FAIRY TAIL ~魔導騎士と星の姫~   作:ジャージ王子

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大変!長らく!お待たせ致しましたぁ!では第7話スタートです!


第7話 妖精の尻尾の執事たる者・・・

走る。赤い絨毯を。

 

「はっ、はっ…」

 

走る。とにかく走る。

 

「はっ、はっ、はっ…」

 

走る。生き残る為に。

 

「「待ちなさーい、色男!」」

 

「こっち来んなーっ!!」

 

モンスターメイド達に連れ去られたアルトは隙を突いての脱出を試みたが、彼女達の野生の勘とも呼ぶべき反応により失敗。

そして現在、“理想の執事計画”という邪な計画から己が身を守るべくこうして逃走を続けていた。

 

「はっ、はっ、何回か奴らを撒くことはできてんだが、その度に穴を掘ってまた出てきやがる。マジで人間なのかこっちが不安になるぜ…」

 

ちなみに、道もわからないアルトがこの屋敷のメイド達から逃げ切ることができているのは、彼の類まれなる方向音痴がなせる業だということに本人は気付いていない。

 

「あんまり荒い事はしたくなかったんだが、しょうがねぇ。ちょっと吹っ飛んでもらうか」

 

「あら、観念したのかしら色男さん」

 

「んな訳ねーだろ。…“ウインド”!」

 

剣を錬成すると即座に風の力を纏わせ、そのまま剣を平行に構えながら周りの空気を圧縮していく。

 

「「!?」」

 

「いっけぇっ!」

 

アルトの掛け声と共に圧縮された空気が砲弾のように射出され、メイド達を吹き飛ばした。

 

「そのままお休みなさいませ、お嬢様方」

 

かなりの距離を飛んだメイド達に向かって深く礼をするアルト。その洗練された動作はまるで一流の執事のようであった。

 

「ふぅ…なんとかなったな」

 

剣をペンダント状に戻し、今後の身の振りを考えながら辺りを見回すと1つの扉が目に止まった。

 

「ん?」

 

その扉の看板には大きな文字で“我輩の蔵書室”と書かれている。

 

「もしかしたらここに日の出(デイ・ブレイク)もあるかもな」

 

彼の方向音痴は時に奇跡を起こすのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

†††††

 

一方、ナツとハッピー、ルーシィの3人は屋上部からエバルー邸に潜入しようとしていた。

 

「なぁルーシィ、なんでこんなこそこそしなきゃなんねーんだ?」

 

真正面から突っ込んだ方が早いだろ、とぼやくナツにルーシィが改めて説明をする。

 

「エバルーはあんなムカつく変態オヤジでも一応街の有力者なのよ。下手に騒ぎなんか起こしたら軍が動くかもしれないでしょ」

 

「なんだよ、お前だって突っ込む気満々だったくせに」

 

アルトが連れ去られた当初は、暴走気味で冷静な判断ができなかったルーシィをナツとハッピーが抑えるという普段では有り得ない状況になっていた。

 

「と、とにかく!暴力は駄目だからね」

 

「はいはい」

 

「何よその態度!」

 

ルーシィ渾身の脳天チョップがナツに直撃する。

 

「お前滅茶苦茶だな…」

 

その後、順調に屋敷に潜入できた一行は1つ1つ部屋を確認するため廊下に出た。

しかし、このエバルー邸のメイド達がそれを許す筈もなかった。

 

「ナツー、なんか地面が膨らんでるよ」

 

「ホントだ。欠陥住宅ってやつか?」

 

「そんな訳ないでしょ、っじゃなくて!これってもしかして…」

 

ルーシィの予想通り盛り上がった地面からメイド達が現れる。

 

「侵入者発見」

 

「あの時のゴリラ!?」

 

「ハイジョシマス」

 

「お、ちょっとは歯ごたえのありそうなヤツがいるな」

 

ナツが拳に炎を構えて不敵に笑う。

 

「あ~、もう!いいからやっちゃってナツ!」

 

「おう!火竜の…」

 

両腕に炎を溜めたナツは、突っ込んでくるメイド達を真正面から迎え撃つ。

 

