「マードーカ出かけるよ♡」
「グッ、襟首掴まないで」
ヒソカが何時もの様に出かけると言って来た。また誰か殺すのだろうか。
しかし捕まえ方が雑で、襟首を掴まれた。
「今年もハンター試験受けようと思ってね♠マドカ暇だろう♢」
「ハンター試験?」
「そうハンター試験♡去年受けたけど暇でさぁ、暇つぶしの相手にマドカは丁度いいだろう♢」
ヒソカはハンター試験を受けると言いだした。
確か去年受けて試験官を半殺しにして失格になったんだっけ。
「試験会場は僕が知っているからさ♢じゃ行くよ♠」
「ちょっと待って。荷物ぐらい準備させて」
しょうがない、みたいな顔をするヒソカを背後に鞄に着替えに水、塩、ナイフ、非常食を詰めた。
準備が完了するとヒソカに連れられハンター試験会場に向かった。
ザバン市の小さな定食屋でヒソカが合言葉を言うと奥の部屋に通された。
その部屋はエレベーターになっており、地下に向かって下りて行く。
そこに置かれていたステーキはとても厚く私は食べきる事ができなかった。
地下に着くと豆の様なマーメンさんに番号の書かれたプレートを貰い胸に付けた。
ヒソカが44番、私が45番だ。
ヒソカを見て集まっていた受験生が後退して、場はシーンと静まり返りざわめき出す。
そこかしこから「ヒソカだ!」と言う声が聞こえる。
ヒソカが歩を進めるとモーセが海を割ったように人が割れた。
一緒について行っている私も注目が集まる。
うう、注目が痛い……。絶をしよう。
私は絶をして受験会場の端によった。
そう言えばトンパさんが来るかと思ったら来なかった。ヒソカと一緒に下りて来たからだろうか。
受験生がどんどん集まり丁度100番目の人が下りて来た。
降りて来たのはキルアだった。
あれ? キルアって99番じゃなかったっけ? そっか、私が居るからか。
一人突っ込みに答えをだしつつキルアを見ていると、キルアは受験会場を見まわしだした。
偶然か必然か私の居る方へよって来たキルアは私の前まで来て驚きの声を上げた。
「おわ、こんな所に子供!?」
「初めまして私はマドカ、貴方は?」
驚いているキルアに自己紹介した。
「俺はキルア、マドカお前幾つ? 俺は十二歳」
「私は十歳です」
「ッチ、俺が最年少だと思ったのによ」
悔しがるキルアに私は曖昧な笑顔を向けた。
「それにしても凄い穏形だな、俺も近付くまで気付かなかったぜ」
「注目が凄くってね……」
「ふーん、ま、お互い頑張ろうぜ」
キルアはそう言うと人ごみに紛れて行った。
受験生を見ているとイルミさんのオーラを感じてエレベーターを見た。
エレベーターから出て来たのは顔に針を刺した男だった。
うーん、挨拶に行った方が良いよね。
そう思って挨拶に行くとイルミさんがカタカタカタと音を立てた。
『マドカも来ていたんだ、俺の事はギタラクルって呼んで。後、キルアには内緒にしといてね』
『了~解』
イルミさん、ギタラクルさんとの会話は念で行った。
ギタラクルさんが動くと人も割れた。
その光景を見てヒソカを思いだす。
あー、顔針男だもんな。
更に時間が立ち400番を超えた所で主人公組がやって来た。
黒髪にサングラスの男レオリオが404番。
金髪に茶色い瞳の女性的な顔立ちの少年クラピカが405番。
キルアと同じ年の黒髪の少年ゴンが406番だ。
やはり原作より1番後ろになっている。
主人公組にトンパさんが話しかけ、ジュースを渡した。
ゴンが駄目になっていると言い、そのジュース達は廃棄された。
ヒソカがぶつかって来た相手の腕を切り落とし、念で天井にその腕を張り付けた。
あーあ、その腕があればくっ付くかもしれないのに。
この世界の医療は意外と進んでおり、腕があればくっ付ける事もできる。
そんな事を考えているとジリジリジリと音が鳴って、スーツ姿の試験官サトツさんが現れて第一次試験が始まった。
「マドカ前の方に居てくれないかい? 僕は後ろの方から着いて行くからさ♡」
聞いて来ているが命令の様な物だ。絶対に譲らない。
「分かった、連絡は携帯で良い? やり過ぎないでね」
そう言うと私は人混みを縫うように先頭に躍り出た。
暫く走っていると後ろから子供の高い声が聞こえた。
「あ、あそこが先頭だ。キルアあそこに居る子俺達と同じ年位だよ」
「ん、あマドカか。俺達の二つ下だぜ」
そんな声と共にキルアとゴンが私の隣までやって来た。
「俺はゴン。君がマドカ?」
「うん、私がマドカよ。キルアさっきぶり」
「おう」
そう挨拶をすると私達はサトツさんの後ろに着き走り出した。
暫く走るとゴンが質問をしてきた。
「二人は何でハンター試験受けたの? 俺は親父を探してるんだ」
