朝食を食べ終えた生徒たちは浜辺へと集合……
そこには見慣れないコンテナが複数個置かれていた……
校外へと持ちだせるISには限りがある……学園の防衛という観点もあれば……
防衛手段に乏しい外部に……貴重なコアを持ちだせないからである……
よってISの各種装備のテストは外骨格攻性機動装甲……通称EOSを用いて行われる……
現在国連が開発中のものであり災害救助、平和維持活動……それらの運用が想定されている……
国連側としては実稼働データが欲しい……そのためこの場に貸し出されていた……
ここまで言えばコンテナの中身……それがEOSであることは明白であろう……
「諸君も知っての通りISコアは貴重だ。この校外実習へ持ち出せる数には限りがある。そのため今日はEOSを使って各種装備のテストを行う。グループごとにEOS1台が割り当てられる」
この臨海学校に来る前の予習として……生徒たちは一度はEOSに触れている……
「織斑先生、試験装備の中にはISでしか運用ができないものもあるのではありませんか?」
「その通り、良い質問だデュノア……しかし、それらの装備はだれが担当すべきか、言わずとも分かるだろう……?」
そう、これは自明の理……当然それらの担当は専用機持ちになる……
「はい、それもそうですね。すいませんでした」
「謝るようなことではない……さて、時間は限られている……そして、貴重だ……それぞれグループのリーダー、専用機持ちに従って実習を開始しろ……!」
1組には専用機持ちが集中しているためのグループ編成……
本来有り得ぬ5人……いや、正確には昨日6人になったのだが……
そのことはまだ秘匿事項とされていた……予定の変更が間に合わなかったこと……
さらに束より箒へ手渡された専用機「紅椿」……その場には専用機持ちと千冬がいたのみ……
1組のクラスメイトのほとんどはその存在を知らなかった……
昨日の今日で急に専用機……第四世代型をこの場で披露……
そんなことをすれば無駄に時間を失うばかりか……生徒達からのやっかみなど……
今対処すべきでない厄介事が発生するのは目に見えているのである……
「かーくん今日はよろしくね~」
「伊藤君、頑張ってよね!」
「あははー、伊藤君は頼りないからなー!」
そう声をかけるのは布仏、相川、岸原の三名……皆さんお忘れの事と思う……
24話「望怠」以来の登場である……!ようやく出番が回って来た相川清香……!
そして、同じく岸原理子……!え、誰それってちゃんと自己紹介したし……
残りのグループメンバー……鷹月、四十院、夜竹の3名……合計7名である……
だれがどのセリフかは想像で楽しんでください……
「(ったく、こういう所は専用機持ちの面倒な側面……なにかと表へ立たされる羽目に合う……いや、専用機がなければクラス代表として、に文言が変わるだけか……まぁプリントに沿ってやっとけばいい話、か……)さっき織斑先生も言った通り……俺に割り当てられている試験装備がある……まずはそれで実演するから流れを把握してくれ……」
そう言いISを纏うカイジ……置かれているコンテナよりレーザーライフルを取り出す……
ISよりエネルギー供給の必要があるレーザーライフル……これは代表的なIS用装備と言える……
無論実験施設内部や設置型など……外部エネルギー供給が出来ればその限りではないが……
「まずは、安全チェックね……添付の文書に従って……なんだこれ、無茶苦茶多いじゃねぇか……一々読んでられっかよ……」
流石に試験するものが兵器なだけはある……一つ一つに膨大な注意書きが書かれている……
カイジはめんどくさそうに文書を一瞥して顔を顰める……
そしておもむろに最後の方のページを読み始める……当然その姿に不安を覚えるメンバー……
「だ、大丈夫なのでしょうか……」
「そこはかとなく不安を感じますね」
「でも、たしかにあの量全部読んでたらテストする前に日が暮れちゃうよ」
そしてカイジは目当てのページ……試験の流れ……この文章を見つけ出す……
「こんなもの読んでると日が暮れちまうから……そう、これは無視して……最後にあるテストの流れ、これをやれば問題ない……」
我が意を得たり、としたり顔のカイジである……しかしそこに近づく影が一つ・・・・・・!
「大ありだ、馬鹿者が……!貴様はISを身に纏っているからいいが……他のものは生身なんだぞ……!」
いつの間にか背後に寄っていた千冬……当然叱り飛ばす……
「別にこの装備リスト全てをやるわけではない……最低ひとつでもこなせば8クラスですべての武器のテストが終わる……他グループと被っているものもあるしな……」
「へー、そうなの……じゃあそうだな、みんなで話し合って一つ……テストしたいやつを選んどいてくれ……その間に俺はこいつを読んでおくとしよう……」
そう言うやどれがいい……あれがいい……姦しく話し合いを始める少女たち……
それを尻目に仕様書へと目を走らせるカイジ……頭が痛くなるが仕方ない……
自身はISを纏っているため何かあっても守られているが……彼女たちは違った……
あまり迂闊なことはできない……流石に真面目にやらざるを得ないカイジ……
カイジが仕様書を読み終えるころ……彼女たちもようやく話が纏まったようである……
「かーくん、このカートリッジ式のレーザーライフルに決まったよ~」
ドイツ製カートリッジ式レーザーライフル、ヴァイス・ブリッツ……!
「あ……?EOSってレーザー……エネルギー式は……使えないんじゃなかったっけ?」
「そこはカートリッジだから供給なしでもおっけ~!だってさ」
「カートリッジで外部供給の問題を解決か……しかし、従来型より威力は劣る……わざわざ後付け装備するほどのものでもないか……」
カートリッジ式である以上……自らのENを消費しない……持っておくには悪くない装備……
しかし、後付け装備の容量には制限……それを消費するほどの魅力はなさそうである……
「いやいやかーくん!ここからが、これの面白いところなんだよ~。ISで使用する際にはカートリッジにエネルギー供給が出来るみたいで、従来より高威力になるんだって~。そしてリチャージも出来る!」
結局カートリッジ式の利点……自らのENを消費しない……これをぶち壊しているが……
それでも、従来より威力が高いというのは魅力的……そしてある種の危険性……
「(それはIS以外でも供給設備をどうにかすれば……EOSでもISで使われているものより……強力なレーザーライフルが使える……ってことじゃないのか……?)へーぇ、それなら案外悪くないかもなぁ……命中精度に未だ難のある俺が使うのには……ちょっと辛いけどな……」
EOSには機動性がほとんどない……装備したとしても防御面は頼りない……
しかし、固定砲台として防衛拠点に設置するならば十分な性能である……!
自分自身が使うには、その腕前……リチャージ可能でも難しいものがあった……
「たしかに連射したり牽制に使うのには難しいかもしれませんね」
「でも、一撃にロマンを持たせたり大逆転にはいいかも?」
「というかそれを試験するってことは……つまり、俺にもそいつの機能を確かめろって……?」
EOSでも試験は可能だが……どうみてもメイン……肝となるのはISでの使用時のはずである……!
「察しがいいねぇ~かーくんは。私たちもどうせなら自分達だけで終わらない装備のほうがおもしろいからね~」
「それって、俺もその仕様書読まないといけないってわけ……?」
布仏の手中にある仕様書……自身がいま読み終えたもの……それより分厚くなっている……
「そりゃあね~、私たちはIS用のところは読んでないからね~」
「……まぁ俺はISのところだけ読めば労力は半分だな……!それくらい許されるだろう……というか、時間が足りない……」
予定は詰まりきっている……他の組の試験時間を奪うわけにも行かないのだ……!
落ちなし、山なし。意味はある。原作では臨海学校がただ海で遊んだだけみたいに一般生徒はなってたけどいいのかよ。