オリジナルキャラ、オリジナル設定、擬人化等、苦手な方はブラウザバック推奨です。
それでも良いという方は、お付き合いください。
ヒトミは考え込んでいても仕方が無いと結論を下して、電話してみる事にした。
「ドーブルが擬人化しました」
「何言ってんだ、とうとう頭おかしくなったのかお前? いや、元々頭おかしいやつだとは思っていたが」
電話の相手のククイが次々とヒトミに対する暴言を吐き捲る。ポケモンについての技の研究をしている事を思い出して、冷静に分析できそうなのがククイだと思ったのだろう。
「いや、とりあえず来いよ。あと誰にも言うなよ、まだ秘密だからな」
「は? 何言ってんだ、俺が他人に言ったらお前と同類と思われるだろうが」
残念だが、もう他の住民にはヒトミとは別ベクトルでおかしい奴と思われており、第二のククイが来たと噂された事もあるのだが、これは二人が知らない話だ。
「いいから来いって、嘘じゃないから。なんなら、この前買った20年物のワインを賭けたっていい」
「……分かった。そのワインを貰いには行ってやる。だが、お前のその話を信じた訳じゃないからな」
そう言うと電話が切れた。
「……マジか」
「マジです」
ポケモン図鑑を態々準備してきたククイ。図鑑にはきっちりとドーブルのデータが表示された。画像イメージはNO DATAではあったが、そこにいる少女がドーブルであると証明するには十分な証拠になる。
「確かに、メタモンが人間に変身した例はある。ちなみにポケモンと人間が融合した事例も……過去に一度だけ存在はする。お前の言ってる事も、仮説としては……筋は通っている」
だが、それは信じ難いと、ククイは頭を抱える。
「うん、俺もまだ半信半疑なんだが。図鑑の故障はないよな?」
「さっきそこのヨワシを測定したら、正しい反応をした。そこにいるのがきぐるみで、中にドーブルが潜んでるって言うなら話は別だが」
そうではことは、先ほど会話し、実際に触るなどをして確認した。
「はぁ……俺も研究者の端くれだ。目の前の事実は……認める。これもまた、ポケモンの新しい可能性だな」
ククイが大きな溜め息をつく。流石に目の前の現実が受け入れ難いのか、擬人化したドーブルを色々な角度で見定める。ただ、仮にでもそれを受け入れる事が出来たのは、やはりポケモンについて知識が十二分にあるククイだったからだろう。
「ちょっと聞きたいんだが、他のポケモンも擬人化できたりすんのか?」
「まて、これ以上ややこしいことにしようとしてるのかお前は?」
「お、おう、そんなにややこしいか、すまんな。ただ、ヨワシが擬人化を見て興味を持ったみたいで、出来たら態々水槽を準備したり、陸での行動の制限がなくなったりするからな」
出来る範囲で、やってみたいとヒトミは言う。
「そんなもん、俺が知るか。第一、現状なんでドーブルが擬人化出来たかすら分かってないだろ。普通はそんなこと出来ないんだから、条件があるはずだ。それがドーブルにあるのか、お前のポケモンが特別なのかは今は判断できない。そもそもドーブルにはへんしんする体質は持ってないんだから、仮説通りだとすれば他のポケモンにも可能性はあるはずだろ、やってみるならドーブルの状況の再現をしたらどうだ」
お手上げだ、という風にククイは両手をあげる。ヒトミはククイの意見を受けて、その通りだと返事をした。
「……ドーブル、擬人化した時ってどうやったんだ?」
「それは……頭にその姿を思い浮かべて、大体こんな感じかなぁってイメージして、メタモンのへんしんを真似するようにスケッチしたら……出来ました」
「なるほど、わからん」
とりあえず分かった事は、擬人化へんしんにはイメージが必要だということだ。ヨワシの擬人化を実現させるには、ヒトミが改めて妄想力を発揮させるしかない。
「いいか、ヒトミ。ヨワシを擬人化させるときは俺を呼べ、どういう現象なのか俺が知りたい」
「知らんがな。勝手に見るなら見やがれ、いつできるかわかんねぇけどな」
そう言ってククイは出ていった。
「うおぉお、今こそ真価を発揮しろ、俺の妄想力!」
