FAIRY TAIL ~魔導騎士と星の姫~   作:ジャージ王子

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第2話 ショータイムだ!!!

ハルジオンのレストランにて。

 

ズガガガ・・・!食事の音とは思えない轟音を響かせながらナツはテーブル上の食べ物をとてつもないスピードで消していく。

 

「あんふぁ、いいひほがぶぁ(アンタ、いい人だな)」

 

口から食べ残しをセットにしてルーシィに感謝の言葉を送る。

 

「わかったからゆっくり食べなって」

 

ルーシィは苦笑しながらナツに返事をすると、アルトに視線を移した。

 

「で、アルト君?だっけ。なんであんなこと聞いてきたの?」

 

ずっと無言だったアルトがギクッと身体を揺らした。

 

「いや、その、なんていうかすまない。君に見覚えがあるような気がして勢いでつい。」

 

「アルト凄い顔してたよ」

 

ハッピーの言葉にルーシィは、たしかにあの時の形相は凄まじかったと思い出す。

 

“俺のことを知ってるか!?”

 

結果として言えばルーシィの答えはNO。アルトとは全く面識がなかった。その後落ち着いて話すのと、お礼も兼ねて3人と1匹はこのレストランにやって来たのである。

 

「それにしても、“俺のことを知ってるか”ってどういうことなの?」

 

「俺、記憶喪失ってやつでさ。昔の記憶がないんだ」

 

アルトはわずかに表情を曇らせながら自身について話した。

 

「あっ、ごめんなさい!言いづらいことだったよね・・・」

 

いや、いいんだと返したアルトの顔はすっかりいつも通りだった。

 

「じゃ、じゃあアルト君は記憶を探してこの街に来たのね」

 

なんとなく重くなった雰囲気を脱却すべくルーシィはとにかく話題をふってみた。

 

「まぁそんなところかな。あ、あと呼び捨てでいいぜ。君付けは慣れてないから違和感があるし」

 

アルトはそう答えるが、本来の目的は別にある。しかし少々訳ありなので話すわけにはいかなかった。

 

「うん、わかった。そういえば、ナツ達も人を探してるみたいだったけど・・・」

 

「あい、イグニール」

 

「まぁ別人だったけどな」

 

火竜(サラマンダー)って見た目じゃなかったもんね」

 

「見た目が火竜(サラマンダー)ってどうなのよ・・・人間として」

 

「ん?人間じゃねぇよ」

 

ルーシィのツッコミにナツはさも当然のように言った。

 

「イグニールは本物の竜だ」

 

「・・・!」

 

ルーシィ驚愕。

 

「・・・そ、」

 

「「「そ?」」」

 

ルーシィの絞り出したような声にナツ達が反応する。

 

「そんなの街の中にいるハズないでしょー!」

 

「「「確かに!」」」

 

「今頃かい!」

 

もはや端から見ればただのコント集団である。

 

「はぁ~、あたしはもう行くけど。ゆっくり食べなよね」

 

そう言ってルーシィはテーブルにお代を置いた。

 

「いやいや、俺達も迷惑かけちまったし、こっち持ちでいいよ」

 

アルトがお金を返そうとする。

 

「でも私も魅了(チャーム)を解けたお礼したいし・・・」

 

「んじゃ、割り勘ってことで」

 

「ま、それなら」

 

ルーシィはアルトからお金を半分受け取る。

 

「やっぱアンタいい人だな。これやるよ」

 

「じゃあ俺も」

 

「オイラも」

 

ナツ達がせめてものお返しにと、火竜(サラマンダー)のサインを差し出す。

 

「いらんわっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

†††††

 

ハルジオンのとある公園。アルト達と別れたルーシィはここで雑誌週刊ソーサラーを読んでいた。

 

「まーた妖精の尻尾(フェアリーテイル)が問題起こしたの?」

 

そこには“デボン盗賊一家壊滅するも民家7軒を破壊”と書いてある。

 

「あはははははっ!やりすぎー!」

 

爆笑しながらページをめくるとグラビアコーナーにある女性が写っていた。

 

「あ、今週のグラビアはミラジェーンなんだ」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の看板娘、ミラジェーン。彼女を見ながら、こんな人でもめちゃくちゃやったりするのかしら?などと考えてみる。

