君はルールを守る人?破る人?   作:3148

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とりあえず、スピアーナイトとクチートナイトまだかなぁ、と思いっていると不意にラランテスのメガ進化が来たら神じゃね!? という発想になりました。いや、馬鹿力かインファ覚えるで世界が変わる気がしたので初投稿です。

オリジナルキャラ、オリジナル設定、擬人化等、苦手な方はブラウザバックを推奨します。

それでも良いという方は、お付き合いください。

※イラスト追加しました。


第十四話

 

【挿絵表示】

 

 

 客足は途絶え、お茶屋の店主から礼金を頂く。

「いやぁ、おかげでお土産物も完売しました。またよろしくお願いしますね」

「こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。ただ、今まで通り仕込みにも時間が掛かりますので、その辺りの配慮だけ、よろしくお願いしますね」

店主が頷き、改めて礼をする。月に出来て二度、日取りが悪ければ出来ない月もあるので、充分な稼ぎとは言えないが、今では隠しイベントとして、ひっそりと宣伝している。月が明るい晴れた日の夜、幻想的な華見が開催される、と。

モーテルに戻ろうとマリエ庭園から歩いていると、ふと見覚えのある奇抜な髪形にスカル団のタンクトップを来た女性が立っていた。

「姐さん、こんな時間にどうしたんすか」

「その呼び方は止めなって、言っただろ」

姐さんと呼ばれたプルメリが呆れたように溜め息をつく。そうして、ヒメと呼ばれる少女を一瞥して、青年に話しかける。

「グズマ団長から依頼だよ。ポータウンまで来な」

「えぇ~、グズマさんからか。面倒なのじゃなければいいけど……ちなみに内容は分かる?」

「詳細は書類があるから、向こうについてから確認して欲しい。持ち出し厳禁だからこうして呼びに来たのさ」

そう言われて、青年は露骨にいやな顔をする。単純な依頼のみであれば、直接呼び出す必要などないのだ。電話一本入れて、明日にでも集合でいい。そうすれば、定期便で移動できて態々飛行タイプのライドポケモンを準備する必要などないのだ。

「内容! 詳細をくわしく!」

日本語がおかしい気がしないでもないが、青年の焦燥感は伝わったらしい。

「……ヒトデマン三匹、明日までに準備しろってさ」

「指定なしならなんとかするけど、無理なら交渉出来そう?」

「グズマ団長の依頼だからね」

青年は頭を抱える。無茶な役割ばかりこっちに押しつけて、とだれにも聞こえない声で呟く。

「プルメリ姐さんでもいいんじゃない?」

「私は別件で動いてるから、頼んだよ」

プルメリはそっぽをむいてしまう。最近プルメリから青年に渡される仕事は日を増すごとに増えていっている。完全にブラック企業となりつつある。そもそも存在自体ブラックで、企業ですらない集まりなのだが。

「わっちは関係ないなら、先に戻りんす」

気がつくと、プルメリの背後に回り込んでいたヒメは、すたすたとモーテルの方向へと向かって行く。

「ちょ、ちょっと……いいのかい?」

「まぁ、あいつがそういうならいいと思いますよ。俺もヒメの力借りる内容だと思わないし」

ヒメの呑気な性格は急ぎの依頼には向かない。更に今日の事で疲れてるので、手を借りない方が無難だ、と青年は言う。

「あんたが言うなら、いいけどさ」

「そんじゃ姐さん、ポータウンまでよろしく」

少し歩くと、街灯が照らす道の端にぽつんと篝火が見える。良く見るとそれはライド用のリザードンだった。

「しっかり掴まってなよ」

「えっ、姐さんに掴めるところありましたっけ?」

「落とすぞ馬鹿!」

 

 他愛無い話をしながらポータウンへとたどり着く。い眠りをしているスカル団の門番を叩き起こし、門を開けさせる。

「サーセンっした! 姉御、ヒトミさん、お疲れ様です!」

「サーセンっした!」

「……あんたのが移ったじゃないか、どうしてくれるのさ」

「まぁまぁ、いいじゃないっすか。姐さん」

そう言って、ヒトミは上に来ていたシャツを脱ぎ、頭にバンダナを巻いて口元も隠す。隠していたスカル団のマークが顕わになる。

「さて、スカル団の下っ端として、頑張りますか」

プルメリと共に真ん中を歩き、グズマのいる屋敷まで向かう。

 