「翼撃!!」

 

一気に放出された炎はその名の通り翼を模した形となり、ゴリラメイド達を一撃でなぎ倒した。

 

「次が来る前に逃げるわよ!」

 

「ねぇルーシィ」

 

「何よ、こんな時に!」

 

「あそこ蔵書室って書いてあるよ」

 

「え!?もしかしたらあそこに日の出(デイ・ブレイク)があるかも!」

 

「行くぞハッピー、ルーシィ!」

 

「あい!」

 

ナツとハッピーが我先にとばかりに蔵書室に飛び込む。

入った先には部屋を囲う巨大な本棚とその中にびっしりと詰められた無数の本が広がっていた。

 

「「おぉー!」」

 

その壮大な風景にナツとハッピーが驚く。後ろからやって来たルーシィもまた本の量に驚きを隠せないでいた。

 

「エバルーって意外と読書家なのね。それにこれを全部読んでるんだとしたらちょっと感心しちゃうかも」

 

「でもこの中から一冊の本を探すのは難しいんじゃない?」

 

「そうよね。でも他に方法も無いし…」

 

どうするべきかと考えていると、突然何者かが背後から声をかけてきた。

 

「お探しの本はこちらですか?お嬢様」

 

「「「アルト!?」」」

 

現れたのは燕尾服を着た頼れる仲間、アルトだった。

 

「よっ」

 

「アルトー!」

 

アルトの姿を見た途端、ルーシィが号泣しながら飛び込んできた。

 

「うわっ!」

 

「えぐ、ひっぐ、良がった~。変なことされてない?大丈夫だった?」

 

「大丈夫!大丈夫だから!というかこの状況の方がよっぽどピンチだから!」

 

突然のことにアルトも対応できずに慌ててしまう。

 

「おー、こんな焦ったアルト見たことねぇぞ」

 

「あい、顔も真っ赤です」

 

「おい外野!見てないでなんとかしろ!」

 

3人が騒いでいる中、ルーシィがアルトの手の中の本に気づいた。

 

「あれ?その金ピカな本って・・・」

 

「あ、あぁ、これが日の出(デイ・ブレイク)だ」

 

「もう見つけてたのね、さすがアルト!」

 

「ふっ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の執事たる者、この程度出来ないでどうします」

 

「お前キャラ変わってんぞ・・・」

 

アルトとナツがコントのようなやり取りをする中、ルーシィがあることに気付く。

 

「え、この本の作者って“ケム・ザレオン”じゃない!」

 

「「ケム?」」

 

「確か、魔導士でありながら小説家だったっていう人か?」

 

「そう!あたし大ファンなんだー!」

 

「今日のルーシィは泣いたり、喜んだり忙しいね」

 

「その前は怒ってたしな」

 

そんなナツとハッピーの小言は耳に入っていないのか、ルーシィは目を輝かせながら更に熱く語る。

 

「ケム・ザレオンの作品は全部読んだ筈なのに、これは見たことない・・・もしかして未発表作!?すごいわ!」

 

「ボヨヨヨヨヨヨ・・・なるほど、なるほど」

 

「「!!!」」

 

何度目になるだろう。この屋敷に来てからはもはや当然のように感じてしまうようになったが、またしても地面が盛り上がり人が現れる。

 

「貴様等の狙いは日の出(デイ・ブレイク)だったのか。泳がせておいて正解だったわ!」

 

「「エバルー!」」

 

「だが貴様等はここで終わりだ、侵入者共め!ボヨヨヨヨヨヨ」

 

エバルーの不気味な笑い声が、アルト達の不安を煽るかのように屋敷中に鳴り響いた。




どうも、ジャージ王子です!
はい、色々とやっていたら前回の更新から1ヶ月経ちそうになってました。申し訳ないです。
さて、次回で日の出を巡る話もラスト!出来るだけ今日中の更新を目指していますので、しばらくお待ち下さい。
引き続き、感想やご指摘などありましたらコメントお願いしますm(_ _)m
以上、ジャージ王子でした。ではでは( ・_・)ノシ
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