オリジナルキャラ、オリジナル設定、物語中盤から擬人化等、苦手な方はブラウザバックを推奨します。
それでも良いという方は、お付き合いください。
ヒトミはがっちりとした体格の島キング、ハラさんに出迎えられた。5年前だとしてもそんなに見た目が変わる歳ではないのだろう。
「ようこそ、メレメレ島へ。島めぐりに来たトレーナーで間違いないですかな?」
ただ、ゲームの様な明朗快活な雰囲気はない。あるのは余所者に対する警戒心だ。
「ハラ様、アーカラ島にて二つの試練を突破した者です。何とぞ、よろしくお願いいたします」
ライチが深深と頭を下げる。それに習い、ヒトミも頭を下げる。
「お初にお目にかかります、メレメレ島島キングハラ様。己の不精進の為、御指導を賜りたく参らせて頂きました。御指導御鞭撻の程、何とぞよろしくお願いいたします」
ライチも島クイーンとはいえ、立場としていえばハラさんに比べれば弱いだろう。ヒトミは拾ってもらった恩もあってか、面子をつぶす様な真似はするまいと、会った時に話す言葉をしっかりと考えていた。
「……軟弱者が来ると聞いて警戒しておりましたが、参りましたな。そう畏まられると対応に困りますぞ」
やれやれといった感じで、ハラが頭をかく。
「礼儀はよいとして、あとは資質次第ですな。早速、実力を見せてもらいますな」
「是非もなし、よろしくお願いいたします!」
まずはハラに一揉みしてもらうところから、メレメレ島の試練が始まった。
結果はボロボロだった訳なんですけどね。
朝一番にハラの相撲の訓練をうけ、午後になってから自由時間となる。ポケモンスクールやハウオリシティ等、とりあえず散策し、次捕まえるポケモンを決めていこうかとハウオリシティに来たら、ヒトミは褐色の男性に呼び止められた。
「お前が、最近来た島めぐりのトレーナーか?」
どこかぶっきらぼうでけんか腰な若者は、ヒトミを睨みつけている。
(どこかでみたことあるような……)
ヒトミは、何か歯の奥に引っかかったような表情をする。
「あっ、はい。多分、そうだと思うけど」
「島めぐりなんて止めとけ、こんな狭い世界で一番になっても、所詮井の中の蛙にすぎない」
詰め寄る様に捲し立てられる。どうやら島めぐりに対して悪感情を持っているみたいだ。
「ちょ、ちょっと待ってよククイ! 来たばっかりの人にそれはないだろ!?」
駆け寄ってくる金髪の眼鏡をかけた細身で青年が現れた。その姿を見て、ヒトミは見覚えがあったのか、納得したような顔をする。
「ふん、本当のことを言ったまでだ。マーレインもこんな古ぼけた風習に捉われる前に真実を教えてやった方と思うだろ?」
「確かに非効率な考え方でもあるだろうけど、伝統を無下にする訳にもいかないだろ」
ククイがそっぽを向いて研究所の方へ向かって行ってしまう。
「すみません、折角アローラ地方に来てもらったのに、お騒がせしてしまって」
随分と腰が低いマーレイン。ククイがゲームとの印象が違ったからか、ヒトミは戸惑いを隠せない様子だ。
「い、いえ、大丈夫ですよ。それより、キャプテンの方ですか?」
「あ、そうか、島めぐりで来てたんですね。僕はキャプテンのマーレイン。ウラウラ島で鋼の試練を受け持ってます。今日は、折角帰って来たククイと話をしようと思ってこっちに来てたんですけど……」
虫の居所が悪かった、ということだ。というか、マーレインさんも苦労してそうだな。サンムーンの時は年配っぽくみえたのは苦労皺の所為だったのかもしれない。
「メレメレ島の試練なら、ポケモンスクールの方に行くと多分キャプテンさんがいると思いますよ。手強いとは思いますが、頑張ってください」
マーレインの丁寧な対応に、ヒトミは笑顔になる。ゲームではポケモン預かりシステムの管理もしてるし、元々世話焼きな性格なのかもしれない。
「いや、試練に向かう前にポケモンを捕まえようと思いまして、この辺で良い場所はないですかね」
ヒトミはメレメレ島なら、コラッタかモンメンとかかなと呟く。