「俺はハンター試験が難しいって聞いたからだな」
「私は兄に連れて来られたからよ。でも、色々な世界を見て見るのも良いかなって思う」
「兄妹で来たのかよ」
「お兄さんが居るんだ。見た事ある人かな?」
私の答えにキルアは驚き、ゴンは誰が兄か聞いて来る。
「ヒソカって言うんだけど知ってる?」
「「ヒソカ!?」」
私が答えると二人が驚きの声を上げ、前を走るサトツさんのオーラが揺れる。
「お前ヒソカの妹だったのかよ」
「言われてみれば似てるね。髪の色と目の色が」
キルアは少し引き気味に、ゴンはヒソカと私が似ているという。
確かに外見は結構似ているのだ。
赤い髪に金の瞳、でも内面は似たくない。
「お、階段が見えて来たぜ」
「本当だ」
「この距離で登るって事はヌメーレ湿原に出るのかな?」
キルアが階段になっているのを発見した。
原作で知っているが私はヌメーレ湿原にも行った事がある。
クモのメンバーがタクシー代わりに私を使う為世界各地を歩きまわされたからだ。
各都市はもちろん秘境や魔境、流星街にも連れて行かれた。
私が行った事がないのは暗黒大陸位ではないだろうか。
「ヌメーレ湿原って何?」
「独特な動物とか魔獣が住んでいる所よ」
「へー、マドカって物知りだね」
ゴンが純粋に賛辞を送って来た。
ゴンの余りの純粋さに、私にもそんな時期があっただろうかと考えた。
考えたが、ないな。という感想に終わった。前世の記憶にない子供時代にはあったかもしれないが、今世ではない。
階段の上の方から光が射し外に繋がっている事が分かった。
「ここはヌメーレ湿原、通称詐欺師の塒と呼ばれています」
「嘘だ、そいつは嘘を吐いている」
階段を登り切りヌメーレ湿原に着くとサトツさんが説明をしてくれた。
そこに新たな登場人物が現れた。猿なんだけどね。
この猿もしかしてハンター試験の試験官なのかな? 都合よすぎるよね。
そう考えているとヒソカがサトツさんと猿にトランプを投げ付けた。
猿は死にサトツさんは残った。
ヒソカはサトツさんが本物だとわかっていてトランプを投げた。
オーラを見ればわかるよね。
サトツさんがヒソカに注意しその場は収まり、ヌメーレ湿原を走り出した。
ヒソカもサトツさんへの殺気もっと減らせないのかな。
「もっと前に行こうぜ」
「そうだね」
キルアの案で私達は更に前へ進んだ。
キルアがヒソカが人を殺したがっていると言い、私は賛成した。
ヒソカのサトツさんに向けていた殺気はいつの間にか周りにも向かっている。
「クラピカ、レオリオ。キルアとマドカが前に来た方が良いって」
「行けたら行ってる。ってマドカって誰だ! ……うわー」
レオリオの悲鳴にゴンが後ろに戻って行く。
それを見たキルアが悲しげな顔をしながら走り出した。
「ゴンなら大丈夫だよ」
「何でそんな事が言えるんだよ」
私の言葉にキルアは怪訝な顔を向けて来た。
「キルアはさっき兄と自分が似ているって言っていたけど、私は似ていないと思う」
「はあ! 俺もあいつも人殺しだぜ」
キルアは先ほど自分とヒソカが似ていると言った。
「そこじゃなくて。兄は重度の戦闘狂だからゴンの様な伸び代がある相手なら殺さない。寧ろ帰って来られるか心配した方が良いと思う」
私は原作知識とヒソカの妹として過ごしてきた時を考えキルアに答えた。
原作知識からは帰って来られるのは知っているが、ヒソカの事を考えれば心配するのはそちらだろう。否、連れて帰って来るかな。
そんな会話をしていると二次試験会場にたどり着いた。
飢えた獣の様な鳴き声が響きわたる。
どこから帰って来るか分からないので円を広げて気配を探る。
一方向からヒソカの念が感知でき、その少し後ろから微弱な気配を感じる。
恐らくゴン達だろう。
少し待てばヒソカがレオリオを抱え二次試験会場までやって来た。
そしてゴン達の気配もどんどん近付いて来る。
「そんなにゴンが気になるなら兄に聞いて来ようか?」
「気になるとかそんなんじゃねーし」
キルアは顔は心配そうに、しかし言葉は淡泊に答えた。
「キルアあそこ」
「何だよ、……ゴン!」
ゴンがやって来たのを見つけキルアは駆け寄って行った。
私もキルアに続く。
キルアがゴンに良く辿りつけたなと聞くと、ゴンはレオリオの香水の匂いを頼りに辿り着いたと言った。
原作で知っていたけどゴンの嗅覚どうなっているの? 念で強化しても数メートル程度しか分からないけど。
そしてレオリオが目覚め改めて自己紹介をした。
クラピカは私がヒソカの妹だと知ると警戒したが、レオリオは驚きはしたが直ぐに受け入れてくれた。
軽く手直ししました