Fate/Zero 雨生くんの聖杯戦争   作:筆折ルマンド

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1.戦の前に

雨生家(うりゅうけ)

錬金術や投影を得意とする家系。

儀式に必要だが既に消失した物品を作製、投影による再現することによって聖杯作製に大きく貢献した

その後に行われた第一次第二次聖杯戦争に参加したものの、その結果二代続けて死亡してしまう自体となってしまい、雨生龍之介の家であった本家は分家筋であった達人の家へと魔術刻印を譲渡した。

雨生家は遠坂、間桐、アインツベルンそれぞれに接点を持っていたが、現在は比較的社交的な遠坂家とのみ年賀状を出し合う程度の仲を維持している。

達人はこの関係を利用して遠坂時臣に弟子入りし、冬木市に堂々と入り込むことに成功したのである。

 

 

遠坂亭

 

「なるほど、つまり君は個人で聖杯戦争に参加したいというんだね?」

 

「はい、遠坂師には色々とお世話になっておりますが、この事に関しては譲れません」

 

「ふっ、別にいいよ、確かに師弟関係は大事にすべきだけれどだからと言って君の自由意志を尊重しない理由にはならない」

 

「…遠坂家の家訓でしょうか?」

 

遠坂時臣は微笑み

「分かっているみたいだね。遠坂家の家訓『常に余裕を持って優雅たれ』。弟子の意志を汲み取らないのは優雅じゃない。ましてや私は既にいくつも反則行為をしている身だ。下賤な輩なら、いまさら更に手を汚した所で変わらないと思うのだろうが、私は遠坂家の当主であるがゆえに…そういう訳にはいかない」

 

「つまり、自由にしろ…と」

 

「ああ、好きにするといい、でも、出来ることなら私達の反則の事はあまり言いふらさないで欲しい。自分自身の事だとしても多少の憤りは感じてしまうからね」

 

「はい」

 

案外簡単にすんだなと内心達人は思いながらトッキーの書斎を出て行く

それを見届けながると綺礼は疑問を口にした

 

「本当によろしかったのですか?」

 

「いいんだよ。綺礼、若者の独り立ちは応援すべきだ。それを邪魔してしまうのは優雅じゃない」

 

「さようですか」

 

トッキーもまた疑問を口にする

「そういえば、綺礼はどうなんだい?君も本心では1人で聖杯戦争に参加したいと思っているのではないのかい?」

 

「いえ、私は父と共に時臣師への協力を誓った身、その誓いに二言はありません」

 

「言葉に二言は無くとも想いはどうかわからないだろう。君の本心を聴かせてくれないか?」

 

「わかりました。では…」

綺礼は背筋をより正し胸に手を当てる

「私は未だ自身のすべき事、成したい事を見つけられておりません。ですのでいつかそれらが見つかった際には、自身の心の赴くままに行動したいと思っております」

 

「そうか…この聖杯戦争でその何かが見つかるといいね」

 

「ありがとうございます」

 

時臣が手をパンッと叩き椅子から立ち上がる

「さぁ、今日の修行に移ろう」

 

「はい」

 

ギルガメッシュもまだおらず、雁夜おじさんが聖杯戦争に参加しない世界線ではまだ2人はしばらくの間良好な関係を続けられる事だろう。

 

 

穂群原学園

 

「どーしたのーたーいがー」

クラスメイトの音子ちゃんがぎゅうっと上に乗ってきた

結構重い

 

「べっつになんでもないですよー」

机でグダグダは学生の休息においてジャスティス

 

「えー、ウッソだー。ノートをそんなに一心に見つめてるのに何にもないってことないでしょー?」

ーー、はっ!いつの間にそんなことしちゃってたんすか私⁉︎

ノートなんか見つめて何考えてるんでしょうか私は⁉︎

 

「べ!別になんにもないから!うんうん本当なんにもないっすから!」

「嘘だね」

「ほんと違うから!」

「ならなんで顔真っ赤にして腕もぶんぶん振ってんのかな?」

「えっ?」

 

ボシュウ

 

顔が熱くてたまらないっす

顔面大火傷っす

「ははは、わかりやすいね大河は」

「そ、そんなことないっす!」

「あるね」

「ないっす!」

「あるね」

「ないっす!」

「あるね」

「ほんとないっすから‼︎」

「達人先輩となんかあった?」

「ほんといいかげ…」

 

アレ?

