部が丸見え。 左右膝アーマーまで破損。 そして武器はグランドスラムのみ。
対して相手の機体は、ノーマルのガンダムエクシアRⅡにエクシアのセブンソードを装備させたもの。 特に破損なし。
だが武装はGN-ロングブレードとショートブレードにみ。 ビームサーベルも使いきり、GNソード改は折れたため破棄。
お互いにトランザムシステムは温存。
俺の読みが正しければ、この攻撃の時に使用するはず。
「てええぇぇぇいやぁ‼」
大きく、横方向。 エクシアの脇腹めがけ力強くふるう。
「トランザム!」
「きた!」
読みが的中した。 エクシアは赤色に発光し、残像を残しながらその場から一瞬で消える。
「こっちも行くぜ!! トランザム!」
ナドレもエクシア同様に機体全体を赤くし後方に回ってきたエクシアを後ろを確認することなく回し蹴りを当てた。
「なに! こいつ後ろを確認しないで?! イノベイターかぁ!」
災菜には普通の人間にはできない、3秒先の敵の動きを感覚で認識できる能力がある。 ただ3秒先を見ることができるのはトランザム発動時の機体が災菜の反射速度についてこれるときだけ。
それ以外の時は基本無理。 ただ機体の関節、駆動系を壊す覚悟なら発動できるが、本人の脳へ負担も多きためルシアがトランザム発動時のみと限定させた。
「トライアル!」
トライアルはナドレに搭載された真の能力。 ヴェーダとリンクされた機動戦士ガンダム00シリーズの太陽路(GMドライヴ)搭載型の機体にのみ影響をもたらし、本機の制御下におくことができる・・・・が
「あまい!」
本来動けないはずのエクシアが動いている。
「なに!?」
「わかったわ!」
トライアルの通じない相手に驚いている災菜にルシアから通信が入る。
「エクシアRⅡはアニメ一期の時にリンクを解除したのと同様に、ヴェーダとのリンクを遮断してるんだわ! ・・・・・まさかそこまで作りこんでいるなんて」
「もらったー!」
エクシアがGNロングブレードを構え、トライアル発動中の空中にいるナドレのコックピットめがけて突進する。
「甘いのはそっちだぜ! GNキャノン! ファイヤ!」
「なに、警告音!? ・・・・くそぉ!!」
下からのGNキャノンによる援護射撃が、エクシアの右半分。 右手、右足を消失させた。 しかしこの攻撃は本来は不可能、だが・・・。
「だがこれはガンプラバトル・・・まさかGNキャノンを脳量子波コントロール(てきなもの)でコントロールできるようにしてるとは・・・だがこちらも一矢報いている」
「くそ、ルシア、左手肩関節、あとバルカンで左股関節をやられた」
「五分五分・・・か」
エクシアのパイロットはトランザム限界までのゲージを見る。
「次の攻撃で最後だな・・・・・なぁナドレのパイロット、そっちもトランザム限界なんだろ?」
「・・・・・・そうだな・・・」
「なら次の一撃で決めよう」
あいては何を言っているんだ? エクシアはもう限界なのに、まだやっるのか・・・だが。
「その覚悟気に入ったぜ!」
そしてナドレはグランドスラム以外の武装を捨てた。
「ちょ、ちょっと災菜!」
「大丈夫だ、これは男と男の真剣(マジ)な勝負だ・・・行くぜぇナドレェェ!!」
「目標を断ち切るぞエクシアァァァ!!」
エクシアもナドレも、破損した個所から粒子を大量に放出し、互いに突き攻撃の構えでコックピットめがけて突っ込んでいく。
そして互いの機体が互いの剣でコックピットを貫いた。 少なくとも観客はそう思った。
「フッ・・・まさか・・・・直撃の瞬間に・・・機体を右にそらすとは・・・・お前の・・・勝ちだ・・・」
実際はナドレは機体を右へ絶妙な角度をずらし、機体へのダメージを限界ギリギリまで減らし、エクシアのコックピットを突いた。
そして機械のbattle・endの言葉と共に歓声が起きる。
「ルシア悪い、機体壊しちまった・・・」
