成層破戒録カイジ   作:URIERU

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推理パート4

折角の三連休やし、早めに推理パートを終わらせておこうかなって。


カイジ、飲謀……!

千冬はともかく……訳は分からずとも……実行……!

先日のVTシステム事件……その悪影響を受けていないか……

そんなよく分からない理由をつけ……デュノアの専用機、回収……!

 

「当日の会話ログか、試合周辺のものをピックアップしてみるとして……む?担当官との会話で……エネルギーの受け渡しについて、話している……?そしてコアバイパスの解説書……今日伊藤が何かに気付いた……そうなったのはコアバイパスの話の最中……コアバイパスという言葉を聞いた瞬間だった……しかし、エネルギー転送は失敗している……というよりは伊藤が止めさせたのか……これを止めたことにより……零落白夜が使えなかった……フランスが……零落白夜を使わせようとしていた……?確かに妙だが……これだけでは確定的な証拠にはなり得ない……さらに何かあるというのか……?」

 

延々と悩み……五里霧中……孤立無援……悩みに悩む千冬……!

部屋で唸り、考えるも……差し込まない……日の光……雲の切れ間を求める……!

そこへ、来客……!もう生徒は就寝の時間……聞こえてくるノック……山田先生か……?

返事をする間もなく開くドア……そこから顔を覗かせたのは……まさかのカイジ……!

 

「おい、勝手に開けるな……!」

 

「邪魔するぞ……って、うわ、きったねぇ。坂崎のおっちゃんの一人暮らしのほうがましだぞ、これは……」

 

惨憺たる状況……部屋のあちこちに様々な銘柄の酒の缶と瓶……脱ぎ棄てられた衣類……!

 

「伊藤……お前、いきなり教員の部屋に押しかけて……ドアまで開けるとは何事か……!」

 

「いや、一杯やろうと思って……ほら、焼き鳥あるぞ……ビール、あるんだろ……?この部屋、飲んだくれ……!」

 

どうみても飲んだくれ……呑兵衛の部屋……ないはずがない……ビール……!

 

「お前は教員まで酒盛りに誘うのか……!って勝手に上がるんじゃない……!」

 

ずかずかと上がり込んでいくカイジ……まるで遠慮は見られない……!

 

「お、これが会話ログか……担当官からの指示だったか……解説書まで添付とはご丁寧なこって……」

 

ちゃぶ台に乗せられていた資料……勝手に手に取って読むカイジ……!

 

「お、おい……お前いい加減にしないか……!女性の部屋に上がり込むなど……!」

 

「40の一人暮らしのおっさんより汚い部屋……それで女の部屋とか言ってんじゃねぇぞ……!ともかく、飲む……話はそれから……!」

 

比較対象があの坂崎……それよりも汚いというのは女性として致命的……!

 

「飲むって、お前な……!まだ未成年だろうが……!教師が生徒に飲酒などさせるか……馬鹿者が……!」

 

流石の剣幕……怒りの形相の千冬だが……カイジ、お構いなし……!

 

「俺もついつい酔っぱらったら……あることないこと……喋っちまうかもなぁ……?あんたも、飲んだくれたら、俺が飲んだことも忘れてるだろ……?翌日には……!」

 

そう言いながら、冷蔵庫より取り出す……ビールを2缶……!

千冬の事は完全に無視……ちゃぶ台の前に座る……!

 

「ほら、座りなって……どうせ、行き詰まってるんだろ……?ビールと焼き鳥……!これでもやりながら、気楽に考えなって……!」

 

「全く、お前のような生徒は前代未聞だ……なにからなにまで……えぇい、乾杯だ……ほら!」

 

観念したかのように……相対するように座る千冬……!乾杯……!

 

「話が分かるじゃねーか……!っうし、乾杯……!っんぐ、んぐ、っぷはぁ~……あぁ、犯罪的だ……うますぎる……久しぶりのビール……!染み込んできやがる……体に……!で、この売店の味の濃い焼き鳥を……っかぁ~、うめぇっ!たまらねぇ!」

 

「お、お前というやつは……私でさえ呆れるほどの堂にはいった飲み方ではないか……なんということだ……!」

カイジの飲みっぷり……その様相に空いた口も塞がらない千冬……!

 

「こまけぇこと気にすんなって……!っはぁ~、それにしても大変だよなぁ、一端の教師の仕事かぁ!?国家間の陰謀に巻き込まれてぇ……戦争回避に躍起になってぇ……っはは、馬鹿馬鹿しくなってこねぇのかよ……!」

 

最早教師の仕事ではない……外交官や政府高官の仕事である……!

 

「っんぐ、ごく、っはぁ……私だって相応に疲れてはいるし、なぜこんなことを、とも思う時だってあるさ……でも、生徒が陰謀に巻き込まれている、どうにかしてやりたいんだ……例え茨の道でも……」

 

それでも、彼女も……いくら厳しかろうと……出来るだけのことはしたいのであった……!

 

「そうだ、おしゃべりする前に……一つだけ言っておく……これはラウラに繋がりかねないことだから、俺は手を貸す……自分の行ったことに責任を持つために、だ……!だから、これはデュノアのためでも、あんたのためでもねぇ……!そこは理解しとけよ……!」

 

「あぁ、この焼き鳥のむつこい味……いいチョイスだ、全く……それをビールで流して、ごく、んぐ、っぷはぁ……おい、そこのポテチも出せ、見えてるぞ……!で、いまこの暗雲……雷鳴……豪雨……一寸先も見えない濃霧……ここから道を示せるなら最早なんだっていい……御託なんざくそくらえだ!」

 

最早千冬にはデュノアの活路が見えなかった……戦争回避のためにはあの少女を犠牲にする……

それ以外の解決策……どうあがいても思い浮かばなかった……!

