君はルールを守る人?破る人?   作:3148

34 / 49
十万ボルトで麻痺引いて、二連続で痺れて動けずにトリル張れなかったので、ラランテスが一体も倒せなかったから初投稿です。

オリジナルキャラ、オリジナル設定、擬人化等苦手な方はブラウザバック推奨です。

それでも良いという方は、お付き合いください。


第三十二話

 そうして、ヒトミとグラジオの奇妙な共同生活が始まった。

「ヒトミ、晩御飯の時間は18時と言ったはずだぞ!」

「うるせぇ! 姐さんの依頼があったんだよ!」

現在夜の20時、家庭にも寄るが、お子様には少し遅い夕飯かもしれない。

「生活リズムが狂うと、体調管理もままならなくなる。ちゃんと気をつけろ!」

「ならお前が飯作れよ! はい、炒飯お待ち!」

こじんまりとした丸テーブルを二人で囲み、両手を合わせる。

「いただきます」

同時に言うと、炒飯を食べ始める。お腹がすいていたのか、皿はすぐに空になった。

「ヒトミ、お茶はいるか?」

「あ~、頼む」

グラジオは冷蔵庫の中からペットボトルのお茶を取り出し、二つのコップに注ぐ。

「今日の食器洗いはどっちだっけ」

「昨日は俺だったから、今日はヒトミだぞ」

「え~、お兄さん疲れてるんだけど」

最近になってプルメリに仕事投げられる回数が増え、ヒトミの疲労も蓄積している。

「決まり事は決まり事だ。しっかりと守らないと、信用を失うぞ」

「くっそ、グラジオの癖に正論を……」

ヒトミはお茶を飲み干すと渋々台所に向かう。グラジオは結構細かい性格で、なんやかんや人に口出ししてくる。だが、それ以上に自分に厳しく、やると決めた事はしっかりとする人間だ。

(俺より人間できてるんじゃないかな)

ククイとマーレインと馬鹿やったり、非合法な商売やって食いつないだり、島めぐり放って暮らしてたりと、人として微妙な真っ当とは言えない生き方をしているヒトミ。グラジオと自分を比較すると、少し自分を見直さなければ、と度々呟くが早々気性が変わる訳でもない。

「ヒトミ、歯磨き粉もうちょっとしかないから明日買ってくるぞ」

「洗剤と入浴剤も少なくなってないか?」

「入浴剤は予備があるぞ……洗剤は、買った方が良さそうだな」

「他に何か買うもんあったかなぁ……あ、砂糖が少なかったわ。すまん、砂糖も一袋買ってきてくれ」

「分かった、めがやすで纏めて買ってくる」

ヒトミは同居人の有難さに感謝しつつ、グラジオに対して庶民的な事をさせすぎているのでは、と思う日々を過ごしていた。

 

 「くっ、俺とした事が……」

「グラジオ、大丈夫か!?」

グラジオが膝をつき、腹部を抑える。先ほどの攻撃で立ち上がる事も出来なさそうだ。

アオーン

タイプ:ヌルの咆哮がこちらに敵意を現す。脱走してから1ヶ月が経っても、人間に慣れる様子はない。

「く、くそっ、俺は諦めん……諦めんぞ!」

そうして、ヒトミもタイプ:ヌルのたいあたりを受け、吹き飛ぶ。準伝説は伊達ではない、たいあたりとはいえ人間がそう何度も耐えきれるはずもない。

 

 最初からボールに戻していれば解決していたのに、二人は一体何をしていたのだろうか。

「本当にヒトミは馬鹿だな」

「お前も同じ事してただろ、お前も馬鹿だ!」

「なんだと!? 馬鹿って言った方が馬鹿なんだぞ」

「その理屈はブーメランだぞ!?」

そんなやりとりをしながら、ヒトミは慣れない手付きで裁縫をする。

「へったくそだなぁ」

「うるせぇ……出来た!」

グラジオの破れた服を何とか繋ぎ合せ修復させる。やり方が分からなかったので、とりあえず紐と針と、まだつけやすそうなチャックで対応した。

「ぷっ……なんだこれ?」

「あはは、センスないな、ヒトミは!」

「あ、言ったなお前! 選ぶときお前もこれで良いって言ったろ!」

「ふん、なら見てろ! 次は俺のセンスを見せてやる」

「いや、まず服を破るなよ……」

 

 「……お前、手先も器用なんだな」

「ヒトミみたいに絵は描けないがな。ほら出来た」

ヒトミの時より綺麗に出来てる。相変わらずチャックでの補修ではあるが。

「う~ん、タイプ:ヌルももうちょっと警戒心を解いてくれたらなぁ」

「……ポケ豆作戦も失敗したしな。全く、ヒトミの作戦は宛てにならん」

「くそっ、ラフィの時は上手くいったんだよ! お前のタイプ:ヌルが頑固なだけだろ!」

「なんだと、むしろヒトミの人相に反応してるんじゃないか!?」

「おっ、言ったな! お前も攻撃されてるじゃねぇか。お前も怪しい人間だと思われてるんだよ」

「ち、違う。俺のは愛情表現だ。ヌルは不器用なだけなんだよ!」

それからタイプ:ヌルとグラジオが仲良くなるまで、一年掛かった。ゆっくりと歩く様な速度で、少しずつ少しずつ研究で傷ついた心を癒していったのだ。

 




読了ありがとうございました。ここからはポケモンのデータになりますので、興味のない方は飛ばしていただいて問題ないです。

タイプ:ヌル
じんこうポケモン
アローラ図鑑No.203

グラジオとの共同生活をもっと書きたかったけど、ネタが出てこないのでもしかしたら書き足すかもしれません。
それでは今回はここまで、次回もお付き合い頂ければ幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。