成層破戒録カイジ   作:URIERU

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カイジ、欠場……!

そして、その頃……織斑・デュノアの部屋では……

発生……ラッキースケベ……!当然バレる……デュノアの正体……一夏に……!

 

「え、えと。シャルロット……?」

 

から、お茶をこぼして胸を押し当てるあざといシャルロットさんまで早送り。

 

「なぁこれってカイジも知っておかないとまずくないか?どうしても同じ男性操縦者として、更衣室とかで一緒になったりするわけだし。なによりカイジって色々考えているっていうか、気付くっていったらいいのかな?なんか、色々思いつきそうだし」

 

「あ、うぅんと、ね。あんまり知っている人が多いと不味いことになりそうというか。別に伊藤君が言いふらすとかそういうのを心配してるんじゃないんだよ?ただ、ね」

 

デュノアが言われたことから考えれば当然……自分から女だと報告するなど……

もはや自殺行為……断崖絶壁に身を投げ出す行為である……

 

「うーん、このまま黙っていても近い未来にバレるような。さっき言った通り、よく気付くからなぁ、カイジって。まぁカイジのことは一旦置いておくか。で、シャルルはどうしてこんなことをすることになったんだ?」

 

「かいつまんで説明中」

 

原作セリフを大幅コピーすることになるので、カット!

でもISの原作知らないorうろ覚えな方のためにダイジェスト+α!

やたら文章ばかり、流石に面倒かつ読みづらくなるので福本節も採用しない。

では……

 

 男装をして入学してきたシャルル・デュノア、改めシャルロット・デュノア。

 

 彼女がなぜそうしているのかといえば、社長かつ父親であるセドリック・デュノアの命令によるものである。現在デュノア社は経営危機に陥っている。自社のラファールリヴァイヴは、量産機ISシェア世界第三位とはいえ所詮第二世代型。ISの開発は巨額の資金を必要とするため、シェアがいくら多かろうと結局は国からの支援があって成り立つのである。

 

 そしてここで一つ話を挟もう。

 

 フランスの所属する欧州連合は統合防衛計画「イグニッション・プラン」を推し進めている。それへの参画を果たすことは急務なのだ。フランスは現在自国内で第三世代型をものに出来ている企業がなく、プランから除名されている。国防の観点と、資本力で負ける国がさらに出遅れることは致命的なため、打開策が必要となった。

 

 ちなみにセシリア・ラウラも「イグニッション・プラン」のことがあるため、第三世代機のデータ採取に来ています。これが今作の6話「決起」に繋がっている。データ採取も重要な仕事であるセシリアに、訓練機を使わせるのは実は難しいのだ。決して千冬さんがクソ野郎な訳ではない。白式にしてもフィッティングの必要性、模擬戦というデータ採取に最適な場面を逃す訳にもいかないのだ。原作・アニメ見てても忘れている人は多いと思う。

 

 ただイギリスのティアーズ型は、BT適正を必要とするため人を選ぶ。国防・防衛計画という普遍的にあまねく人材がつける必要がある、そういうことを丸無視したクソ兵器である。そんなのでトライアルできるわけないだろ。いや、してるんだけども……これがもしイギリスの英国面に落ちた、珍兵器の元凶と言われる部分を再現したのであれば、流石弓弦イズル様と言わざるを得ない。

 

 失礼、話がそれましたな。では、話を戻しましょう。

 

 そのため、フランスも早く第三世代型を試験機でもいいから完成させて、「イグニッション・プラン」のトライアルに参加しなければならないのだ。だが、デュノア社の第三世代型の開発の状況はお世辞にも芳しくなく、データ・時間ともに不足しており形になっていない。第三世代機を物に出来ないデュノア社は政府から予算のカットがされている。さらには次のトライアルで選ばれなかった場合は援助の全面カット、更にIS開発許可も剥奪という流れになっているのだ。自国民の事を全く考えていない全くもって鬼畜なフランスである。さすがに馬鹿なんじゃないのか?

 

 そしてそれが今回のデュノアの男装入学と繋がるのである。シャルロットはセドリック・デュノア(現社長)の愛人の娘であった。当然シャルロットの母親と一緒に別居していたがその母親が死去した際に、無理やり家へと連れていかれたのである。そこからは色々と検査を受けて、IS適正が高いことが判明してからはデュノア社のテストパイロットをしていた。そして前述した経営危機から、厳しい(仮)スパイ訓練を受けてシャルロットが送り込まれることになったのだ。シャルロットの目的は、男性操縦者との接触、及び第三世代機である白式のデータ採取である。採取、もとい盗みだ。それらのデータを使用して第三世代機開発の糧にしようというわけだ。

 

 そしてここで一夏が持ち出した解決策が学園特記事項第二十一、本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする。これにより学園にいる三年間は手をだせないから大丈夫ということになった。

 

 ここまでが、原作の流れとなっております。この後は作者の考えですが、本作品に深く関わることもあるので、読んで頂けると幸いですな。

 

 ただ、特記事項二十一には原則とついている。絶対、ではないのだ。犯罪犯しても警察組織からの追及受けませーんとか話にならないのだ。そもそも学園から退学させられるだろうけど……でも退学させるにしても、警察に捕まって犯罪にならないとなんの理由で退学させるのってなるけどね。

 

 現在ISコアの数が限られ、さらに作れないという状況で、専用機持ち、つまり自国の貴重なコア持ちが学園にひきこもると宣言して、それに手を出せないなんて、許されるはずがない。国防の力が落ちるという観点からすればテロ行為とさえ言える。

 

 そして今回のフランスの所業は他国からすれば完全かつ重篤な違反行為であり、貴重な男性操縦者と無理やり接点を作るなどある種のテロ行為。テロには妥協しないという欧米の基本姿勢をも馬鹿にしているのだ。欧州連合から蹴られかねないぞ!イグニッション・プランとか寝ぼけたこと言ってる場合じゃないぞ!フランス!そしてフランスはドイツ(レーゲン型)・イギリス(ティアーズ型)・イタリア(テンペスタ)に綺麗に睨まれている!攻め込まれたら瞬殺だ!

 

 前話で千冬が言っていた「戦争さえ起きかねないんだ……」というのはこの部分の考えが元になっております。千冬がどうしてもカイジを遠ざけたかった理由のメインですね。カイジに不測の行動、特に攻撃的な行動を取られた場合、重大事になりかねないという懸念があったのです。最早、個人の問題で済まない、と考えているのです。

 




カイジの焼き印21と学園特記事項21、やはりISとカイジは結ばれる運命にあったのだ……!なんたる偶然……!

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