 グズマは苛付いた様子で、椅子に座っていた。周囲に居るスカル団の下っ端はいつその牙が自分に向くか、びくびく怯えていると、扉が開く。プルメリとヒトミが部屋の中に入る。

「遅せぇ!」

空になったコップを二人に向けて投げつける。プルメリはひょいと避け、ヒトミの腹部に直撃する。

「げ、げふぅ……」

「はぁ、これでも最速で準備したんだけどね」

やれやれと言った風に、プルメリが溜め息をつく。ライドポケモンの段取りから、ヒトミがいる場所の特定まで、依頼から1時間もたたずに完了させている。ポータウンからマリエ庭園までの往復も含め、迅速な対応ではあったのだが、グズマには不満だったらしい。

「え~と、グズマさん。依頼って聞いて来たんですけど?」

鈍痛の残る腹部を抱え、落ちたコップを拾いながら、ヒトミが喋りかける。

「おう明日までに、これ済ませとけ。中身はプルメリとお前以外見るんじゃねぇぞ。任せたからな」

そういうと下っ端が無地の封筒をプルメリに渡す。まだ開けられた形跡はなく、グズマも内容を確認していないのだろう。

「資料これで全部っすか?」

「他にはねぇよ。下っ端使ってもいいから、明日までに準備しな」

「了解しました。また報告します」

「中間報告はプルメリでいい、俺には完了報告だけで充分だ。出来ねぇ時は、わかってるだろうな?」

グズマがボキボキと指を鳴らす。ゆっくりしてると殴られる事は周知の事実だ。ヒトミはさっと返事をして、逃げるように部屋を出る。

 

 あやしい館の一階部分、そこに鍵をかけてヒトミは一人で封筒を開ける。プルメリは任せたと一言だけ残し、自分の部屋で休息を取ってる。何せ社会の掃きだめみたいな集まりだ、碌に仕事をこなせる人間もそうそういない。なんだかんだ言って、プルメリも頼まれごとと火消し役で忙しいはずだ。

「さてと……中身はっと」

封筒を開くと、透明なファイルに持ち出し厳禁と印を押してある。中には数枚のプリントが入っており、依頼の詳細が書かれてはいるが、ところどころ黒で塗りつぶされており、何処の誰が書いたのかが分からない様にしてある。

「水タイプポケモンのデータを集める為、実験用のサンプルが必要。実験内容からヒトデマンが妥当であると判断する。個体数は3体、訓練などは不要、野生、能力値、雌雄等は問わず。研究予定日……二週間先か」

工程を考えるとこれでも遅いくらいだ。実験の段取りより先に準備を終わらせておくべきなのだが、ヒトミにこういった案件が回ってくることは一度や二度ではない。下請けに話がまわってくるときは何時だって時間はないのだ。特にスカル団みたいなのに話が来る時は、だ。

「野生で指定なしなら、まぁどうにでもなるか」

ふと時計を見ると、午後9時。良い子は寝ても良い時間だが、残念ながら世間様はスカル団を良い子とは認めてくれない。ヒトミは部屋のカギを開け、封筒に再度のりづけしファイルを閉じ、カバンにしまう。扉を開けると暇そうにしているスカル団員が二人いた。

「あ、ヒトミさんお疲れ様です」

「お疲れ様です」

「お疲れ様。ちなみにお前達って、明日動ける?」

団員二人が目を合わせ、少し悩んで返事をする。

「まぁ、暇っすね」

スカル団下っ端と言っても、普段から命令があるというわけではない。暇なときは暇なものである。

「んじゃ、明日朝一番の定期便で、アーカラ島行くぞ」

「了解っす! あ、姉御はいいんすか?」

ヒトミは少し考えたが、別件があると言っていたのを思い出して団員を止める。

「姐さんは起こさなくていいや、多分、死ぬほど疲れてるから」

遅刻すんなよ、と二人の団員に声をかけていかがわしき館を出る。三人分の定期便とライドポケモンの手配、必要経費を勘定し、手持ちの金額で充分足りると判断し、歩いてポケモンセンターまで戻る事にする。手持ちのポケモンを確認し、ポケモンが入ったボールが二つ、空のボールが一つある。

 

