この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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ちょっとだけネタを前倒しで使います


奥義17 爆裂ボブスレー

「ビュティ、冒険者としての生活には慣れてきたか?」

「うん。ボーボボたちと一緒に旅していた時とは違ってすごく新鮮だよ、ダクネスさん」

「そうか、それは何よりだ」

 

ギルドのテーブルにつきながらビュティとダクネスは話をしていた

 

その横のテーブルでは、キャベツ収穫の時に格安のレタスだけを大量に捕まえてしまったアクアと首領パッチがうつ伏せで突っ伏していた。女神の方は嗚咽を漏らしながら震えている

 

2人は見なかったことにした

 

「カズマたちは今どこに?」

「カズマくんはめぐみんちゃんの日課(爆裂)に付き合ってて、ボーボボはへっくんと天の助くんと一緒にクエストに行ったよ」

「何!!今この街の近辺の廃城には魔王軍の幹部が住み着いているから、高難易度のクエストしか残っていないはずだが!?」

「うん。だからへっくんの修行も兼ねて行くって」

 

それを聞いたダクネスは悔しそうに拳を握り締める。(はた)から見れば仲間の無謀を止められなかったことを後悔してるように見える

 

「くっ…なぜ私に一声かけてくれなかったのだ。そうすれば今頃恐ろしいモンスターとボーボボの容赦ない攻撃の板挟みを味わえて………んっ……」

「今興奮したでしょ」

「してない」

 

実際はひどい理由であった。とある露出狂とは別ベクトルの変態性にジト目で見るが、それすらもダクネスにとってはご褒美なのだから始末に負えない

 

「ああ、普段仲良く話している仲間からのゴミを見るような視線…実にいい…」

(カズマくん、早く戻ってきてくれないかなぁ)

 

目の前のクルセイダーを唯一制御できるパーティメンバーの早い帰還を望みながら、ビュティは水を飲んだ

 

一方、カズマとめぐみんはというと……

 

「『エクスプロージョン』ッッッ!!!!」

 

めぐみんの魂の叫びが響く。破壊の爆裂がカズマとめぐみんがいる崖から見える巨大な古城を大気ごと揺らした

 

「うーん、凄まじい爆裂だが、いつもと比べて振動が弱々しいし大気の揺れもあまくズンと来る感じじゃない…お前もしかして今日体調でも悪いのか?」

「おお、そこまで分かるようになりましたかカズマ!実は今日もヘッポコ丸からおかずを貰おう(奪おう)としたら見事に防衛されてしまいまして……ですから今日はいつもよりお腹が空いています」

(あいつも慣れてきたな…)

 

ボーボボ組の中で1、2番目にはめぐみんと交流があるオナラ少年をカズマは哀れんだ。そして魔力切れで突っ伏しためぐみんを運ぼうとカズマが近づいたその時

 

ガサガサ!!

 

「!!なんだ、モンスターか!?」

 

茂みから聞こえる物音にめぐみんを背負いながらカズマはジリジリと離れ

 

バッ!!

 

白い布を全身に被ったタラコ唇の変な生き物が現れた

 

(オ◯Qみたいなの出たーーー!!!!)

 

皆さんはご存知であろう!そう、この男こそが!僕らのアイドル、サービスマンである!!

 

「…………」

「な、なんだ…?」

 

警戒するカズマの心中を知ってか知らずか、サービスマンは布をめくってサービスする!

 

「ハイッ!!」

「ッーー!!!」

「…?」

 

硬直するカズマ、背中にいるからサービスマンのサービスが見えていないめぐみん。サービスマンは言う

 

「サービスだ見とけ」

「オラァ!!!」バキ!

「ぎゃ!!!」

 

力いっぱい殴った。人生で1番いいパンチを躊躇なくサービスマンの頰に叩きつけた

 

「カズマ、いくらなんでも初対面の人に殴りつけるのは私も引くところなのですが」

「いや、お前も見てたら間違いなく爆裂ブッパしてたから…見なくてよかったな」

「?」

 

ゲスでカスなカズマでも、サービスマンの変態行為がめぐみんに見られなくてよかったと心から安堵した。めぐみんはただただ疑問符を浮かべる

 

ガサガサ!!

 

「って、今度はなんだ!」

 

再度茂みから物音がなり、大きな影が4つ飛び出す!