 

「てか、どうやったら妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入れるんだろ。やっぱ強い魔法覚えないとダメかなぁ」

 

魔導士というのはギルドと呼ばれる組合に所属し、そこで仕事をしなければ一人前の魔導士とは言えない。妖精の尻尾(フェアリーテイル)も魔導士ギルドの一つでルーシィが入りたいと憧れているギルドなのである。

 

「面接とかあったらどうしよ」

 

などと呟いていると、後ろの草むらから男が声をかけてきた。

 

「へぇ、君妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたいんだ」

 

「サ、火竜(サラマンダー)!?」

 

「いや~探したよ。君みたいな美しい女性をぜひ今夜の船上パーティーに招待したくてね」

 

そう言いながら火竜(サラマンダー)はルーシィに近づいてくる。

 

「言っておくけど魅了(チャーム)は効かないわよ。魅了(チャーム)の弱点は理解。それを知ってる人には効果はない」

 

魅了(チャーム)というのは人々の心を術者に引きつける魔法である。火竜(サラマンダー)はこの魔法を使い女性達を引き寄せていたのだ。

 

「アンタみたいなえげつない男のパーティーなんてお断りよ」

 

「まぁ、待ってよ。君、妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたいんだろ?」

 

「えっ?」

 

立ち去ろうとしていたルーシィの足が止まる。

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)火竜(サラマンダー)って・・・聞いたことない?」

 

「ある!」

 

 

 

 

 

 

 

 

†††††

 

時刻は夜。港の近くの海上に一隻の客船が浮かんでいる。そんな船の一室でルーシィはニコニコと笑っていた。公園で火竜(サラマンダー)は自分のパーティーに参加することと引き換えに、ルーシィを妖精の尻尾(フェアリーテイル)に推薦すると約束した。念願だった妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入ることができる。それを考えれば胡散臭い男のパーティーに参加することなど迷う筈もなかった。

 

「まずはワインで乾杯といこうか」

 

「他の女の子達は放っておいていいの?」

 

「今は君と飲みたい気分なんだ」

 

火竜(サラマンダー)が指を鳴らすとグラスに注がれたワインが飴玉のようになって宙に浮いた。

 

「口を開けてごらん。ゆっくりと葡萄酒の宝石が入ってくるよ」

 

(うざっ!・・・いやいやいや、ここはガマンよルーシィ!)

 

自分にそう言い聞かせながらゆっくりと口を開く。ワインの粒がもう少しで口に入ろうとした瞬間、ルーシィはそれを手で弾いた。

 

「どういうこと?睡眠薬よね、これ」

 

「ほっほーう、よくわかったね」

 

「勘違いしないで。あたしは妖精の尻尾(フェアリーテイル)には入りたいけど、アンタの女になる気はない」

 

「しょうがない娘だなぁ。素直に眠っていれば痛い目をみずにすんだのに・・・」

 

その言葉とともに火竜(サラマンダー)の目つきが残忍なものに変わった。そんな彼の言葉が合図変わりとなりルーシィの背後のカーテンが開き、屈強な男達が何人も現れた。抵抗する暇もなくルーシィは彼らに取り押さえられてしまう。

 

「な、何なのよアンタ達!」

 

男達を見ていたルーシィの視線が火竜(サラマンダー)によって無理矢理彼の方に向けさせられる。

 

「ようこそ我が奴隷船へ。ボスコに着くまでおとなしくしてもらうよ」

 

「ボスコってどういうこと!?妖精の尻尾(フェアリーテイル)は!?」

 

「奴隷船だと言っただろ?はじめから君を商品にするために連れ込んだのさ」

 

「!!!」

 

(嘘でしょ・・・)

 

周りの男達が何か言っているようだが今のルーシィの耳には届かない。

 

(これが妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士なの?)

 

ジャリ・・・

 

火竜(サラマンダー)がルーシィの腰元から鍵の束を取り出した。

 

(ゲート)の鍵・・・星霊魔導士か。ま、この鍵に用はない」

 

そう言って鍵を海へと投げ出した。

 

(魔法を悪用して・・・人を騙して・・・奴隷商ですって!?)