 スカル団の朝は早い。午前6時に起床し、身支度を整える。共同の洗面台で歯を磨き、顔を洗う。身支度を整え、朝食を依頼する。ポケセンの喫茶店でホットドックとグランブルマウンテンを頼み、いつものサービスを受け取る。手早く朝食を済ませると、足早にポケセンからでて、港へと続く道を歩く。ライドポケモンを借りても良いのだが、あまり朝早くに行くと借りれない事もあるので、確実に時間を守りたい時は、徒歩で計算する方が間違いない。手元のボールを操作し、ドーブルを出す。

「ラフィ、ポケ豆だぞ~」

寝起きのドーブルはもぐもぐとポケ豆を食べ、食べきった所で目を覚ます。港まで向かうまでの散歩の様なものだ。歩くこと小一時間、ようやく港が見えてくる。携帯電話を取り出し、電話帳に乗っているある人物に電話をする、この時午前7時半である。コール音が鳴り始め、十回程鳴った頃、ようやく電話の持ち主が出た。

「おはようございます姐さん。今起きた所っすか?」

「モーニングコールがあんたか……まぁ、いいや。どうしたのさ」

ふあぁ、と欠伸しているのが電話越しに聞こえる。どうやら昨日から今まで爆睡していたらしい。

「とりあえず、昨日館に居た二人連れて、アーカラ島で依頼をしてこようと思うんすけど、二人まだそっちいます?」

「ん~、ちょっと待ってて」

そう言って階段を降りる音が聞こえてくる、その音が鳴らなくなったと思ったら二度、何かを蹴る音が聞こえた。

「今起こした、ソファで寝てたよ」

「ははっ、だと思ってました。ケンタロス借りて最速で港まで来るように伝えて下さい」

「了解、そっちはなんとかなりそう?」

時計を確認し、朝一の定期便に間に合わないのは確実だと判断する。

「最悪一人でもなんとかなるんで、大丈夫です。ヤバくなりそうだったらまた連絡します」

「あいよ、出来れば完了報告だけだと私は嬉しいんだけどね」

「そりゃそうっすね。そんじゃ、次は姐さんが喜ぶ電話に出来るよう頑張ります」

「ま、期待しないで待ってるよ」

そう言って、電話が切れる。港につくと仕事に向かう者、別の島へ向かう観光客、島めぐりのトレーナー等でそこそこ人がいる。そこを掻き分けて受付まで向かう。

「アーカラ島行き三枚、今日の便っていつくらいになります?」

受付が時刻表を確認する。時刻表と言っても、所詮は船だ、波が荒れれば遅れるし、客が込めば止まりもする。海のポケモンに襲われればそれこそ事件になってしまう。そんなことはあまりないのだが、偶々そんな事態になれば別ルートを探すハメになってしまう。

「えーと、本日は波も良好で予定通り便は出てます。8時の便が出た後は……10時ですね」

「それじゃ、アーカラ島到着は、10時半ですね」

「予定通りであれば、その時間帯になりますね。遅れる事もありますので、余裕を持ったスケジュールをお願いします」

「ははっ、ありがとうございます」

代金を払い、チケットを受け取ればヒトミの準備は終わる。あとは待合室でジュースでも購入し、遅刻組をしばく方法を考えながら待つだけだ。

 

 「サーセンっした!」

スカル団のタンクトップとバンダナを巻き、遅れてきた二人組が頭を下げる。時刻は9時半、10時の便に間に合ったのでヒトミは特に遅刻については口を出さなかった。近くの店で購入した安いポロシャツを二人に投げる。

「これ着てバンダナ外せ、口元の方もだ」

「……へ?」

「いいから、早くしろ」

頭にクエスチョンマークを浮かべながら指示に従う二人。船に乗る時にスカル団ですと主張したところで、騒ぎになるだけで何の意味も無い。過剰反応する住民もいるので、最悪便が止まる可能性もある。

「着ましたけど、いいんすか?」

「ん~、まぁいいだろ。今回は秘密の依頼だからスカル団だってばれちゃいけない、分かったか?」

「なるほど、だから変装するんすね」

頭いい! と馬鹿な台詞を言う。そもそも、わざわざスカル団の格好をして街を歩く方がおかしいのだが、そういうことが分からないからそうしてしまうのだろう。

ボーッ

船が付く音がする、時間通りのようだ。

「ほら、早く船に乗るぞ」

チケットを二人に渡し、船に乗る。船旅は予定通りのトラブルのみで済んだのでヒトミは胸をなでおろす。

 

