君はルールを守る人?破る人?   作:3148

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物理ストッパーラランテスを考えて、かえんだまもたせて投げつける型を考えているけど、仮想的相手を考えるところで脳がストップするので初投稿です。

オリジナルキャラ、オリジナル設定、擬人化等、苦手な方はブラウザバックを推奨します。

それでも良いという方は、お付き合いください。

ちなみに今回はプルメリ回です。


第十二・五話 前編

 ヒトミはいつものように観光客相手にポストカードを売りつける仕事を勤しんでいたのだが、その日は中々繁盛し、夕方でそろそろ引き揚げようかといった時に、来訪者が現れた。

「あんたが、ヒトミかい?」

「そうですが……お客さん、ってわけじゃなさそうですね」

目立つピンク色の髪を後ろでまとめ、金色のメッシュを二本入れている女性が現れた。

「あんた結構噂になってるよ、口八丁で観光客から金を取るのが上手い、ってね」

「成程、そいつはほめ言葉ですね」

ヒトミはそう返したが、荷物をたたみ、逃げる準備を始める。なにせ、彼は誰かの許可を得て商売をしているわけではない。今のところは、諌める人物がいないためにグレーになっているだけであり、裁判沙汰になってしまえば出るところに出るしかないだろう。

「ポケモンバトルも強いんだって? いっちょ勝負してみないかい?」

問答無用で手持ちのポケモンを繰り出す。それは、ヤトウモリだった。雄雌の区別はつかないが、相手トレーナーを見据え、自分ができる行動を最速で行えるようにじっと構える姿を見るだけで、相当訓練されているポケモンであることは理解できる。

「いけっ、ラフィ!」

現れたのは、ラフィと名付けられたドーブル。手慣れた様子でトレーナーの手前にスケッチを描き出す。

「はんっ、そんなポケモンに何が……」

そこで、女性トレーナーが違和感を覚えた。自分が育てているヤトウモリよりも早いのだ。ヤトウモリはそこそこSが高いポケモンであり、並大抵のポケモンに素早さ勝負で負けたことはなかったことから、Sが抜かれる事態に驚きを隠せない。

「そうとう、鍛えてる……って!?」

描き出されたのはキノコのイラスト。ポケモンバトルには似つかわしくない、メルヘンなキノコだったが、次の瞬間には彼女のヤトウモリはすやすやと眠り状態になっている。

草タイプ きのこのほうし

目に見えないきのこのほうしをふりまき、対象を強制的に睡眠状態にする技である。胞子といっても、拡散するわけではなく、指向性をもつものであり、また呼吸によって取り込まれる事から、微量でも即効性はある。ただし、そこから繁殖したりするということはないので、後遺症がみられるケースは極稀である。

「にげるんだよぉぉぉぉおお!」

手慣れた様子で、ヒトミは自宅に向かって走り出す。それにピッタリとついていくラフィ。どうやら騒動事には慣れているらしい。

「……ほら、ヤトウモリ、おきな」

ぺちぺちと頬に刺激を与えて、眠ってしまったヤトウモリを起こす。あれだけ、闘いなれているというのに、一目散に逃げるという行為はあまりトレーナーとしては見慣れない行動だ。

 

 本日は曇天、雨が降る予測ではなかったが、薄く広がる雲は日差しを遮り、いつもの清々しいハレハレビーチは、観光客の数もまばらだった。

「やっと見つけた」

そういってピンク色の髪を揺らしてヒトミに近づく。

「安心しなよ、今日は客としてきたんだ」

そう言って、ビーチに配置してある椅子を持ってきて、ヒトミの正面に座る。

「あんた、絵を描いてるんだろ。私はプルメリ、金は前払いかい?」

一瞬戸惑うが、ヒトミはいつもの様に対応する。

「いいや、後払いだよ。気に入らなければお金は要らない。それが信条でね」

グレーである以上トラブルごとは避けたい。多少の利益を失ったとしても、悪評が広がる事は徹底的に避ける、という方針でヒトミは動いていた。

「成程ね……それじゃ頼むよ」

「はいはい……少し時間がかかりますよ」

そういって無言の間が続く。プルメリと自称した少女はやはりゲームとは衣装は変わっているが、スカル団のタンクトップを着ていて、スカル団であることは間違いなさそうだ。無言でプルメリを見つめ、考え込むヒトミ。やがて、イメージが固まったのか、ポストカードに鉛筆でさらさらと構図を描き始める。それが始ってからは早かった。数分で書き終えたそれをラフィに手渡し、それについてラフィに説明をする。やがてそれを理解したのか、色を付ける作業に入っていく。

「……随分と、懐いてるんだね」

「それもあるかもしれないけど、ラフィは絵を描くのが好きだからね」

ヒトミじゃなくても、喜んで絵を描くだろうさ、とヒトミは言う。プルメリは複雑な表情で見つめていた。トレーナーとポケモンとの絆と言えば聞こえはいいが、必ずしも理解しあえるものではない。紆余曲折があって、初めてお互いを理解できるのは人間でもポケモンでも変わりはないのだ。おくびょうなヒトミのポケモンに、絆を結ぶために相当な時間をかけたことは、想像に難くない。

「ほら、出来たよ」

ラフィからその絵を受け取り、プルメリに手渡す。それを見たプルメリは驚く。そこには、見せたはずのない、ゴ―ス、ヒドイデなど、毒ポケモンに囲まれ、困ったような表情だが、確かに笑顔で描き出されるプルメリの姿があった。

「……不味かったかな?」

はははと苦笑いしながら、ヒトミはそう呟く。確かに、プルメリの手持ちも見てないし、今目の前にいる彼女からは想像もつかない表情だ。しかし、彼が描いたのは普段見ることのない彼女の笑顔であり、困りながらも放っておけない彼女らしいイラストだった。

「いいや、これでいいよ。ありがと」

そう言って、手持ちからお金を渡し、そのポストカードを仕舞う。誰に見られたくないのか、鞄の奥底にしまってしまう。

「こちらこそ、毎度あり」

そういうと、ヒトミはラフィを撫でポケ豆を渡す。おいしそうにポケ豆を食べる姿にプルメリは少し見とれてしまった。

「ねぇ、あんた……スカル団に入らないかい?」




読了ありがとうございました。ここからはポケモンのデータになりますので興味のない方は飛ばしていただいて問題ないです。

ヤトウモリ
どくトカゲポケモン
アローラ図鑑No.161
特性:ふしょく
性別:♀

今回はヒトミがスカル団に入団するきっかけになったお話です。プルメリさんに声をかけられて、ほいほいついて行ってしまった感じですかね。
それでは今回はここまで、次回もお付き合い頂ければ幸いです。
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