 

「ったく、目ざといんだから……!やっぱりこの塩味……!そして、水分を欲してる口へ、さらにビール……!さいっこう……!で、今回の事はさっきも言った通り……ラウラの件と糸が切れねぇ……ラウラのことはひとまず安泰ってとこだが……うざってぇ策謀の糸……すべてを切り離さなければならない……!ってこと」

 

「ラウラの件とまで繋がっている……そういうのか……?本当に国家間の陰謀ではないか……!そうだ、デュノアのためではない……そう言ったな……前にデュノアと話して、お前はどう感じたんだ……?」

 

「陰謀に巻き込まれた可哀想な箱入りのお姫様……そこに現れた白馬、ならぬ泥船に乗った王子……沈むしかない愛の逃避行……!そんな感じだな……!」

 

「辛らつだな……全く……おい、チューハイを出せ……お前が冷蔵庫に近い……!」

 

そう言われ、カイジ取り出す……缶チューハイ2本……追加……!

 

「俺も、もらうからな……!まぁ印象なんかどうだったっていいだろ……とりあえず、正直いい気はしない奴らだった……哀れにはなったがな……!お、柿ピーか!みんなで欠片を分け合ったのも……今となってはいい思い出だぜ……!」

 

千冬の部屋にあった柿ピー……当然無断開封……食べる、カイジ……!

 

「柿ピーの欠片を分け合う生活って一体なんなんだ……で、お前の今から話すことには……デュノアの安否は含まれているのか……?もし含まれていないのであれば……」

 

当然、千冬が持つ疑問……デュノアのためではない……いい気はしない……

その言葉からは不安……当然、デュノアの安否……自分の気に掛けるところ……!

 

「受け入れられない……だろ?あまり舐めるな……俺を……!お前も納得できると思った案……そうじゃなければ……わざわざ持ってこない……!」

 

「いや、印象やらを聞く分には……デュノアの事など目に入れていない……そう思ったのでな……」

 

「俺も、極悪非道、無慈悲って……そういうわけじゃねぇ……専用機の情報を盗んだり、敵対行動取ったんなら……その時はどうなったか分からんが……奴はそうしなかった……そこだけは認めている……」

 

「それが、お前にとっての境界線なのだな……誠意を見せるかどうか、と言っていたやつか……」

 

「そうなるな……さて、本格的に酔っちまう前に話そうか……!」

 

「----------!」

「------!?-----!」

「----?--------!」

「---!」

 

「バカげてる……!バカな話だ……しかし……天才的だ……!悪魔染みてる……!」

 

「よっし、話は纏まったな……!じゃ、飲み明かそうぜ……!んで、これが終わったら打ち上げ……!また、飲むんだ……!それが今回俺が提供してやった……提案……交渉内容の代金……!」

 

カイジ、暴挙……またも教師を酒盛りへ誘う……!当然これを拒否する千冬……!

 

「えぇい、どんとこい……!そんなことで済むなら安いもんだ……!ほら、こいつを飲め……!私の秘蔵の日本酒、西城鶴……神髄だ……!」

 

しない……最早千冬酔っている、完全に……!そして、断り切れない……!

いまの絶対的危地を救う案、交渉内容……最早お礼の言葉などでは済まない……!

 

「っくぅ~、そうこなくっちゃ……!っかぁ~、染みる……!日本酒も悪くねぇな……!」

 

話は纏まった……そして、飲み明かし……そこには酔いつぶれて熟睡……カイジと千冬……!

 

 

翌朝、千冬の部屋……!

目覚めたときの惨状に頭を振る千冬……生徒と飲み明かすなど……

いくら考えが行き詰まり……助けが欲しいとはいえこのような醜態を晒すとは……!

 

「うぐ、ずいぶんと飲んでしまったな……おい、伊藤……起きろ……!」

 

「んぁ……あ、あぁ……そういや、あんたの部屋で飲み明かして……そのまま寝ちまったんだったな……ぐぅ、頭いてぇな……」

 

「お前は午前は休め……流石に酒臭い生徒は不味い……部屋でおとなしくしていろ……私は、香水で無理やり消す……!」

 

「うーぃ、わぁったよ……じゃあ、頑張ってな……」

 

「バレないように……部屋に戻れよ……」

 

カイジはのろ……のろ……と部屋に戻っていった……!

千冬はずき……ずき……と痛む頭を抱えながら教室へ向かった……!

だがこの頭痛は二日酔いか……それともカイジの策に頭を痛めているのか……

千冬にもそれは分からなかった……!

 




「私の秘蔵の日本酒、西城鶴……神髄だ……!」千冬のセリフ内に出てきたこのお酒。筆者が最も贔屓にしている酒造メーカー、西城鶴の極上の一品である。いつか千冬にこの酒を買いに行かせたいと思う

そして次回解答パート、投稿日時は3月20日18時00分
今回はシンプルにどんな交渉をフランスとすれば、シャルロットちゃんを助けられるかです。今ある情報や無理のない程度のはったり等々、頑張って運命を切り開きましょう。

デュノア救済編 推理・解答パート用
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=144541&uid=156312

ヒント「虚もまた真実」「女性として再入学」

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