「三次試験を通過した順番に籤を引いてくれ」
説明では自分のプレートが3点、籤を引いた番号のプレートが3点、その他のプレートが1点だった。
ようは自分のプレートを守りつつターゲットのプレートを狩れという事のようだ。
そして試験官の説明にまずヒソカが籤を引いた。
「質問です。自分のプレートだけで6点になる事はあるのですか?」
私の質問に試験官はニヤリと笑い答えた。
「ある、運も実力のうちだ。自分の受験番号と同じ数の籤を引いたものはその時点で6点。しかし奪われてしまう事もある」
その答えに受験生の目がギラギラ輝き出す。
ま、自分の番号なんて引ける訳ないけど、私運ないからね。あったらヒソカの妹なんてしていなし。
その後ギタラクルさん、私と引いて行く。
全員が籤を引き終わりゼビル島行きの船に乗った。
「マドカ凄いや、随分早かったんだね」
「三番か、頑張ったじゃねーか」
船に乗って少しゴンとキルアが話しかけて来た。
本当は同着だけど籤の順は三番目だったからね。
「そんなことないよ、殆ど真っ直ぐ進んでいただけだし」
「はあ!? そんなんで合格できたのかよ」
「えっとね兄とギタラクルさん、顔に針刺している人ね。と一緒の道だったから、後ろを着いて行っただけ」
私の説明にキルアは「ふーん」と答えた。
ゴンは「それでも凄いや」と言っている。
「それでマドカのターゲットは誰? 言えなかったら別に良いけど。それよりプレート隠さないんだね」
「安心してゴン達がターゲットじゃないから、私のターゲットは282番よ。プレートを隠さないのは、既に目立って番号覚えられているから今更隠しても意味ないからね」
私のターゲットが自分じゃなかった事にホッとするゴンとキルア。
「俺のターゲットは199番だ、誰だか覚えているか?」
「えーと、確か大中小の三人組じゃなかったけ?」
原作知識もあるが、もう大分薄れている。紙に書いておく事も考えたが、読まれてしまう可能性がある為書いていない。
文字は違うがヒソカはあれでかなり頭が良い。それにジャポンの字が日本語と同じだ。
「お、サンキュー」
「で、ゴンは如何したの?」
私達の話を聞いている間ゴンは笑ったり、顔を顰めたりしていた。
楽しそうであり不安そう、二つの相反する思いがぶつかっている様に見えた。
「こいつのターゲット44番だったんだ。そう言えば分かるだろう」
「あらら。でも正面から戦う試験じゃないし取れるかもしれないよ」
「そっか……」
私の言葉を聞いたゴンは何故か嬉しそうだ。
船がゼビル島に着きハンター試験の助手さんが説明してくれる。
出発する順番は三次試験を通過した順番。同着の場合は番号の若い順に出発するという物だった。
この順番だと二番目になるのか……。
ヒソカが出発すると少しした所で止まってしまった。
「ヒソカ、テメー何で止まるんだ!」
受験生の罵声にヒソカは不気味に笑っている。
「ククク、マドカと一緒に行こうと思ってね♡」
あ、独りで過ごすって夢が消えた……。
「二番目の方」
助手さんの言葉に私は歩き出す。
ヒソカの所まで歩くとヒソカが手を差し出して来た。
手を握れって事ですね、分かります。
うわー、独りにさせてくれるつもりまったくないな。
「マドカ、試験前受験生見ていただろう♠僕のターゲット384番何だけど覚えてないかい?」
ヒソカは知っていても知らなくともどうでもいいよ、とでも言いたげに言った。
「確かアフロに帽子を被った吹き矢持っていた人だよ。五番目に三次試験通過した人」
「うん、ありがとう♡」
ヒソカと話していて、ヒソカの着ている服が気になった。
「三次試験で切られた服、血が着いちゃったね」
「そうだね、好血蝶が寄って来る♠」
「スタート地点が見える所で待ち伏せしないの?」
「それじゃあつまらないだろう♢だから円も禁・止♡」
「えー……プギュウ」
ヒソカに膨らませていた頬を手で潰された。
いかんいかん、幼児化している。
監視している試験官も居るのに……。
それから二日、ギタラクルからヒソカに電話がかかって来た。
内容はヒソカのターゲットについて。
これをヒソカは断った。
もう知っているもんね。
この電話がかかって来る少し前、ヒソカに警戒し過ぎたゴンの気配を感じた。
ヒソカを警戒しすぎて私への気配の消し方が甘かった。
今は完全に気配が同化してしまって私も分からない。
うーん、ゴンの為にもヒソカと分かれた方が良いかな。
夕暮れ時一人の男がヒソカに手合わせを挑んできた。
槍を振るう男にたいしてヒソカはかわしてばかり。
それに気づいた男がヒソカを問いただすがヒソカは重傷を負って、今にも死にそうな相手に用はないらしい。
男の最後の特攻の最中、男に向かって針が飛んできた。
茂みの中から出て来たギタラクルさんは更に針を飛ばす。
死んでしまった男を前にヒソカとギタラクルが話をしている。
やがてギタラクルは顔の針を外し素顔になると、土を掘り土の中でタイムリミットまで眠ると言って眠ってしまった。
「ヒー兄、私もプレート取って来る。またね」
ヒソカが捕まえる気を起こさない内に距離を取る。
「まったくしょうがないなあ♢また後で♡」
「ヒー兄、良い事あるかもよ」
「ふーん♠楽しみにしているよ♡」
そう言って私はヒソカと分かれた。
ヒソカと分かれた私は誰かに着けられていた。
後方五十メートル程か。望遠鏡か何か持っているのかな?
大きな木の幹に隠れ私を着けている人が動くのを待つ。
その人が動いた所で足元に落ちていた石を拾い投げ付けた。
「痛っ!」
小さな、だが確かな声を聞き、相手が怯んでいる内に相手の元まで駆ける。
首元に手刀を叩きつけ気を失わせた。
持っていたバックを探りプレートを取る。出て来たプレートは34番、そのプレートをポケットに入れた。
まあ、そうだよね。都合良く私のターゲットの訳ないか。
私は溜息を洩らしつつ背後を振り向いた。
「もしかしてこの人、小父さんのターゲットだった?」
私の言葉と態度に木の陰から年配の男性が出て来た。
「ほう、気付いておったか。中々油断できないお嬢さんだ」
「私はマドカ、貴方は?」
「
私とボドロさんは自己紹介をした。
「相談なのだが、某の持っているプレートとそのプレート交換してくれんか?」
「良いですよ」
ボドロさんの言葉に了承すると、とても驚いた顔をされた。
「戦って取ろうとは思わんのか? マドカならできよう」
「別に話し合いで解決できるのならそれに越した事はありませんし」
「ハハハ、ヒソカを警戒するあまり同一視していた」
「兄と同一視なんてしないで下さい!」
笑い出したボドロさんにプリプリ怒る私。
笑いを納めたボドロさんはプレートを一枚差し出して来た。
「某が取ったプレートだ」
「ありがとうございます。……あ、私のターゲットのプレート」
「何と! それは良かった」
プレートに書かれていた番号は282番。
そのまったくの偶然に顔を綻ばせる私達。
「これは提案なのだが、試験終了まで一緒に行動せんか?」
「私とですか? 良いですよ」
ボドロさんの提案に乗り、私達は四次試験終了まで共に過ごした。
次回は別視点になります。
数話分書き溜めてあるため、それまで毎日投稿します。