成層破戒録カイジ   作:URIERU

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カイジ、畏怖……!

IS学園寮……ここはオルコットの部屋……シャワー中……サービスシーン……!

が、駄目……!この小説には……挿絵、無し……!

 

「カイジさんには改めて謝罪にいかなければなりませんわね。世話の焼ける甘い人……ですが、今までに見たことがない優しき心の持ち主ですわ……」

 

智謀を尽くし、策略を張り巡らせ……たった一週間で、このわたくしに迫った……!

第一印象は冴えない風体の情けない男……侮辱をされても言い返さず……

決闘に対しても消極的……ワタワタ、オロオロ……

わたくしに、オルコットの名に群がってきていた有象無象……その類型……

 

しかし、追い詰められたら一転……ブリュンヒルデ相手にすら引かない姿勢……

啖呵を切ってみせて……それを口先だけではなく……見事ものにした……

なのに、打たない……相手の身を気遣って……自らの戦略の……その最終面……!

たどり着いても……試合の最中だというのに……ぼろぼろと泣き出して……打たない、と……

 

男らしさとは強く誇り高きもの……わたくしの求める男性像……

まるで逆……みっともなく泣いて……引き金を引けなくて……

それでも、カイジさんの優しき心は……強く誇り高きものであった……

心が優しいから……あの場面で泣いて……わたくしの心を救った……!

 

人のために、自分のために……泣くことができるという強さ……

あの方は、女性からみれば立派な、男らしいと言えるような……

そういう方ではないのかもしれませんが……でもあの時、カイジさんほど……

立派な方はいない、そう思えましたわ……例え、誰が認めなくても……!

 

自室でシャワーを浴び終えて、着替え……向かう、カイジの部屋へ……

 

「あの、失礼いたします。伊藤開司さんはいらっしゃいますか?」

 

こん……こん……!とノックされる扉。聞こえてくるのはオルコットの声……!

 

「かーくん、オルコットさんみたいだよ~」

 

カイジ、ベッドに寝転び疲れを癒していた……そこへ来客、カイジに……!

 

「は……?なんで俺……?なんか用でもあんのかよ……」

 

「さぁねぇ、早く出てあげたら~?」

 

扉を開けるカイジ……そこには湯上りのセシリア・オルコット……

上気した頬と、ストレートになっている髪型、そしてふんわりとした匂い……

 

「……う、どうした……なんか、用事でもあったか……?」

 

美女……控えめに言っても……整った容姿……ナチュラルブロンド……誰でも、狼狽える……!

当然、カイジも……だが見たくない、頬に傷のある、尖った男……顔を赤らめている姿など……!

 

「今日の事、いいえ、今までの事を含め改めて謝罪しに来ましたの」

 

「は……?別にいいって、もう謝ったじゃん、お前……あんな大衆の面前で、頭下げて……十分だって、それだけで……中々できることじゃない……!」

 

「それはそれ、これはこれですわ。カイジさんと戦ったからこそ、ああして謝罪が出来たのですわ」

 

「(なんだよ、こいつ……別人、まるで別人……物腰……試合の時とはまるで別……!)あ、あぁ……そう。受けとったから、謝罪……じゃあな、ご機嫌よう……!」

 

そういい、扉を閉めようとするカイジ……!正しく暴挙……!

二の句を継がせず……ぶった切る……流れ……会話……!

 

だが、カイジに痛み走る……!抓られる腰……!

音もなく背後に迫った布仏……!許さない……!そんな暴挙……!

自らもされた……!シャットアウト……一方的……!

 

「そう無碍に扱わないくださいまし……お願いですから……」

 

しょげかえるオルコット……やめろって、なんで悲しそうな顔するんだよ……

背後は無言、しかし満面の笑顔の布仏……前虎後狼、カイジに退路なし……!

 

「(俺に何をしろってんだよ、これ以上……!)今日の試合だけどな……散々油断を誘った挙句の結果だから、とりあえず気にすんなよ……普通に来られてたら負けてたし……!っ……!」

 

強まる腰の抓り……!不合格……!

 

「そうじゃねぇって、この駄目男……ボソ」以下本音は小声

 

「(こいつ、被ってやがる、猫……!?)」

 

「どうなさいまして……?」

 

「褒めるんだよ……なんか褒めろ……!」

 

何を褒めるんだよ、いきなり……!女はちょっとした変化を褒めろって……

坂崎のおっちゃんに言われたっけか……?

 

「えぇ、と。その、オルコット……その髪型もいいんじゃないか……?普段のドリルも悪くないけどっ……!」

 

ただ、風呂上り……ストレートにしただけの髪型……!それと、ドリルではない……!

 

「ドリルじゃねぇよ……ツインロールだ……!」

 

「そ、そうですの?わたくしはあの髪型のほうがどうにも落ち着きまして……それにわたくしのことはセシリアとお呼びくださいまし。他人行儀ですわ」

 

「いや、その、名前で呼ぶ習慣とかないんだ、俺……悪いけど、オルコっ……!」

 

「このタコが……」

 

チクリと刺さる……もはや抓っていない……突きつけられている、フォーク……!

 

 

なんだこれは……!許されない……カイジに……こんな甘々空間……!

美心とだけ……美心で十分……カイジには……!つまり、続かせない、こんな空間……!

訪れる、刺客……ただしカイジにではなく、オルコットに……!

 


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