この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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ゴールデンウィーク、皆さんはどうお過ごしでしょうか?僕は部屋にこもって毎日ゴロゴロ自堕落です


奥義12 キャベツは友達

カズマたちが復活してから10分後、突如警報が鳴り出した

 

『緊急クエスト!緊急クエスト!街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!繰り返します。街の中にいる各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!』

 

大音量のアナウンスに、ギルド内の冒険者たちがザワつく。その反応にカズマも動転する

 

「なんだ!一体何があったんだ!?モンスターの襲撃か!?」

「フッ、オレはカンペキに分かったぜ」

 

カズマの疑問に首領パッチが自信満々に答える

 

「ひまわり畑でひまわりのタネを集めるためだ!!!」

「なわけあるか!!!」

「きっとこの街には対悪魔のメタルハムスターが量産されていて、それを使って冒険者の経験値を底上げする気なんだ……」

「悪魔用である意味は!!!?」

 

もはや支離滅裂なことをのたまう首領パッチ。いつものことだ

 

それをテキトーに聞き流して、ボーボボたちは首領パッチだけを置いて街の外へ走り出した

 

「ボーボボ!もし魔王軍が攻めてきてたらヤバイよ!この街には戦えない人がたくさんいるんだよ!」

「安心しろビュティ。街の外を見てみろ」

「え?」

 

やがて街門の近くまで移動したボーボボ一行は門の下をくぐり抜け、そして街が緊急クエストを出すほどの存在が現れる。黄緑の栄養豊富な色、瑞々しいツヤ、そしてハ○のように耳のようなものをパタパタ動かしながら空を駆けるその正体は

 

「キャベツが空飛んでるーーー!!!!」

 

元気に元気にピョンピョン跳ねるキャベツだった。カズマの鮮烈なまでのツッコミが炸裂する

 

「何言ってるんですか?キャベツが空を飛ぶなんて常識ですよ常識」

「この時期のキャベツは1番美味しい。だからキャベツたちも食べられまいと人目のつかない場所に逃げ始めるんだ」

 

めぐみんとダクネスの順でこの世界のキャベツの説明をする。それを聞いた現代文明出身のカズマは怒りのあまり叫ぶ

 

「ふざけんなよ!!なんで異世界転生した先がこんなに訳わかんねー世界なんだぁ!!俺の夢と憧れ返しやがれーー!!!」

「私の純情を返してー!!!」

「主人公の座を返しやがれーー!!!」

「ところてんの主食復権をーー!!!」

「後半まったく関係ねー!!!!」

 

カズマの夢と憧れとボーボボの純情は返ってこないし、首領パッチはそもそもこの作品では主人公じゃないし、天の助の魂の叫びも全部無駄である

 

「ちょっとカズマ!突っ立ってないで早くキャベツ捕まえるの手伝いなさいよ!アンタが《窃盗》使って捕まえるのよ。私が全部貢ぎ物として貰ってあげるから!!!」

「嫌に決まってんだろ!!!何が悲しくてキャベツ捕まえなきゃなんねーんだ!」

「まったくだ、オレは帰らせてもらうぜ!!」

「あ、首領パッチくん」

 

立ち去ろうとする首領パッチに聞こえるように、ボーボボはポツリと呟く

 

「ちなみにこのキャベツは1玉1万エリスだ」ぼそり

「キャッベエエエーーーッ!!!!」

「キャベツの群れに突っ込んで行ったー!!!!」

 

金に目が眩んだバカボールは猟銃を手に突撃していった。とんでもない切り替えの早さである

 

ドカッバキッグシャッ

 

「ぎゃあああああああああ!!!!」

 

そしてすぐにキャベツの逆襲の的になっていた

 

「タッチだタッチ!!!」

 

満身創痍な首領パッチを助けるため、レスラーボーボボが交代するためにリングの上で手を伸ばし

 

パシッ

 

「よし、もう1ぺん行って来い!!!」ぶん!