 

バッ!!

 

「グオオオ!!!」

「ヘッポコ丸!!!そっちを抑えてろよ!」ゴォォォ!

「ハイ!ボーボボさん!」ゴォォォ!

「止まれー!!動くなー!!」ゴォォォ!

「掃除機に乗って戦っとるーーーー!!!!」

 

カズマが見たのは、掃除機で爆走しながら巨大なクマと戦闘するボーボボとヘッポコ丸と天の助の3人だった。ヘッポコ丸が変な戦い方にノリノリなのがよりカズマを困惑させる

 

「ヘッポコ丸、オレと天の助のあとに続け!!!」

 

言うやボーボボは掃除機の先端だけで宙に浮いて走り、すれ違いにクマに掃除機のボディを叩き込む

 

「鼻毛真拳奥義「ベアークリーニング」!!!!」

「スゲーバランス!!どう走ってんだそれ!!?」

「奇怪な姿勢ですね」

 

明らかに倒れそうなバランスなのに倒れないボーボボを見て、2人は感想を言った

 

「おっしゃー!!!次はオレの番だ!」

 

天の助もボーボボと同じように掃除機を操作して

 

グラッ

 

「あ」

「グオオオ!!!」ドガ!!

「ぎゃああ!!!」

 

…たところでバランスを崩し、そこにクマの右フックが天の助の頰を捉えた

 

「あーーーれーーー」

 

サービスマンを巻き添えにして崖から落ちていく

 

「天の助ーーー!!!!」

「なに?」

「え!?あれ?え!?」

 

隣で普通にいる天の助に、カズマは崖下と天の助を何度も交互に見た

 

「今だヘッポコ丸!!」

「うおーー!オナラ真拳奥義「如月」!!!!」

「グオオオ!!?」

 

クマに打ち込んだオナラの塊が衝撃で霧散し、その臭いによって激しい吐血と同時にクマは倒れ伏した

 

「よくやったぞヘッポコ丸!!!修行は合格だ!」

「ありがとうございますボーボボさん!」

「あんなのが修行なのかよ!!?」

 

当然のように受け入れているヘッポコ丸に軽く恐怖を覚えるカズマであった

 

背負われてるめぐみんに対して、天の助が問いかける

 

「お前らはなんでここにいるんだ?」

「1日1爆裂を満たすために、1週間前から毎日、あの城に爆裂魔法を撃ちにきてるのです」

「オレはボーボボさんの修行をしてたから知らなかったな」

 

腕組みしながらヘッポコ丸は古城を見た。あの尋常じゃない魔法を1週間も撃ち込まれて、未だ原型を留めているとは頑丈な古城なものだと思った

 

「それじゃあオレたちもアクセルの街に戻るか」

「俺、めぐみん背負ってて動けねえから護衛してくれねえか?」

「なら、これで一気に行こう」

 

そう言って取り出したボブスレーにボーボボとヘッポコ丸が乗り込む

 

「それで!!!?」

 

カズマは驚くが、さらに驚くことにボーボボはカズマと天の助の両足に鼻毛を巻きつけた。カズマは嫌な予感を感じる

 

「ちょ、ボーボボ、この鼻毛ほど」

 

しかし無視

 

「出発!!!!」ギュン!

「イダァァッダダダダダダ!!!!」ズザザザー!

「カズマーーーー!!!?」

 

物凄いスピードでカズマと天の助は鼻毛に引っ張られながら引きずり回された。痛みに堪えながら隣を見ると、腹にコーヒーの入ったカップを乗せながらタバコをふかして読書をするメガネの天の助がいた

 

(くつろいでるーー!!!!あれ、そういやめぐみんは?)

 

ふと、自分が背負っていた爆裂娘のことを思い出すが、よく前のボブスレーを見てみると、ヘッポコ丸の後ろの空席にめぐみんが座っていた

 

(1人だけすでに脱出してるーーー!!!?)

「ぎゃあああああああああ!!!!」

 

なぜ、なんて考える暇があるわけもなく、さらに加速するスピードの中でカズマと天の助は森の中をスライディングし続けた




本来ならサービスマンはバニルがいる遺跡の中でカズマとダクネスと首領パッチの3人の前で最初に出てくる予定でした…けど昨日6巻読んで、つい書いてしまった

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