FAIRY TAIL ~魔導騎士と星の姫~ 作:ジャージ王子
──夢を見ていた。もう何度となく見た夢だ。
目の前には美しい黄金色の髪の女性が立っている。その女性は笑みを浮かべているが瞳には涙をためている。
自分は知っている。これは別れのシーンだ。なぜ知っているのか?分からない。そもそも彼女と向き合ってているのは自分なのかそれとも他人なのか。それも分からない。ただただお互いに見つめ合う時間が続く。
微かに女性の唇が動いた。それと同時に背中から強い引力を感じる。この夢が終わり、現実に引き戻される合図だ。
「さようなら・・・」
最後に女性はそう言ったように思えた。
†††††
「・・・ルト!・・・アルト!」
「ん~あぁ?もう着いたのか?ハッピー」
灰銀色の髪をもつ青年が気だるそうに返事をする。
「あい」
「ふぁ~起こしてくれてサンキューな・・・というかナツ大丈夫か?」
そう言って前方の桜色の髪をもつ少年に話しかけると変わりに青色の猫が返事を返した。
「あい。いつものことなので」
「それもそうだな。降りるぞ」
するとナツと呼ばれた少年がやっと口を開いた。
「ちょ、ちょっと休ませて・・・うぷ」
いかにも今から吐きますと主張するような表情である。
「早くしろよ~・・・って、あ」
「出発しちゃったね」
無情にも列車はナツを乗せたままハルジオンの街を発っていった・・・
†††††
「ったく、余計な時間使っちまった」
「もう二度と列車には乗らん・・・」
「ナツ、それいつも言ってるよね」
「だから今回は付いてくんなって言ったろ」
アルトがそう言うとナツは輝いた表情で答える。
「だってこの街に火竜〈サラマンダー〉ってのがいるんだろ?火の竜ってことはイグニールしかいねえよ!」
「あい、間違いないです」
そこまで嬉しそうな顔をされるとアルトも返答に困る。
(というか俺は依頼で来ただけなんだがな・・・)
アルトがため息をつくと前方からなにやら黄色い声が聞こえてくる
─キャー火竜様~キャーキャー・・・─
「ほらな!噂をすればなんたらだ!」
「あい!」
そう言うや否やナツとハッピーは人混みの中へ突っ込んで行く。
「おい、待てって!」
アルトも2人を追いかけて行った。
†††††
突然であるが、魔導士の少女ルーシィは困惑していた。
(な・・・な・・・な・・・なに?このドキドキは!!?)
今思えばただの興味本位だった。火の魔法を使える火竜と呼ばれる魔導士がどんな人なのか?その位の軽い気持ちで人混みの中に入ってみた。ただそれだけ・・・のはずだった。
(ちょっと!あたしってばどうしちゃったのよ!!!)
(有名な魔導士だから?だからこんなにドキドキするの!?)
「・・・グニール!イグニール!!」
(これってもしかしてあたし・・・)
「イグニール!!!」
(へ?)
人混みを掻き分けナツが現れた。
しばしの沈黙・・・
「誰だオマエ」
「!!!・・・オホン、火竜と言えばわかるかね?」
自分のことを知らないことにショックを受けたが、自称火竜は得意気に自己紹介をする。
「オイオイ人違いかよ」
追いついたアルトが呆れ顔で言った。
「おう、そうみたいだな。はぁ~イグニールじゃないのか~」
「ちょっとアンタ失礼じゃない?」
「そうよ!火竜様はすっごい魔導士なのよ!」
ナツの素っ気ない態度に女性陣が食いかかる。
(凄い魔導士、ねぇ)
アルトは内心で毒づきながら火竜に射抜くような視線を送る。
「まあまあその辺にしておきたまえ。彼とて悪気があったわけじゃないんだからね。」
「「あ~ん、やさし~」」
火竜の一挙手一投足に女性達は魅了されている様子。
「僕のサインだ。友達に自慢するといい」
火竜は慣れた手つきでサインを書く。ご丁寧に3枚も。どうやらアルトとハッピーの分もあるらしい。
いいな~などと羨ましがる女性陣を気にもとめず2人と1匹の心はシンクロした。
「「「いらん」」」
「何なのよアンタ達!」
「どっか行きなさい!」
女性達の逆鱗に触れたナツ達は人混みから弾き出された。
「おっといけない。僕はこの先の港に用があるのでね。失礼するよ」
火竜は指を鳴らし炎を出現させる。
「夜は船上でパーティーをやるよ。みんな参加してね」
そう言い残して火竜は炎に乗って去って行った。
「炎が使えるのは本当らしいな…」
アルトが火竜の背中を見つめながら呟く。
「なんだアイツは」
「ホントいけすかないわよね」
ナツの言葉に返事をしたのはアルトでもハッピーでもなく、ルーシィだった。
(な!!?)
ルーシィの姿を見てアルトは自分の目を疑った。髪型は違ったがその姿は“あの夢”に出てくる彼女と瓜二つだったからだ。
「さっきはありがとね」
アルトが驚愕している中ルーシィは彼らにお礼を言った。するとアルトは返事を返すこともなく彼女に迫り、こう言った。
「アンタ、俺のことを知ってるか!?」
初めまして。ジャージ王子と申します!
え~、最後まで読んでくださった方は気づいたと思いますが、ジャージ王子は小説初挑戦です。なので温かい目で見守って頂ければ幸いでございます。
感想や指摘などありましたらどんどんコメントしてくださいm(_ _)m
以上、ジャージ王子でした。ではでは( ・_・)ノシ