「良く分かりませんが、頑張ってくださいマスター!」
ヒトミは三回転半ぐらい回って良く分からないテンションになりながら、スケッチにヨワシの擬人化絵を描き始めた。
「……う~ん、出来ないな」
ククイが冷静に呟く。ククイの研究室の地下でへとへとになったドーブルとヨワシとヒトミが横たわっていた。
「やっぱ、ドーブルだけなのか?」
「いや、へんしんの技自体は発動しているみたいだ、ドーブルと同じ反応をしているのは間違いない。だが、成功しない」
そう言うと、ククイが唸り始める。ヒトミも色々と違う擬人化のイラストを描き続けているのだが、どうにも上手くいかない。ドーブルが明確にイメージを持つ事が出来ていないのか、それとも別の原因があるのか。
「ふぇえぇ……もう限界ですマスター」
そう言うとドーブルがヒトミの上にのしかかってくる。
「おいっ、上に乗ったら……重くない?」
「……流石に私でも傷つきますよ、マスター」
「あ、すまん。いや、そうじゃなくて、見た目より軽いな、と思って」
「あ、そっちでしたか。え、マスター、私太って見えます?」
「いや、そりゃあ擬人化したんだから、元の姿より重くなったと思うだろ、普通」
「あ、また重くなったって言った!」
「いや、誤解だって……重くないよ、大丈夫だって」
「それだ!!」
ドーブルとヒトミが言い争っていると、ククイが叫んだ。
「……え、何が」
「限界があるんだよ、メタモンと違ってへんしん出来る機能がないから、何にでもへんしん出来る訳じゃない! いや、違うな、何にでもへんしん出来るのは、メタモンのへんしんだけだ!」
「いや……もうちょい分かりやすく」
ククイが何言ってるのか、理解できないヒトミが困惑する。
「さっきお前が言っただろ! 重くないって、ドーブルの元々の体積から大きくなっているけど、そこには増減できる限度があるはずだ。なにせ元々のイメージはそのポケモンなんだからな!」
「つまり、俺が書いたヨワシの擬人化は、ヨワシの擬人化の限界を超えていた?」
確かに、今まで描き散らしたものを見返してみれば、あくまで人型であり、ヨワシのサイズとくらべると何倍も大きくなっている。
「え~、でも人のサイズっていうとヨワシさんほど小さくはならないですよ?」
ドーブルが溜め息をつく。確かに、赤ん坊にしてしまっては意味がない。いや、へんしんできるかどうかを証明するには、それもありだが。
「考えろ、ヒトミ! ヨワシのへんしん出来る範囲で、想像できるものを!」
無茶難題を押し付けるククイ。
「う~ん、小さいものかぁ、いっそ虫とか、他のポケモンになるとかでもありかなぁ。体積的な問題なら、ヨワシに足だけはやした半漁人的な?」
ヒトミは自問自答しながら、自分のイメージを膨らませていく。試し書きしてはバツを書き、新たにイメージを書きだしていくと、ついに結論にたどり着いた。
「閃いた!」
「ご主人様、よろしくお願いしますです?」
「うん、可愛いです!」
「よろしくな、ヨワシ」
結果として、ヨワシは小人さんになった。
「なるほど、体積的には大きく変わらず、二頭身に収める事で擬人化が可能になった、か。サイズ的にも限界がある……ということは逆もしかりかもな」
小さくし過ぎるのも不可能ということらしい。勿論発想とポケモンの能力次第ではあるが、制限がかかることが判明した。
「これで僕も、外を歩けるです?」
「勿論、これからもよろしく頼むぜ」
ピョンピョンと飛び跳ねるヨワシは、まるで人形みたいだったけれど、喜びの感情は確かにヒトミに伝わっていた。
読了ありがとうございました。ここからはポケモンの設定になりますので、興味のない方は飛ばしていただいて問題ありません。
ヨワシ(小人の姿)
タイプ:水
種族値:H60 A30 B30 C20 D25 S10
HとAとBが上がって、CとSが下がった形になります。人型になって動くのが遅くなったが、体積が増えたので、この数字になりました。
ただ、この状態での戦闘はないので、あまり意味はないです(笑)