この機体は俺たち二人が初めて製作し、旅を共にしてきた大切な機体で、この大会のためにルシアがさらに改良を加え、作り込んだ機体だった。
「いいよいいよ、また直せばいいし・・・勝ったから許す!」
「少年・・・いい覚悟だった、おめでとう、私からも祝福するよ。 そして、最後にいいファイトができた、ありがとう」
「いえ、こちらこそ、いいファイトでした」
俺とエクシアのパイロットが握手を交わすと、観客席からさらに大きな歓声が沸く。
そしてエクシアのパイロットが俺とルシアにだけ聞こえるように言った。
「あとで・・・表彰式の後ロビーに来てくれ、渡したいものがある」
「あ・・・はい」
俺とルシアは頭の上に?マークを浮かべながら返答した。
表彰式を終えて、約束の場所。 ロビーへとやってきた。
特にロビーのどことは言われなかったので、なるべく目立つ場所、カウンターで待つことにした。
「少年、待ったか?」
エクシアのパイロットがいかにもラブコメ風小説で恋人がデートの待ち合わせで後から来たときに言いそうなセリフを言ってきた。
というか金髪でそんなセリフ、某上級大尉を彷彿とさせるな。
「いえ、今きたところです」
「実は君渡したいものとは・・・これなんだ」
「・・・エクシア?」
エクシアのパイロットが手渡してきた箱を開けると、先ほどの試合で相見えた傷だらけのエクシアが入っているが・・・言葉はひどいが到底使えたものじゃない。
「君のパートナービルダーの腕ならこのエクシアをまた戦闘に復帰させてやれるはずだ」
「え、えぇ。不可能ではないですけど・・・いいんですか?せっかくの愛機なのに」
するとエクシアのパイロットは最高の笑顔と共に―――
「そのほうがこのガンダムエクシアも喜ぶ。それに少年の・・・災菜君のほうが乗りこなすと思う」
「・・・では、ありがたくいただきます!!」
俺はエクシアのパイロっトの深くお辞儀した。
飛行機の時間が近いため、そろそろ行かなければならなくなり、エクシアのパイロット―――名前を聞いたらラウド・A・カーと言っていた―――とはここでお別れだ。
そして災菜たちが行ったあと、一人会場の出口に立つラウドは言った。
「次会うときは・・・必ず勝つぞ。ガンダム。」
「ここが日本か!」
「そうよ、東京ね」
「どんなファイターがいるんだろうな!」
俺たちがアメリカを立ってから早いこと数ヶ月が立った。
その間はエクシアの修理期間として、予備機であるアストレイアウトフレーム(ロールアウト前の無塗装のフレームと言う設定)を使ってパーツを集めていた。
「早くエクスシアを使いてぇぇ!」
「そんな叫ばないの。地図だと近くにショップがあるからロールアウト(初陣)してみましょうか」
それを聞いて災菜は走り出した。
急なことにルシアは出遅れ、急いで追いかけようとしたが―――
「キャッ。すいません!」
「って、んだおい!」
「えっ・・・えっと・・・・・・」
ルシアが走り出してすぐ、外を取り巻きと歩いていたいかにもな連中にぶつかってしまった。
「俺にぶつかるとはいい根性してんなぁ?」
「あ、いえ・・・すいません・・・」
ルシアは迫力に圧されてうまく言葉が言い出せない。
「おい」
「あぁ!?」
「あんたもガンプラやってんのか?」
いかにもな連中に喧嘩を売ったのは、戻ってきた災菜だった。
「はっ、てめぇみてえなヒョロとやるガンプラなんざもってねぇよ」
「逃げるんだ。なんならガンプラ賭けたアンリミデットルールで構わないけど?」
この世界のガンプラルールには、合法的に使用しているガンプラを賭けたアンリミテッドルール、通称AMモードが存在する。
ルールは簡単。
前けたらガンプラが取られる。
「はっ、んじゃあやってやるよ!」
二人は行こうとしていた近くのショップの常設装置でバトルすることになった。
「ルシアを脅した罪は重いからな」