 

「えぇぇぇぇぇ、なんでわかるんですか!音子ちゃんエスパーなんですか!本名マミだったりするんすか!」

いいいい、いままでのこととか達人先輩のこととか実は全部知られてたりしちゃったりしたりしてー⁉︎⁉︎

 

「いやー、そんな壁にぶつかるまで下がらなくたっていいじゃない」

「で、でも!」

「というか、あんたのいつもの様子見て、わからない奴なんか漫画の主人公か達人先輩しかいないから、いや、割と真面目に」

「えっ」

泡立った肌が、火照った顔が、硬直した身体がふっと冷たくなるのを感じる

 

「マジッすか?」

「まじっすよ」

みんな気付いてたんすか?

周りを見渡すと目のあった人も目の合わなかった人も周りの全ての人がなんともとってもなま暖かい目線をくれました

 

 

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

 

 

 

 

廊下

 

 

 

「なるほどなるほど、交換日記とは〜」

音子ちゃんの目と声がさっき見た誰より生暖かいっす

 

「別に!達人先輩としたかったわけじゃないですから!私は音子ちゃ「はいはい、そーゆーのいいからっ」

 

全て筒抜けみたいな、いや、実際筒抜けだったわけなんすけど

正直とっても恥ずかしいぃ

 

「で?達人先輩は?」

「なんだか今日学校に来ていないみたいなんです」

なんで音子ちゃんニヤけるんですか失礼ですよ

「へー、クラスメイトには?」

「えっ⁉︎うん、まぁ、聞きましたが家の用事、らしくて」

「で、渡せなかったと」

だからそのニヤニヤやめて欲しいんですけど

 

「はい、そうです」

なんかちょっと疲れたっす

今日はぐっすりと眠れそうです

快眠確定で泥のように眠るっす

 

「あぁ、あぁ、そんなに落ち込んじゃってー、あとで駅のクレープ食べに行こ?」

「うん」

別に落ち込んでないですけど

落ち込んでなんかないっすけど!

 

 

 

「あ、窪田先生ー」

音子ちゃんが達人先輩の担任の先生を見つけて小走りで駆け寄った

 

「ん、あぁ、藤村の友達か」

「藤村の友達って、大河の名前は知ってるんですね」

「まぁなー、流石になー」

「あー、なるほどー、流石にですねー」

「だろう、流石だよなー」

「ですねー」

「何が流石ですか!なんで流石で意味通じてるんですか!私には意味がわかりません!」

「「あぁ。すまんすまん」ごめんごめん」

まったくもう!どういう意味なんでしょうか!

 

「ほら、聞きなよ」

あ、なるほどそのために先生を捕まえたんですね

 

「あの、雨生先輩は…えと、お風邪でもひいたのでしょうか!」

「おぉ、そんな詰め寄らないでくれ。雨生かー雨生なー」

「な、なんですか、勿体ぶらないで下さいよ」

「いやなー、雨生はなー、あー」

「なんですか!いつまでも勿体ぶらないで下さい!」

 

「家の都合で休学しちまって当分学校にこねぇんだよ」

 

 

「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

喫茶店

 

いつの間にか音子ちゃんと喫茶店でパフェ食べてました

パフェは美味しかったけど、何故か午後の授業の内容をサッパリ覚えてないです

不思議なこともあるんですねー

なに笑ってんですか音子ちゃん。そのてっぺんの苺いただきますよ?

え?いい?

じゃあ、遠慮無く貰いますよ?

 

にしても先輩休学ですかーー

 

 

あー

なんか無性に腹が立ちました

 

帰って来たら絶対竹刀で日数分ぶっ叩いてやります!

私にはその権利と義務があるっす!

 

 

 

 




ジャプニカ日記帳
♪月☆¥日
達人先輩とノートを書いたりなんかしちゃったりしたかったんすけど、休学ってどういうことっすか!
絶対許さないっす!


作者
ゼっちゃんの口調は本来なら「ですます時々ッス」ですが、文にするのが私には難しかったので完全後輩口調にしてしまいました
固定は楽だけど少し負けた気分になるのも事実ですけど
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