 アーカラ島につくと近くのレンタルライド屋に声をかける。

「予約してたものっすけど、ケンタロス三体お願いします」

「あ~、電話の人ね。そっちにいるから好きなの選んで頂戴」

代金を支払い、なるべく気性が穏やかそうなのを選ぶ、ヒトミは一通りは操れるようにはなったが、気性の荒いケンタロスを乗りこなせる程ではない、適当に見つくろい、下っ端にも指示を出す。

「予約してたんすか!?」

「マジパネェっす!」

移動手段確保しないと間に合わないのに確認しない訳がないだろ、と言っても理解してもえなかったことは一度や二度ではない。

「んじゃ、8番道路まで行くぞ!」

「うっす」

「付いていきます!」

 

 8番道路のポケセンに辿り着く。

「ここにヒトデマンがいるんすか!?」

「いるわけねぇだろ」

「分かった、ヒトデマン持ってるトレーナーから奪うんすね!」

「んな事で事件起こしてたまるか! ボール買いに来ただけだよ」

ケンタロスをポケセンの近くに止め、待っている様に指示をする。ライドポケモンとして育てられたポケモンは、こう言った指示を受ける事に慣れ、何かあった時は自力で帰れるように訓練されている。おかげで近年では、移動手段にしているポケモンの衝突事故等も減り、アローラ地方では観光客の安全を優先して、ライドポケモンの制度の先駆けになろうと地方全体で推進している。

「クイックボールを……6つお願いします」

「ありがとうございます」

本来なら三つでいいのだが、一応トラブルも考慮して6つ購入する。まぁ、あとでグズマに必要経費で出してもらえば済む話だ。勿論、話が出来るのは上手くいった時に限る訳だが。

「よーし、ハノハノビーチにいくぞ~」

「えっ、戻るんすか!?」

「早くないっすか!?」

「寄り道しても仕方ないだろ、それに俺は釣りは得意じゃないんだよ」

そういってケンタロスに跨る。不思議な顔をして二人もケンタロスに跨り、ハノハノビーチへ急ぐ。

 

 時刻は午後一時、移動など考慮しても昼飯を食べる余裕はあるだろう。

「……ヒトミさ~ん」

二人の腹の音が聞こえる。どうせ朝飯も碌に食ってないのだろう。流石にホテルのレストランとまではいかないが、食事をとる事はヒトミも了承する。

「分かってるよ、マラサダでもいいか?」

「食べれりゃ何でも!」

「大丈夫っす!」

我慢してんなら早く言えよ、そうヒトミは呟く。

 近くのマラサダショップに寄り、大きめのマラサダを三つ頼む。四人席に座り、食事をとる。

「ごちになりやす!」

「ごちになりやす!」

怒涛の勢いでマラサダを完食し、さも当然の様に奢ってもらうつもりのようだ。

「……ちゃんと働けよ、お前ら」

そこからは徒歩で移動し、ハノハノビーチに辿り着く。

「ヒトミさん、俺達なにすればいいんすか?」

「なにすればいいんすか!?」

理解力のない二人組に頭を抱える。スカル団に所属すると言う事は頭痛と胃痛と闘うということなのだ。

「いいか、これから会う人の言う事をしっかり聞いて、その通りに動くんだ。難しい事じゃない、分かったか?」

「うっす」

「了解っす」

返事だけはいいのが心配な表情になるヒトミ。だが、別に悪くはないので、任せるとしよう。ヒトミはハノハノビーチのライフセイバーさんに声をかける。

「アローラ、景気はどうっすか」

「アローラ、丁度いいところに来てくれた。今日も手伝ってくれるのかい?」

ヒトミは後ろの二人を指差し、返事をする。

「いやぁ、ちょっと俺はやることがあるんで、代わりにこの二人が手伝ってくれるんで、やり方教えてやってください」

一瞬ライフセイバーさんが首を傾げたが、手伝いがいれば特に問題ないと思ったのだろうか、二人にナマコブシ投げの説明をし始める。まぁ、二人でやればそんなに時間は掛からないだろう。

「以上だ、分かってくれたかな?」

「ぶっし!」

「ぶっし!」

なんでお前らがナマコブシになってんだよ。

 

