今回は、ある人物の誕生日回になります(うぅ……日付がぁ……(泣))
皆様の寛大な心と温かい目で読んでいただけると幸いです。
尚、今回の内容の時系列ですが、宴16話『探偵が来たようです』と宴17話『時空の魔女』の間の話になります。いわゆる、宴16.5話というやつです。
視点が色々変わったりしますが、お楽しみください。
祝え! 我が守り神の生誕の日を!!
……それではどうぞ。
「ふぁ……朝かぁ……」
まだ眠いなぁと思いながらも僕は、身体をゆっくり起こす。
おかしい……今日はやけに眠いのは何故だろうか?
そう思って思考を軽く巡らせた時……
「すぅ……すぅ……」
隣から綺麗な寝息が聞こえ、振り向くとベルンがいた。
なんでベルンが僕のベットで寝てるんだろう……? しかも隣で……
(あっ……)
そうだ。思い出した。
昨夜、ヱリカが夜中に来訪してきて、色々あり、いざ寝ようとしたらベルンが一緒に寝たいって言ったんだっけ……
そういえば……ベルン、寝かせてあげないって言ってたけど、ホントに寝かせてくれなかったよ……
(…ベルン……激しかったなぁ……)
私服に着替えながら、昨晩の事を思い出す。
ちなみに彼女はまだ寝てるので、起こさないように僕は着替えてます。はい。
(そういえば別の
ふと、ある少女の姿を思い出す。
しばらく会ってないと思った僕は、今から会いに行こうと思い、ベルンを起こさないように、部屋を後にした。
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部屋を出て屋敷の廊下を歩いた近くの場所で、穹は別の
「あれ? 穹、何してるの?」
偶々近くを通りかかった羅奈が穹を見つけ、声をかけてきた。
「……今から出かける。1日半くらい戻らないかも」
「それは分かったけど……何処に……って、
穹の足元に描かれた魔法陣から現れた障子で出来た和風のドアを見た羅奈が驚きの声を上げる。
「…今日は特別な日だから……」
「特別? あぁ……はいはい。そういう事ね、理解したわ。気をつけて行ってきてね?」
「…ん。じゃあ行ってくる」
穹を見送った羅奈は、魔法陣が消えるのを確認すると……
「そっか……
雛見沢の月日が経つのが早いと思った羅奈は、ちょっとだけ仮眠しようと自分の部屋に足を運んで行く途中……
(…全く……みよも無茶言ってくれるわね……私に名付け親になって欲しいとか。自分が落ち着く状況になるまで何年先になると思ってんのよ……もぅ……)
療養中である幼馴染みの親友からの頼みに羅奈は苦笑いするのであった。
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「……暑い」
昭和58年の8月1日の雛見沢。
穹は自宅で目を覚ました。正確には
「今、何時だっけ……」
近くに置いてある時計を持ち、時刻を確認する。
「……16時30分……は、はぁ!?」
なんと驚いた事に時刻は夕方過ぎであった。
窓を開け、外を見るがまだ明るい方だった。まぁ夏だからという事もあるのだが……
(待って、待って!? なんで目が覚めたら夕方になってる訳!?)
とりあえず状況整理をする為に、手掛かりがないか部屋の周囲を歩く。
自分が目を覚ました場所は、自室。という事は、さっきまでこの世界での穹は何かをしていたのだ。
それは解る。テーブルに目を向けると、何やらキラリと光る物が視えた。近くに寄ってみると……
「箱とブレスレット……? あっ、という事は……」
小さな箱と作りかけのブレスレットだった。
ここである答えが出た。おそらく自分はここで、誕生日プレゼントを作っていて、途中で寝落ちしてしまったのであろうと穹は思った。
「……とりあえず仕上げちゃうか」
多分、夜辺りに彼女……羽入の誕生日会を部活メンバーでお祝いをするという流れになりそうな予感がしたので、ちゃっちゃと仕上げる穹なのであった。
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「……終わったぁ」
仕上げを終えたブレスレットを箱に入れ、リボンを付ける事を忘れない。これでやっと誕生日プレゼントの完成である。
(羽入ちゃん……喜んでくれるかなぁ……)
ふと、この村の守り神で、1人の女の子の顔が浮かぶ。
何せ昭和58年の6月を越えた世界で彼女に誕生日プレゼントを渡すなんて初めての経験である。
「…とりあえず何時になるか分からないけど、時間になるまで散歩しようかな……」
誕生日プレゼントを腰に付けているポーチにしまい、穹は外に出るのだった。
そして歩いて少しの事。
気づけば穹は、古手神社の境内に辿り着いていた。
(…なんで
まぁいいかと思いながらも、賽銭箱の近くに行き、仰向けで寝そべる。
未だに明るい夕焼け風景、カナカナカナと鳴くひぐらしの音を聴きながら、穹は目を閉じた……
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なんだろう……?
なんていうか頭の辺りが……柔らかい感触があるような……?
それに心なしか、良い匂いがする。
そう思った僕は、ゆっくりと目を開ける……
「あう? 目が覚めたのですか?」
青紫色のロングヘアーで、頭部から漆黒の尖った角が二対生えた少女の顔が近くにあった……
「……えーと羽入ちゃん? これは一体どういう状況?」
「近くを通りかかったら、穹が寝ていたので僕が膝枕をしてるのです」
ドヤ顔で質問に答える羽入ちゃん。
膝枕されてたんだ……僕。
流石にこの態勢は彼女に悪いので、自分の身体を起こす。
「あうあう、もう少し堪能してもいいのですよ?」
「…魅力的な提案だけど、羽入ちゃんの負担になりそうだからやめとく。というか、羽入ちゃんはここで何してたの? 近くを通ってたって言ってたけど……」
そう言うと、羽入ちゃんは頬を膨らませながら……
「梨花がその辺を歩いてろって言って、僕を追い出したのです!」
「……は、はい?」
「しかも僕が理由を訊いても、無視なのですよ!?」
僕に説明した。
というか、羽入ちゃんの誕生日だから準備する為の口実なんじゃないの?
…それ以前に羽入ちゃん、今日は自分の誕生日だって気づいてない?
「あのさ。羽入ちゃん……」
「あう?」
「……今日は何月何日?」
「8月1日ですが、それがどうかしたのですか?」
気づいてないよ!? この子ー!?
まぁ色々あったんだからしょうがないよなと思いつつ、僕はポーチから例のモノを取出す。
「はい」
「あう? なんですかこれ? あ! もしかして僕にプレゼントですか?」
渡すと彼女は、案の定の反応をしてくれた。
友達からのプレゼントだと思ってるのだろう……
「…ん。そうだよ。
「そうですかー♪ 僕への誕生日プレゼン……ト…………えっ……?」
その時の羽入ちゃんは借りてきた猫のように大人しかった。
読んでいただきありがとうございます。
続きは次回になります。
本日はありがとうございました。