「うそーん!!!」

「タッチの意味は!!!?」

 

交代せずに首領パッチをぶん投げた。投げた先には見上げるほどにデカいキャベツが鎮座していた

 

「のわあああああバカデケー!!!!」

 

バクンッ

 

「キャベツに食べられたー!!!?」

 

涙を流す首領パッチを巨大なキャベツは口?を開き、無慈悲に一口で平らげた

 

「よくも仲間の首領パッチを食べてくれたな!!」

「許さねえ!!」

 

そう言いながら、ボーボボと天の助はフワフワと楽しくバトミントンをしていた

 

「危機感全然感じねーー!!!!ていうかボーボボさんが原因ですよね!?」

「分かったぜヘッポコ丸!!首領パッチは必ず助け出す!!!」

 

隣の天の助をどこからか用意した大砲にセッティングすると導火線に火をつける

 

「天の助が!!!」

「ええ、オレ!!?」

 

発射されるところてん砲の前に、別のキャベツが現れた!

 

「いってらっしゃーい!!」

「食バトル上等ーーーー!!!!」

 

高速で飛び出した天の助は1番近くのキャベツに直撃し、カッとフラッシュする

 

ところてんのキャベツ巻き洋風白ソース和えソテーが完成した

 

「変な料理出来た!!!」

 

キャベツを片っ端からスティールしまくってたカズマが出来上がった変な天の助料理にツッコむ

 

なぜか外に用意されたクロステーブルの上に天の助料理を置き、座っていためぐみんが食す。コックに扮したボーボボが感想を求める

 

「いかがでしょうか?」

「ところてんがドロっとしててキャベツに合いません。マズイです。2点」

「ガーーーン!!!」

「じゃイラネ」

「ぎゃあ!!!」

 

グルめぐみんの口に合わなかったようだ。辛辣な酷評を受けた天の助は、追い討ちをかけるボーボボによって大地に捨てられた

 

「オレに策がある!!カズマ!」

 

ボーボボは近くでキャベツをスティールしまくっているカズマに叫んだ

 

「なんだボーボボ!」

「首領パッチを助けてくれ!あいつはオレたちの非常食だ!!」

「はぁ!!?いや無理に決まってんだろあんなデカいキャベツから……」

 

瞬間、カズマがボーボボの言葉で閃く

 

「あ、そういうことか。スティーーール!!!」

 

カズマが巨大キャベツに《窃盗》のスキルを使う。するとキャベツの体内にいたはずの首領パッチをスティールできていた

 

「オレ非常食扱い!!?」

 

この首領パッチの扱いには、さすがにビュティも哀れに思った

 

「パスだボーボボー!!!」

「わああああああー!!!」

「いくぞ、カズマーー!!」

 

そのままボーボボに向かって首領パッチをぶん投げた。ボーボボはサークルの中で靴紐を整えながら首領パッチを見据え

 

「鼻毛真拳協力奥義「盗んだボールを打ちまくれ!」!!!!」カキン!

 

手に持ったバットで首領パッチを巨大キャベツに向けてかっ飛ばした。首領パッチは野球ボールよろしくキャベツにダメージを与えて吹っ飛んでいったが、カズマがボーボボたちの非常食扱いである首領パッチを再びスティールで盗んでボーボボにパスする、ボーボボはそれを打ち返すを繰り返した

 

「スティール!!パス!!スティール!!パス!!スティール!!パス!!」

「オラオラオラー!!ボールは友達ーー!!!!」カキン!カキン!カキン!

「ぎゃああああああああっ!!!!」

「首領パッチくんー!!!!」

 

滅多打ちにされて、やがて首領パッチと巨大キャベツは力尽きた

 

「おっしゃー!!!ホームラン王獲得!!!」

「やったー!ボーボボとカズマくんのコンビプレーの勝ちだ!!」

「良くやったわカズマ!私の名において、あなたに【華麗なる首領パッチ泥棒】の称号を授けてあげるわ!!!」

「そんな称号で俺を呼んだら引っ叩くからな!……ん?」

 

それに喜んでいたボーボボたちだったが、カズマはキャベツたちの後ろから大量のモンスターが来てることに気づいて焦る

 

「お、おいボーボボ!なんかメチャクチャモンスターが来てるぞ!」

「キャベツに惹かれてモンスターが寄って来たんだわ!早く倒さないとキャベツが根こそぎ狩られるわよ!!!」

「上等だ!!!オレたちの前では敵などいないことを教えてやる!!!」

 

そう言ってボーボボたちは、キャベツを捕まえながらモンスターの迎撃に移った




だんだん暑くなって来ましたね。一昨年まで富山にいたので、大阪の5月の暑さが結構辛く感じて来ました。皆さんも水分をしっかり補給するなりして気をつけてくださいね

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