 ナマコブシなげに勤しむ二人をよそ目に、ハノハノビーチの余り日の当たらない岩肌の方へ向かう。この辺りは足元も良くなく、観光客も寄りつかない。その為、野生のポケモンが住み着いているのだ。

「……これかな」

微妙に砂山になっているのを見つけると、それに近づく。一定距離まで近づくとそれが反応しポケモンが現れる。

 野生の ヒトデマンが 現れた。

「はいよ、っと」

準備していたクイックボールを投げる。空中でヒトデマンが吸い込まれ、何度か揺れた後カチっという音が鳴る。

 野生の ヒトデマンを 捕まえた。

「一匹目は幸先よし、っと。日が暮れる前に終わらせないとな」

時刻は午後二時、見つける事にさえ苦労しなければ充分に間に合う時間だ。

 

 三匹目のヒトデマンを捕獲した時には、午後4時になろうとしていた。中々見つからないときは見つからないものである。一息つき、ボール三つを確認し、ようやく一段落付いた事に安堵する。

「おりゃぁああ」

「ぶっしゃぁあ!」

二人が勢いよくナマコブシを投げる声が聞こえる。真面目にやってるようでなによりである。二人に近づいて声をかける。

「ぶっし!」

「ぶっし! ヒトミさん、ナマコブシ投げ終わりました!」

「おう、お疲れ」

ライフセイバーさんに確認し、ナマコブシ投げが終わった事を確認する。

「よし、お前ら、今から重要な任務を任せる」

「えっ」

「まじっすか!?」

二人が驚く、まぁ下っ端に重要な任務を任せるということはあまりないので、こういうときはちょっと嬉しそうに反応する。

「いいか、ここにヒトデマンが入ったボールが三つある。これをポータウンまで運んでプルメリ姐さんに渡すんだ」

「マジッすか!」

「いつのまに捕まえてたんすか!?」

お前らがナマコブシ投げてる間だよ。

「プルメリ姐さんもグズマさんも、お前達の事を待ってる。全速力で届けてほしい。俺は残って後処理をする必要があるからな、お前達にしか頼めない。やってくれるか?」

そういうと二人が目を合わせ、きらきらした目で返事をする。

「勿論っす!」

「任せて下さい、最速で届けてきます!」

良い返事だ。二人にヒトデマンが入ったボールを手渡すと、すぐさま船着き場の方へ走っていった。定期便もこの時間なら充分間に合うだろうし、とりあえずは問題ないはずだ。

「あっ、バイト手伝ってくれた二人は行っちゃったんだね。参ったな、バイト代渡し損ねちゃったよ」

ライフセイバーのお兄さんが声をかけてくる。

「なんか急に用事を思い出したみたいで、俺が渡しときますよ」

「いいのかい、よろしくね。また頼むよ」

バイト代が入った紙袋を受け取り、鞄の中にしまう。電話を取り出し、プルメリに連絡を入れる。

「もしもし、何かあったのかい?」

「いや、今からヒトデマン三匹もった馬鹿二人がポータウン向かうんで、まぁ二時間もしないうちにそっちつくと思います」

「成程ね、首尾よくて何よりだよ。それで、あんたは戻って来ないのかい?」

アーカラ島のモーテルに向かいながら、電話を続ける。

「せっかくアーカラ島まで来たんだ、そのまま帰りますよ。姐さんがディナーに誘ってくれるなら行きますけど」

「はいはい、それじゃあ後はこっちで済ませておくよ。今日は忙しいから、食事はまた今度、ヒトミの奢りなら付き合ってあげる」

「まじっすか、海が見えるレストラン予約しときますね」

「たらふく食ってやるから、期待してるよ」

取りとめの無い馬鹿話で電話が切れる。

「ふぁあぁ、完了報告は……姐さんに任せれば大丈夫か。何かあったら連絡来るだろ」

馬鹿二人が何事もないように、カプ・テテフ様にお祈りしつつ、ヒトミは帰路を急いだ。

 




読了ありがとうございました。ここからはポケモンのデータになりますので、興味のない方は飛ばしていただいて問題ないです。

ヒトデマン
ほしがたポケモン
アローラ図鑑No.184

ナマコブシ
なまこポケモン
アローラ図鑑No.200

この二匹が出てきたのは特に理由はないです。スカル団って普段何してるかなぁと考えたらこんなストーリーになりました。
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