奇跡のなくパーティーに   作:ゆるポメラ

27 / 40
ゆるポメラです。
今回は学園生活の話になります。
最初は短いですが楽しんでもらえると嬉しいです。

それではどうぞ。


宴26 夢の中で学園生活? 前編

ふと目が覚める。

何故か周りが教室になっていた……

……えっ? なんで?

 

「あ。起きた?」

「穹は居眠りしても、寝顔は変わらないわねー♪」

 

そう言ったのはラムダと羅奈……なんだけど……

 

「あんた達、次の授業当たるのに、そんな悠長にしてていいのぉ?」

 

そして、僕の隣にいた戦人がラムダに一言。

 

「お前……何その……制服のコスプレ……受け狙い……? ないわ~……」

「剥ぐわよ」

 

そう。

何故かラムダが学校の制服を着ていたのである。

似合ってるけど……どう反応すればいいか分かんないのが本音だ。

 

「なぁ、なんで俺や穹も制服を着てるんだ……!?」

「……ほんとだ。戦人に言われるまで全然気づかなかった……」

「あんた達、何も覚えてないの?」

 

そんな事を言われても覚えてないのが現状。

思考を巡らせ、どうして今の状況になったのかを考えていると……

 

「我があるじ~~~っ♡」

 

ヱリカの声が聞こえた。

 

「主ステキですーっ 制服超似合う!! はぁ……♡ 主! 主ィ────っ!!」

 

カメラを構え、制服姿のベルンを撮っていた。

それを見た僕と戦人は目を合わせ……

 

「あ──── 思い出したかも……」

「というか絶対そうだよ。ラムダ、羅奈。僕思い出したよ……」

「「ねっ?」」

 

そうだよ。あれは確か……

 

 

 

遡る事3時間前────

 

 

 

 

「あるじ────っ 制服取り寄せたので、着ませんか────!?」

 

ヱリカが制服を持ち、喜々としながらリビングに入って来た。

 

「お前はいつも唐突だな…… ていうかなんで制服?」

「とある本を読んでいたら、ネクタイを直すシーンがステキで! 主にしていただきたくて……っ」

 

お嬢さま学校でよくある上級生が下級生にやってあげるアレね。

よく見たらヱリカ、制服着てるし……

なるほど。それをベルンにやってもらいたくて、わざわざ制服なんかを取り寄せたんだなぁ……

 

「……しょうがないわねー」

 

あれ? ベルン、もしかしてヱリカにやってあげるのかな……

 

「あっ、主……っ!?」

「ヱリカ。タイが曲がっていてよ」

「ありが…と…あの…主…しまって……しまってま……」

 

と……思ったら、ヱリカの首を絞めてるだけだった。

流石に見ててアレなので、それくらいにしときなよと僕がベルンを止める。

すると彼女は案の定、すぐに止めてくれた。

 

「はー、死ぬかと思いました! さあ主、これを着てもう一度!! 後写真もお願いします……!」

「……ヱリカ、君って強いね。色んな意味で」

 

せっかく僕が止めたのに……

その様子を見ていたラムダが何かを思いついた表情をしていた。

 

「…………制……服……」

 

ラムダの呟きを聞いた戦人はラムダを羽交い締めにした。

何かを察したんだろうか……?

 

「って何よ!? いきなり!!」

「お前今ぜってーくだらないこと思いついたろ!?」

「なんでわか……ってくだらなくないし!!」

 

そのやり取りを見た最後に何故か急に眠くなったのだった……

 

 

────そして現在。

 

 

「そうだ!! ヱリカ!! テメーよくも鈍器で殴りやがったな!?」

 

そうだ。

そもそもヱリカが戦人を鈍器で殴ったのが原因だった……

 

「主の制服姿を拝めるチャンス…… 貴方一人の命、ゴミクズにも劣りますし……」

「殺す気だったのかよ……」

 

やった本人は反省もしてない。

 

「ていうか此処どこなんだ? パラレルワールドか?」

「異世界に全員つれてくるなんてメンドーだから、みんな同じ夢を見てるのよ」

「早い話、みんなで1つの夢を共有してるの」

 

ラムダと羅奈曰く、

異世界に連れてくる事も可能だが、そうなると手間が色々とかかるので、全員が見てる夢を同じにしてしまおうという事にしたらしい……

 

「それにしても別に学校なんて別に楽しくねーだろ……」

「あらっ? そんなことないわよ? 私は新鮮っていうか~」

 

まぁ学校が楽しいか楽しくないかは個人によるだろう……

あとさ。羅奈? さり気なく僕の腕を組むの止めてくれない? 別に僕は嫌じゃないけど……

 

「私と穹は学校生活には慣れちゃってるけどね~♪ ね~♪ 穹♡」

「ちょっと羅奈!! なんで穹にくっついてるのよ!! 穹が困ってるじゃない!! 離れなさいよっ!!」

「はぁ? それはアンタの偏見じゃないの? あーあー……ヘタレで根暗なヤツの妬みはみっともないわね~♪」

 

それを聞いたベルンは羅奈とは逆に反対側の腕を組んできた。

顔を真っ赤にしながらだけど……

近くで見て気づいたけど、ベルンが着ている制服って沙都子ちゃんが着る制服に似てるなぁ……それの長袖版ってところかな?

 

「ふん! 誰がヘタレかしら? こ、これぐらいなら私だって出来るわよ」

「あーハイハイ。強がり乙」

「うっさいわね!! 別に強がってないわよ!!」

「も~ほら、ベルンもムキになんないの。羅奈もベルンを煽るのもそのくらいにしたら?」

「さっすがラムちゃん♪ ナイスタイミングだよ♪ そろそろ煽るのも飽きたし♪」

 

夢の中でも、この2人は仲が悪いのか……

というかラムダが止めに入ってくれて助かったよ……

 

「学校生活か。なんか楽しい事あったか?」

「学校といえばイベントが盛りだくさん!! 例えば水泳とか、体育とか体育着とかブルマとか!!」

 

戦人の言葉にヱリカが答える。

 

「あ────そういえばお前、運動会の時いなかったんだよな────」

「「あー……」」

「…確かにヱリカって、あの時いなかったもんね」

「えっ、ちょ……え……なんですかソレ!? ねぇっ!? 聞いてます!?」

「「「「「フフフフフフフフフフ…………♪」」」」」

「主まで!? 運動会の時っていったいなんですかー!?」

 

運動会か~。懐かしいなぁ………

またいつか機会があればやってみたいなぁ。

無駄に体力を使う競技はゴメンだけど……

 

 

 

 

 

一方その頃現実世界────

 

 

 

 

「みなさん、今日はやけに静…………っ!?」

 

 

 

ワルギリアがリビングに入ると、

穹、ベルン、羅奈、ラムダ、戦人、ヱリカの6人が倒れてる姿がそこにあった。

果たしてどうなってしまうのか?

 

 




読んでいただきありがとうございます。
次回は中編になります。
本日はありがとうございました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。