オリジナル設定、オリジナルキャラ、物語中盤から擬人化等、苦手な方はブラウザバックを推奨します。
それでも良いという方は、お付き合いください。
※追記 ガジュマルの絵を追加しました。
せせらぎの丘 最下層 試練の間
「まだるっこしい事は、わしは嫌いでの! 早速主ポケモンと闘ってもらう。準備はよいか!?」
「……やるなら、全力だ」
久しぶりの強敵に胸が躍るのか、にやりとガジュマルが笑う。それはまさしく、獲物を前にした肉食獣の笑みだった。
「いけっ、ラランテス!」
「叩きつぶせ、ヨワシ!」
二匹のポケモンが現れたのは、同時だった。一匹のヨワシを中心に、群れを成し、巨大な一匹の魚の形になる。それは全長がゆうに5mを超えていた。さらには主ポケモン特有のオーラを纏い、防御力が上がっている。
「いくぞラランテス、日本晴れだ!」
「しゃらんら!」
ラランテスが両の鎌を広げ、大空に向かって仰ぐ。それに呼応するかのように大気中の気温が上がり、太陽が眩く光り、フィールドが日照り状態になる。
ほのおタイプ にほんばれ
ポケモンによってやり方は様々だが、大気中に水分や反射物を散布し、意図的に周囲の太陽光をそのフィールドに集める技術である。天候そのものを変えてしまう様な伝説のポケモンの様な事は出来ないが、擬似的に有利な環境を作り出す事が出来る。
「ほぉ、それを買いにロイヤルアベニューに行っておったのか」
「自力で覚えるには、まだLvが足りなかったもんでね」
ほのおタイプの攻撃が1.5倍、水タイプの威力が半減、ソーラーブレードのチャージ時間が無くなる、そして。
「これでちょっとは、足場が良くなるだろ」
一時的ではあるが、水位が下がる。干上がるなんてことはないが、ヨワシの移動範囲は狭くなり、ラランテスの動ける範囲が広がる。
「がっはっは、成程な。用意周到よ、有効な作戦だ。ワシのヨワシも足は遅くての、先行をとられてしまっては、術中にはまったの」
ガジュマルは手を組み、高らかに笑う。その所作だけで、まだ余裕があるのだろう。二人とポケモンの間には力の差がある、まだ対等ではない。
「ギョオオォォ!」
水タイプ ハイドロポンプ
水中から踊りだし、内側に溜めこんだ水を一斉に噴き出す。その水流がラランテスを飲みこみ、圧力が体を叩きのめす。
「なんと!?」
ガジュマルが驚く。並のポケモンであれば吹き飛ばされる様な威力のはずが、ラランテスは変わらずその場に立っていた。
「バランス感覚と足捌きは抜群だからな」
再び水中に潜っていくヨワシの群れに、光の剣が振り下ろされる。
「ソーラーブレードだ、いけぇ!」
「しゃらんら!」
高々と振り上げた双の鎌が光を纏い、幾つもの光の束となって天を衝く剣となる。
草タイプ ソーラーブレード
太陽光を集め、体内にてエネルギーに変換し、集約して圧倒的な熱量を放つ技である。現在この技を使う事が出来るポケモンは、太陽光の変換効率と集約能力が飛び抜けているラランテスしか確認されていない。
「ギョオオォ!?」
水中にいるヨワシの群れに直撃する。何体かのヨワシが気絶したのか、ヒレや尾に少しの欠けが見られる。
「がっはっは、よいぞよいぞ! これぞ試練、これぞポケモンバトルじゃあ!」
「ラランテス、光合成だ!」
草タイプ こうごうせい
文字通り、光と水を吸収し、エネルギーを作成する技だ。日照り下では効率よく行えるため、通常よりも効率が良い。
「追いつめろ、ハイドロポンプじゃ!」
体力を回復するラランテスとそれに対抗するかのようにハイドロポンプがブチ当たる。ダメージよりも回復量の方が上回っているようだ。
「しゃらんら!」
「ギョオオォオ!」
再度同じ対面を迎える。ハイドロポンプとソーラーブレード、二度目の交差、互いが互いの全力をぶつけ合い、それでもお互い一歩も引く事無く、ぶつかり合う。
「ヨワシ、もう一発じゃ!」
「ギョオオォオ!」
「ラランテス、ぶちかませ!」
「しゃらんら!」
ヨワシの群れが激しい水しぶきを上げ、空中へと踊りでる。光の剣と水流がぶつかり、交差し、互いの体力を削っていく。
「……よくやった、良いバトルじゃった」