「弱い奴ほどよく吠えるってな。サイサリス、いくぞ!」
「災菜・A・フィール、ガンダムエクスシア、目標を切り刻む!」
二人の機体が射出され、フィールドに出た。
フィールドはここのショップオリジナル改良された宇宙。
「飛ばすぞエクスシア!GNーロングソードⅥ!」
災菜は右腕に装備された、アメイジングGNソードの刃を、特別な物に変えた、異質なGNソードを展開する。
「そんな大振りな獲物じゃあ。サイサリスの機動力でも余裕だ!」
相手のサイサリスは、ビームサーベルを取り出し、発生させる。
「ぶった切れ! エクスシア!!」
「そんな見え見え太刀筋、避けるに決まってるだろ!」
エクスシアの繰り出した、空中から地上にいるサイサリスに向けての振り下ろし攻撃は、軽々とかわされる。
しかし、その威力は凄まじく、地面に軽いクレーターができている。
「オラオラ! 横ががら空きだあ!」
しかし、避けられるなら意味がないとばかりに、サイサリスがバックパックのサブアームから、対艦ライフルを改造し、威力は多少なり下がったものの、連射可能になった、ビーム式方式の対艦ライフルを放つ。
「GNシールド!」
すかさず右手の太刀を、通常のエクシアのGNソード同様に折るように転回させ、収納したのち、そのまま縦のように構え、走っていく。
そしてこのシールドには、隠しギミックがある……。
戦闘は激しさを増し、ごぶごぶといいたいが、災菜のエクスシアは、機体の性能はいいものの、その大きな剣のため、稼働時間はサイサリスよりも短い。
このままだと、エネルギー切れで負ける。
「行くぜええ!」
災菜はその大振りGNソードを、剣を持つような形のソードモードにし、切りかかる。
その際、仮でつけていたすべての武装は捨てた。
同時に、機体に無数の赤い線が走ったかと思うと、次の瞬間には真っ赤になり、突撃する。
「トランザム!!」
「苦し紛れのトランザムか。パージ!」
サイサリスは、少しでもその機動性をあげるため、邪魔な思い装備はすべて取り、サブと両手、合わせて四本のビームサーベルで応戦する。
「斬って……斬って、斬りまくれ!!」
ありえないことに、サイサリスは、トランザムの速度についてきている。
「ありえないわ! そんなこと!」
ルシアが驚愕の声をあげる。
「違う。あれはついてきてるんじゃない。俺が斬りかかるときだけ、その場所のサブアームのサーベルで受け止めていなしているだけだ」
「わかったところで、やりようがあるまい!」
そして不意に、その時は来た。
「トランザムが!」
エクスシアが通常のカラーに戻り、急に機体の動きも止まった。
背中のドライブからは、粒子は放出されていない。
「活動限界みたいだな。その機体もらおうか!」
サイサリスが接近を開始する。
「さあ再臨しろエクスシア……ここにはルシアと……俺がいる!!」
そしてスロット一番上の隠しコマンド項目。OVER・LIMITと表記されるスロットを選択。
「終わりだあハハハ!」
サイサリスは、おかしな笑いと共に、エクスシアを、その四本のサーベルを振り下ろし、斬った。
しかしサイサリスのパイロットは気づく。手ごたえがないと。
「なっ……に!?」
本当に瞬間、それは並みの人間の反射神経ではなしえないもの。
青色に輝くエクスシアのロングソードは、サイサリスを背中から、コックピットまでを貫通し、それは深々と刺さっていて、剣の根本まで来ている。
「天使は戦場に舞い戻る……エクスシア、ミッション終了」
エクスシアは、その刃を、刺さったまま強引に真上に上げ、すぐさま真下に引き下ろし、収納する。
そしてシステムの、BATTLEENDという文字が表示され、戦闘は終了する。
これが災菜とルシア、そしてエクスシアの初陣とだった。
不定期更新や、物語制作のためのガンプラ制作で遅くなりますが、よろしくお願いします。