ボーボボの自己紹介が終わったので、次はビュティとヘッポコ丸が話し始めた。駄女神は号泣中である
((うるさい…))
「よっしゃー!次はオレたちの名を教えてやるぜ!!」
カズマを揺さぶるアクアを無視して、首領パッチ、天の助の順で名乗りをあげる
「オレは竜騎士ガルザーク」
「そしてオレは聖剣士ガイア」
「何それ!!?」
首領パッチは大きな剣、天の助は短剣2本を手に持ってポーズをとった
そしてそれを見ためぐみんが
「名前が変ですし口上も微妙ですね。13点」
「「!!!」」
辛口採点で2人を評価した
この時首領パッチは、同級生のサトルくんにゲームでつけた主人公の名前を笑われた時のような気持ちだったと答える
「分かりづらいよこの例え!!!誰だよサトルくんって!?」
天の助も、バイトの面接の自己PRを面接官のサトルくんにダメ押しされた気分だったという
「だから分かりづらいってこの例え!!!」
謎のサトルくん押しにビュティは困惑する
「「うわあああああん!!!」」
「あ!2人ともどこ行くの?」
低得点の評価をもらった2人は泣きながら走っていき、近くにあったクローゼットに閉じこもった
「どこにクローゼットあったんだよ!!?」
「2人とも!出てきなってば!」
カズマが驚いている間にビュティは心傷ついた首領パッチと天の助をクローゼットから出させようとする
ガタガタ揺れるクローゼット。ビュティが取手に手をかけると、簡単に扉が開いた
「あれ、開いた…?」
扉が徐々に開き、完全にクローゼットの中が公開されるとそこには……
ファッションショーで光り輝いていた
「なんで!!?」
「ヒュー!イェー!」
「フィーバーーー!」
ありえない広さのクローゼットの中で、観客の視線を浴びながらハイになるバカ2人。ビュティとヘッポコ丸は無視を決め込んだ
「それでボーボボ、ギルドに冒険者登録できなかったみたいだけどどうするんだ?」
「あ、そうだった。どうする?ボーボボ」
カズマの疑問にビュティとヘッポコ丸が便乗する。それを聞いたボーボボは土下座してカズマにお願いする
「頼むカズマ!オレたちに金を貸してくれ!」
「ちょっええ!?」
「お願いしますよダンナ〜〜」
突然の要求にカズマは驚くが、泣きながらボーボボはお構いなしにカズマの足にしがみついて擦り寄る
「今なら“ごはんですよ”もあげちゃうぞ♪」パカッ
「いらねーよ!!!」
ボーボボのアフロの中から出てきた黒々とした“ごはんですよ”が入ったビンを遠くに投げ捨てる。飛来物はハゲのおっさんに直撃してハゲ頭を“ごはんですよ”で染められた
「……ハァ〜〜、しょーがねぇーなぁー。ホラ、5000エリスあるからこれで登録してこい」
軽くため息を吐いてからカズマは5000エリス入った袋を渡した。クズマであるが、根はいいやつなのだ
「助かったぞカズマ!!おっしゃーオマエら!!!今から冒険者になるぞーーーー!」
「待てよボーボボ!」
「1番乗りはオレだーー!!」
そう言ってボーボボたちは近くのパチンコ屋に乗り込んだ
「オイコラ!言ってることとやってることがちげーぞ!!!」
「何やってんだよボーボボ!ダメだからそんなことしちゃ!」
ビュティたちに止められて、ボーボボたちはツバを地面に吐く
「チッ、分かってるっての、ぺっ」
「ノリ悪りぃ、ぺっ」
「これだから最近の若者は…、ぺっ」
「今ツバ吐きやがったな!?」
理不尽すぎる逆ギレだった。腹が立ったからカズマは覚えたての魔法で首領パッチに仕返しする
「「クリエイト・アース」からの「ウィンドブレス」」
「ぎゃああああ!!目がーーー!!」
掌から吹き上げた砂ぼこりが首領パッチの目に直撃。悶絶するオレンジの物体を放ってボーボボら4人は受付カウンターに向かった。受付嬢のルナに5000エリスを渡す
「よろしく頼む」チャリン
「少々お待ちください……はい、確認しました!それではまず、こちらの書類に身長、体重、年齢、身体的特徴等の記入を願います」
そう言われて渡された5枚の書類を、復活して戻った首領パッチも含めてボーボボたちは、それぞれ自分のことを書き込んでいった
「はい。えっと、ではみなさん、こちらのカードに触れてください。それであなた方のステータスが分かりますので、その数値に応じてなりたい職業を選んでくださいね」
「じゃあ、まずオレから」
そういってヘッポコ丸が最初に冒険者カードを手に取った
「……はい、ありがとうございます。ヘッポコマルさんですね。ステータスは、器用度が普通、筋力と幸運が平均を少し下回っていますが、知力がそこそこ、魔力と敏捷性がかなり高いです。というか、生命力だけありえないくらい高い数値なんですけど!!?……一体どんな生活をしてたらこんなステータスになるのですか?」