 

「・・・最低の魔導士じゃない」

 

バキィッ!!

 

ルーシィのつぶやきと同時に部屋の天井が蹴破られた。

そこに現れたのはアルトとナツだった。

 

「昼間のガキ共!?」

 

「アルト!それにナツも!」

 

船は何事もなかったかのように波に揺られる・・・

 

「おぷ・・・やっぱ無理っぽい」

 

登場して早々にナツがダウン。

 

「かっこわるっ!」

 

「というかルーシィがなんでこんな所にいるんだ?」

 

「騙されたのよ!妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入れてくれるって・・・それで・・・」

 

「なるほどね・・・ってことはこの船で正解だったな」

 

ルーシィの言葉によって答えを導き出したアルトは不敵に笑う。

 

「正解ってどういう・・・」

 

「ハッピー!ルーシィをここから避難させてくれ」

 

「あい!」

 

2人が蹴破った穴から空を飛ぶハッピーが顔を出した。

 

「ハッピー!?アンタ羽なんてあったけ?」

 

「細かい話は後だよ」

 

ハッピーが器用に尻尾でルーシィを掴み、そのまま船から脱出する。

 

「あの女を逃がすなっ!!」

 

「「はいっ!」」

 

男達が逃がすまいと銃を乱射してきた。

 

「ルーシィ聞いて」

 

「何よこんな時に!」

 

「変身解けた」

 

「くそネコー!!」

 

ハッピーの背中から翼が消え、2人は海へと落ちてしまう。

一度に多くのことが起きて訳がわからないが、火竜(サラマンダー)に騙された女の子達を助けなければいけない。そう考えてルーシィは先ほど捨てられた鍵をさがす。

 

(あった!浅い所に引っかかってくれたみたい)

 

鍵を取り戻したルーシィは海上へと顔を出す。

 

「いくわよ」

 

そう言って鍵の一つを海面に突き刺す。

 

「開け!宝瓶宮の扉!!アクエリアス!!!」

 

すると光と共に水瓶を持った人魚が現れた。

 

ルーシィは星霊魔導士という魔導士で、(ゲート)の鍵を使い異界の星霊を呼ぶことができるのだ。

 

「さあアクエリアス!あなたの力で船を岸まで押し戻して!」

 

「ちっ」

 

「今“ちっ”って言ったかしらアンター!」

 

「うるさい小娘だ」

 

どうやら仲は良好とはいえないらしい。

 

「今度鍵落としたらどうなるか判ってるな?」

 

「ご、ごめんなさい・・・」

 

鍵を落とされたことに相当お怒りのアクエリアスは、その怒りをぶつけるかのように水瓶を振り上げる。

 

「オラァ!」

 

アクエリアスが発生させた大波がルーシィ達を巻き込みながら船を岸まで押し戻した。

 

「ちょっと!普通あたしまで流す!?」

 

「不覚。ついでに船まで流してしまった・・・」

 

「あたしを狙ったんかい!」

 

「しばらく呼ぶな。一週間彼氏と旅行に行く、彼氏とな」

 

ドヤ顔でそう言い残してアクエリアスは消えていった。

 

「なんて勝手なヤツ!でも船は岸まで戻ったし、軍が来れば女の子達も助かるわね」

 

「オイラ、2人の所行くね」

 

「あっ、待ちなさいよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

†††††

 

(うぷっ・・・すげぇ揺れだったな・・・これはナツじゃなくても酔うわ)

 

場所は変わって船の一室。ここではアルト達が睨み合いを続けていた。

 

「アルトー!ナツー!だいじょ・・・!」

 

重苦しい雰囲気にやってきたルーシィが口を閉じる。

 

「ガキ共、人の船に勝手に乗ってきちゃイカンだろ。あ?」

 

火竜(サラマンダー)の威嚇など気にも留めずアルトが話しかける。

 

「アンタ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士なんだって?」

 

「・・・そうだが?」

 

「じゃあ“魔導騎士(エクィテス)”ってヤツを知ってるか?」

 

その名は妖精の尻尾(フェアリーテイル)の中でもトップクラスの実力を持つ魔導士の異名であり、恐らくその名を知らない者はいないだろう。

 