ヨワシの群れは傷つき、最初の大きさよりも小さくなっていた。だが、依然としてオーラを纏う力強さは残っていて、強者としての強さを保っている。それに比べて、ラランテスは満身創痍、幾度も受けたダメージと強力な技の連発、毅然と振舞ってはいるものの、限界が近い。
「あと一発、さっきの技が当たれば、危なかったかも知れんの」
ヨワシの群れは水中を泳ぎ、次の攻撃のタイミングを量っている。もうソーラーブレードを溜める時間はない。
ひでりが おさまった
もう水タイプの半減も、ソーラーブレードを放つ事も出来ない。生半可な攻撃では、太刀打ちできない技が、放たれようとしている。
「ガジュマルさんよ、勝負は下駄を履くまで分かんねェって、聞いた事無いか!?」
それは祈り
それは体現
それは生命
それは成長
Zストーンは輝き、
Zクリスタルと同調する
合わせる両手は循環を現し、
天を衝く構えは生命と成長を現す
開かれた両手は集約した力が、
その身に宿る命が開花した事を現す
ヒトミとラランテスの動きは同調し、その力に同調したのか、周囲の草花達も一斉に芽吹き、その生命力が中心のラランテスへと集約していく。
Zパワーがラランテスの身に宿る。
「がっはっは! とっておきが残っておったか! ワシ等もとっておきじゃ!」
「全部持ってけ、ラランテス!」
「しゃらんら!」
「ギョオォオォオオ!」
草タイプ ブルームシャインエクストラ
水タイプ ハイドロポンプ
溢れる光と巨大な水流がぶつかり合い、その勢いをぶつけ合う。
「しゃ……らんらぁ!」
「ギョオォォオ!??」
試練の間が、光に包まれた。
「よくやった、水の試練、文句なしの達成じゃ」
ガジュマルからヒトミへひし形のクリスタルを渡される。水色になかに水のマークが刻まれた水Zクリスタルだ。
「ありがとう……もう限界だ、うごけねぇや」
ヒトミは仰向けに倒れ、ラランテスも試練の間ど真ん中てぷかぷかと浮いている。力を使いはたしてお互い動けない、と言った感じだ。
「がっはっは、ワシもまだまだ、世界は広いのぉ」
瀕死状態のヨワシに回復役を与え、傷を癒し、健闘を讃えるガジュマル。
「……負けるとは思わなんだ。強くなり過ぎたと思っていた。だが、ヒトミとラランテスの力には敵わんかった」
一度手を水につけ、手を冷やしてから、ヨワシを撫でる。
「済まんのぉ、ヨワシ。ワシの力不足じゃ、ワシの怠慢じゃった。次は負けんように研鑽せんとなぁ……」
その言葉を聞いたヨワシは、輪を描くように泳ぎ、飛び跳ねる。
「ははっ、そうじゃ。お主も負けず嫌いじゃったの! そうと決まれば特訓じゃな!」
ヨワシも負けじと力強く泳ぎ回る。
「……あのバトルの後で動き回るのかよ、化物だな」
力尽きたヒトミは、起き上がる事も難しかった。最後にはなったZ技の消耗はそれほど大きかった。
「がっはっは、最初はそんなものじゃ、慣れればもう少しマシになるわい! とはいえ、辛さはワシもわかっておる、知り合いの家まで送ってやる!」
「……知り合い?」
「気の良い親父殿よ。釣りの仕方も親父殿に教えてもらったのじゃ! ヒトミも教わって見るとよい!」
ガジュマルはヒトミをひょいと担ぎあげ、手慣れた様子でラランテスをボールに戻す。
読了ありがとうございました。これから先はポケモンのデータなので、飛ばしていただいても大丈夫です。
せせらぎの丘 主
ヨワシ
こざかなポケモン
アローラ図鑑No.110
特性:ぎょぐん
性格:ゆうかん
Lv:69
努力値:H252 C252
実数値:H208 A244 B208 C266 D215 S42
ラランテス与ダメ
ソーラーブレード:62~74
こうごうせい:110(回復量)
ブルームシャインエクストラ(Zソーラーブレード):92~110
ヨワシ与ダメ
ハイドロポンプ:46~55
今回は、ラランテスとヨワシの同速勝負でしたが、これに関しては、初手はガジュマルの油断がラストはハイドロポンプをぶち抜いたということで、ラランテスに軍配が上がりました。データを作ってるときに同速勝負の方が熱くね!? ということで、レベル調整が決まりました。確定数いじるのにノート二ページぐらい無駄にしました。でも、結構お気に入りの勝負です。日本晴れのターン数とか、Z技とか、主ポケモンとか王道の展開にできたんじゃないかな、と思ってます。