成層破戒録カイジ   作:URIERU

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カイジ、活路……!

相手の射撃は掠めていく……千冬の言う通りジリ貧……!

このまま続けられれば……手も足も出ず……負け!しかし……

 

「すこしは目が慣れましたのね。では、視覚外からの攻撃はどうかしら?」

 

出てくる……!ブルー・ティアーズを象徴するBT兵器……!出さない訳がない……!

 

それを見てカイジ……ライフルの両手持ちをやめて……空いた片手に取り出す……!

六二口径連装ショットガン……通称レイン・オブ・サタディ!

この一週間費やしていたのは……射撃と機体制御……!

自分か相手の動きどちらかが完全に止まっている……

そんな戦闘中あり得ない射撃の訓練……!

 

「(躱すのは厳しい……やっぱり狙ってきやがる……死角……!ハイパーセンサーがどれだけ有能でも……それを処理するのは……俺……!どれだけ視界が……広くなったとしても……とどのつまり……人間……!対応が遅れる……真下や真上、背後ってのは……!)っくそ……!致命傷だけは……!」

 

死角の動きへと集中……BT兵器の動きを追う……カイジ……!

 

「あらあら、ダンスのお相手を忘れてはいけませんわよ……!」

 

「……!」

 

背後へ向かうBTに気を取られた……その隙……逃さず……!

オルコット自身からの……狙撃……!

だが……背後を取ったBTは……沈黙……放たれない……レーザー……!

 

「(やっぱり、確定……!BT兵器からは……攻撃は来ない……!)無作法者でね……マナーがなってないんだ、俺は……!」

 

回避……被弾……回避……被弾……!避けきれずに溜まっていくダメージ……!

SEがじり……じり……と減っていく、カイジ……!

 

「被弾率が上がっていましてよ?っ……!」

 

またもオルコットが話しかけてきたその瞬時……!

そこをついてライフルを射撃、オルコットへ向けて……!

慌てて避ける……!そして止まる……カイジのすぐ近くで……BT兵器……!

 

「的が小さいなら、面で叩く……!制圧射撃……!」

 

手近な止まったBT兵器へ散弾連射……!だが、外れ……破壊には至らず……!

 

「残念ながら、命中はしなかっ……!動かないですって……!?」

 

「っへ、脳波コントロールもできる!ってのは、ずいぶんと精密機械みたいじゃねぇか……!なら、壊れる……!ちょっとの衝撃でも……!脆い……脆弱……!」

 

実る……カイジの一点突破……その訓練……!

 

自身で弱点は気づいているんだろうが、俺は気づいていないふり……!

オルコットとBT兵器の同時攻撃はないってこと……!

もし奴とBT兵器が同時に動いているなら……!

その時にはまずBT兵器からの攻撃は飛んでこない……!

 

「(あの武装のチョイスといい、機をてらったかのような射撃といい……わたくしの研究はしっかりとしていると見るべきですの……?だとしても、そんなこと関係ありませんわ!)その程度の事でこのブルー・ティアーズを落とせるなどと思わないでくださいまし!」

 

その後も応戦が続き……カイジは狙う……彼女が止まるその瞬間を……!

オルコットのSEも少しずつ減る……BT兵器も……追加で一基を落とした……!

しかし、SEが減る速度はカイジのほうが早い……!

 

「もう最後の一発といったところかしら。中々に楽しめましたわ。でもこれで……終わりですわ!」

 

スターライトMkⅢをカイジへと向けるオルコット……!

放たれる、止めの一撃……!

 

フィナーレはブルー・ティアーズではなく、スターライトMkⅢ……!

彼女の公式戦を研究・分析した結果……フィナーレはご自慢の狙撃……!

背後からBTを命中させて終わり……そんな呆気ない幕切れは好まない……!

そういう、派手好きな性格……!カイジの分析……!読み、当たる……!

この時ばかりはBTも気にせず……突撃できるということ……!

カイジ……躱す、この時ばかりは紙一重……しかし、完全に……!

そしてライフルを投げ捨て、右手に表す対レーザーシールド……!

突撃しながらも……二発目は完全に防ぐ……シールドを用いて……!

仕掛ける……接近戦……レイン・オブ・サタディとシールドによる……!

 

「(中々いい選択ですわね。でも、BTはもう二基ありましてよ。そのシールドにはうってつけの……!)残念でしたわね……!そのシールドでは防ぎきれなくってよ!」

 

発射……ミサイル……!容赦なく襲い掛かる……実弾兵器……!

防ぎきれない、そのシールドでは……!どうなる……カイジ……!

 

 

再びピット内部……試合の行く末を眺める教師、二人……!

 

「伊藤君……頑張ってきたけれど、もう……」

 

「そう思うか……?山田先生」

 

「え?どういうことです、織斑先生?」

 

「伊藤の顔。絶体絶命の状況なのに笑っていた、なによりも目が諦めていない……!それに引き換え、オルコットの勝ち誇った顔……こういう時に起きるんだ、逆転というものは……!」

 

「……!」

 

「それに、伊藤は研究し尽くしている……オルコットの、癖……弱点……武装……つまり、まだ……ある……!何か、隠し玉……オルコットの動きを、読んだうえで……!(お前は何を見せてくれる……!お前はあと一撃で終わり、オルコットのSEは残り300……距離を詰めたサタディで絶対防御を発動させても5発はかかるぞ……!さぁ、見せてみろ……!)」


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