「あ、あぁ。勿論だとも。か、彼とは親友のような間柄だからね・・・」

 

火竜(サラマンダー)がなぜか焦ったように答えた。

 

「へぇ~そうなんだ。・・・でもおかしいな。俺、アンタとは面識ないんだけど?」

 

「へ?」

 

そう言ってアルトが左手のグローブを外すと、そこには妖精を模したマークが刻まれていた。

 

「あのマーク!じゃあアルトが妖精の尻尾(フェアリーテイル)魔導騎士(エクィテス)なの!?」

 

「もしかして、隣にいるのは・・・」

 

「桜色の髪に鱗みてぇなマフラー・・・間違いねぇ!コイツ本物の火竜(サラマンダー)だぜボラさん!」

 

「ば、馬鹿!その名で呼ぶな!」

 

火竜(サラマンダー)ってナツのことだったんだね」

 

「ボラ・・・紅天(プロミネンス)のボラ。魔法で盗みを繰り返して数年前に巨人の鼻(タイタンノーズ)ってギルドから追放されたって聞いたことがあるわ!」

 

「くっ・・・!」

 

「今回の俺の仕事は違法とされている奴隷商の検挙だ。観念しな!」

 

そう言うとアルトは自分が付けている剣の形をしたペンダントに手をあてる。するとペンダントが光り出し本物の剣に変わった。

 

「何あれ!?あんな魔法見たことない!」

 

「あれがアルトの魔法、“錬金魔法”だよ。アルトは今はもう絶滅したと言われてる“錬金魔導士(アルケミスト)”っていう魔導士なんだ」

 

「たっ、たかが2人で何ができる!?しかも片方はさっきからダウンしてるじゃねーか!」

 

ボラが叫びながらナツに炎を放った。

 

「ナツ!」

 

「大丈夫」

 

ナツの所へ行こうとするルーシィをハッピーが止める。

 

「まずい。お前本当に火の魔導士か?こんなまずい火は初めてだ」

 

「火を・・・」

 

「食べてる・・・!」

 

「竜の肺は焔を吹き、竜の鱗は焔を溶かし、竜の爪は焔を纏う。ナツは太古の魔法(エンシェントスペル)の“滅竜魔法”を使う滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だよ」

 

「ごちそう様でした!」

 

炎を食べ終えたナツがゆっくりと立ち上がった。

 

「さてと、もう暴れていいんだろ?」

 

ナツの問いにアルトはあぁと相槌をうち、剣をボラ達に向ける。

 

「さあ、ショータイムだ!!!」

 

その言葉を合図にアルトとナツは男達を次々と倒していく。

 

そしてついに残るはボラ1人となってしまった。

 

「うおぉぉっ!くっ来るなー!」

 

ボラが闇雲に炎を放つが、アルトはそれを剣で斬っていく。

 

「魔法ってのは、人を笑顔にする為の希望の力だ。それを悪用して人を泣かせるようなヤツが、妖精の尻尾(フェアリーテイル)を騙るんじゃねぇ!」

 

アルトはその言葉とともにボラを一閃し、ボラは衝撃で気を失った。

 

「・・・す、凄い」

 

ルーシィは2人の戦闘をただ見ていることしかできなかった。

 

「凄い・・・けど、港がめちゃくちゃー!」

 

2人の戦闘という名の破壊行為によりハルジオンの港は跡形もなくなっていた。

 

「この騒ぎは何事かねー!」

 

街の方から軍隊がやってきた。

 

「やばっ逃げるぞ!」

 

そう言ってアルトはルーシィの手を引く。

 

「なんであたしまで!?」

 

「だって妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたいんだろ?」

 

「え?」

 

「来いよ!」

 

アルトの笑顔に少し見惚れてしまったがルーシィは今度こそ迷わず答えた。

 

「うん!!!」

 

こうして4人は朝日を背にハルジオンの街を発ったのだった・・・




どうも、ジャージ王子です!
やっと原作1話を消化です。今回はルビタグに挑戦してみましたが読みやすくなっていれば幸いです。それにしても後半がgdgdすぎですね…もっと精進したいと思います。
感想や指摘などありましたらぜひコメントして下さいm(_ _)m
以上、ジャージ王子でした( ・_・)ノシ
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