今回は学園生活の話になります。
最初は短いですが楽しんでもらえると嬉しいです。
それではどうぞ。
ふと目が覚める。
何故か周りが教室になっていた……
……えっ? なんで?
「あ。起きた?」
「穹は居眠りしても、寝顔は変わらないわねー♪」
そう言ったのはラムダと羅奈……なんだけど……
「あんた達、次の授業当たるのに、そんな悠長にしてていいのぉ?」
そして、僕の隣にいた戦人がラムダに一言。
「お前……何その……制服のコスプレ……受け狙い……? ないわ~……」
「剥ぐわよ」
そう。
何故かラムダが学校の制服を着ていたのである。
似合ってるけど……どう反応すればいいか分かんないのが本音だ。
「なぁ、なんで俺や穹も制服を着てるんだ……!?」
「……ほんとだ。戦人に言われるまで全然気づかなかった……」
「あんた達、何も覚えてないの?」
そんな事を言われても覚えてないのが現状。
思考を巡らせ、どうして今の状況になったのかを考えていると……
「我があるじ~~~っ♡」
ヱリカの声が聞こえた。
「主ステキですーっ 制服超似合う!! はぁ……♡ 主! 主ィ────っ!!」
カメラを構え、制服姿のベルンを撮っていた。
それを見た僕と戦人は目を合わせ……
「あ──── 思い出したかも……」
「というか絶対そうだよ。ラムダ、羅奈。僕思い出したよ……」
「「ねっ?」」
そうだよ。あれは確か……
遡る事3時間前────
「あるじ────っ 制服取り寄せたので、着ませんか────!?」
ヱリカが制服を持ち、喜々としながらリビングに入って来た。
「お前はいつも唐突だな…… ていうかなんで制服?」
「とある本を読んでいたら、ネクタイを直すシーンがステキで! 主にしていただきたくて……っ」
お嬢さま学校でよくある上級生が下級生にやってあげるアレね。
よく見たらヱリカ、制服着てるし……
なるほど。それをベルンにやってもらいたくて、わざわざ制服なんかを取り寄せたんだなぁ……
「……しょうがないわねー」
あれ? ベルン、もしかしてヱリカにやってあげるのかな……
「あっ、主……っ!?」
「ヱリカ。タイが曲がっていてよ」
「ありが…と…あの…主…しまって……しまってま……」
と……思ったら、ヱリカの首を絞めてるだけだった。
流石に見ててアレなので、それくらいにしときなよと僕がベルンを止める。
すると彼女は案の定、すぐに止めてくれた。
「はー、死ぬかと思いました! さあ主、これを着てもう一度!! 後写真もお願いします……!」
「……ヱリカ、君って強いね。色んな意味で」
せっかく僕が止めたのに……
その様子を見ていたラムダが何かを思いついた表情をしていた。
「…………制……服……」
ラムダの呟きを聞いた戦人はラムダを羽交い締めにした。
何かを察したんだろうか……?
「って何よ!? いきなり!!」
「お前今ぜってーくだらないこと思いついたろ!?」
「なんでわか……ってくだらなくないし!!」
そのやり取りを見た最後に何故か急に眠くなったのだった……
────そして現在。
「そうだ!! ヱリカ!! テメーよくも鈍器で殴りやがったな!?」
そうだ。
そもそもヱリカが戦人を鈍器で殴ったのが原因だった……
「主の制服姿を拝めるチャンス…… 貴方一人の命、ゴミクズにも劣りますし……」
「殺す気だったのかよ……」
やった本人は反省もしてない。
「ていうか此処どこなんだ? パラレルワールドか?」
「異世界に全員つれてくるなんてメンドーだから、みんな同じ夢を見てるのよ」
「早い話、みんなで1つの夢を共有してるの」
ラムダと羅奈曰く、
異世界に連れてくる事も可能だが、そうなると手間が色々とかかるので、全員が見てる夢を同じにしてしまおうという事にしたらしい……
「それにしても別に学校なんて別に楽しくねーだろ……」
「あらっ? そんなことないわよ? 私は新鮮っていうか~」
まぁ学校が楽しいか楽しくないかは個人によるだろう……
あとさ。羅奈? さり気なく僕の腕を組むの止めてくれない? 別に僕は嫌じゃないけど……
「私と穹は学校生活には慣れちゃってるけどね~♪ ね~♪ 穹♡」
「ちょっと羅奈!! なんで穹にくっついてるのよ!! 穹が困ってるじゃない!! 離れなさいよっ!!」
「はぁ? それはアンタの偏見じゃないの? あーあー……ヘタレで根暗なヤツの妬みはみっともないわね~♪」
それを聞いたベルンは羅奈とは逆に反対側の腕を組んできた。
顔を真っ赤にしながらだけど……
近くで見て気づいたけど、ベルンが着ている制服って沙都子ちゃんが着る制服に似てるなぁ……それの長袖版ってところかな?
「ふん! 誰がヘタレかしら? こ、これぐらいなら私だって出来るわよ」
「あーハイハイ。強がり乙」
「うっさいわね!! 別に強がってないわよ!!」
「も~ほら、ベルンもムキになんないの。羅奈もベルンを煽るのもそのくらいにしたら?」
「さっすがラムちゃん♪ ナイスタイミングだよ♪ そろそろ煽るのも飽きたし♪」
夢の中でも、この2人は仲が悪いのか……
というかラムダが止めに入ってくれて助かったよ……
「学校生活か。なんか楽しい事あったか?」
「学校といえばイベントが盛りだくさん!! 例えば水泳とか、体育とか体育着とかブルマとか!!」
戦人の言葉にヱリカが答える。
「あ────そういえばお前、運動会の時いなかったんだよな────」
「「あー……」」
「…確かにヱリカって、あの時いなかったもんね」
「えっ、ちょ……え……なんですかソレ!? ねぇっ!? 聞いてます!?」
「「「「「フフフフフフフフフフ…………♪」」」」」
「主まで!? 運動会の時っていったいなんですかー!?」
運動会か~。懐かしいなぁ………
またいつか機会があればやってみたいなぁ。
無駄に体力を使う競技はゴメンだけど……
一方その頃現実世界────
「みなさん、今日はやけに静…………っ!?」
ワルギリアがリビングに入ると、
穹、ベルン、羅奈、ラムダ、戦人、ヱリカの6人が倒れてる姿がそこにあった。
果たしてどうなってしまうのか?
読んでいただきありがとうございます。
次回は中編になります。
本日はありがとうございました。