オリジナルキャラ、オリジナル設定、擬人化等苦手な方はブラウザバック推奨です。
それでも良いという方は、お付き合いください。
そうして、ヒトミとグラジオの奇妙な共同生活が始まった。
「ヒトミ、晩御飯の時間は18時と言ったはずだぞ!」
「うるせぇ! 姐さんの依頼があったんだよ!」
現在夜の20時、家庭にも寄るが、お子様には少し遅い夕飯かもしれない。
「生活リズムが狂うと、体調管理もままならなくなる。ちゃんと気をつけろ!」
「ならお前が飯作れよ! はい、炒飯お待ち!」
こじんまりとした丸テーブルを二人で囲み、両手を合わせる。
「いただきます」
同時に言うと、炒飯を食べ始める。お腹がすいていたのか、皿はすぐに空になった。
「ヒトミ、お茶はいるか?」
「あ~、頼む」
グラジオは冷蔵庫の中からペットボトルのお茶を取り出し、二つのコップに注ぐ。
「今日の食器洗いはどっちだっけ」
「昨日は俺だったから、今日はヒトミだぞ」
「え~、お兄さん疲れてるんだけど」
最近になってプルメリに仕事投げられる回数が増え、ヒトミの疲労も蓄積している。
「決まり事は決まり事だ。しっかりと守らないと、信用を失うぞ」
「くっそ、グラジオの癖に正論を……」
ヒトミはお茶を飲み干すと渋々台所に向かう。グラジオは結構細かい性格で、なんやかんや人に口出ししてくる。だが、それ以上に自分に厳しく、やると決めた事はしっかりとする人間だ。
(俺より人間できてるんじゃないかな)
ククイとマーレインと馬鹿やったり、非合法な商売やって食いつないだり、島めぐり放って暮らしてたりと、人として微妙な真っ当とは言えない生き方をしているヒトミ。グラジオと自分を比較すると、少し自分を見直さなければ、と度々呟くが早々気性が変わる訳でもない。
「ヒトミ、歯磨き粉もうちょっとしかないから明日買ってくるぞ」
「洗剤と入浴剤も少なくなってないか?」
「入浴剤は予備があるぞ……洗剤は、買った方が良さそうだな」
「他に何か買うもんあったかなぁ……あ、砂糖が少なかったわ。すまん、砂糖も一袋買ってきてくれ」
「分かった、めがやすで纏めて買ってくる」
ヒトミは同居人の有難さに感謝しつつ、グラジオに対して庶民的な事をさせすぎているのでは、と思う日々を過ごしていた。
「くっ、俺とした事が……」
「グラジオ、大丈夫か!?」
グラジオが膝をつき、腹部を抑える。先ほどの攻撃で立ち上がる事も出来なさそうだ。
アオーン
タイプ:ヌルの咆哮がこちらに敵意を現す。脱走してから1ヶ月が経っても、人間に慣れる様子はない。
「く、くそっ、俺は諦めん……諦めんぞ!」
そうして、ヒトミもタイプ:ヌルのたいあたりを受け、吹き飛ぶ。準伝説は伊達ではない、たいあたりとはいえ人間がそう何度も耐えきれるはずもない。
最初からボールに戻していれば解決していたのに、二人は一体何をしていたのだろうか。
「本当にヒトミは馬鹿だな」
「お前も同じ事してただろ、お前も馬鹿だ!」
「なんだと!? 馬鹿って言った方が馬鹿なんだぞ」
「その理屈はブーメランだぞ!?」
そんなやりとりをしながら、ヒトミは慣れない手付きで裁縫をする。
「へったくそだなぁ」
「うるせぇ……出来た!」
グラジオの破れた服を何とか繋ぎ合せ修復させる。やり方が分からなかったので、とりあえず紐と針と、まだつけやすそうなチャックで対応した。
「ぷっ……なんだこれ?」
「あはは、センスないな、ヒトミは!」
「あ、言ったなお前! 選ぶときお前もこれで良いって言ったろ!」
「ふん、なら見てろ! 次は俺のセンスを見せてやる」
「いや、まず服を破るなよ……」
「……お前、手先も器用なんだな」
「ヒトミみたいに絵は描けないがな。ほら出来た」
ヒトミの時より綺麗に出来てる。相変わらずチャックでの補修ではあるが。
「う~ん、タイプ:ヌルももうちょっと警戒心を解いてくれたらなぁ」
「……ポケ豆作戦も失敗したしな。全く、ヒトミの作戦は宛てにならん」
「くそっ、ラフィの時は上手くいったんだよ! お前のタイプ:ヌルが頑固なだけだろ!」
「なんだと、むしろヒトミの人相に反応してるんじゃないか!?」
「おっ、言ったな! お前も攻撃されてるじゃねぇか。お前も怪しい人間だと思われてるんだよ」
「ち、違う。俺のは愛情表現だ。ヌルは不器用なだけなんだよ!」
それからタイプ:ヌルとグラジオが仲良くなるまで、一年掛かった。ゆっくりと歩く様な速度で、少しずつ少しずつ研究で傷ついた心を癒していったのだ。
読了ありがとうございました。ここからはポケモンのデータになりますので、興味のない方は飛ばしていただいて問題ないです。
タイプ:ヌル
じんこうポケモン
アローラ図鑑No.203
グラジオとの共同生活をもっと書きたかったけど、ネタが出てこないのでもしかしたら書き足すかもしれません。
それでは今回はここまで、次回もお付き合い頂ければ幸いです。