「そうだったんですか……それなら、コイルやベトベターなんかはどうですか、ポケモンスクールの近くの草むらでゲット出来ると思いますよ」
ヒトミは申し訳なさそうだが、ガラガラには相性が悪いし、もう少し別の方向で考えますと答える。マーレインの良心に少し申し訳なさを感じつつ、他に何かいい方法がないかと考え込んでいると、ふと道路に面している家の柵に落書きのあとを見つける。
「……あの落書きってなんですか?」
「ああ、この辺はドーブルが出るんですよ。度々落書きされるんで、近隣の人も迷惑がっているんですけど……」
「それだっ!」
マーレインにお礼をして、ハウオリシティのポケモンセンターに寄り、捕獲用のボール等を購入して近くの草むらを歩く。幸いにしてモーテルも近く、厳選にはもってこいの環境かもしれない。夕暮れも近く、探すのに苦労するかもしれないと準備に時間をかけていたヒトミだが、どうやらそれほど手間は掛からなさそうだ。
「マーキングがある……そう言えば、縄張りにマーキングするって図鑑説明があったか」
これを追えば、ドーブルを捕まえる事が出来る。
「いや、この際だから特性がムラッけで、性格は臆病個体がいいな。ガラガラ対策を考えるとSはあんまり妥協できない。いくぞー!」
メレメレ島に来て一週間が経った。ヒトミは段々と島の住民にも顔と名前を覚えられて、少しは馴染んできたようだ。
「あらあら、ヒトミさんじゃないか。今日も頑張ってるねぇ」
「あざっす!」
近所のおばちゃんにおいしいみずを奢ってもらった。アーカラ島は熱帯ということもあり、水分補給は欠かせない。
「ヒトミじゃないか、俺んちにも来てくれよ。女房が綺麗にしろって五月蠅いんだ」
「あっ、いいっすよ。此処終わったら行きますね」
声をかけたおじさんが手を振って自宅に戻っていく。
え? 俺が今何をしてるって?
ドーブルのマーキングを消すお仕事してます。
「ふぅ、綺麗になったな」
首にかけたタオルで汗を拭き、立ちあがりストレッチをする。ずっと同じ体勢で壁を磨いていたのだから、定期的に動かさないと体が固まってしまうのだろう。
「……しかし、いざ探すとなると中々見つからないもんだな」
そう、捕まえるポケモンを決めた所までは良かったのだが、中々夢特性のドーブルが見つからない。さらに、足の速い個体を探しているので、遭遇難度は跳ねあがってしまっている。行き詰ったヒトミは、とりあえず、ドーブルについて調べてみる事にした。そうして、個体によってマーキングする形や色が違う事、近辺に多数存在していること、そしてブティックにドーブルのマーキング落としという洗剤を見つけた。
「……これだ」
その日から街の至る所にあるドーブルのマーキングを探しては消しまくった。マーキングを消す事によって、消した犯人を探しにドーブルがやってくるという算段である。なおかつ、マーキングの色や形を記録しておくことで、ヒトミなりにドーブルの法則を探そうと試みたところ、ある程度推論を立てる事ができた。足の早い個体はマーキング間の距離が広く、HPの高い個体は、マーキングの数が多い傾向がある。マイペースな個体はマーキングの形が崩れる事が少なく、テクニシャンな個体はやたら凝ったデザインが多い。そう考えるとムラッけはマーキングにバラツキが多い個体かもしれない……まだそのマーキングは見つかってはいないが。そうやってヒトミのドーブル探しが一日、二日と続いていくと、街の人からありがたがれ、差し入れを貰ったりするようになった。ハラもその行為自体はそこそこ良く思ってくれているようで、朝の訓練が終わったらドーブルの落書き消しという慈善作業に勤しむ事になった。
「うん、綺麗な壁はうつくしいな!」
読了ありがとうございました。ここから先はポケモンのデータになりますので、興味のない方は飛ばしていただいて問題ないです。
ドーブル
えかきポケモン
アローラ図鑑No.058
特性:マイペース、テクニシャン
夢特性:ムラっけ
まだ出てきていないので、個体値などは次の機会に。