「え?いやあ、ハハハハ…」
ヘッポコ丸は笑いながら誤魔化す。毎回ボーボボたちのハジケっぷりで死にかけているのだから生命力も自然と高まるものである
「このステータスですと、なれる職業は冒険者、プリースト、アーチャー、盗賊の4つですね。どれを選びますか?」
「プリースト?」
「簡単に言えば、神聖な回復魔法や浄化魔法を得意とするいわゆる「僧侶」といった職業です。ちなみにアクアさんは、プリーストの上位職であるアークプリーストの職業です」
「ふーん」
言われてヘッポコ丸は振り向く。そこには引きずられながらカズマの足にしがみつく
「…この盗賊ってやつで」
「わ、分かりました。盗賊で登録します」
果たしてプリーストに失望したのかアクアに失望したのか。ルナには分かりかねたがあれを見ては無理もないとは思った
「なら、次はビュティがやってくれ」
「いいの?じゃあ、やってみる!」
まだまだ夢見る少女のビュティは魔法使いになる自分の姿を思い浮かべてワクワクした。ヘッポコはビュティを見て和む。首領パッチはハンカチを噛み締めていた
「ビュティさんは、えっと…筋力、生命力、魔力、器用度、俊敏性が平均的で、知力が非常に高くて幸運が少し高いといった感じでしょうか。カズマさんの知力と幸運の数値を逆にしたような感じですね」
「私はどんな職業があるの?」
「その、すみません。このステータスだと、カズマさんと同じ冒険者という職業にしかなれません。せめてもう少し魔力の数値が高ければウィザードになることはできましたけれど…」
「そうなんだ。魔法使いたかったなぁ」
ガッカリした様子でビュティはしょげる
「で、でも、レベルが上がって魔力が上昇すれば転職が可能ですし!それに、魔法を使ってみたいというのであれば冒険者という職業も悪くありませんよ!なにせ、冒険者はすべての職業のスキルが使えますから!」
「本当!?それじゃあめぐみんちゃんから魔法を教えてもらうこともできるの?」
「ヤメロォ!爆裂狂が2人に増えるとかマジでシャレになんねーから!」
「その爆裂狂というのは私のことなんですよね?カズマ」
ビュティの発言にカズマがストップをいれ、横で聞いていためぐみんがフォークを手の甲に突き刺すべく構える。その様子を見て妄想して悶える
そんなやりとりをしている間にビュティは冒険者としての登録を完了させた
「よし!!!次はオレたち3人だ!」
そう言って3人は同時に冒険者カードを手に取り
ドゴーーン!!!!
「きゃああ!!!!」
カードが爆発した。ボーボボと首領パッチと天の助がススだらけで煙から現れる
「大丈夫!?」
「うう、今の爆発で」
首領パッチを抱き上げながらボーボボは卵を取り出し、パカッとあける。生タマゴはゆでタマゴになっていた
「僕の生タマゴがゆでタマゴになっちゃったーー!!!」
「どーでもいいよ!!!」
そんなコントを終わらせると、3人はなぜか無事な冒険者カードを手渡す。驚きを隠しながらもそれを手にとって確認する
「えええええ!!!?なんですかボーボボさんのこのステータス!!?すべてのステータスの数値が平均値を大幅に上回っていますよ!!!」
ルナの説明にギルド内にいる全員が感嘆の声を上げる
「すごいよボーボボ!!!」
「へっ!ならオレたちも相当スゲーことになってんだろうな!!!」
「おうよ!当然だぜ!!」
「あ、ドンパッチさんとトコロテンノスケさんは生命力が規格外に高いところを除けば残りすべてが平均値を大きく下回っていますよ」
「「何ィ!!!?」」
「ドンパッチさんに至っては知力が1です」
「1!!!?」
今明かされる衝撃の真実に打ちひがれる首領パッチと天の助。ルナは興奮した様子でボーボボに話しかける
「でも本当に凄いステータスですよ!これならすべての職業から選ぶことも夢では……あれ?」
「どうした?」
「え、えっと、今見てみたらボーボボさんたち3人だけ職業が最初から固定されていまして…なんですかこれ…ハジケリスト?聞いたこともありません」
「いや、それで問題ない」
未知の職業に戸惑うルナだが、ボーボボは最初から分かっていたかのように自信満々に答えた
「わ、わかりました。…えー、コホン。ボーボボ様、ドンパッチ様、テンノスケ様、ビュティ様、ヘッポコマル様、冒険者ギルドへようこそ。スタッフ一同、今後の活躍に期待しています!」
こうしてボーボボたちは、はれて冒険者となった
職業“ハジケリスト”
この世の全てを破壊できる職業。その一撃は地を割り、海を裂き、天をも砕くと言われている
なお全て嘘
「嘘かよ!!!!」
本当はボーボボ世界の法則(ギャグ補正)をこのすば世界で発揮できる者の総称。通称“バカ”。つまりはチート
なお、この補正は周囲?の存在にも伝搬する模様